株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
シーマンシップ ・・「鬼畜米英」って誰が作ったの。
「太平洋戦争」というような大きな出来事でも、その時いくつだったか、またどこに
住み、どんな環境にあったかで受け止め方はずいぶん違うものだと、あらためて
思います。
終戦時、私は3歳でしたから、まだ生まれていないに等しく、あの時どうだったか
などという話は聞くか読むか映像で見るしかありません。
昨日からのお盆休みに「くりま 9月号 半藤一利が見た昭和」(文藝春秋増刊)を
読んで、戦時の、特に戦争に関わった人たちについて興味深く読ませてもらいました。
人は過ちを犯すものだということ、ゆえに二度と戦争をしてはならない、と再確認
することは大切ですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日読んだ月遅れの「文藝春秋8月号」。 作家池上 司さんの
『 戦争から六十年あまりが過ぎた今日こそ、あの苦難の時代の中で日本人が
いかに生きたかを、遅まきながら確認するべき時なのだと考える。
私は、そうしたいまだ語られぬ人々の代表のつもりで、三人の艦長について記して
みた。』 と文末にある、“米英を畏怖させた「三人の艦長」・・名指揮官の物語”
を読み、次のエピソードには胸が熱くなり、思わず寝ころんで読んでいたので恥ず
かしい思いをしました。
=================
昭和17年2月27日から3月1日にかけてのジャワ近海での連合軍との激しい
海戦は、日本海軍の圧勝で連合軍艦船はほぼ壊滅の状況(スラバヤ沖海戦)。
海戦が終了した後、工藤俊作艦長指揮する駆逐艦「雷(いかずち)」は、敵潜水艦
の警報のある中、残敵の掃討戦を命じられます。多数の浮遊物が400人以上の
敵兵であるとの報告をうけた艦長は、迷わず「敵兵救助!」の命を下します。
<以下本文引用・一部省略>
『 船が沈むと燃料タンクから重油が漏れ、海は一面真黒になる。当然漂流者は
全身真っ黒だが、厄介なのはそれだけではない。漂流中に重油を飲んでしまう
のだ。そうなると、時には死に至るほどのひどい下痢が待っている。漂流者を引き
揚げた甲板は、重油と排泄物の臭いが充満した。(略)
「雷」の甲板上に揚げられた英国将兵には、直ちに水と食料が与えられた。
また、油や汚物にまみれた彼らを「雷」乗組員は丁寧にアルコールと木綿の布で
拭き、艦内にあった衣類を全員に支給した。
このとき「雷」が救助した英軍将兵は、実に422名に上った。「雷」の乗員が220
名であるから、その倍近い敵将兵を救助したことになる。
(軍艦なので救助用のスペースなどなく、青年士官の一人が「艦長は何を考えて
おられるのだ、俺たちは戦争をしに来ているのだ」と言ったという証言も残っている)
しかし、工藤はそうは考えなかった。救助作業が一段落した後、工藤は英軍士官
を前甲板に集合させるように命じた。 艦橋から降りてきた工藤は、英軍士官に
挙手の敬礼をすると、流暢な英語で語りかけた。
「諸官は勇敢に戦われた。今や諸官は、日本帝国海軍の名誉あるゲストである」
この言葉は、英軍士官の胸を打った。のちにフォール卿は、「私の人生最高の
師は、日本帝国海軍中佐工藤俊作である。私は彼によって命を救われたばかり
か、『武士道』というものを学ぶことができた」と語っている。
海軍の場合、船が沈んでしまえばもうこれ以上戦いようがない。勝ち負けが明快
な分、敗者に対して情けをかける、というのが、古来、シーマンシップとされてきた。
日本海軍では、武士道の精神の延長上として、シーマンシップが伝統的に重んじ
られ、海軍兵学校でも、終戦のその日まで徹底して教えられてきたのである。』
====================
極限状況(戦争)の中で、「人が人であること」を失わずにいられるだろうか・・
自信がありません。
同様の洋画の名作も思い出しました。ドイツ潜水艦(艦長役はクルト・ユルゲンス)
とアメリカ駆逐艦(艦長役はロバート・ミッチャム)との死闘を描いた「眼下の敵」。
素晴らしいラストシーンは、たとえ映画であれ「人としてどうあるべきか」をまだ
中学生だった私に教えてくれた映画の一本でした。
明日8月15日は「終戦記念日」です。
株式会社横山工藝 横山国男
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住み、どんな環境にあったかで受け止め方はずいぶん違うものだと、あらためて
思います。
終戦時、私は3歳でしたから、まだ生まれていないに等しく、あの時どうだったか
などという話は聞くか読むか映像で見るしかありません。
昨日からのお盆休みに「くりま 9月号 半藤一利が見た昭和」(文藝春秋増刊)を
読んで、戦時の、特に戦争に関わった人たちについて興味深く読ませてもらいました。
人は過ちを犯すものだということ、ゆえに二度と戦争をしてはならない、と再確認
することは大切ですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日読んだ月遅れの「文藝春秋8月号」。 作家池上 司さんの
『 戦争から六十年あまりが過ぎた今日こそ、あの苦難の時代の中で日本人が
いかに生きたかを、遅まきながら確認するべき時なのだと考える。
私は、そうしたいまだ語られぬ人々の代表のつもりで、三人の艦長について記して
みた。』 と文末にある、“米英を畏怖させた「三人の艦長」・・名指揮官の物語”
を読み、次のエピソードには胸が熱くなり、思わず寝ころんで読んでいたので恥ず
かしい思いをしました。
=================
昭和17年2月27日から3月1日にかけてのジャワ近海での連合軍との激しい
海戦は、日本海軍の圧勝で連合軍艦船はほぼ壊滅の状況(スラバヤ沖海戦)。
海戦が終了した後、工藤俊作艦長指揮する駆逐艦「雷(いかずち)」は、敵潜水艦
の警報のある中、残敵の掃討戦を命じられます。多数の浮遊物が400人以上の
敵兵であるとの報告をうけた艦長は、迷わず「敵兵救助!」の命を下します。
<以下本文引用・一部省略>
『 船が沈むと燃料タンクから重油が漏れ、海は一面真黒になる。当然漂流者は
全身真っ黒だが、厄介なのはそれだけではない。漂流中に重油を飲んでしまう
のだ。そうなると、時には死に至るほどのひどい下痢が待っている。漂流者を引き
揚げた甲板は、重油と排泄物の臭いが充満した。(略)
「雷」の甲板上に揚げられた英国将兵には、直ちに水と食料が与えられた。
また、油や汚物にまみれた彼らを「雷」乗組員は丁寧にアルコールと木綿の布で
拭き、艦内にあった衣類を全員に支給した。
このとき「雷」が救助した英軍将兵は、実に422名に上った。「雷」の乗員が220
名であるから、その倍近い敵将兵を救助したことになる。
(軍艦なので救助用のスペースなどなく、青年士官の一人が「艦長は何を考えて
おられるのだ、俺たちは戦争をしに来ているのだ」と言ったという証言も残っている)
しかし、工藤はそうは考えなかった。救助作業が一段落した後、工藤は英軍士官
を前甲板に集合させるように命じた。 艦橋から降りてきた工藤は、英軍士官に
挙手の敬礼をすると、流暢な英語で語りかけた。
「諸官は勇敢に戦われた。今や諸官は、日本帝国海軍の名誉あるゲストである」
この言葉は、英軍士官の胸を打った。のちにフォール卿は、「私の人生最高の
師は、日本帝国海軍中佐工藤俊作である。私は彼によって命を救われたばかり
か、『武士道』というものを学ぶことができた」と語っている。
海軍の場合、船が沈んでしまえばもうこれ以上戦いようがない。勝ち負けが明快
な分、敗者に対して情けをかける、というのが、古来、シーマンシップとされてきた。
日本海軍では、武士道の精神の延長上として、シーマンシップが伝統的に重んじ
られ、海軍兵学校でも、終戦のその日まで徹底して教えられてきたのである。』
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極限状況(戦争)の中で、「人が人であること」を失わずにいられるだろうか・・
自信がありません。
同様の洋画の名作も思い出しました。ドイツ潜水艦(艦長役はクルト・ユルゲンス)
とアメリカ駆逐艦(艦長役はロバート・ミッチャム)との死闘を描いた「眼下の敵」。
素晴らしいラストシーンは、たとえ映画であれ「人としてどうあるべきか」をまだ
中学生だった私に教えてくれた映画の一本でした。
明日8月15日は「終戦記念日」です。
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