株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
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「白洲次郎と正子の世界展」を観て考えたこと。
2日(日)、「金沢21世紀美術館」へ立ち寄って、表題のイベントを覗きました。
この美術館は建築物としては個人的にあまり好みではありませんが、原則収蔵品
を持たない(企画展中心)、ワークショップなども盛んに行い、市県民のアートへの
参加を促すというコンセプトが評判を呼び、内外からの見学者も多いようです。
金沢の繁華街、香林坊から10分もかからない、市役所前の好立地にあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数年前から白洲次郎の人気が高まりブームの様相です。NHKなどで特集が組ま
れ、なお輪をかけたとも言えます。
一方、白洲正子にはたくさんの著書もあり、メディアにもよく登場されたので、一般
的には先に知られたのではと思いますが、私も仕事が染織関係ですので著作を
結構読みました。もちろん紀行文やそのほかの手仕事に関する優れた本も多いの
ですが、なによりあの強烈なキャラクターが魅力です。
モノや人、本物を見分ける審美眼がハンパでないのでちょっとコワイですが。
白洲次郎という人を理解するには、結局「スノッブ(俗物)あるいはスノビズム(俗物
根性)」と「ノブレス・オブリージュ(高貴な義務)」そして「ダンディズム」の三つが
キーワードではないでしょうか。
二人とも「上流」の出身で、その財力で青年時代次郎は英国に、正子は米国に
留学しますが、外国で何を考えたかについては私はあまり知りません。
想像するに良くも悪くも嫌というほど「日本人であること、東洋人であること」を思い
知らされたのではないか、という気がします。
よく言われるプリンシプルにしても、日本には「騎士道」に負けない「武士道」もあり
田園でのライフスタイルだって十分楽しめる文化を日本は持っていることを次郎は
体現して見せました。
正子は幼少の頃から「能楽」へ傾倒します。「日本的なるモノ(文物)」の“美”に
対しての萌芽はこのころからかも知れません。
ともあれ、いずれも多感な時期の英・米での留学が反面教師の役割を果たした
ように私には思えます。
「上流」ではなく「上質」とは何か。それはまぎれもなく日本にあるものではないか、
ということを学んだのではないかと思います。勝手な想像ですが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
展示を見て、白洲次郎が戦後の一時期、GHQとの折衝役や「講和条約」に関わっ
たのは本意とするところではなく、宰相となった親友吉田茂のために一肌脱いだ
のであろうこと、また東北電力の会長に就任し、電源開発という戦後復興の大プロ
ジェクトにおけるダム建設なども、「武相荘(ぶあいそう)」と名付けた鶴川村の
百姓家で楽しんだ「日曜大工」と次郎にとっては同列のものではなかったか、など
と考えると「すごい日本人がいたもんだ」とあらためて白洲次郎という人間に大きな
魅力を感じます。
そして普段はノコギリやトンカチをふるい、野采づくりや作庭に夢中になり、無類
の車好きで晩年までポルシェをぶっ飛ばし、イッセイ・ミヤケのモデルもつとめる
・・・・白洲次郎の「ダンディズム」ということでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「風の男」「韋駄天お正」とあだ名された二人。
会場の出口近く、最近流行りの記念品販売コーナーには、関連書籍がいっぱい。
反対側のグッズ類はかなりお値段が高い、と思ったのですが、「武相荘」と焼印が
捺された「竹製靴べら」と、英国仕込みでハンディキャップ2のゴルファーでもあり、
軽井沢ゴルフ倶楽部のコワイ理事長として、時の総理クラスにも「さっさとプレー
せよ」と言ったことでも有名な「PLAY FAST」とプリントされた赤いトレーナーを
迷いましたが買ってしまいました。
ポストカードを2枚買っただけのカナイの感覚がまともです。
(“俗物”でスミマセン=反省。ただ白洲次郎・正子のいろいろなグッズを売ると
いうのはお二人は天上でどう思っていらっしゃるかな、と帰り道ふと思いました。
・・・・自分で買っておいてそれはないか。)。
株式会社横山工藝 横山国男
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この美術館は建築物としては個人的にあまり好みではありませんが、原則収蔵品
を持たない(企画展中心)、ワークショップなども盛んに行い、市県民のアートへの
参加を促すというコンセプトが評判を呼び、内外からの見学者も多いようです。
金沢の繁華街、香林坊から10分もかからない、市役所前の好立地にあります。
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数年前から白洲次郎の人気が高まりブームの様相です。NHKなどで特集が組ま
れ、なお輪をかけたとも言えます。
一方、白洲正子にはたくさんの著書もあり、メディアにもよく登場されたので、一般
的には先に知られたのではと思いますが、私も仕事が染織関係ですので著作を
結構読みました。もちろん紀行文やそのほかの手仕事に関する優れた本も多いの
ですが、なによりあの強烈なキャラクターが魅力です。
モノや人、本物を見分ける審美眼がハンパでないのでちょっとコワイですが。
白洲次郎という人を理解するには、結局「スノッブ(俗物)あるいはスノビズム(俗物
根性)」と「ノブレス・オブリージュ(高貴な義務)」そして「ダンディズム」の三つが
キーワードではないでしょうか。
二人とも「上流」の出身で、その財力で青年時代次郎は英国に、正子は米国に
留学しますが、外国で何を考えたかについては私はあまり知りません。
想像するに良くも悪くも嫌というほど「日本人であること、東洋人であること」を思い
知らされたのではないか、という気がします。
よく言われるプリンシプルにしても、日本には「騎士道」に負けない「武士道」もあり
田園でのライフスタイルだって十分楽しめる文化を日本は持っていることを次郎は
体現して見せました。
正子は幼少の頃から「能楽」へ傾倒します。「日本的なるモノ(文物)」の“美”に
対しての萌芽はこのころからかも知れません。
ともあれ、いずれも多感な時期の英・米での留学が反面教師の役割を果たした
ように私には思えます。
「上流」ではなく「上質」とは何か。それはまぎれもなく日本にあるものではないか、
ということを学んだのではないかと思います。勝手な想像ですが。
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展示を見て、白洲次郎が戦後の一時期、GHQとの折衝役や「講和条約」に関わっ
たのは本意とするところではなく、宰相となった親友吉田茂のために一肌脱いだ
のであろうこと、また東北電力の会長に就任し、電源開発という戦後復興の大プロ
ジェクトにおけるダム建設なども、「武相荘(ぶあいそう)」と名付けた鶴川村の
百姓家で楽しんだ「日曜大工」と次郎にとっては同列のものではなかったか、など
と考えると「すごい日本人がいたもんだ」とあらためて白洲次郎という人間に大きな
魅力を感じます。
そして普段はノコギリやトンカチをふるい、野采づくりや作庭に夢中になり、無類
の車好きで晩年までポルシェをぶっ飛ばし、イッセイ・ミヤケのモデルもつとめる
・・・・白洲次郎の「ダンディズム」ということでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「風の男」「韋駄天お正」とあだ名された二人。
会場の出口近く、最近流行りの記念品販売コーナーには、関連書籍がいっぱい。
反対側のグッズ類はかなりお値段が高い、と思ったのですが、「武相荘」と焼印が
捺された「竹製靴べら」と、英国仕込みでハンディキャップ2のゴルファーでもあり、
軽井沢ゴルフ倶楽部のコワイ理事長として、時の総理クラスにも「さっさとプレー
せよ」と言ったことでも有名な「PLAY FAST」とプリントされた赤いトレーナーを
迷いましたが買ってしまいました。
ポストカードを2枚買っただけのカナイの感覚がまともです。
(“俗物”でスミマセン=反省。ただ白洲次郎・正子のいろいろなグッズを売ると
いうのはお二人は天上でどう思っていらっしゃるかな、と帰り道ふと思いました。
・・・・自分で買っておいてそれはないか。)。
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