株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
敬老・軽老・啓老。
9月15日は、正確には「老人の日」といい、「敬老の日」というのは9月第3月曜日
なのだそうです。(因みに9月15日から21日までを老人週間と呼ぶそうです)。
「働き過ぎ」というよりも、日本人の労働生産性の低いのが問題で、常々もっと自由
な休日の取り方をした方がよい、というのが私の考えです。
温泉旅館でもゴルフ場でも行楽施設は週末のみ繁忙、平日は閑古鳥が鳴く状況。
でも、設備・人員はそのままで、非効率この上ない(従って週末料金が異常に高く
なる)。このあたりの「平準化」を考えないと、有効利用につながらず、ドンドン関連
業者倒産、廃業を止められないのでは。(時代が変わったのですから、国も国民も
意識改革、ロハスな新しいライフスタイルが必要と思います)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで今日は老人の日であり敬老の日、お彼岸も近いので、午前中は気になっ
ている墓石の「花立て」の修理を友人の石屋に依頼しなけばなりません。
仏壇に線香をあげて両親の写真、特に「おふくろ」を見ると、思い出すことが一杯
あります。両親とも近在の農家から街に出て所帯を構えましたが、母は学問は
ありませんでしたが、「情」の厚い人だったとあらためて思います。
子供のころ(昭和20年代)、休日などのお昼、私の横に、母子連れの「乞食」が
座って一緒にご飯を食べた記憶が何度かあります。まだ貧しい時代、母が「なん
もないけどご飯たべていきね(いきなさい)」と言って招じ入れるのです。
私は嫌だと思った記憶はありませんが、埃まみれ、垢まみれ、髪はボウボウです
から「汚いなァ」と。麦飯と味噌汁、漬物だけぐらいの粗末な食事でも、食べ終えて
何度も何度も子供にも頭を下げさせて家を出て行きました。
またある時は、唐草模様の大風呂敷に、母が使った肌着、おこし(腰巻き)、浴衣、
タオルなどの衣料や、餅、卵、果物などを包んで背負い、地下足袋を履いて2里
(8キロ)ほどの田舎道を父の親類に向かいます。
昔は老人でも死の病とされた肺病(結核)にかかると、母屋を出されて、大きな
敷地内のはずれにある農作業小屋の隅などに、莚(むしろ)を敷き、ふとんなど
一式とともに移されることが珍しくありませんでした。伝染するからということでしょ
うが、むごいことで、「おしんの世界」「昭和版・姥捨て」です。家族は食事を置くと
逃げるように母屋へ帰ってしまうのです。
母は少しも意に介しませんでした。真夏の頃なら羽釜でお湯を沸かし、タライに張
って行水をつかわせてやり、持ってきた古くはあっても清潔なものに着替えさせ、
髪を梳いてやったとのことです。汚れものを洗濯し、元気づけて帰る母に、病人は
ふとんの上に起き上がり、何度も手を合わせ、「おワサさん(母の名はワサといい
ます)ありがとう、ありがとう。悪いコトがないように願うている」と拝んだ、ということ
を後年母から聞いたことがあります。
母は昔からしょっちゅう便器も素手で洗っていましたし、ドブの中に手を入れて
ゴミを始末しました。「手は洗えばきれいになる。放っておくほうがよほど汚い」と
顔をしかめる私に言いました。病人や死人を少しも怖がりませんでした。
このような信心深い両親や、祈ってくれた人のおかげかも知れません。ぐうたらに
過ごしてきた私のようなものでも、今日までなんとかやってこれたのは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ともあれ、このブログを大きくなって読むことがあるかも知れない私の孫たちに、
曾祖母(ひいおばあさん)はこんな人だったんだよ、と伝えたかったので、敬老の
日の今日は書いてみました。
*「軽老」とは、最近いろいろなことで軽んじられる老人、はたまた振り込め詐欺に
コロッと騙される軽ハズミな老人を、「啓老」は、老いをひらく(啓く)という考え方も
これからの時代大事かな、と考えて連想した私の造語デス。
横山国男
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
なのだそうです。(因みに9月15日から21日までを老人週間と呼ぶそうです)。
「働き過ぎ」というよりも、日本人の労働生産性の低いのが問題で、常々もっと自由
な休日の取り方をした方がよい、というのが私の考えです。
温泉旅館でもゴルフ場でも行楽施設は週末のみ繁忙、平日は閑古鳥が鳴く状況。
でも、設備・人員はそのままで、非効率この上ない(従って週末料金が異常に高く
なる)。このあたりの「平準化」を考えないと、有効利用につながらず、ドンドン関連
業者倒産、廃業を止められないのでは。(時代が変わったのですから、国も国民も
意識改革、ロハスな新しいライフスタイルが必要と思います)
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ところで今日は老人の日であり敬老の日、お彼岸も近いので、午前中は気になっ
ている墓石の「花立て」の修理を友人の石屋に依頼しなけばなりません。
仏壇に線香をあげて両親の写真、特に「おふくろ」を見ると、思い出すことが一杯
あります。両親とも近在の農家から街に出て所帯を構えましたが、母は学問は
ありませんでしたが、「情」の厚い人だったとあらためて思います。
子供のころ(昭和20年代)、休日などのお昼、私の横に、母子連れの「乞食」が
座って一緒にご飯を食べた記憶が何度かあります。まだ貧しい時代、母が「なん
もないけどご飯たべていきね(いきなさい)」と言って招じ入れるのです。
私は嫌だと思った記憶はありませんが、埃まみれ、垢まみれ、髪はボウボウです
から「汚いなァ」と。麦飯と味噌汁、漬物だけぐらいの粗末な食事でも、食べ終えて
何度も何度も子供にも頭を下げさせて家を出て行きました。
またある時は、唐草模様の大風呂敷に、母が使った肌着、おこし(腰巻き)、浴衣、
タオルなどの衣料や、餅、卵、果物などを包んで背負い、地下足袋を履いて2里
(8キロ)ほどの田舎道を父の親類に向かいます。
昔は老人でも死の病とされた肺病(結核)にかかると、母屋を出されて、大きな
敷地内のはずれにある農作業小屋の隅などに、莚(むしろ)を敷き、ふとんなど
一式とともに移されることが珍しくありませんでした。伝染するからということでしょ
うが、むごいことで、「おしんの世界」「昭和版・姥捨て」です。家族は食事を置くと
逃げるように母屋へ帰ってしまうのです。
母は少しも意に介しませんでした。真夏の頃なら羽釜でお湯を沸かし、タライに張
って行水をつかわせてやり、持ってきた古くはあっても清潔なものに着替えさせ、
髪を梳いてやったとのことです。汚れものを洗濯し、元気づけて帰る母に、病人は
ふとんの上に起き上がり、何度も手を合わせ、「おワサさん(母の名はワサといい
ます)ありがとう、ありがとう。悪いコトがないように願うている」と拝んだ、ということ
を後年母から聞いたことがあります。
母は昔からしょっちゅう便器も素手で洗っていましたし、ドブの中に手を入れて
ゴミを始末しました。「手は洗えばきれいになる。放っておくほうがよほど汚い」と
顔をしかめる私に言いました。病人や死人を少しも怖がりませんでした。
このような信心深い両親や、祈ってくれた人のおかげかも知れません。ぐうたらに
過ごしてきた私のようなものでも、今日までなんとかやってこれたのは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ともあれ、このブログを大きくなって読むことがあるかも知れない私の孫たちに、
曾祖母(ひいおばあさん)はこんな人だったんだよ、と伝えたかったので、敬老の
日の今日は書いてみました。
*「軽老」とは、最近いろいろなことで軽んじられる老人、はたまた振り込め詐欺に
コロッと騙される軽ハズミな老人を、「啓老」は、老いをひらく(啓く)という考え方も
これからの時代大事かな、と考えて連想した私の造語デス。
横山国男
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
- ブログ最終回・・「マザー・オワサ」 [03/27]
- 「備えあれば憂いなし」・・とはいうけれど。 [03/26]
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