大きくする 標準 小さくする


雑誌も読者とともに歳をとる。

投稿日時:2008/05/13(火) 11:14rss

何も手近に読むものがないと、カナイが購読している何種かの「婦人雑誌」でも手に
とります。特にラグジュアリー系といわれる「F画報」や「K画報」などは、上質紙に
美しいカラーの誌面、内容もなかなか楽しい記事があり、オジサンのセンスが少し
は磨かれるような気がしないでもありません。

そんな中、今月6月号をもって「主婦の友」が、創刊から91年の歴史に幕を下ろし、
休刊となったようです。(通巻1176号)
昔、読んだことがあるような記憶もありますが、ライフスタイルの変化が、息の根を
止めたようです。

毎月のように色々な分野、特に生活文化関連の新しい雑誌が創刊されるよう
ですが、なかなか100号、200号と続く雑誌は少ないようで、中には5号あたりで
早くも休刊宣言、ギブアップするケースもあるようです。(廃刊でなく休刊とするのは
苦心してつけた“誌名”をキープしたい、あるいは他社に使わせないという意図だと
聞いたこともあります)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

10年ほど前、「K画報」(今年創刊50年)の通販ページに、「トートバッグにペットの
写真をプリントします」という企画が採用され、綿のバッグが有名な京都の
「I 帆布店」さん製だったこともあって結構売れました。
現在のようにデジカメもまだ普及していませんし、オンデマンドのプリンターも手軽な
ものはない時代、編集部から送られたきた読者のペットの写真をスキャンして、
トリミングや画像補整、名前を入れてカラーコピー転写をしました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この企画で通販の責任者である、ベテランの編集者Iさんと何度か打ち合わせに
市ヶ谷の本社でお会いしたことがありますが、あるとき主力の「K画報」を手にとり、
「横山さん、雑誌も読者とともに歳をとるんですよ」と言われたのが、とても印象に
残っています。

中心の購読者層の年齢が上がっていけば、雑誌の方も当然それに対応するような
企画・編集になる、すると若い層の支持を得られないので「別冊」とか「ミスK画報」
などを出すことになるんですよ、というようなお話でした。

日本のファッションのブランドなどにもそのような傾向があるかも知れません。
好きなブランドでも対象年齢層を動かさなければ、いずれ古いお客さまは来店しな
くなるでしょう。このあたりは当然マーケティングが進んでおり、さらに年齢が上がっ
た顧客を引き続いて自社の購買層として確保するため新ブランド開発や戦略を練る
わけですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昔に比べ、本を読まない人が増えている、情報は勿論のことネット上でも本が読める
という時代。
かって「週刊女性」編集長から「K画報」の編集長に就任し、リニューアルを成功
させて60万部雑誌にしたといわれる名編集者「諸井薫」(故人)のような人が出現
したとしても、出版を元気な時代に戻すことはもう無理なのでしょうか。

およそ1世紀、最後まで残った老舗の婦人生活雑誌の休刊(廃刊?)は、時代の
変化、世代の交代を実感させる出来事に思えます。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

トラックバック一覧

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード:

会社概要

http://www.ykougei.jp http://www.yosakoiya.jp

詳細へ

個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

詳細へ

<<  2024年3月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

コメント一覧

最新トラックバック

  • これもクリエイティブな仕事と思えば… from After5のメインストリート
    会社のイベントでポスティングを行うことになり輪転機を使ってオリジナリティーなチラシを作るべくにわか印刷屋になった話印刷といえば、昔は学校の先生がガリガリした原稿にイン ...
  • 昨日はバレンタインデー。悪党:民主党へ「青空」の歌詞を贈ろう from 脳挫傷による見えない障害と闘いながら・・・
    バレンタインデーでしたが、義理チョコで割引きシールを貼られたまま貰ったり。北方領
  • 犬山城 from 青春18切符で行く,日本の「城」巡り29
    oojijisunです,青春18切符で行きます お城巡りを準備中です、参考になります。
  • 【ブログピックアップ】横山工藝 横山国男さん from 経営者会報ブログ編集部
    「ブログピックアップ」では、 経営者のみなさんの書かれたブログの中から、 お薦めのブログをご紹介しています。 今回のお薦めブログは 横山工藝の横山国男さんです。  * ...
  • 「節約の王道」林望・著 | 我が道を行く、気品にあふれた節約本 from 23:30の雑記帳
    節約の王道(日経プレミアシリーズ) 節約本にありがちな、 ある種のみすぼらしさが感じられない、 上品なというか、気品にあふれた本。 筆者のものの考え方が独特なので、 同意できない方も多数いらっしゃると思われる。 例えば、ゴルフ好き、煙草好き、鉄道模型....