株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
ニュー台湾・オールド台湾
ここ数年、年に1,2回台湾を訪れるようになりました。きっかけは今から7年ほど前、
高雄の姉妹ロータリークラブのSさんに福井の料亭での歓迎の宴でお会いしたこと
です。
Sさんは李登輝元総統の友人で、李政権時は政府顧問もされていたようですが、
お会いした時は80歳を超えてなおかくしゃくとして、痩身長躯ながらなんともバラン
スのよい正座をされ、ご挨拶をされました。
はっきりした声でウイットを交えたスピーチにも感心しましたが、なによりその
「美しい日本語」に感動しました。戦前日本で教育を受けられたこともあるよう
ですが、当時の日本人(といっても東京で、それなりの立場の人でしょうが)が
話していたであろう「日本語」をそのまま受け継いでいらっしゃるのです。
もちろん今でも一日遅れで日本の新聞も数紙読まれ、戦後の日本人との交友も
多いでしょう から少しずつ変わってきているはずですが、それでも快いテンポ、
今の日本ではあまり聞かれない古風な言い回しなども違和感なく、失礼ながら
「正しい日本人の化石」のように思えたのです。
高雄または近辺にまで行く時は、必ずお会いしておりますが、今回は「アジア野球
選手権」で賑わっている台中と台北の旅、お会いできるのは来年になりそうです。
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「ニュー台湾」の代表は「新幹線」。ようやく開業にこぎつけた、という感じです。
台中から台北まで約1時間ほど乗車しましたが、車両は日本製ですからほとんど
日本の新幹線と同じ。荷物は別送したので手ぶらでしたが、大きな「荷物スペース」
が各車両にあるとのこと。
自動改札ですが、大陸と同じ、出口では「切符」は収受されません。のでこれが「切符」。
665元ですから2250円くらい、ただし団体料金です。駅の設備なども含めすごく快適でした。
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「オールド台湾」の方は、今回も世界四大ミュージアムの一つ、「故宮博物院」へ
行きましたが、足が疲れて毎回少しずつしか見れません。収蔵数65万点、3か月
に一度くらい一部入れ替えもあるようですが全部観るのに23年かかる、とガイドが
笑ってました。近く「嘉儀」に分院が出来るようです。
今回の旅には新たな友人夫婦が加わりましたので、台湾の北東端「九分」(分は
正しくは人偏がつきます)へ初めて行きました。それも暗くなってから。
「九分」は1890年の金鉱脈の発見でゴールドラッシュに沸きましたが、鉱脈が
尽きると街は次第に衰退、その後映画「非情城市」の舞台となって賑わいを
取り戻したとガイドブックにあります。
しかしなんといっても大ブレークしたのは、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の
モデルとなった場所として多くの日本人が訪れるようになったことでしょう。(興収
304億円は現在もトップとか)
山の斜面にへばりついたようなこのミステリアスな古い街は、時にアセチレンガスの
灯りに浮かぶ夜店の風情にも見え、急な石段の両脇に連なる茶藝店や土産物の
店も昭和の初めの日本と統治下の台湾の建物が混在しているようで、タイムスリップ
してしまいます。
食事をしたのは名の知れたレストランでしたが、古い家具や壁のエロチックな
稚拙な絵を見てふっとここは「娼館」だったのでは、と思いました。ゴールドラッシュ
といえば西部劇でも酒場と女は定番ですから。
2時間ほどの散策を終えてチャーターしたミニバンに乗り、山を下りましたが、
遠ざかる街の灯りはすぐ見えなくなり、夢の中の出来事のようでした。
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「台湾」は従来の「中華民国」ではなく「台湾」で国連の加盟申請をしましたが、当然
「中国」の拒否権にあいます。来年の選挙で「親中派」が勝つか、「反中」が勝利する
のか、今のところ「中国」はソフトムードですが、歴史の大きな転換点がいつやって
くるのでしょうか。 「中国」への遠慮から、別会社で就航していた日本のエアライン
も、JAL,ANA本体で来春から運航するようです。少しずつ「台湾」を取り巻く環境
は変化しています。
それでも私は他の外国で多少とも感じる「油断できないな」という緊張感を全く感じ
させることのない、最も親日的で、優しい美味しい「台湾」が大好きです。
横山国男
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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