株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という記事について考える
先日「ユニクロ」がパリに出店したというニュースは、業界紙だけでなく一般紙にも
大きく取り上げられたのでお読みになった方も多いと思います。
もちろん、パリだけでなく、すでにロンドンやニューヨーク、上海にも進出していま
すし、今後世界の大都市に続々オープンさせる、とファーストリテイリングの柳井
社長さんは宣言されておられます。
とりわけパリ店については、「階級社会のヨーロッパ先進国では“いいものは高い、
安いものは悪い”という既成観念があるが、ユニクロがこれを打破したい」という
ような意味のご発言を会見で述べられていたように思います。
すなわち「“安いけれど良い。安いことが悪いを意味しない”。充分受け入れられる
はず、欧米もそういう時代になってきている」と持論をおっしゃったのだと私は解釈
しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10月号の「文藝春秋」に、「ユニクロ栄えて国滅ぶ」~安売り競争は社会を壊す
恐るべき罠だ~とのリードのあるエコノミスト浜矩子さんの文章を興味深く読み
ました。
ユニクロについては文末で少し触れられているだけでタイトルの割には落胆しま
したが、私の考えとは少し違う結論だと思いました。
私の仕事もたどっていけば、「ユニクロ」さんのような猛烈なSPA形態の進化で
海外への繊維産業・技術の移転が加速し、結果国内生産の減少、衰退の影響を
受けた企業・・当社もその一つでもあります。
しかし「安い」というのは何と比較していうのでしょうか。実際は「安いのではなく、
これまで国内産品が高すぎたのではないのか」とも考えるのです。
(過剰なサービスや品質、包装、日本人の生産性の低さもつとに言われていますし)
ともあれ「980円ジーンズ」で利益を上げられない企業は退場です。非情なもの
ですが、「ユニクロ」だって血の出るような努力と「世界を視野に入れた生産・販売」
を構築してきた結果ですから、これが今後の「世界標準」になってしまうわけで、
うらみ節を言わず、嘆くひまがあったら自社をどうもっていくのか考えつづけるしか
ありません。日本の若い人も海外で「ユニクロ」のような企業での働く場を求める
べき時代がきたのでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このことと関連するのでしょうが、先日来日本の大手合繊メーカー各社が、原糸の
製造はもちろん、世界一を支えてきたコア技術も含めて、中国、ベトナム、タイなど
へ雪崩を打って工場を移転するというニュースも衝撃的でした。
アパレルなどで言う「川上・川中・川下」とは少し違いますが、繊維産業の方では
「川上」とは化合繊製造、紡績、及び素材流通を言います。
「川中」は織布、ニット、染色及び中間製品流通で、「川下」は縫製、製品流通です。
繊維産業は極めて多段階の業種があるので、これを川の流れにたとえているの
です。
この一番先の「川上」が日本から消失しようとしています。源流が無くなるのです。
当然想像されることは「川中」、「川下」がこのままでいられるわけがありません。
当社は「川中」で使用する「染型」を長く造ってきた業種ですが、10年ほど前から
長期低落傾向になり、「川下」でのビジネスを模索してきました。
この間インターネットと出会い、必死で新しいマーケットを探してきました。
もはや日本では「産業」とは呼べない方向に向かいつつあるのかも知れない繊維、
その中で「価格競争に巻き込まれない」で小企業を活かし続けるのは並大抵では
ないと思います。
時間と手間を惜しまず、「個客」に向けたモノづくり、「感性企業」「知識デザイン
企業」を目指さなければ生き残れないと思い、最近テキスタイル用のインクジェ
ットプリントも設置し、従来のTシャツなどのカットソーデジタルプリントシステムと
組み合わせて対応に幅を持たせました。
新規顧客の開拓ではさらにネットでの研究を進めていく心算です。
株式会社横山工藝 横山国男
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2008年制作事例 / イージーオーダーのご紹介 / よさこい屋店長ものづくり日記
スタッフ日記 / なおくま店長日記 / 日と月・エチゼンニッキ / よしくま日記
大きく取り上げられたのでお読みになった方も多いと思います。
もちろん、パリだけでなく、すでにロンドンやニューヨーク、上海にも進出していま
すし、今後世界の大都市に続々オープンさせる、とファーストリテイリングの柳井
社長さんは宣言されておられます。
とりわけパリ店については、「階級社会のヨーロッパ先進国では“いいものは高い、
安いものは悪い”という既成観念があるが、ユニクロがこれを打破したい」という
ような意味のご発言を会見で述べられていたように思います。
すなわち「“安いけれど良い。安いことが悪いを意味しない”。充分受け入れられる
はず、欧米もそういう時代になってきている」と持論をおっしゃったのだと私は解釈
しています。
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10月号の「文藝春秋」に、「ユニクロ栄えて国滅ぶ」~安売り競争は社会を壊す
恐るべき罠だ~とのリードのあるエコノミスト浜矩子さんの文章を興味深く読み
ました。
ユニクロについては文末で少し触れられているだけでタイトルの割には落胆しま
したが、私の考えとは少し違う結論だと思いました。
私の仕事もたどっていけば、「ユニクロ」さんのような猛烈なSPA形態の進化で
海外への繊維産業・技術の移転が加速し、結果国内生産の減少、衰退の影響を
受けた企業・・当社もその一つでもあります。
しかし「安い」というのは何と比較していうのでしょうか。実際は「安いのではなく、
これまで国内産品が高すぎたのではないのか」とも考えるのです。
(過剰なサービスや品質、包装、日本人の生産性の低さもつとに言われていますし)
ともあれ「980円ジーンズ」で利益を上げられない企業は退場です。非情なもの
ですが、「ユニクロ」だって血の出るような努力と「世界を視野に入れた生産・販売」
を構築してきた結果ですから、これが今後の「世界標準」になってしまうわけで、
うらみ節を言わず、嘆くひまがあったら自社をどうもっていくのか考えつづけるしか
ありません。日本の若い人も海外で「ユニクロ」のような企業での働く場を求める
べき時代がきたのでしょう。
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このことと関連するのでしょうが、先日来日本の大手合繊メーカー各社が、原糸の
製造はもちろん、世界一を支えてきたコア技術も含めて、中国、ベトナム、タイなど
へ雪崩を打って工場を移転するというニュースも衝撃的でした。
アパレルなどで言う「川上・川中・川下」とは少し違いますが、繊維産業の方では
「川上」とは化合繊製造、紡績、及び素材流通を言います。
「川中」は織布、ニット、染色及び中間製品流通で、「川下」は縫製、製品流通です。
繊維産業は極めて多段階の業種があるので、これを川の流れにたとえているの
です。
この一番先の「川上」が日本から消失しようとしています。源流が無くなるのです。
当然想像されることは「川中」、「川下」がこのままでいられるわけがありません。
当社は「川中」で使用する「染型」を長く造ってきた業種ですが、10年ほど前から
長期低落傾向になり、「川下」でのビジネスを模索してきました。
この間インターネットと出会い、必死で新しいマーケットを探してきました。
もはや日本では「産業」とは呼べない方向に向かいつつあるのかも知れない繊維、
その中で「価格競争に巻き込まれない」で小企業を活かし続けるのは並大抵では
ないと思います。
時間と手間を惜しまず、「個客」に向けたモノづくり、「感性企業」「知識デザイン
企業」を目指さなければ生き残れないと思い、最近テキスタイル用のインクジェ
ットプリントも設置し、従来のTシャツなどのカットソーデジタルプリントシステムと
組み合わせて対応に幅を持たせました。
新規顧客の開拓ではさらにネットでの研究を進めていく心算です。
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