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「身土不二」・・石塚左玄の“漢方の食養生法”

投稿日時:2010/07/05(月) 13:37rss

石塚左玄は江戸時代末期に福井市で生まれ、「食育」を日本で最も早く
提唱した医師です。

昨日の福井新聞に、石塚左玄の功績を研究している地元の岩佐勢市さんと
いう方が『食育の祖 石塚左玄物語』(A5版 89ページ 580円 
正食出版刊)を出版されたという記事が掲載されていました。

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 医師石塚左玄についてご存じの方は少ないのではないかと思います。
かく言う地元の私も名前を聞いたことがあるくらいでしたが、つい先日、
東洋医学・漢方のM先生(大阪)のところへカナイと治療を受けに行った際、
待合室に「漢方の食養生法」という20頁ほどの小冊子があり、そこに
「石塚左玄翁」の食育に関することが詳しく書かれてあるのを読んだ直後の
新聞記事でしたから少し驚きました。

冊子の後半に『食医 石塚左玄先生』と題して、左玄は日本人は五つの原理
に基づいた食べ方をしなければならないと述べている、とあります。

その五つの原理とは、1.食物至上論 2.陰陽調和論 3.穀物動物論
4.一物全体食論 5.身土不二論 です。

全てをご紹介できませんが、最後の「身土不二論」というのは、その土地、
その季節のものを食べよという教えです。

身体とそのおかれている風土とが、一体となること。その土地、その地方
に先祖代々伝わってきた伝統的食生活には、それぞれ意味があり、またその
土地に行ったらその土地の食生活を学ぶべきであると。

今や食生活における季節感というものは薄れ、自然のリズムを無視した姿
がそこにあります。人類は高度な文明を築く程に進歩したが、自然との調和
に関しては後退の一途をたどっている、というようなお話がM先生の解説を
まじえて書かれています。

ただM先生は、「明治時代と違いますから。あまりストイックに考えても
逆にストレスになりますよ」と笑っておられました。

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これとよく似た話を、建築家で心友のS君が昔からよくしてくれました。

「家」も、その土地で生育した木で建て、壁や瓦にはその土地の土を使う
のがそこで暮らす人間に最も適している・・これも「身土不二」でしょう。
密閉につながるサッシや新建材がアトピーなどの障害を生むことと無関係
ではないと言われています。今の時代にはなかなか難しいことですが。

要するに、人はあまり「風土」を無視して生活すると病気になったりする、
ということでしょう。

さらに言えば、医学を東洋、西洋と区別するのではなく、どちらもその良い
点を「医療を受ける人」のために活かすべきであり、もちろん病院や医師の
ために医療が存在するわけではありません。

最近は、鍼灸や漢方の「身体全体を見渡して“整える”」という考え方、
その前の「命は食にあり」「病は口にあり」など、現代栄養学とは違う
日本人に合った“食養”を説く左玄や益軒のような古人の食生活に関する
研究も大いに参考にする必要があると考えるようになりました。


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コメント


石塚左玄先生について

石塚左玄先生のお取り上げ有難うございます。
明治末期に福井で生まれた多くの人たちが、明治の新しい国造りに多大な貢献をいたしました。知名度や全国的活動となると、筆頭は橋本佐内や松平春嶽(春嶽公は福井生まれではありませんが準じて)でしょう。そのほか由利公正などが存在しますが、彼らと決して劣ることはなく、日本の食育・食養の祖ともなった炎の努力家「石塚左玄」を忘れるべきではありません。左玄は橋本佐内の弟綱常や由利公正・グリフイスなどとも交流をもっており、彼らも左玄の賛同者でした。特に昨今の乱れた食生活に警鐘を明治の時から訴え続け、そして彼の訓えが弟子たちによってアメリカを始めとして世界に広がっていき、今はマクロビオティックとなって日本に逆輸入されるような状況です。因みに私は左玄の訓えを現代風に次のように整理しています。①食育は家庭教育である。②食が命を作るという食養道という考え③人は穀物食動物である。④丸ごと全体食⑤地産地消(風土食)⑥バランスとミネラルの重要性の6つです。
子供の健康は親が責任です。親が自らの正しい食習慣を行うのが原点で始点と思います。

Posted by 岩佐勢市 at 2010/07/13 18:05:00 PASS:

飽食の時代、我々が考えるべきこと

岩佐様
コメントありがとうございます。短いブログのことですので、岩佐様の出版の本意をご紹介できず申し訳ありません。申すまでもなく「食」は生きるものにとりまして何より重要なものです。生命を維持する最低限のものを食すればよい、とまでは思いませんが、それにしても現代日本人の食事は度が過ぎていると自省をこめて思うものの一人です。石塚左玄を折にふれ思いだし、今後(老後)の生活の規範にと心しているしだいです。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

Posted by 横山工藝 横山国男 at 2010/07/14 11:43:00 PASS:

いえいえ

横山国男 様
いえ、私の本意をしかっりと書いて頂いています。有難うございます。大阪の先生が言われるように確かに神経質になることは避けなければなりませんが、しかし毎日の子供の食生活を見ますと飽食というより暴食とか亡食というべきで、家庭も崩壊一歩の前にあるとこを見ますと真剣さが必要と思います。
素晴らしい技術をお持ちのようで尊敬をいたします。
こちろこそよろしくです。
岩佐 勢市

Posted by 岩佐勢市 at 2010/07/16 11:55:00 PASS:

「癌」という字。

岩佐様
重ねて身に余るコメント深謝いたします。「たくわんの煮たの」とか近所の豆腐屋さんの「絹ごし豆腐」の味がしっかり舌の記憶として残っている年代です。味に対するしっかりした感覚は3歳までに醸成されるという話を聞いたことがありますが、親の「食育」に対する責務を再認識せざるを得ません。「癌」という字は「病ダレに品物の山と書く」という何かで読んだ記憶が頭から離れません。日本人はあまりにも「人間・食・風土」の結びつきに対して無関心になってしまったのではないかと「食育・食養」の重要性をあらためて考えている昨今です。時節柄ご自愛専一に願い上げます。

Posted by 横山工藝 横山国男 at 2010/07/16 20:21:00 PASS:
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