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謡曲

投稿日時:2010/09/29(水) 08:14rss

「何とかしなければ」と夫婦で話していた、身辺のモノ、もの、物。
重い腰を上げるきっかけは「断・捨・離」を提案する本を読んだこともあり
ますが、幸運にも7月から帰省した次女の大車輪の手助けを得たこと。
おかげでほとんど片付きました。

誰もが仰るそうですが、「ウチってこんなに広かったっけ!」。
久しぶりにお風呂に入った気分とでも言うか、これで何かあっても迷惑を
かける度合いも少なくなったかな、と気分が軽くなったのも事実です。

考えてみると、戦後の物の無い時代に育ち、高度成長期を迎えて一気に物に
対する欲求が爆発。しかし親からは「物を粗末にしない」「もったいない」
を刷りこまれた世代です。溜まる、積み上がるのも当然。
田舎のこととて物理的スペースが多いのも原因の一つかも。

「収納場所を作る」や「収納術」を考えるのは、今は流行らないようです。
どうしても必要な物なのか? 買う前に何度も自問すると80%は要らない
という結論になる、と断捨離を提唱する人たちは言います。
だからまず買うな、増やすなと。これからもデフレは解消しないでしょうね。

「ホラ、考えないで捨てる!捨てる!」娘たちの叱咤が飛んだ猛暑の夏では
ありました。

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だが、しかしです。
中には「別れ難い物や本など」も結婚40年近い夫婦にはあるのです。
人間、前ばかり見て生きていくわけでもない。娘たちからみれば過去の遺物、
ガラクタにしか見えないものでも、我々には残り少ないですが未来への力に
なり得る(と思いたい)物もあります。

もちろんいずれはそういうものも力を失うでしょうが、ここは家長の特権で
今回は「第一次断捨離」を宣言し、若干抵抗。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の「紋付・袴」の衣装箱が出てきました。中に写真も。
日付は昭和62年11月15日。福井能楽堂で「土蜘蛛」のシテ。と裏に
書かれています。

「謡曲」(うたい)を習っていたころの写真で、右から3番目が私。
4番目が後見のTK先生。後ろは全てプロで「地謡」とミスした時の
プロンプター役でもあります。

「土蜘蛛」シテ 1987年 秋

下は翌年6月の発表会。「隅田川」と裏にあります。裃を着けているのは
曲によるものと思います。袴から手を出し、扇を下しているので私の謡の
場面です。

【写真の説明】

隣県は宝生流のメッカ加賀百万石。その影響で福井も宝生流の謡曲をやる
人が多いのですが、全国的にはメジャーは断トツで観世流。

たまたま福井県若狭のご出身、京都・観世流の能楽師TK師の奥様がカナイ
と同級生というご縁もあって私は福井教室で観世流を習いました。
早いもので、その頃「船弁慶」で初舞台を踏まれたご子息も、観世流能楽師
シテ方としてつい先年一本立ちされました。

20代のころから能をかなり観ていました。勢い余って「謡曲」を習うこと
になりましたが、仕事が忙しくなり4年ほどしか続きませんでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

室町時代の話し言葉がそのまま生き続けていると言われている「能・謡曲」
ですが、今日まで生き続けているにはワケがあるはずです。
あの硬い板の間に座り、足のしびれを気にしながら650年前の世界に
ワープするというのは、思うに究極のアナログであり、デジタルの危うさ
を凌駕する気が今はします。

その頃、たびたびカナイと岡崎の「京都観世会館」へ行きましたが、いつか
またそういう日を、と写真を見てあらためて思いました。

大掃除(断捨離)のおかげです。


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