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恐怖のジャカルタを行く。

投稿日時:2008/01/21(月) 11:06rss

先週末、駆け足で「日本インドネシア平和条約締結50周年」を記念して、国営の
ガルーダ・インドネシア航空が主催するイベントに参加してきました。

出発直前、NHKスペシャル「新型インフルエンザの恐怖」-世界流行寸前ーという
ショッキングな番組が二夜連続で放映され、インドネシアが取り上げられたので
正直ビビリました。
番組を見て心配した友人から、「タミフル」と「99.5%の効果があるマスク」を頂い
たのですが、「帰国後一週間は会わないから」などと冗談めかして言われました。

ひょっとするとジャカルタの空港には、防護服に身を固めた特殊部隊が配置され
て、緊張した状況にあるのでは、などと妄想しましたが、全くそのような雰囲気で
はありませんでした。冷静に考えてみれば当たり前のことですが。

20日には秋篠宮ご夫妻がジャカルタを訪問され、「友好年オープニング式典」
にご出席されたとのニュースも昨日の新聞に出ています。
ジャカルタは平穏でしたが、他の東南アジア各国に比べ、また過去2回旅行した時
とでは日本人(観光客も)はかなり少ない印象を受けました。
そうは言っても「鶏インフルエンザ」の患者が12月にも確認され、ジャカルタ市内
の病院に隔離されたという報道も影響しているのかも知れません。

出発日には福井は15センチほどの積雪があり、寒い日でしたが、ジャカルタは
日中は30度近い気温、TシャツでOKというのは身も心も開放されます。

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中国は勿論、東南アジアの各国がすさまじい経済発展を遂げつつあるのは、承前
のことですが、年金や格差問題、少子高齢化など内向きになっているといわれる
日本はこれらの国にあまり関心が無いように見えます。やはり若い人が多い国は
活気があって、投資先としても有望な筈ですが。

バンコクもそうですが、ジャカルタも巨大な空港、中心部の高層ビル群は10年前
にはあまり見られなかったものですし、世界の資金が集まってきていることを実感
させられますが、一部郊外にきれいなニュータウンが造成されつつあっても、
通りに面した店や民家でも10年前同様、貧しいたたずまいのままで、このあたり
は韓国などの都市化とは大分違うように思えます。

特にインドネシアの都市のゴミの多さには辟易させられますが、ジャカルタも世界
の大都市と呼ばれるためには、公衆衛生をなんとかしなくてはならないのでは、
やはり「鶏インフルエンザ」などとも関連付けて考えてしまいます。

もう一つは、交通渋滞の恒常化です。人もバイクも車も一緒くたに動いていて
(自転車はほとんど見かけません)信号は幹線でもほとんど無く、不思議なルール
でなんとかなっているようですが、明らかに限界を超えているように見えます。
子供や老女が道路に飛び出し、直進車を止めて、曲がる車を誘導する(運転手
からなにがしかの小銭をもらう)命がけとも思える光景があちこちで見られます
が、思わず「危ないッ」と声が出てしまいます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

10数年前、インドネシアのバンドンにある繊維工場に製版技術を指導した縁で、
このオランダ統治時代の面影の濃い高原の美しい都市を訪れたことがありますが、
当時は華僑が経済の実権を握っていて、インドネシア人は工場労働者がほとんど
でした。ただし政府や地方の行政府でも中国人はタッチできない、と聞きました。

面積は日本の約4倍、1万5千とも言われる大小の島々で構成されるインドネシア。
首都ジャカルタの人口は1300万人ほど、東京と並ぶ大都市ですが、日本人に似
てシャイといわれ、小柄でスリムな人たちが多いこの国が、世界有数の資源国で
あることを活かして、まず国民の生活環境が良くなることを願わずにはいられません。

超高層のビルを見上げるでもなく、日中でも多くの働き盛りと思われる男たちが
ただその辺に腰掛けて通りを眺めている風景は、シンガポールや上海では今は
あまり見られなくなったように思います。

10年後に果たしてインドネシア・ジャカルタは変わっているでしょうか。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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