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2009年07月27日(月)更新

「中期経営計画」が終了。

5年前、事業承継の意志を確認して私が最初に行動したのは、それまで創立以来
25年間お願いしてきた会計事務所の変更でした。

私が家内と終生この小企業を経営していくつもりなら、当社の監査役も務めて頂
いて頼りにしているこの公認会計士さんと継続していったでしょう。

何よりも私が事業承継の第一番に考えたことは、同世代のなんでも相談できる
「経営会計を標榜する会計士」さんを、後継者のパートナーにつけることでした。
私自身がそうであったように、やはり世代が違う、それもかなりご年配の先生で、
何かにつけ前社長の話がでてくるのではやりにくいだろう、と思ってのことです。

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地銀で「企業再生チーム」のリーダーを努めている、若い友人(娘の同窓生)に私
の考えを話し、あらたな会計士さんを紹介していただきました。
前会計士さんにも快くご了承していただき感謝しています。

新規の会計事務所の所長さんに、私の事業承継に対する考え方、方針、当社の
現状を包み隠さずお話し、最初にとりかかったことは「中期経営計画書」を作成
することでした。低迷している業績のなかでは安い費用ではありません。

早いもので、この3月期で4年がたち、いくつかの成果があったように思います。

1.月次決算が翌月中旬までには出るようになった。(本当は10日までにと指示し
ていますが、繁忙期はどうしても延びる傾向があります)
2.消費税や地代、家賃そのほか年に1~2回支払う(しかし必ず発生する費用)
などは毎月に分散引当し、各月の損益を出来るだけ「真水」に近いものとして
「見える化」した。
3.2か月毎に担当税理士を交えて「経営分析ミーティング」を行い、「通知簿」
とも言える「MML=Monthly Management Letter」をいただくことにしました。
(別途料金)。 資金繰り、決算の着地点その他「傾向と早めの対策」に役だって
いると思います。
4.たとえば「目標自己資本比率」などを達成するには、どこをどうすべきなのか
などが明確になりました。

後継者には「数字」の意味を今以上に理解し、勉強してほしいと思います。

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4年前に策定した今3月期の「売上目標」は、最終的にクリアしましたが、それでも
過去の最高の売上にはまだまだ及びません。
中国などの影響を受け、それほど長期低落を続けていたことになります。

しかし、今は会社をどの方向に向けていくのか、そのためには準備や計画をどの
ようにすべきか、について少しずつ明確になりつつあると感じます。

小企業には珍しい「経営計画書」の策定、早い月次決算のデータから問題点の
把握、そして行動を起こすという点では少し進歩したのではないかと思います。

何より、設備資金などの話を銀行とするとき、これらの作成した経営資料、それに
もとづく方針や返済計画が評価されていることを実感します。

あとは後継者が業容を充実させ、足腰の強い(不況に耐えられる)会社に生まれ
変わらせてくれれば、嬉しいのですが。

 中期経営計画書  私が通知簿と呼んでいるMML


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2009年03月17日(火)更新

財務諸表は役に立つか

当社のウエブサイト構築でお世話になった会社の社長から、不定期にメルマガを
頂きます。先日「目からウロコだった」と推奨されている『世界一利益に直結する
「ウラ」経営学』(アスコム出版@1400-)という本を買って読んでみました。

『世界一利益に直結する「ウラ」経営学』(アスコム出版@1400-)

この本は作家・ジャーナリストの日垣隆氏と経営コンサルタント・税理士の岡本吏郎
氏との対談をまとめたものです。

その中に「頭のいい人は財務諸表が役に立たないと知っている」という章があり、
次のような会話が出てきます。

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日垣さんが、「どうも世間では財務諸表を読めるようになったらビジネスや経営に
生かせるものと思っている人が多いようです」との振りに、
岡本さんが、「現在の中小企業の会計に関して言えば、申告目的だけですね。
中小企業の会計は、ほとんど税務会計でしかありません。ですから税務会計の
基準で作られた決算書なんてあまり経営の役には立ちません」。

続けて
「だいたい読み方がわかったところで経営がわかるわけでもないし、数字のセンス
がよくなるわけでもない。経営は身体感覚なのですから。もともと数字のセンスの
ない人が会計の道具として使うということを考えた場合、財務三表というのは最悪
です。難しくて使いこなせるわけがありません。
子供を見ていても、生まれつき数字のセンスのある子とない子との差は明らかです。
苦労して努力しなくても、できる子はスッとできる。幾何学など、みんなが10行くら
い使って行う証明を、3行くらいで簡単に解いてしまう子もいます。
数字のセンスというのは人さまざまで、「こうしたら良くなる」というのはありません。
その人それぞれに合った数字の見方というのがあり、それは言葉にするのは非常
に難しいのですが、自分なりにきちんと数字をとらえられる人は自営でやっていける
人なんです。「決算書が読めれば資金繰りはラクになるでしょうか?」「経営分析が
できれば、悪化している経営を立て直せるでしょうか?」とよく聞かれますが、残念
ながらそんなことはありません。

日垣=決算書が読めて経営がうまくいくなら、会計を勉強した人はみんなお金持ち
になっているはずですね(笑)。 <後略>

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私は数学が苦手でした。しかし当社の優秀な税理士さんが言うことでも「なるほど、
そうですね」と聞いてはいますが、従わないことも結構あります。
それは、会計上あるいは決算上はそうしたらよいと思うことでも、経営上の判断は
また別の考えがあるからです。

設備投資などのタイミングは、経営者にしか分かりませんので、よほどリスキーで
ない限りは私の考えを実行してしまうこともあります。
言いかえれば会計士・税理士さんは、数字から見た助言をして頂ければそれで
いいと思いますし、それはそれで冷静な経営という点でも大切なことです。
ただ小さな企業では社長は毎日「会社がどういう状況にあるか」なんてことは
あらためて数字を見るまでもなく肌でわかっているものです。

間もなく31期目の決算となるのでそんなことを考えました。

横山国男

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2008年10月08日(水)更新

ハナニアラシノタトエモアルゾ

昨日もNYダウは急降下、東証も大きく下げて、ともに10000を割り込むという
数字だけは悲しくも分かりやすい指標に。

関連する仕事に就いている人、投資家の人たちは、まるでジェットコースターに
乗せられているような心地で、特にここ数日間の下げ局面は奈落の底へ向かって
真っ逆さまに落ちていくような恐怖感を味わっているのかも知れません。

金融とか投資とかに無縁ですが、それでもいずれ我々小規模な事業所にも家庭
にも影響がないはずがありません。どうなっていくんですかね。

今回の騒動が起きたころ、日本経済に与える影響を聞かれて「ハチが刺した
 程度」と、我が国の財務相だったかがコメントしていましたが、今でもそのような
認識なんでしょうか。聞いてみたい気がします。

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満開の桜花のようにも見えたアメリカ経済、しかし思わぬ夜半の嵐、突風が襲っ
て・・シチュエーションは違う気もするのですが、思い出すのは井伏鱒二の自由詩。

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

「花に嵐の喩えもあるぞ サヨナラだけが人生だ」のフレーズが、ここしばらく私の
頭のなかをぐるぐるします。

「ウオール街」よサヨウナラ、「ヤッピー」たちよサヨウナラという暗示なんでしょうか。

横山国男

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2008年03月31日(月)更新

今日は大晦日・・決算書(月次、年次)の小さな工夫。

当社は3月決算ですので、今日は日常生活でいうなら大晦日にあたる決算日です。
社長は一年を通して経営を考えることが大事と言われますが、それとて毎月の
月次決算の集積です。

3年前、新しくお願いした会計士さんに、いくつか私からお願いをしました。
それまで27年間毎月立派なコンピュータ会計の分厚い資料を眺めてきましたが、
もとより財務や経理は素人なので、膨大な数字の意味するところをあまり理解でき
ていたとはいえません。

また、忙しさにかまけて毎月の「月次決算」が遅れ勝ちでした。新しい会計士さん
から「仮に半期(6ヶ月)すぎて、赤字が出ていることが判明しても、残り半期でそれ
を取り返すことが主目的になるのでは、これは計画的な経営とはいえません。
月次決算を出来るだけ早くやり、次月にこれを活かしていかなければなりません」
・・要するに傷は浅いうちに修復せよ、ということでしょう。

確かに当社のような業態(加工)では、月末や期末に突然大口のオイシイ仕事が
入ってくるなどということは少なく、また仮にそのようなことがあっても対処できま
せんから、毎月気をゆるめずに頑張る他ありません。

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そこで月次決算の「真水(本当の利益)」を知るため、特別な月に発生する経費を
各月に分割して引き当てることにしました。(消費税、地代、賞与、教育・研修費
など)私の場合はこれでずいぶん分かりやすくなりました。

さらに先日若くて気鋭の担当税理士さんとの打ち合わせで「社長はBS、PLのこの
数字をしっかり見ておくべき」という項目をいくつか絞って作表していただけませんか。
今後3年間はグラフ化もして推移もわかるようにして欲しい、とお願いしました。

早速、「試算表・財務データ分析のツボ」(当社版)が送られてきました。当社版と
いうのは私がつけたのですが、業種それぞれに利潤の上げ方に特殊性があり、
この辺が一般的な経営書ではカバーしきれていない、と私は考えていますので、
新税理士さんにはこの3年間で当社の業態・業務・資産構成などをほぼ掴んで
いただいたのではないかと思いましたのでお願いしたわけです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

企業経営はつまるところ、「成長性」と「安全性」のバランスではないかと思って
います。
零細な企業にはますます厳しい環境を覚悟せざるを得ませんが、常に自社の
本当の姿を目をそらすことなく見つめていきたいと30期の決算日にあらためて
決心しました。

横山国男

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2007年09月25日(火)更新

値ごろ感

モノやサービスの値段について、最近は混乱してしまう事例がたくさんあります。
「100円ショップ」などへ行くと、なぜこのようなものを100円で売ることが可能なのか、多少ともまだこの日本で「モノ作り」に関する仕事をしている身としては「不可解」なのですが、立派に店舗が続いているところをみると、十分に採算がとれているということなのでしょう。

一方サービスについて、例えば銀行の「振込み手数料」などは、逆の意味で「不可解」を禁じえません。「物流」ではありませんし、これだけ世界的にネットワークが進
んでいる中、いわばコンピュータを利用した数字の付替えだけで210円から840円、当社では韓国のデザイン会社へ毎月2~30万のアートワーク料の支払いがありますが、なんと5000円前後の「送金手数料」を銀行に支払います。

当社へ来られる行員の方に、皮肉まじりにこのお話をすると、どこでもこういう話があるとみえて、反論はされません。色々な施策で銀行の利益が回復していますが、
このような「手数料収入」が具体的な金額として決算書には記載されず、見えにくく
なっているのも釈然としません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

10月1日から「日本郵政公社」が民営化の緒につき、「JP日本郵政グループ」とし
てスタートします。

当社の近くの「町の郵便局」へよく行きますが、近所のおばあちゃんが窓口で年金や貯金、保険のいろいろな相談があるのでしょう、懇切丁寧に、大きな声で分かるように何度も窓口のお姉さんが説明している光景にぶつかります。(先日も同じ説明をしてあげたのに嫌がらず・・)勿論世間話の相手にもなっています。

また、かたわらのきれいな待合室では顔見知りのおばあちゃん同志がにぎやかにおしゃべりを楽しんでいます。近くの幼稚園の園児の作品や、ご近所さんの「絵手紙」も壁に貼られていて、喫茶店などとは無縁の高齢者のサロンなんですね。

私も知らなかったのですが、10月1日から郵便局の窓口を利用する「通常払い込み」は、従来の3万円までの150円が330円に、「電信現金払い」は1万円までの送金手数料が今までは180円だったのに630円になるそうです。

公共料金の払い込み手数料などにいたっては、今まで一律30円だったものが、なんと8倍の240円になるそうですから、「改革」とか「郵政民営化」とはこういうことだったのか、それにしてもマスコミがこのような”事件”を事前に報じた気配がないことにはあきれます。このようなことになることを知っていたら、刺客とかチルドレンとかを面白がっていたはずがありません。

公務員改革、小さな政府どれもこれからの日本には必要でしょう。でも郵政省は
旧国鉄などとは違って累積赤字が1円だってあったわけではありません。もう少し段階的な政策がなかったのでしょうか。

全国でおよそ1000箇所の「町や村の郵便局」が消滅するとも言われています。
「おばあちゃんたちの楽しみの場所」がまたひとつ無くなり、都会へ行っている孫へのわずかの「お小遣い」を送るのにも悲しい思いをさせることになるわけです。

横山国男

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2006年10月23日(月)更新

そもそも決算書は何のため

「簿記会計の本質的な目的からすると、決算書は外部の
誰に報告するものでもなく、決算書は倒産を防止するために、
経営者自らに報告するために作成するものであると考えられて
います」。・・・(ウーン!ナルホドと私)


3年ほど前、福井商工会議所報の中の“経営一口アドバイス”に
地元のT会計士さんが書かれた記事を読んで、だんだん収益が
悪くなって不安が嵩じていた私は「そうか、良くも悪くも
自社の実態をハダカにして、そこから始めよう」と考えました。

また「決算書の改善とは経営改善そのものです。改善策の
ヒントは正しい決算書の中にあります」ともあり、当社の場合
長年御願いしてきた全国組織の立派な分厚い「月次報告」よりも、
もっと身の丈に合った、簡明な「月次」の方がわかりやすいので
はないか、と思ったのです。

さらに、遠慮なく、経理・財務面から見た当社の問題点をしつこく、
やかましく指摘していただく、改善の道筋を指導していただくこと
こそ重要ではないかとも思いました。
要するにここでも会計士さんとの「コミュニケーション」が大事
だと。


先週末、新たに御願いしている「上坂会計」の若い税理士さん
と後継者も交え、今月の「月次勉強会」を行いました。


「大分月次の出るのが早くなりましたね、この調子で頑張って
ください」と渡された「MML」(Manthly Management Letter
の略、いわば通信簿です)をもとにいろいろ話しをしました。
表紙が「」でほっとします。月次が赤字だと「ピンク」の表紙
になるのです。

表紙にあるテーマは時々変わりますが、「どこに手をうてば利益
がでるのか
」「どのようにしてお金を残すのか」など、直裁な
フレーズで凄みがあります。

しかし“おもしろおかしく今日から明日へ”が、この会計事務所
(経営センター)さんのパンフレットに載っているコピーで、
所長の理念だそうです。

経営はいろいろと苦労の多いものですが、「あまり深刻にならず、
出来れば楽しむ心で」やれればコレに越したことはありません。
そのためにも「自社の今」を知る必要がある、と考えています。


T会計士さんありがとうございます。

 ご縁があってこのように別の会計士さんになりましたが、
アドバイスのおかげで、税務申告や金融機関のためにではなく、
まして外部への見栄などにとらわれることなく、自分のために
「正しい決算書」をベースに経営を改善していかねば、と考える
機会をいただきました。


横山国男
http://www.yosakoiya.jp/
http://www.echi-zen-art.co.jp/

会社概要

http://www.ykougei.jp http://www.yosakoiya.jp

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個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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