株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
『雲水日記』・・本。
最近、ワタクシ的にはこんなに面白い本はありませんでした。
『雲水日記』(禅文化研究所刊)~絵で見る禅の修行生活~というサブ
タイトルがついています。
帯に「禅堂入門から僧堂の歳時記まで、古来からの伝統に従って行われる
禅の専門道場での修業生活を96枚の飄逸な漫画で描く」とあります。
画・文を書かれたのは、佐藤義英という禅僧で、京都東福寺(臨済宗)で
修行ののち、三重県上野市法泉寺に住職されましたが、病を得て昭和42年
47歳で世を去られました。病床にあった10年の間に、東福寺での修業体験
をもとにこの絵日記風の画文を書きあげられたそうです。
写真【本の表紙】「雲水日記」絵で見る禅の修行生活 画・文=佐藤義英
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
茶・華道、料理など禅の文化は現代の私達の生活に深く根付いていますが、
何より興味を惹かれるのはそのシンプルで究極のエコとも言うべき日常。
一般の人の飾り立てた余計なものばかりの「衣・食・住」から、これだけ
あれば生きて行けるという「基本」に徹するための粗衣粗食と「起きて
半畳、寝て一畳」といわれる僧堂での生活は、そのままが修行の一環。
「己事究明」に必要なもの以外は一切排除されるというわけです。
禅師、禅僧となるには、学歴や社会でどのような地位にあろうと一切関係
なく、全て専門道場での修業を終えなければならず、宗門の大学を卒業した
としても関係ないと書かれています。
エッソ石油の副社長から、60歳を過ぎて金沢の大乗寺で修行され、総持寺の
要職まで務められた松野宗純師が、近くの越前市地蔵院住職をお勤めになら
れた数年間、「地蔵人間塾」でお話をお聞きしたことがあります。
現代版寺子屋のようなもので、禅に対する興味が深まりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本は、志を立てて郷関を出るという「初行脚(はつあんぎゃ)」に始まり、
戒律と鳴らしものといわれる鐘や太鼓や打板の合図によって一定のリズム
に乗りながら整然と一日の生活が流れる様子も描かれていますが、そこは
枯淡の境地には程遠い新米雲水、失敗談や公案に苦しむ姿、坐禅の法悦、
托鉢の喜びなどが生きいきと楽しいマンガと文章で活写されています。
私、「禅・禅宗」の教義などについてはほとんど門外漢、いわばフアンの
ような者ですが、行雲流水からきていると言われる雲水の修行生活日記は、
楽しい禅の案内書としてとても楽しめました。
実はこの本、調べてみると初版は1972年、40年近く前に書かれています。
ちょうどその頃から日本は高度成長に入り、物質的には栄華を極める時代
になっていきます。その半面、失ったものも多いとされていますが、その
後の40年の間に雲水たちの日常に変化があったのかどうかも気になるとこ
ろです。しかし日本に入ってからでも七百年以上の歴史を持つ宗教的思想
の禅が簡単に変わるとも思えません。
宗派のサイトがあり、弁事(私用外出)のついででしょうか、雲水がマック
でくつろぐ現代的な風景なども目にすることがありますが、それはあくまで
表面上のこと、厳しい僧堂での修業は、今もほとんど変わっていないのでは
と想像しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大掃除をしてかなりの書籍・雑誌の類を処分しました。積み上げた本の
中に、私が買った覚えがない本が見えたのがこの「雲水日記」でした。
亡父の居室だった部屋を娘たちが始末したのでそこにあったのでしょう。
父あてのはがきがはさんであり、近所の禅寺から頂いたもののようです。
見つけたのもありがたい仏縁。いいものを残してもらったと感謝です。
禅の修行生活 - 入門編 -「安単」
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スタッフ日記 / なおくま店長日記 / 日と月・エチゼンニッキ / よしくま日記
『雲水日記』(禅文化研究所刊)~絵で見る禅の修行生活~というサブ
タイトルがついています。
帯に「禅堂入門から僧堂の歳時記まで、古来からの伝統に従って行われる
禅の専門道場での修業生活を96枚の飄逸な漫画で描く」とあります。
画・文を書かれたのは、佐藤義英という禅僧で、京都東福寺(臨済宗)で
修行ののち、三重県上野市法泉寺に住職されましたが、病を得て昭和42年
47歳で世を去られました。病床にあった10年の間に、東福寺での修業体験
をもとにこの絵日記風の画文を書きあげられたそうです。
写真【本の表紙】「雲水日記」絵で見る禅の修行生活 画・文=佐藤義英
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
茶・華道、料理など禅の文化は現代の私達の生活に深く根付いていますが、
何より興味を惹かれるのはそのシンプルで究極のエコとも言うべき日常。
一般の人の飾り立てた余計なものばかりの「衣・食・住」から、これだけ
あれば生きて行けるという「基本」に徹するための粗衣粗食と「起きて
半畳、寝て一畳」といわれる僧堂での生活は、そのままが修行の一環。
「己事究明」に必要なもの以外は一切排除されるというわけです。
禅師、禅僧となるには、学歴や社会でどのような地位にあろうと一切関係
なく、全て専門道場での修業を終えなければならず、宗門の大学を卒業した
としても関係ないと書かれています。
エッソ石油の副社長から、60歳を過ぎて金沢の大乗寺で修行され、総持寺の
要職まで務められた松野宗純師が、近くの越前市地蔵院住職をお勤めになら
れた数年間、「地蔵人間塾」でお話をお聞きしたことがあります。
現代版寺子屋のようなもので、禅に対する興味が深まりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本は、志を立てて郷関を出るという「初行脚(はつあんぎゃ)」に始まり、
戒律と鳴らしものといわれる鐘や太鼓や打板の合図によって一定のリズム
に乗りながら整然と一日の生活が流れる様子も描かれていますが、そこは
枯淡の境地には程遠い新米雲水、失敗談や公案に苦しむ姿、坐禅の法悦、
托鉢の喜びなどが生きいきと楽しいマンガと文章で活写されています。
私、「禅・禅宗」の教義などについてはほとんど門外漢、いわばフアンの
ような者ですが、行雲流水からきていると言われる雲水の修行生活日記は、
楽しい禅の案内書としてとても楽しめました。
実はこの本、調べてみると初版は1972年、40年近く前に書かれています。
ちょうどその頃から日本は高度成長に入り、物質的には栄華を極める時代
になっていきます。その半面、失ったものも多いとされていますが、その
後の40年の間に雲水たちの日常に変化があったのかどうかも気になるとこ
ろです。しかし日本に入ってからでも七百年以上の歴史を持つ宗教的思想
の禅が簡単に変わるとも思えません。
宗派のサイトがあり、弁事(私用外出)のついででしょうか、雲水がマック
でくつろぐ現代的な風景なども目にすることがありますが、それはあくまで
表面上のこと、厳しい僧堂での修業は、今もほとんど変わっていないのでは
と想像しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大掃除をしてかなりの書籍・雑誌の類を処分しました。積み上げた本の
中に、私が買った覚えがない本が見えたのがこの「雲水日記」でした。
亡父の居室だった部屋を娘たちが始末したのでそこにあったのでしょう。
父あてのはがきがはさんであり、近所の禅寺から頂いたもののようです。
見つけたのもありがたい仏縁。いいものを残してもらったと感謝です。
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