大きくする 標準 小さくする


はるかなるオーガスタ

投稿日時:2007/04/10(火) 17:34rss

“ゴルフの祭典”第71回「マスターズゴルフ」が終わりました。
世界では数億人がTVを通じて観ていたことでしょう。

日本でもゴルフ好きの方なら、毎日早朝からTV観戦、最終日の9日
月曜日(現地日曜日)は出勤の途中も気になって、携帯でチェック
されていたサラリーマンの方も多かったかもしれません。

タイガー・ウッズフアンにはフラストレーションのたまる4日間で
したが、優勝したのはほぼ無名と言ってよい、ザック・ジョンソン
(31歳)。ヒリヒリするような重圧に耐えて、頂点に立ちました。


それにしても毎回思うことですが、外国の人はどうしてこのような
席でのインタビューの受け答えが素敵なんでしょうか。
この一見地味な(外見も)選手ザックも感動的な優勝者の弁を語り
ました。

外国人といってもアメリカが多い気がしますが、このような場合
まず主催者、関係者やボランティア、フアンへの感謝の言葉を述べ
ます。

1月に生まれたばかりの長男ウイルちゃんにキスしまくったあと、
「家族、仲間、そして神に感謝したい。夢と思っていたメジャーで
勝つことが出来たが、これからも出身地のアイオワを忘れないプロ
でありたい」と。泣かせますね。

前年度のチャンピオン、フィル・ミケルソンからグリーンジャケット
を着せてもらうと、「ワォ! 着慣れなくちゃね」と飾らない人柄が
よく出ていてほほえましくなりました。

日本では優勝者のインタビューの第一声が「そうですね、今日は・・」
と何を聞いても「ソーデスネ」で始まり「これからも応援よろしく
お願いしまース」で終わるのが非常に気になります。マイクを向ける
側のレベルにも問題があると思いますが。

        ・・・・・・・・・・・・・・・

1995年、生涯に一度はと思っていた「マスターズ」の決勝ラウンドを
観ることが出来ました。ジョージア州アトランタまでの長時間の飛行、
そこからバスでさらに数時間、ゴルフにまつわる私の思い出の中でも、
今でも色鮮やかで褪せることがありません。

本当に夢のような美しいコースでしたが、TVで観ていたのと全く違って
いたのは、実際にはかなりのアップダウンがある「丘陵コース」だった
ことでした。
全米アマで優勝したタイガー・ウッズが初めて招待された年だったと
記憶していますが、身体も細く、まだ少年の面立ちでした。


この年の優勝者は“オネスト”ベン・クレンショー。18番ホール最前列
で観ていましたが、最後の短いパットを沈めると、腰をかがめたまま、
パターから手を離し、両手で顔を覆い肩を震わせ慟哭しました。

あとで知ったのですが、師匠のハービー・ペニック老が大会直前に亡く
なり、共に長年師事したトム・カイトとともに葬儀に参列、棺を担いで
からトンボ帰りでオーガスタに戻ってきたのです。

“ハービーがついていてくれた”、とベンはインタビューで答えていた
ようです。すでに全盛期は過ぎていましたし、優勝者の予想ではかなり
後順位だったと思います。
背景にはいろいろなドラマがあるものですね。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

毎年のように用具の進歩や技術の向上があり、あれから「オーガスタ
ナショナル」も400ヤード以上距離が延びています。

108ミリのカップに向かって必死で考え、風を読み、自制と闘争本能の
間で揺れる心をコントロールしながら、持てる技術を駆使して攻める
マスター(名手)たち。そうはさせじとコースセッティングに叡智の
限りを尽くし、カップを守ろうとするスーパーインテンデントと呼ばれる
グリーンキーパーやコース委員会のマスターたちとの戦いがメジャーと
呼ばれるゴルフです。

今年の優勝スコアが久しぶりの4日間で1オーバーという、マスター達
を苦しめた結果は、ひとまず「コース」の勝ちだったということでしょう。

今ごろ「オーガスタナショナルゴルフクラブ」の面々は、あの美しい、
しかしあまり大きくないクラブハウスで祝杯を挙げているに違いありま
せん。

版画
       当時のNo.11ホール(版画)

タグ
珍しい木製のキャディバッグタグ

横山国男
http://www.yosakoiya.jp/
http://www.echi-zen-art.co.jp/

トラックバック一覧

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード:

会社概要

http://www.ykougei.jp http://www.yosakoiya.jp

詳細へ

個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

詳細へ

<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

コメント一覧

最新トラックバック

  • これもクリエイティブな仕事と思えば… from After5のメインストリート
    会社のイベントでポスティングを行うことになり輪転機を使ってオリジナリティーなチラシを作るべくにわか印刷屋になった話印刷といえば、昔は学校の先生がガリガリした原稿にイン ...
  • 昨日はバレンタインデー。悪党:民主党へ「青空」の歌詞を贈ろう from 脳挫傷による見えない障害と闘いながら・・・
    バレンタインデーでしたが、義理チョコで割引きシールを貼られたまま貰ったり。北方領
  • 犬山城 from 青春18切符で行く,日本の「城」巡り29
    oojijisunです,青春18切符で行きます お城巡りを準備中です、参考になります。
  • 【ブログピックアップ】横山工藝 横山国男さん from 経営者会報ブログ編集部
    「ブログピックアップ」では、 経営者のみなさんの書かれたブログの中から、 お薦めのブログをご紹介しています。 今回のお薦めブログは 横山工藝の横山国男さんです。  * ...
  • 「節約の王道」林望・著 | 我が道を行く、気品にあふれた節約本 from 23:30の雑記帳
    節約の王道(日経プレミアシリーズ) 節約本にありがちな、 ある種のみすぼらしさが感じられない、 上品なというか、気品にあふれた本。 筆者のものの考え方が独特なので、 同意できない方も多数いらっしゃると思われる。 例えば、ゴルフ好き、煙草好き、鉄道模型....