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2007年03月08日(木)更新

「園芸福祉」と「園芸療法」

雪のなかった冬でしたが、昨日はめずらしく10センチほどの
積雪、スノータイヤを交換してしまった人は大慌てでした。
でも春はもうそこまで、花の季節も間近い3月初旬の北陸です。


友人のMさんは長年ご夫婦で花屋さんを経営してきました。
最近息子さん夫婦が郊外のショッピングセンター近くに大きな
お店を開店されたのを機に、老後は「園芸福祉」の仕事に力を
入れていきたい、と話してくれました。

先日そのMさんの紹介で「園芸福祉士」の方が、ロータリー
クラブで30分間「卓話」をして下さいました。

          *******

幅広い年代の人が、「花や野菜を育てる」という活動を通じて、
楽しみや喜びを共有するというのが「園芸活動」、それを体感
できる場所や空間を作り上げるのに「初級園芸福祉士」という
資格があって、今や43の都道府県で2000名が「NPO法人日本
園芸福祉普及協会」の講座を受講しているとのこと。
(福井県ではまだ7名しか有資格者がいないのだそうですが、Mさん
も勉強中のお一人とか。)

さらに森を散歩する時の爽快な気分、植物が育っていくのを見る喜び、
自分で作った野菜を見ながら隣の人とオシャベリをする、“芋煮会”
などはその典型らしいのですが、「癒し効果やコミニュケーション
効果」をうつ病患者の治療や、身体障害者、精神障害者のリハビリ
などの治療に活用する「園芸療法」も確立しつつあるそうです。

医療法人「和佐の里」(和歌山県)の“園芸療法”の取り組みなど
もご紹介され、園芸はこれからの社会の中で、リクリエーションと
しても、治療としても、さまざまな分野で活用されていくことに
なるでしょう、と講師は結ばれました。

           *********

いただいた資料を読むと、「園芸療法」は18世紀ころヨーロッパで
始まったそうですが、我が国には1990年代に紹介されたとあり、
あまり知られていないのも不思議ではありません。

米国には「アメリカ園芸療法協会」があり、Mさんの話ではベトナム
戦争で肉体や精神が傷ついた帰還兵の療法としても知られており、その
ための特殊な園芸用器具なども開発されているとのこと。

そういえばトム・クルーズの主演した映画で、ベトナムから下半身不随
の身で帰還した若い兵士の“人間の尊厳が壊れていく”戦争の悲惨さが
よく出ていた秀作がありましたが、「園芸療法」がこのようなケース
にも有効なんだな、と思いました。

翻って荒廃する我が国の学校や街、頻々と発生する「金属類」の盗難、
「園芸福祉」のような活動は特に高齢者にでも出来る社会貢献ですから、
全国に広まって、植えた人も見る人も“ハッピー”な気分になる日本に
したいものです。

パンフレット表紙

横山国男
http://www.yosakoiya.jp/
http://www.echi-zen-art.co.jp/

2007年03月07日(水)更新

ゴルフ場を葡萄畑にしませんか

今日本には2400箇所ゴルフ場があります。ゴルフをなさらない
方は「えーっ、そんなに?」と驚かれると思います。

それも一箇所で20万坪とか規模の大きい所では50万坪などという
所もありますから、「よくもまあこんなに造ったもんだ」と
夢が覚めて思うのは夕張市のハコモノにも通ずるものがあります。

バブル崩壊の象徴、自然破壊でも問題になったことはご存知の
とおり、挙句は民事再生という便法で「会員権」と称する
手形を不渡りにされて、痛い目に会った人は私だけではありません。

何事もそうですが、ゴルフもゴルフそのものに何の「罪」も
ありません。「ゴルフの神様」がゴルフを錬金術に利用した
「人間」を罰したのは当然でもあります。

しかし「生涯スポーツ」、「生涯学習」にとても向いた素晴らしい
スポーツ・ゲームで、熟年以降からでも充分始められます。
あれほど嫌っていた阿川佐和子さんでも今は夢中らしいですから。

「民事再生法」で一旦は助けられたゴルフ場ですが、もともと過剰
供給ですから、再度倒産の危機に見舞われているゴルフ場もまた
多くなってきました。

         ・・・・・・・・・・・・・

ゴルフ場の有効利用についてアイデアがあります。

ワイン醸造のためのブドウ畑や、高級な野菜、果樹の栽培です。
ここ数年、福井から非常に甘くて美味しい「スイカ」を香港の市場
へ出荷していますが、我々日本人にとっても高価と思える値段で
まだ数量は多くないようですが、充分な市場性をもっているようです。
(ただしスイカは土質の関係から、ゴルフ場に合うかどうかは
不案内です)

お隣の「中国」では、急速に高級食材の需要が高まって、3000円、
5000円の高級メロンでも充分販売のチャンスがあるようですし、
いずれワイン文化も沸騰するでしょう。

ゴルフ場は陽あたりもよく、コース内には縦横に散水のための
パイプが埋設されていますし、各ホールのサイドにはカート道路、
作業道路も整備されています。

クラブハウスにはレストランもあり、カリフォルニアの「ナパ」など
では農場を訪れ、ワインの試飲を楽しむ光景もよく紹介されますので
日本人が休日に訪れるのも素敵ではありませんか。
新しいレジャーの形が一つ実現します。


さらにできれば、中高年者や障害者を雇用し、「園芸療法」(近く
ブログで書いてみたいと思っています)にも役立つかも知れません。
団塊定年者の農業に対する「憧れ」もうまく利用し、中国から輸入
するばかりでなく、しっかり輸出して「ハイテク・自動車」に熟年
パワーで一泡ふかせるというのはどうでしょうか。

こうして既存の過剰なゴルフ場の有効な利用を考えることは、業界
にとってもとてもよいことのはずです。
このままでは共倒れになることは必至ですから。


ゴルフ場


横山国男
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2007年03月03日(土)更新

池田晶子さんの死亡記事に驚く

今朝早く朝刊を広げて、やさしい文体と切れ味のよい口調
で「哲学」を魅力的なものにしてくれた池田晶子さんが、
2月23日にすでに亡くなられていたことが報じられていて
驚きました。

急いでヤフーの国内ニュースを見ましたが、まだ何も報じられて
いませんので「本当かな」とも思いましたが、そういえば
一昨日、毎週楽しみにしている「週刊新潮」コラム「人間自身」
が見当たらないので、目次をさがすと、

*池田晶子「人間自身」は休載します。

と小さい字でお断りがありました。もうこの時点でこの世に
おられなかったことになりますが、一週間以上の発表の遅れは
何か事情でもあったのでしょうか。


著作も何冊か読み、大のつくフアンの一人でしたが、語り口も
さることながら、特徴のある美形で不思議な魅力を感じていま
したので、新刊書にはさまれていた「サイン会」の入場券で
一度ご本人を見てみたいもの、と東京へ出向く社用がないか
考えたほどです。

独身かな、とも思ったのですが、記事には“喪主は夫 伊藤實氏”
とあります。
死因は腎臓がんとありますが、享年46歳、あまりにあっけない
最後で、(つい先日もコラムで“混浴”の話題を面白おかしく
書かれてもいましたので)もうあの名調子に出会うことが出来ない、
と思うと今朝はすごくさみしい思いで胸が一杯になっています。

合掌。


横山国男
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2007年03月01日(木)更新

【今週のお題】私の好きな人物ベスト3(幕末・維新編)

ベスト3といっても、幕末・維新の有名人の名前くらいと教科書的
な知識しかなく、恥ずかしい限りですが。

好き・嫌いでいえば好きは西郷隆盛、坂本竜馬それに郷土福井の
志士橋本佐内といったところですが、嫌いの代表は佐内等を斬首
した井伊直弼(1815.11.29~1860.3.24)でした。(安政の大獄)


経歴を調べても、彦根藩11代藩主井伊直中の14男として生まれ、
17歳から32歳までの15年間は三百俵の捨扶持の部屋住み。

自らの境遇に例えて「埋木舎(うもれぎのや)」と称する自宅で
世捨て人同然の暮らしだったとあります。

ただこの間、儒学、国学、曹洞禅、書、絵、歌、剣術、槍術、弓術、
砲術などを修めたほか、「茶の湯」では一派を確立するほどの文武
両道に長けた武士だったことは間違いないようですから、「ものの
あはれ」が分からぬ人とは思えません。

その後彦根藩の後継者になってからは、混乱する幕政を取り仕切る
大老職にまで上り詰め、騒擾の世中にあって強権をもって治安を
回復しようとし、政敵を次々と放逐、尊王の志士たちからは「赤鬼」
と憎まれるようになります。

そしてついに1860年3月24日、江戸城桜田門付近で水戸藩浪士により
暗殺の憂き目に会います。(桜田門外の変)

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・

もう大分経ちますが、草柳大蔵著「日本人のお行儀」という本で
“これぐらいの文章は暗記しなさい”と紹介されていたのが、
井伊直弼の著作「茶湯一会集」にある巻末の短文「独座観念」です。
(この本の“一期一会”という言葉のほうが有名ですが)

これは本当に素晴らしいと思いました。このような文を書く人が
「打ち首」の命令を本当に出したのだろうか、と。
「茶の湯の真髄、人をもてなす心とは」に深く得心したのです。


“独座観念”は「佐藤俊明のちょっといい話」というHPでわかり
やすく要約が書かれていますので引用させていただきます。


        *****************

 茶席終わって主客共々に名残り尽きない思いをいだき、別れの挨拶を
済ませて客が帰路についたならば、客の姿が見えなくなるまで見送り
することが肝要である。
 客がかえったからとて早々に音を立てて戸・障子を閉めるのはもって
の外で、これではせっかくの饗応も台無しになってしまう。
 客の帰る路がみえなくとも、取り片付けはいそいではならない。
心静かに茶席に戻り、炉の前に独座して、まだまだお話もあったろうに、
今ごろはどの辺まで歩みを進められたか、今回この一期一会は二度と
再び帰るものでないこと等と思いめぐらし、または独りでお茶を立てて
一服したりする。
 これが一会極意のきまりである。この時は寂漠森閑としてうち語らう
ものとしては釜一口だけで、ほかに何物とてない。


        ******************

原文を読みますと、シンとした薄暗い茶室にただ聞こえるのは「シュン
シュン」という釜の湯の沸く音と、炭火のほの赤さだけ、そこに独座する
のは直弼なのか自分なのか・・・いつの間にか炉の前にいるような気に
なる名文です。

今年は桜の名所「彦根城」が築城四百年とか。「埋木舎」も傍にある
ようですから、訪れてみたいと思います。


吉川壽一SYOランチョンマット
★ランチョンマット★
吉川壽一 書(当社オリジナル制作)

横山国男
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2007年02月28日(水)更新

【お題】就職について-明大商学部生の質問について考える

<質問>
就職について前向きになれません。なぜなら、就職してサラリーマンとして
働くことは社会の中の「歯車になること」になるとしか思えず、嫌悪を感じるからです。

この考え方はおかしいでしょうか? 何かアドバイスをお願いします。

(明治大学商学部生)


就職=サラリーマン=歯車・・・嫌悪 というわけですね?

戦前は20%しかいなかったといわれるサラリーマン、今は70%
以上だそうで、就職とは「就社」を意味し、社会人ではなく「会社人」
とも揶揄される現代日本です。

社会学のことは分かりませんが、20%が70%になったら「何に
価値をおくか」が変質して当然ですし、現在問題とされている「教育」
や「階層」「ニート」などとも関連があるような気がします。


世の中が「バブル」に向かって突き進む頃、東京の朝の通勤電車に
乗り合わせた私は、満員の社内で右を見ても左を見ても例外なく
日本最大の「経済紙」朝刊を小さく折りたたんで熱心に読んでいる
サラリーマンの姿を見てチョット異様な感じがしたものです。


長男は親の仕事を引き継ぐことが当然とされた時代からみれば、
何を職業に選んでもよい現代なのですから、サラリーマンしか選択肢
がないとは思えません。

また「産む機械」はともかく、社会を機械に例えれば大小いろいろな
「歯車」がそれぞれの役割(使命)をはたしてこそ健全な国や地域が
生成される、と考えたいと思います。


世界的な奉仕団体である「ロータリークラブ」では特に四大奉仕を
掲げています。不真面目ロータリアンの私が言うのも可笑しいですが、
その2番目は「各自の職業に誇りと自信を持つように努め、品位ある
営業を行い、それを通じ人々に奉仕しましょう」(職業奉仕・要約文)
となっています。

自らの仕事を熱心に行うこと、それ自体が社会への奉仕ともなっている、
ということでしょうか。

ロータリークラブの徽章(マーク)は「歯車」をデザインしたもの
ですが、今回のご質問と不思議な符合も感じます。


就職も含めて人生そのものに前向きになってくださることを期待します。


ロータリー表紙


横山国男

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2007年02月23日(金)更新

土鍋炊飯器とウオッシュレット

年末に比較的高価な買い物をしました。上にあげた二つですが、
「土鍋炊飯器」は初めて使うもの、「ウオッシュレット」は
二代目です。

先に「ウオッシュレット」ですが、初代は25年使い、最近不具合
が続くので、思い切って入れ替えることにしました。
ノズルなどはレバーを手で操作するタイプのもので、入れ替えに来た
工務店の若い人が「へー、初めて見た」と言う旧式のモノらしいです。

「らしい」というのは、それほど不便とか時代おくれなどと思った
こともなかったからですが、「ウオッシュレット」に関する限り、
フタの開閉が自動になったり、操作がタッチパネル式へ、シャワーの
強弱がよりデリケートになったりしたぐらいの変化のように思います。

いわばより電化されたのですが、ストーブなどと同じように故障のリスク
はより高くなったのではないでしょうか。

マライア・キャリーが日本でなにより感心したのは「ウオッシュレット」
だったという話があります。上海では「マック」のトイレですら、出てきた
ときには「顔面蒼白」だった家内が今のところ一番ご満悦ですが。


「土鍋型炊飯器」は予想通り孫たちにも大人気です。
特に「雑穀米」のご飯、それを「おにぎり」にしたもの、その「おにぎり」
も時間が経っても白米のような「団子状」にならず冷たさも気になりません。
「おこげのおむすび」も「焼きおにぎり」にしても二人の孫が歓声をあげて
食べます。

「ご飯党」の支持を得て、値が張りますが最近のヒット商品というのも
頷けます。


ところで最近の小学生と保育園に通う二人の孫(男)の猛烈な食欲には驚かされ
ます。20年「パン・ケーキ」を作ってきた家内が呆れるほどよく食べます。
それでも太る様子が全くないのは、「代謝」が活発なのでしょう。

この調子でもし「スナック食品」や「加工食品」を食べたら、と想像すると
怖いものがあります。微量ではあっても、添加物や残留農薬が小さな身体
に蓄積していくに違いありません。

「土鍋」で炊いた「雑穀米」や、良質の小麦で作った手作りのパンが彼らの
「身体」を造っていくのに役立つなら、「安い買い物」と言えるかも知れ
ません。

七穀米のおにぎり
七穀米のおにぎり

手作りのパン
手作りのパン ~カンパーニュ~

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
横山国男

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2007年02月14日(水)更新

金継ぎ(きんつぎ)・・リサイクルについて

江戸ブームですが、江戸は「環境リサイクル」という点でも
素晴らしかったようです。

大掛かりな装置でペットボトルから糸を「再製」するような
現代とちがって、「エネルギー」を殆ど使わないリサイクル
・・「修理・再生」が中心です。

古着屋、紙くず買い・拾い、いかけや、たが屋、下駄の歯の
入れ屋、傘の古骨買い、瀬戸物の焼き継ぎ屋などがあったようで、
一部は近年まで残っていたものもあります。

私の中学生時代は「厚歯」の下駄で通い、減ってくると下駄屋
に持っていって入れ替えてもらいましたし、母は茶碗を欠かした
時でも少しいいものは「焼き継ぎ」に出していました。



「修理」といえば先日食事した近所の和食屋さんで、食べ終わった
織部風の小皿に「金継ぎ」がしてあるのを見て、ご主人に「珍しい
ですね」と言うと、なんと自分で修理したとのこと。

皿1       


皿2


「本漆(うるし)だとかぶれるので、カシュー(人工漆)で
やったんですよ」。 こちらが興味深そうに眺めているので、
忙しい時間帯なのに、他の修理した小鉢や皿なども戸棚から出して
見せてくれました。どれも純金を使ったプロの修理法に近いもの。

物やサービスが豊富になり、修理するより買ったほうが安いと
「使い捨て」が当たり前になって「ものを大切にした日本人の
美徳」が喪失したといわれていますが、上手な「金継ぎ」などは
それ自体が新しい「景色」となって心を和ませるものです。

次は「再生」のお話。
このお店は2年ほど前、近くの民家を「京の町屋」風に改装再生し、
移転したのですが、去年の夏八畳の部屋に「油団(ゆとん)」
という古い「大福帳」や和紙の古紙をニカワと植物油で固め、オカラで
磨き上げる敷物(越前和紙の産地、福井ならではの夏の敷物、今は
ほとんど見かけません)が敷いてありました。

傍らの家内に「これがいつも話している“油団”だよ」と講釈して
いると、お茶を持ってきたご主人が嬉しそうに笑って「名前を知って
いたのはお客さんが初めてです」。まだ若いご主人と一足飛びに友達に
なったような気がしました。

(お店の名は“泰平”。福井駅より徒歩10分。下のズボ蟹も)


【御食国(みけつくに)福井の食べ物】

              
ズボ蟹    


ズボ蟹。水蟹ともいいます。ズワイと
違い、甲羅の部分は食べません。              
端から2,3センチの所を「パキッ」と
折り、引き出すとたっぷりとした、
美しい蟹の身が水を滴らせて・・。
今の季節だけのおいしい蟹で、バカ
高いズワイより好きという人も。
              

横山国男

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2007年02月13日(火)更新

早く観たい! 映画「世界最速のインディアン」

 映画評論家の「おすぎ」さんが、先日TVで「世界最速の
インディアン」という映画を激賞! 花丸していました。
もうご覧になった方もおられるでしょう。

(大都市では観れるようですが、こちらではまだ公開されて
いないのです。)


いわずもがなですが、ここでの「インディアン」とはアメリカの
原住民のインディアンではなく、有名なオートバイの方。
(我々の年代では“バイク”ではなく“オートバイ”。写真の
箱には“MOTORCYCLE"とあります)。

オートバイとそれに魅せられた実在の人物“バート・マンロウ”
のお話だそうで、監督のロジャー・ドナルドソンは30年間この
企画を温めていたとか。 製作費は日本の出資と聞きました。


車もバイクにも詳しくありませんが、3年ほど前、近所に出来た
「アンチックと古着」の店を覗いたら、スカイブルーの色が
あまりにきれいなオートバイのモデルがあり、思わず「これ、
いくら?」とアイヌの「アツシ」のようなものを纏った「女主人」
に聞きました。

「二千円ってとこかな」「えーっ、ホント?」嬉しくなって買って
帰ったのがこれ。 名車「インディアン」です。




「模型の写真 1/6スケール」




「ホントに安かったな。 あのオバチャン勘違いしたんじゃ・・」
と思いつつ、家でよく見ると一部はダイキャストですが、大半は
プラスティック、製造も1987年で「MADE IN CHINA」とあります。
とてもアンチックなどといえるものではありません。


でも気に入っています。C.G.でデザインしたものにはない何か手の
温もりがあります。アメリカじゃ白バイにも使われていたような。
どなたか「何年型モデル」か教えてくださると嬉しいですが。


いくつになっても、このようなモノに男はトキメクもの。そうで
なければ「ハーレーダビッドソン」の購入者の大半が、50,60歳代の
「オジサン」である、との説明がつきません。

         ・・・・・・・・・・・・・

 肝心の映画の話ですが、主役のマンロウに、大フアンである
サー・アンソニー・ホプキンスとのこと。

“羊たちの沈黙”“ハンニバル”など猟奇的な役や、異常な役柄で
知られてますが、「日の名残り」での名演や、「永遠(とわ)の
愛に生きて」などは深夜に居間のTVで観て、周りに誰もいないので
ボロボロ泣きました。ラストの美しい風景も心に残ります。

 この映画ではまた新しい境地を開いて見せてくれるようです。

1930年代に、流線型で空気抵抗を極限まで減らした「インディアン
スカート」という卵型のオートバイで、今でも破られていない
時速305.89キロという「世界最速記録」を樹立した男、そのとき
既に68歳。

この魅力溢れるマンロウのまわりに「本当にいい女たち」(おすぎ)
がからむそうなので、これも楽しみです。

横山国男

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2007年02月09日(金)更新

TV番組:倉敷のジーンズVS福井のメガネ

昨夜の「ニッポン旅X旅ショー」(NTV系)という“旅・グルメ”
番組は、低価格・大量生産に抗して頑張る「日本の職人さん」が
見られて楽しいものでした。

おそらく今朝から「私も欲しい!」「食べたい!」というわけで、
工場やお店の電話が鳴りっぱなしになるのではないでしょうか。

ただ意外というかやっぱりというか、岡山のジーンズはともかく、
福井が全国の「日本製眼鏡」の90%以上を製造していたとは知ら
なかった、とスタジオにいたタレントさんも言っていましたね。

それは無理の無いことかも知れません。メガネにはブランド名
(ほとんどがライセンス)しか入っていませんし、箱やケースの
表示は「MADE IN JAPAN」とあるだけですから。

番組では「素材、デザインから個人オーダー」という福井の会社
が紹介され、後日送られてきた「メガネ」に感激しているタレント
さん、スタジオの他の人も「私も作りたい!」という嬌声が飛び
交っていましたが、まだこのような会社、工房が多いわけでは
ありません。

地場産業としての「眼鏡産業」は最盛期の三分の一ぐらいに縮小
したのではないでしょうか。ほとんどが中国へ移ってしまいました。
その結果、生き残りの一つの形態として上記のようなアトリエ的な
企業や工房が出現しはじめているわけです、


ジーンズもよく似た環境にあるのではと思います。勿論ストーン
ウオッシュやサンドペーパーでのユーズド加工などはすぐ中国へ
もっていかれてしまいます。次々と考えなければならないのですから
シンドイ話しです。

壁崩壊以前の共産圏や市場解放前の中国では、ほとんどジーンズ姿
は見られませんでしたが、今やモスクワ、上海では、老いも若きも
ごく当たり前のようですから、開拓時代のアメリカの金鉱堀りの
作業服・・「ジーンズ」は「アメリカ文化」の中で「COKE」とともに
最も成功したものの一つでしょう。
その生地の量はハンパではありません。

        ・・・・・・・・・・・・・・・

当社専務でデザイナーのハマちゃんがお遊びでジーンズにプリント
して提案したら、「インディーズ系」のアパレルの目にとまり、
けっこうご注文を頂いています。現在リニューアル中のサイトを
オープンする時はちょっと力をいれてみたい、と思っています。


ジーンズ写真2


ジーンズ写真3



横山国男

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2007年02月06日(火)更新

身土不二・・長生き県“福井”のわけ

暖冬とはいえ寒い季節、ここのところ「お悔やみ」が続いています。

昨夜も友人の母親の通夜に出かけましたが、91歳だったとのこと。
不謹慎かもしれませんが、友人には思わず「大往生やったね」と言い、
奥さんには「長い間、ご苦労さん」とお悔やみを述べました。
 
認知障害もでた晩年の介護を、奥さんのR子さんが一人で奮闘した
ことを知っていたからでもありますが、「息子」には大した反応も
示さず、「嫁のR子さんの言うことには素直に従った」と聞いてもいま
したので、奥さんには「大変だったけど、良かったね」と言いた
かったのです。

我々世代の両親で今日まで生きておられる人は、殆どが80歳台後半
より上になります。
まだ友人知人や取引先の関係の中にも沢山おられるので、これからも
このようなことが続くことになるのでしょうが、それにしても周囲に
長命の方が多くおられます。私の母も82歳、父は96歳での他界でした。


福井県は男女とも2位の長命県として最近はマスコミに頻繁に登場し、
その理由の分析も盛んですが、ひとつは「食」にあるのでは、と
よく言われます。

 //////////////////////////////////////////////////////////

 どなたも言及していないのですが、福井は軍需産業でもある繊維
工場が多かったためか「空襲」に遭い、その後「大地震」で数千名が
死亡、その後も「洪水」、「豪雪禍」など災害が相次ぎ、そのせいか
現在でも「共働き日本一」で皆が働くこと、ウマイ水と米が豊富で、
また背景には「浄土真宗王国」として、毎朝仏壇にご飯を供え、経を
読み、ものを粗末にせず、「一物全体(まるごと)」を頂く生活習慣
などは、我々庶民の家でもかってはごく普通に営まれていたことなので、
それも関係しているように思います。

///////////////////////////////////////////////////////////

「身土不二」(しんどふじ)とは、「からだ(身)と環境(土)とは
不可分(不二)のもの」という考え方です。
「医食同源」、「薬食一如」などというのも類語でしょうし、最近
流行語となった「スローフード」、「地産地消」も同義語に近いと
思います。

 国内外から「経済効率」や「美味しいから」、「珍しいから」と言う
理由で沢山の種類の食べ物を金にあかせて調達し、我々の胃腸を通過
するようになってからまだほんの30年ほどしか経っていないでしょう。

季節はずれ、即ち「旬」を無視し、冬でも冷やしたものや本来夏採れる
ものを食べたりするのも「身土不二」、「食養」からは外れるようです。

「癌」という字は「病ダレ」に「品物の山」と書く、とある高僧が何かの
本に書かれていた記憶があって忘れられませんが、ともあれ両親世代は
最晩年、少しの期間介護を要したりしますが、概ね「健康長寿」を全う
されるようです。
人生の大半が「身土不二」だったわけです。


もう一つ、通夜で同席した共通の友人で、幼馴染の建築家のSちゃん
(和辻哲郎の“風土”を愛読書NO.1に挙げるのですが)から青年の頃
聞いた話。

「一番いい家は、その土地の木を使い、その土地の土で壁を塗り、その
土地で焼いた瓦で屋根を葺くことだそうだよ」。

これもまた「身土不二」ですね。「医居同源」(?)という造語を思い
ついてしまいました。
昔は「ハウスシック」などという言葉はありませんでしたから。


これからこのブログで郷土福井の「長生き食」と言われるものを時々
紹介してみたい、と思っています。


横山 国男

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会社概要

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個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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  • 「節約の王道」林望・著 | 我が道を行く、気品にあふれた節約本 from 23:30の雑記帳
    節約の王道(日経プレミアシリーズ) 節約本にありがちな、 ある種のみすぼらしさが感じられない、 上品なというか、気品にあふれた本。 筆者のものの考え方が独特なので、 同意できない方も多数いらっしゃると思われる。 例えば、ゴルフ好き、煙草好き、鉄道模型....