株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
謡曲
「何とかしなければ」と夫婦で話していた、身辺のモノ、もの、物。
重い腰を上げるきっかけは「断・捨・離」を提案する本を読んだこともあり
ますが、幸運にも7月から帰省した次女の大車輪の手助けを得たこと。
おかげでほとんど片付きました。
誰もが仰るそうですが、「ウチってこんなに広かったっけ!」。
久しぶりにお風呂に入った気分とでも言うか、これで何かあっても迷惑を
かける度合いも少なくなったかな、と気分が軽くなったのも事実です。
考えてみると、戦後の物の無い時代に育ち、高度成長期を迎えて一気に物に
対する欲求が爆発。しかし親からは「物を粗末にしない」「もったいない」
を刷りこまれた世代です。溜まる、積み上がるのも当然。
田舎のこととて物理的スペースが多いのも原因の一つかも。
「収納場所を作る」や「収納術」を考えるのは、今は流行らないようです。
どうしても必要な物なのか? 買う前に何度も自問すると80%は要らない
という結論になる、と断捨離を提唱する人たちは言います。
だからまず買うな、増やすなと。これからもデフレは解消しないでしょうね。
「ホラ、考えないで捨てる!捨てる!」娘たちの叱咤が飛んだ猛暑の夏では
ありました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だが、しかしです。
中には「別れ難い物や本など」も結婚40年近い夫婦にはあるのです。
人間、前ばかり見て生きていくわけでもない。娘たちからみれば過去の遺物、
ガラクタにしか見えないものでも、我々には残り少ないですが未来への力に
なり得る(と思いたい)物もあります。
もちろんいずれはそういうものも力を失うでしょうが、ここは家長の特権で
今回は「第一次断捨離」を宣言し、若干抵抗。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の「紋付・袴」の衣装箱が出てきました。中に写真も。
日付は昭和62年11月15日。福井能楽堂で「土蜘蛛」のシテ。と裏に
書かれています。
「謡曲」(うたい)を習っていたころの写真で、右から3番目が私。
4番目が後見のTK先生。後ろは全てプロで「地謡」とミスした時の
プロンプター役でもあります。
下は翌年6月の発表会。「隅田川」と裏にあります。裃を着けているのは
曲によるものと思います。袴から手を出し、扇を下しているので私の謡の
場面です。
隣県は宝生流のメッカ加賀百万石。その影響で福井も宝生流の謡曲をやる
人が多いのですが、全国的にはメジャーは断トツで観世流。
たまたま福井県若狭のご出身、京都・観世流の能楽師TK師の奥様がカナイ
と同級生というご縁もあって私は福井教室で観世流を習いました。
早いもので、その頃「船弁慶」で初舞台を踏まれたご子息も、観世流能楽師
シテ方としてつい先年一本立ちされました。
20代のころから能をかなり観ていました。勢い余って「謡曲」を習うこと
になりましたが、仕事が忙しくなり4年ほどしか続きませんでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
室町時代の話し言葉がそのまま生き続けていると言われている「能・謡曲」
ですが、今日まで生き続けているにはワケがあるはずです。
あの硬い板の間に座り、足のしびれを気にしながら650年前の世界に
ワープするというのは、思うに究極のアナログであり、デジタルの危うさ
を凌駕する気が今はします。
その頃、たびたびカナイと岡崎の「京都観世会館」へ行きましたが、いつか
またそういう日を、と写真を見てあらためて思いました。
大掃除(断捨離)のおかげです。
株式会社横山工藝 横山国男
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重い腰を上げるきっかけは「断・捨・離」を提案する本を読んだこともあり
ますが、幸運にも7月から帰省した次女の大車輪の手助けを得たこと。
おかげでほとんど片付きました。
誰もが仰るそうですが、「ウチってこんなに広かったっけ!」。
久しぶりにお風呂に入った気分とでも言うか、これで何かあっても迷惑を
かける度合いも少なくなったかな、と気分が軽くなったのも事実です。
考えてみると、戦後の物の無い時代に育ち、高度成長期を迎えて一気に物に
対する欲求が爆発。しかし親からは「物を粗末にしない」「もったいない」
を刷りこまれた世代です。溜まる、積み上がるのも当然。
田舎のこととて物理的スペースが多いのも原因の一つかも。
「収納場所を作る」や「収納術」を考えるのは、今は流行らないようです。
どうしても必要な物なのか? 買う前に何度も自問すると80%は要らない
という結論になる、と断捨離を提唱する人たちは言います。
だからまず買うな、増やすなと。これからもデフレは解消しないでしょうね。
「ホラ、考えないで捨てる!捨てる!」娘たちの叱咤が飛んだ猛暑の夏では
ありました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だが、しかしです。
中には「別れ難い物や本など」も結婚40年近い夫婦にはあるのです。
人間、前ばかり見て生きていくわけでもない。娘たちからみれば過去の遺物、
ガラクタにしか見えないものでも、我々には残り少ないですが未来への力に
なり得る(と思いたい)物もあります。
もちろんいずれはそういうものも力を失うでしょうが、ここは家長の特権で
今回は「第一次断捨離」を宣言し、若干抵抗。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の「紋付・袴」の衣装箱が出てきました。中に写真も。
日付は昭和62年11月15日。福井能楽堂で「土蜘蛛」のシテ。と裏に
書かれています。
「謡曲」(うたい)を習っていたころの写真で、右から3番目が私。
4番目が後見のTK先生。後ろは全てプロで「地謡」とミスした時の
プロンプター役でもあります。
下は翌年6月の発表会。「隅田川」と裏にあります。裃を着けているのは
曲によるものと思います。袴から手を出し、扇を下しているので私の謡の
場面です。
隣県は宝生流のメッカ加賀百万石。その影響で福井も宝生流の謡曲をやる
人が多いのですが、全国的にはメジャーは断トツで観世流。
たまたま福井県若狭のご出身、京都・観世流の能楽師TK師の奥様がカナイ
と同級生というご縁もあって私は福井教室で観世流を習いました。
早いもので、その頃「船弁慶」で初舞台を踏まれたご子息も、観世流能楽師
シテ方としてつい先年一本立ちされました。
20代のころから能をかなり観ていました。勢い余って「謡曲」を習うこと
になりましたが、仕事が忙しくなり4年ほどしか続きませんでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
室町時代の話し言葉がそのまま生き続けていると言われている「能・謡曲」
ですが、今日まで生き続けているにはワケがあるはずです。
あの硬い板の間に座り、足のしびれを気にしながら650年前の世界に
ワープするというのは、思うに究極のアナログであり、デジタルの危うさ
を凌駕する気が今はします。
その頃、たびたびカナイと岡崎の「京都観世会館」へ行きましたが、いつか
またそういう日を、と写真を見てあらためて思いました。
大掃除(断捨離)のおかげです。
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from 23:30の雑記帳
節約の王道(日経プレミアシリーズ) 節約本にありがちな、 ある種のみすぼらしさが感じられない、 上品なというか、気品にあふれた本。 筆者のものの考え方が独特なので、 同意できない方も多数いらっしゃると思われる。 例えば、ゴルフ好き、煙草好き、鉄道模型....
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