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2011年03月26日(土)更新

「備えあれば憂いなし」・・とはいうけれど。

連載499回。マージャンで言えば“ラス前”です。
私的なことですから別に500回にこだわる必要はないのですが、まあ
行きがかり上ということで。

加えて来週28日には、このブログシステムが新バージョンに移行し、
数日UPできないこともあるそうなのでそれまでに到達したいな、と。

前回記事に、新保さん、庄山さん、高嶋先輩、寺田さんから過分なコメント
いただきありがとうございます。「経営者会報ブログ」を書かせてもらって
本当によかったです。
日本実業出版の酒井さんからも心温まるお電話をいただいて感謝です。

+++

先日、いよりんこと井寄さんからも「経営者会報ブログ卒業ですか。淋しい
ですね」とメールをもらいました。いよりんさんの「初出版記念パーティー」
に堂島ホテルに伺い、古芝さんはじめ“いよりん親衛隊”(?)の皆さんに
お会いしたのもつい昨日のことのようです。

あれから早くも井寄さんの4冊目の本が間もなく書店に並ぶようですから
ホントにすごい。
ご本人の努力、パワーもさることながら「経営者会報ブログ」の縁者の皆
さんの応援も大いに力になったことでしょう。

+++

一昨年の初夏でしたか、その井寄さんと新保さんが弊社に来られました。
新保さんは新装の「サンダーバード」に乗りたかったそうで、併せて吉川
壽一さんの「書」Tシャツの制作現場も見たいと。(たまたま本人も来社
していて喜んでもらえました)。井寄さんは本を出すための取材でした。

車中、お二人は話に夢中で「福井」で大慌てで下車、井寄さんは携帯を
置き忘れるというハプニングなどもありました。(無事回収されました)

三人でお昼を食べているとき、問われて私の経営に対する考え方みたいな
ものをお話しました。

「時代に恵まれてやってこれたけれど、特にモノづくりはマーケットや
ニーズが無くなれば終わり。努力も勤勉も大切だけど、そういう意味で
“次”をいつも考えておくことかな。「備え」ということでしょうか。
でも、“一度も本番出動が無く退役した村の消防車”が最高のように、
社長として、あるいは人生の終わりに当たり、“一業専心”だったな、
“無事”だったな、備えていたけれど必要なかったな、となれば最高じゃ
ないかと思います」というようなユルイ話(笑)をした記憶があります。

+++

バブルも失われた20年もそして何より私をも「過去」のものとして、
予測される厳しいそして不安な時代を元気に明るく乗り切っていって欲しい
と2度目の「経営計画(5年)」を作秋から会計士さんと後継者を交えて
策定中でした。

「ムダ・ムリ・ムラのないコンパクトな会社を目指す」ことでなんとか
5年後の目標BSは出来たのですが、突如、この国の経済・経営・生活を
覆すような天災が起きました。前提から練り直さねばならないでしょう。

今回日本を襲った歴史上稀な巨大地震・津波は、小さな「備え」などを
吹き飛ばすほどの大自然の猛威でした。

「無事」という言葉の意味、大きさを考えさせられる毎日です。


          *************

<忘れられない日の記録>

1)3月11日にアメリカのNOAAが初めて公開した水深測量図他の写真
(拡大するとなおその凄さがわかります)
太平洋の水を抜いてしまうとどんな地形になるか、という図で、この
プレートマップを見ると日本列島というのが本当に崖っぷちにあるという
のが分かります。他の写真もすごいが、アメリカという国はすごい。

2)こちらはNewYorkTimesのウェブサイト
日本の新聞などでは見られない、心をえぐられるような写真の連続です。
思わず涙します。

株式会社横山工藝 横山国男

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2011年03月22日(火)更新

私が考える「プロフエッショナルの条件」

ブログ事務局の田中さんから、経営者が考える「プロフエッショナルの
条件」とはどんなものか、という質問がありました。(第230弾)
最近は事業承継のことも念頭にあるので時々そういうことも考えることが
あります。

+++

一つはプロというのは、「完成形」がイメージできなければならない、と
いうこと。そのためには「想像力・創造力」が必要ですが、過去にどれだけ
の知識や経験を積み重ねてきたか、という「引き出し」の多さもベースに
なると思います。

プロの経営者であるなら、意識する、しないにかかわらず次のような思考を
ある時は素早く、ある時はじっくり実行しているのではないかと。

1)案件・懸案・事象・状況などを正しく「理解」する
2)狭雑物をとりのぞき理解できたと思ったら、次にやるべきこと、求め
 られていることをきちんと「判断」する
3)「決断」する
4)「実行」する

「完成形」といっても商品・製品のような形あるものだけでなく、ビジネス
モデルやサービス形態なども含まれますが、「お客の求めに応え最高の
パフォーマンス」を常に考えている、すなわち「(それも美しい)完成形」
をイメージしている一例として、プロサッカー選手なども挙げられると思い
ます。この場合は、上記4つの思考と行動が瞬時に行われる時が多い。

+++

500回を機にブログを休止したいと思っていますが、改めて「経営者」
「社長」とは、と考えてみれば

         組織の経営に責任を持つ者   

という単純明快なものでしょう。

小企業の社長というのは、日々小さなことから大きなことまで「意思決定」
の連続で、しかも間違えたくありません。また間違えた場合は素直に認め
る勇気を持ち、元へ戻ってこの4つ
   「理解する・判断する・決断する・実行する」
を繰り返していくほかに方法はないと自分流ですがそう考えています。


株式会社 横山工藝
横山国男

2011年01月01日(土)更新

この一年は“なんくるないさぁ”で。

能面

明けましておめでとうございます
新年を迎えみなさまのご多幸ご繁栄をお祈り申し上げます



           

 *  *  *

先の見えない時代ですが、「なんくるないさぁ」と思って、笑顔を増やす
一年にしたいです。今年もよろしくご指導お願い申し上げます。

     能面「翁」 (政所若宮八幡神社所蔵 滋賀県永源寺町)
     天下泰平・五穀豊穣・子孫繁栄を祈る神事に使用


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2010年12月03日(金)更新

なぜ人気がない?「事業承継・後継者育成セミナー」

福井県中小企業応援センター、県商工会連合会が主催する表記セミナー
「帝王塾」が、11月末から12月初めまで6回開かれる(無料)という
新聞告知があったので、娘夫婦に「行ってみる?」と聞いたら、夜2時間
半なら出れるということで「定員40名だからすぐ申し込んだ方がいいよ」
と話しました。

「帝王塾」とはすごいネーミングだな、と思いましたが、先日第1回の
レジュメを見せてもらったので感想を。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

申し込み者が21名しかいなかったそうでちょっと意外でした。
第一回の講師は、中小企業診断士の塩野富佐男さんで「事業承継対策の
必要性」というテーマ。
冒頭に「会社が会社として存続し続けるための中長期的ビジョンを考える
こと」と事業承継セミナーの意義を述べられ、
・後継者育成、円滑なバトンタッチは、経営者の最も重要な責務のひとつ
・家族、従業員、取引先、地域への義務を果たす
・不測の事態に備えておく必要がある
・遅すぎることはあっても、早すぎることはない
・経営者が60歳を過ぎて、後継者が明確でないと銀行も融資に慎重になる

いずれも納得できることばかりです。そのほか資料を一通り読ませてもらい
ましたが、その中のグラフで象徴的だと思ったのは、会社代表者の平均
年齢が、大企業では30年前と変わらず63歳なのに、資本金1千万以下の
企業では、5歳も上がっているということ。高齢化だけでなく、後継者難
という問題もあると思います。

一昨日、2回目の講義は○名に激減してしまったとのこと。(なにか主催者
の落胆が想像されて人数を書けません)。「どうせ無料なんだから」などと
いう理由なら、2代目、3代目さんの承継への意欲にもいささか疑問を感じ
てしまうのですが・・・。

応援のつもりで2枚のグラフを転載させてもらいます。

会社代表者の平均年齢の推移

日本人(男性)の簡易生命表
<帝王塾 第1回資料から>


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2010年10月21日(木)更新

【学生・社会人との毎週一問百答】~「学びの意味」について

〈ご質問〉----------------------------------------------------

 先日、塾の生徒である中高生に「なぜ学ぶのか」と質問され、
 私は「一人の人間として成長するため」と答えました。
 経営者のみなさまだったら、この質問にどのようにお答えになりますか?

       (明治大学商学部 北川隆浩さん)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なぜ学ぶのか」に対する答えはいろいろあって書き切れないような気も
します。
私のブログの右欄“個人プロフイール”に「知るは喜び、調べるは楽しみ、
分かるは感動、学ぶは一生」と記してあります。(どなたが言った言葉か
知りません。昔、ああいいな、と思ってメモしておいたものです)。

知る、調べる、分かる、などは「知識」が増えたことになり、それも学んだ
成果ではありますが、本当の“学ぶ”は、それをさらに「知恵」(智慧)に
していくことが大事なのでは、と思います。

学者とか研究者とは違い、経営者は人、社会、自国、世界、他企業などの
動きに無関心ではいられませんし、その中で企業活動を続けていくためには
「知恵」が求められます。従業員以上に「脳に汗をかく」と言い換えても
いいかもしれません。

本を読む、ネットを使う、セミナーに出る、そして人に会うなどはすべて
自社の経営を考える機会となり、いい知恵が得られたら、といつも思って
います。

そこで「なぜ学ぶのか」という問いに対する私の答えは、北川さんと同じ
ですが、もう一つ「一人の経営者として成長するため」ということになる
でしょうか。


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2010年10月04日(月)更新

2度目の「経営計画」

週末は顧問の税理士に来ていただいて、我々夫婦と後継者夫婦を交えて
これからの経営・事業についていろいろ話し合いました。

今までの税務中心の制度会計ではなく、「経営会計」を標榜する会計事務所
と判断しましたので、6年ほど前からお世話になっています。

担当税理士のkさんには、後継者に、経理や財務、資金繰りなどの実務の
指導を超えて、「経営者としての心構え」なども、彼らと同年代の立場から
アドバイスをして頂けたら、と最初にお願いしました。本当によくやって
いただいて感謝しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

5年前に、1回目の「経営計画書(3年)」作成をお願いして、最終的には
なんとか達成され(かなりラッキーな面もあったのですが)これらの計画書
は小規模な事業所にとっては、対銀行さんとの交渉などにも大変役にたちま
した。

あれから2年ほど経つわけですが、想像以上に環境は変わりました。
このままでは数年後には事業継続すら危ぶまれる、という危機意識で一杯
なのですが、なかなか先は見えてこない。

私の依頼で、kさんから後継者にプランの作成、覚悟のほどを確かめようと
しているのですが、もう一つ具体的になってこないので、2度目の
「経営計画」をやることに決めました。費用もかかるのですが・・・。

話し合いの中でいろいろ考えていることも聞きましたが、置かれている
状況や、これからの自社の業種・業態の見通し、その中で自分たちは何を
どうしようとしているのか、に確たるものがあるとは思えないところが
不満です。漠然とした精神論みたいな話では困ると言いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

要は、
「5年後に、自社のBS(貸借対照表)がどうなっていなければならないか」
の一点に尽きるのではないかと思うのですが。

現在は、乱気流の中を飛ぶ飛行機のようなもので、飛行機自体も旧式で
エンジンの出力も落ちている、こういう中で「操縦を代われ」というのも
考えてみれば酷な話ではあります。

なんとか無事に着陸出来るよう、後継者とも力を合わせて、私の責任者と
しての最後の5年にしたい、と考えているところです。



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2010年10月01日(金)更新

「持続可能な発展」を目指したい

今日から10月。誕生月(68歳)でもあり、私の職業人、経営者として
意味ある節目の2010年10月にしたいと密かに決意しています。

4年前の夏の終わりころから書き始めたブログも458号、総訪問者が
8万を超えて、これが多いのか少ないのか分かりませんが、いろいろ勉強に
なりました。あらためて読んで下さった方にお礼申し上げます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の場合、ブログを書いてきた理由の一つに「会社の信用補完」という
目的がありました。

5年ほど前から、新部門として主にインターネットを利用した、よさこい・
祭り・太鼓・ダンス・イベントなどのオリジナル衣装を手がけてきました。
しかしオーダーですので、途中キャンセルされては大変困ります。

それで、デザインから素材の調達、縫製やプリントなどの協力先を含めた
加工があるので、費用の半額を前払いして頂くシステムをとっています。

しかし、チームの代表者の方や衣装担当さんからすれば、ケースによって
時には数十万円もの前金を支払うのは、責任もあり、こういう時代です
から大変不安をお持ちになっても不思議ではありません。

30数年の社歴があり、会社概要を載せていても、それだけでは担保になら
ないのでは(明日も大丈夫とは限らない)と思いました。
それには経営者・スタッフの人となりを知っていただくことで、そういう
不安をわずかでも減らせる役目をブログがしてくれるのではと考え、書いて
きました。

4年457回、猫をかぶり続けることが出来る回数でもないでしょうから、
良くも悪くもこれが私であります。・・これからもよろしくお願いします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リーマンショック以来、世界の経済がおかしくなっていますが、なかでも
いち早く高度成長達成、成熟・高齢化社会を迎えた日本の悩みは深いもの
があります。キャッチアップすべきモデルはありません。
たびたびリーダーが変わるのもそのあたりに原因があると思います。

現代経済学はすでに破綻しているという意見もあります。
最近は限りある資源の有効活用、地球環境の保全などから「持続可能な
(サスティナブル)経済・社会」という考え方も大きくクローズアップ
されるようになりました。

そうなら、企業経営者も単なる企業の永続性を言うのではなく「持続可能
の経営」を考えるべき時にきている・・・それが私が冒頭で述べた小さな
決意の意味です。

このままでは、日本からますます就業の場が失われる恐れがあります。
企業を経営、維持することは社会の安定にも貢献し、大変尊いことだと思う
のです。

そのためには、働く意味、人・モノ・カネ・情報といわれる経営資源の有効
な利用の仕方など、あらためて経営者が発想を転換し、勉強をやりなおさな
ければならない時がきており、会社を作り変える決意が必要だ、と考えて
います。モデルを求めるのではなく、自分で、自社で創造できるかが鍵
だと。

「持続可能な社会・経営」を解くキーワードとして、石油危機を予言、
現代社会の物質至上主義と巨大技術信仰を告発し、今再び注目されている
‘80年代の好著、シューマッハーの「スモール イズ ビューティフル」
(講談社学術文庫)を読み直しています。

               ***

“萩の寺”としてこのあたりでは有名な近所の禅寺「瑞源寺」です。
今年は異常な猛暑の夏だったからでしょうか。まだ赤や白のたくさんの萩の
花を見ることができました。

「瑞源寺」


    
臨済宗 妙心寺派。 藩主松平候の菩提寺で城内の建物を移築した旧跡で
すが最近修復されました。戦後、姉たちはここで茶道や華道を習い、後年、
私も何度か坐禅に通ったことがあります。
いわば当時の地域のカルチャーセンターだったんですね。


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2010年09月27日(月)更新

「最小不幸社会」か「国民総幸福社会」か。

「最小不幸社会」ってどういう社会のことなのか、耳慣れない言葉でよく
知らないのですが、対する言葉としては「国民総幸福社会」というのが
あるようです。

今年4月、「今こそ、日本を洗濯いたし申し候」というテーマで、第23回
全国経済同友会セミナーが高知市で開催され、企業経営のトップ900名余
が参加されたそうです。

基調講演はあの「国民総幸福」(GNH=Gross National Happiness)
指標で97%の国民が幸福だと思っているという、ブータンのジグミ・
ティンレイ・ブータン王国首相。(講演内容は『経済同友』・2010年6月号
に掲載されたのでお読みになった方もおられると思います)

(注)ブータン王国はヒマラヤ山脈東部に位置し、人口200万人程度の小国。
チベット仏教が国教となっている。首相は、1950年生まれ。米国ペンシル
ヴァニア州立大学修士で、デンマーク、スウェーデン、EU、スイスなどの
大使、さらに外相、内務・文化相を歴任。現在3度目の首相の座にある。
趣味はガーデニング、ゴルフ、トレッキング(山歩き)。

たまたま『安原和雄の仏教経済塾』というブログを読ませてもらって、
ティンレイ首相の講演内容に触れた部分、特に今自信喪失気味の日本人に
送られたエールに感じたものがあり、転載させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「国民総幸福とは(2)」  (1)は略させていただきます。

ブータンでは大家族を社会の中で最も強い持続可能性のある経済的、社会
的、精神的なセーフティネット(安全網)として、重要な社会資本ととらえ
ている。福祉サービスは、豊かな国であっても、コストが高くつく。
 5年前に行われたブータンの国勢調査では、「そんなに幸福ではない」と
答えた人の割合は3%、「幸福だ」と答えた人は52%、「とても幸福だ」は
45%だった。ブータンではこれだけの幸福の度合いがある。

GNHのインデックスは主観的なデータに基づいており、幸福も主観的な考
えだから、どんな社会もこれを基にして統治することはできない、という
議論がある。しかし現実というものは基本的に主観的なものである。そして
国家の主たる義務は、国民が幸福を追求できるようにすることなのである。

日本が今回の経済危機で痛手を受けたとしたら、それはGDP中心の繁栄を
手にした結果ではないか。日本は、成功の頂点を極めたわけだが、これを
継続することはできない。日本人の知恵で、新しい経済、新しいやり方、
新しい暮らし方を探り、早急に挑戦していくという強い意志が必要である。

日本はあの壊滅的な被害を受けた世界大戦の灰から立ち上がった国である。
これほど強靭な回復力を見せた国民は世界にはない。そしてユニークな文化
を持っている。規律、勤勉、尊厳、誇り、不屈の精神、イノベーションの力
を持ち、世界から尊敬された国で、より持続的な価値を追求する能力がある
はずである。

日本こそ、ほかのどの豊かな国よりも真の幸福に向かって歩み、GNH社会を
作っていくのに最も適した国だと確信している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これが人口200万の国の首相から、家族崩壊、ゆがめられた個人主義、身勝
手主義が横行している人口1億2千7百万の国への助言です。(安原和雄さん)

それでも、私は、ティンレイ首相を講演に招いた日本の経営者たちに希望を
感じていますが、願わくば日本の首相に「最小不幸社会」などではなく、
このようなお話を国民に向かって語ってもらいたいと思いました。



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2010年09月14日(火)更新

「脱亜入欧」から「脱欧入亜」?

昨日は市内のロータリークラブ(RC)に招かれて短い講演をしました。
ロータリークラブに限りませんが、いろいろな奉仕団体、異業種交流や
職能団体など会員の減少に悩んでいるところは多く、会費収入の減少で
解散を考えている業界団体もあると聞きます。

RCも100年も経つと、自己変革できなければ制度疲労を起こすのは当然。
昨年会長としてボーイスカウトとの協働を企画しましたが、ボーイスカウト
も100年余りの歴史があり、こちらは少子高齢化の影響も受けています。

100年・・1世紀。 短いようで長い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夏目漱石が英語研究のため文部省の派遣で英国へ留学したのは1900年。
9月8日に横浜を出発。 上海、パリ(万博見学)を経由してロンドンに
着いたのは10月28日。50日かかっています。33歳の時でした。

この程、ロンドンの下宿前にある「ロンドン漱石記念館」内に、英国留学
110周年を記念して、漱石の等身大胸像が設置されたそうです。

“等身大”で思い出すのは、ある日、漱石が道を渡ろうとすると、向こう
から、背の低い猿のような黒っぽい異様な足の曲がった生き物がこちらへ
歩いてくる。それがショウウインドウのガラスに映った自分の姿であると
気付くのに時間はかからなかったという話ですが、かなりメゲたようです。

こういう日本人の体形からくる劣等感や少ない留学費は、軍事や医学研究
での留学とは違う、文系の漱石にはかなりつらいものだったようです。
本を買いたいため、水とパンだけの日を続けたともあります。
それは滞在中も帰国後も苦しめられる神経衰弱、胃弱の遠因となったよう
にも思われます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以前、ある方のブログで、これからはアジア(亜細亜)の時代。今までは
十数時間もかけて飛行機で米国や欧州へ行かねばならなかったが、今後は
米欧の人が来る番だ、短時間でアジア各地へ飛べる日本は有利なのだと。

最大のマーケットでもある中国にしても、遠い距離、困難な中国語習得など
欧米人には不利。同じ漢字文化の国、最後は筆談でもやれる日本人には大き
なチャンスだと思いませんか?という内容だったと記憶しています。
「なるほど、そういう考え方もできるな」と感心した次第。

漱石が苦しんだ「人種差別」や、いわれのない「嫌○○」などはあっては
ならないと思います。アジア抜きには語れない時代になったのですから。

「脱亜入欧」ではなく「脱欧入亜」?という言葉が浮かびました。
私が初めて使った言葉なら嬉しい、と思いましたが、残念! 
Googleで検索したらちゃんと出てきましたヮ。


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2010年05月25日(火)更新

将来の人類に必要なんです、という経営発想

「『いまの消費者に必要』なんじゃなくて、『将来の人類に必要』という
発想から出発しているんです」


この言葉にグッときました。
これは月刊『文藝春秋』(6月号)大宅賞40周年記念特別企画「足るを
知るひと」~大宅賞作家5人が惚れ込んだ、自らの信念に生きる人々~の
文中に出てきます。

ノンフイクションライター野村 進氏の「バイオで復活した酒蔵の五代目」
~お米の力で新たな素材を生みだした~という文章の主人公=徳山孝さん
(勇心酒造社長・香川県)へのインタビュー時、長男で同社の営業部長を
つとめる孝仁さんが、言葉少ない父親を補足して「いまの消費者・・」と
お話されたようです。

モノやサービスが売れない厳しい環境下では、つい目先の客(消費者)の
ことしか考えないようになりがちですが、こんな風に「人類スケール」で
考えている経営者もおられるんですね・・感動しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで、なぜこのように永いスパンでものをみることができる経営者が
日本に生まれるのか、という背景には、このレポートに野村さんの次のよう
な記述があり、ちょっと得心しました。(転載お許しください)

         ***********

『最近かなり知られるようになってきたが、日本は世界の中でずば抜けた
“老舗大国”なのである。創業千四百年を超える世界最古の企業があるのも
日本なら、世界中の創業二百年以上の企業のうち、その半数近くを占めて
いるのも、ここ日本にある企業なのだ。たとえば、創業二百年以上の企業
は、中国には九社、インドには三社、おとなりの韓国にはまったくないが、
日本には約三千社もある。第二位のドイツが八百社だから、ドイツの四倍
近くもあるわけだ(その理由や背景については拙著『千年、働いてきました
』を参照されたい)』(引用終わり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

酒造業や百貨店に限らず「老舗」の苦境も耳にしますが、「日本のパワー
の源泉=文化力」の衰退こそを憂えるべきなのかも知れません。


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「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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