株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
2007年05月19日(土)更新
”明大生との一門百答”に答えてみます
〈質問〉
私は大学に入る前に、正社員として3年間働いていました。
経営者として、私のようなイレギュラーな人材を「新卒」として採用
したい、と思われますか。
(明治大学商学部 和田亜梨沙さん)
「私のようなイレギュラーな人材」を「新卒」として、という部分が気に
なります。
ひとつは大学に入る前に3年間働いたことがなぜイレギュラーなのか、
ということです。私にはこの方がレギュラーではないかとさえ思えます。
3年間の社会人経験が和田さんに明大を選ばせ、明確な目的を持って
大学に通われたのではありませんか?
二つ目は大学全入時代となっている今日、何のために「大学」へいくのか、
という意義や目的が希薄になっているように思われることです。
目的意識のない、また「切磋琢磨」などとは無縁のまま卒業してくる
若者たちを「新卒」というラベルだけで採用する企業・・・不可解です。
企業が相変わらず「新卒」にこだわることが、就職氷河期に沈んだ
幾多の優秀な人材をスポイルし、多くのフリーターやアルバイターを
生み出したたことと無縁には思えないのです。
大げさにいえばこの少子高齢化時代に国家的な損失だったのでは
ないでしょうか。
OJTなどというとカッコいいですが、その中身は業務の習得というより、
大半は社会へ出る前に本来習得しておくべき「躾」や「他人への尊重」
などからはじめなければならないのが現状ではないか、と想像している
のですが。
企業にとって大変なコストであり、そうまでしても3年後には3割の人が
転職してしまう時代なのです。
結論・・私が採用する立場なら和田さんのような人材こそ欲しいと思います。
横山国男
【オーダーよさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
2007年05月17日(木)更新
「山道」「間道」「綾錦」・・・伝統織物の今
先週末山登りやハイキングに行ったのではありません。京都の着物問屋さんを
見学しました。(タイトルは絹織物の織り方というか名前です)
「いつ頃からの御商売ですか」「応仁の乱のころには店があったように聞いており
ますが」と著名な問屋の専務さん。この中庭の土もそのころから変わらないのか、
と思うとちょっと裸足で歩いてみたいような気もしました。
(別室での正倉院”名物裂”などの復元品も見せていただき感激)
能衣装や有職織物の織屋さん、帯や紐、お茶事のお菓子司さんにも”超”のつく
老舗のある京都ですから、特別驚きもしませんが、案内していただいたD百貨店の
呉服担当の方も、「手前共も間もなく創業300年となります」とカルく仰られます。
すごいものがありますが、それにしても近年の「着物」の衰退は目を覆うばかり
です。
昨年も「着物販売に新機軸を取り入れた」商社が倒産、マグニチュード7級の激震
が走り、特に象徴的だったのは室町でも有名な老舗の「問屋」さんにも被害が及ん
だことです。以前なら保守的なこのような「老舗」は取引に応じなかったはず。
京都の着物は独特の分業システムで作られ、その間をつなぐ「悉皆」(しっかい)と
いう業者(制度)が制作全般をコントロールしてきたのですが、糸、織、染め、蒸し、
水洗(水元)、仕上げ、縫いや刺繍などの各工程(工場・工房)の足並みも乱れて
きています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
珍しい織物(着尺地)を見せていただきました。「間道」(かんとう)ですが、織り方に
特別の技巧があり、気の遠くなるような作業の積み重ね、染めの色といい、モダン
な意匠といい「ああこれが間道ですか」と興奮しました。
間道 綾錦(縦糸の見本。尺幅で3千本以上ある。織かけ。)
「山道」というのもありますね? と工房から出張ってこられた方に私が尋ねると
「よくご存じですね、ここにはありませんが」とひとしきり伝統織物の話で盛り上が
り、いろいろなことを教えて頂きました。
建築か絵をやりたかった少年でしたが、工業高校や専門学校で選んだ「染職」の
周辺でその後も仕事をするようになって半世紀、「プリント」はまだ100年 くらいの
歴史しかありませんが、いつも憧れてきた「日本の伝統織物」、この春沖縄では
「芭蕉布」と「紅型」のお店で美しい女店主さんと話に夢中になり、集合時間に
遅れそうになりました。
「日本の伝統織物」 「鐘紡コレクション」
毎年「初詣」に京都の神社へお参りしますが、3年ほど前ですが愕然としました。
八坂神社へ向かう道路は歩道から人が溢れているほどでしたが、この年着物姿の
人を探すのに苦労しました。
「何かが変わった」と思わずにはいられませんでした。
「着物」だけが消えたのではなく、日本人の大切な何かが急速に消えていくような
気がしました。
世界に誇る日本の衣文化の代表「着物」、衰退を嘆くばかりでなく、シナジーネット
代表の坂口昌章さんにならって、私も「男の着物」を愛用するよう心掛けなければ、
と思います。
素晴らしい織物や着物を見せていただいたあとは、南座で「玉三郎」の舞踊劇を
鑑賞。愛らしくも妖艶、美を超越して幽玄・・・・・・。
「美しいもの」が見られた幸せな1日でした。これをして「眼福」というのでしょうか。
感謝!
横山国男
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2007年05月11日(金)更新
【今週のお題】社名の由来について
社名の由来について、後継者にも話したことがないように思いますので、
いい機会なので書いておこうと思います。
30余年前の創業時、個人経営でしたので「横山工芸」と称しておりました。
名づけていただいた方がいらっしゃいます。
尊敬する同業者の社長さんで、三重県亀山の「伊勢型紙」の老舗の社長、
松浦さんです。
福井ご出身の方で大変お世話になりました。当時「シルクスクリーン製版」の
近代的な福井工場を造られ、私もここへ出向して研修をさせてもらいました。
独立にあたり、ご相談し、ゴッドファーザーにもなっていただきました。
「横山工芸というのはどう?」
その数年後若くしてガンで亡くなられた時は本当に落胆しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10年ほど前、書家の吉川壽一氏に友人のよしみで「書」で社名を
書いてもらったのですが、中でも気に入ったのが「株式会社 横山工藝」
というこのブログのタイトルでも使われている書体です。
実務上は「横山工芸」をその後も使っていて、「横山工藝」はロゴのような
扱いをしていましたが、後継の娘たちが「この方がカッコいい」というので
2年前に登記も変更し、すべてこの表記にしました。
もちろん私も気に入っていますが、パソコンの小さい文字ではクリアーに
見えないようなので今でも「工芸」を使うこともあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中国ではすべて「藝」のようですし、劇団「民芸」も最近また「民藝」と表記
するようになって「おっ」と思いました。
ところで社名変更について印象深い話を記憶しています。
CIが盛んだったころ、どなたでも知っている「伊藤忠商事株式会社」もビジ
ネスでは日本語ワープロがなかった時代「カタカナ」を使うことに一時熱心
だった経緯もあってのことでしょうか「イトチュー」とか「シーアイコーポ
レーション」とか経営ボード側から案がでたようですが、若い社員から圧倒的
に「伊藤忠商事」が好き、との反対で変更されなかったと聞きました。
CIブームに連れて一時は社名の変更が流行りましたが、今は「三角合併」
とか「M&A]とかで、大きな企業ではある日突然愛着のある社名が消えて
しまうかも知れない時代になりました。
横山国男
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2007年05月09日(水)更新
ナイスガイ ”ダン” ご苦労さんでした。
昨日8日地元の福井テレビ、夕方の地域情報番組に出演依頼があり、
当社の商品や仕事を紹介できるチャンスに恵まれました。
自分の描いた絵やデザインをTシャツやトートバッグなどに1枚から
プリントできる(写真でもOK,フルカラー)ことをお見せしたのですが、
夏を前にしてなかなかの反響でした。
放送現場のデパートに近い、仲良くしている「タオル専門店」の愛犬、
”ダン”(9歳・オスの黒の毛並みが美しいレトリバー)にも、さりげなく
登場してもらいましたが、Tシャツのモデルにもなってくれた本当に
しつけのよい、人間ではありませんが「ナイスガイ」なのです。
赤ちゃんの時から見ていますが、こんなに素晴らしい犬だったら飼っても
いいなと思い、実際ダンの子が生まれたときにも分けてあげる、といわれ
たのですが、家内が10年ほど前に亡くなったウチの柴犬を見送った際、
「もう他の犬は飼わないからね」と約束したから、と悲しそうに言うので、
今は迷い込んできた「白ネコ」が一匹、ひねもす無防備に寝ています。
ペットは今や2000万匹もいるそうですが、飼い主との素晴らしい関係
を見ることはそうありません。
いつもは自宅にいるので滅多に会うチャンスがありませんが、それでも
覚えていてくれるようで、こちらも「やあ、ダン 久し振りだね」と
自然に挨拶できる「ナイスガイ」なのです。
ダン、PRに一役かってくれてありがとう。
*「視聴者プレゼント」で”制作割引券”を差し上げて喜ばれた「チーム応援
団旗」(バドミントンクラブの作例)
1.2m×1.8m
横山国男
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2007年05月08日(火)更新
福井テレビ(FTV)の情報番組で”モノつくり”PR
今日(8日)の「福井テレビ」夕方の情報番組”おかえりなさい”のコーナーに
「出演してお仕事を紹介しませんか」というお話が連休前にあり、「それは
ありがとうございます、よろしくお願いします」ということになりました。
ということですぐディレクターが見えられ、番組説明と打ち合わせが行われ、
その後送られてきた「進行表」に沿って、登場する娘と「当社のモノつくり、
商品(作品)の紹介、視聴者プレゼントのアイデアなど」を家内も交えて
アレコレ検討しました。
夕刻16:55分から18時近くまでの地方局制作の地域生活情報番組です。
主な視聴者は主婦・学生・子どもたち、自営業者やTVをつけているお店など
のようです。
北国でも連休が過ぎればTシャツのシーズン、ビッグイべント「母の日」を
前に1枚から作れるオンデマンドTシャツ、「よさこい」の衣装もそろそろ
制作しなければ、とお考えの各チーム・・放映直後から電話が鳴りっぱなし
なんてことになれば「創業の日」「●婚記念日」でもあるので嬉しいのですが。
横山国男
【オーダーよさこい屋】
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【染型工房 横山工藝】
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2007年04月27日(金)更新
サイトリニューアル
当社のサイトをURLとも全面リニューアルしました。
「職人」を前面に押し出した「染型工房 横山工藝」という店名です。
今は店舗を改築してお客さんを待つオーナーのような気分です。
URL:http://www.ykougei.jp <http://www.ykougei.jp>
もうひとつの専門サイト「オーダーよさこい屋」をUPしたのが昨年の今日、
この一年いろいろなことを学びましたが、零細な「加工業者」が直接顧客に
提案・販売する試みとしては予想を上回る成果だったと思います。
出来上がった「商品」や「製品」を販売するサイトではないため、サイトの
運営、顧客対応にかなりのエネルギーが要りますが、それは当たり前のこと、
お問い合わせや見積もり依頼に忙殺される中で「何が求められているのか」
「当社で応えられる素材や手法は」の自問自答の積み重ねが「モノつくり
ネット稼業」の要諦ではないかと感じています。
私が考えている新しい当社サイトの“究極”は「工房の開放」です。
“一億総デザイナー時代”、“ユーザーが動かす工場”の具現に向かって顧客・
個客が思い思いに「モノつくり」を楽しんでもらえたら、ネットでもリアルでも
「今だけ、ここだけ、貴方だけ」の実現です。
その実現に「プロが手を貸しましょう」ということなのです。
個人が設備や資材を持つ必要もなければ、資金も不要、必要なのは「これを
自分の手で作ってみたい」という、ワクワクするようなモノ創りへの欲求が
あれば、お手伝いしますよ・・です。
「染型」(伊勢型紙)は現代ではステンシルやシルクスクリーンにその技法や
デザインが引き継がれています。
かっての「江戸小紋」に代表される「伊勢型紙」は、四人おられた「人間国宝」
の彫り師もすべて亡くなられてしまい、産業としても見る影もありません。
このことを惜しんでも仕方ありません。グーテンベルグが「活版印刷」の技法
を開発した陰で、多くの聖書筆耕者が職を奪われたことでしょう。
最近ではCGの普及、オンデマンド化で「写真製版業」もあっという間に消失
しつつあります。
時代や技術は変わっても「モノを作る心」は変えずに精進したい、と考えて
います。
「花鳥風月」 吉川壽一
横山国男
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2007年04月20日(金)更新
お願いするのはこちら
地方選の後半も選挙運動は明日が最後の日、いつもながら候補者、支援者の
皆さんのお疲れもピークでしょう。
いろいろなことが「変化」していることを実感している中、選挙も”マニフェスト”
などという言葉が出てきましたが、それでも昔からスタイルが変わっていない
ものの一つ。
「出たい人より、出したい人」とも言われて来ましたが、身近な地方自治にその
”人格識見”を活かして欲しいと望んでも、資金や過酷な選挙戦に耐えられない人が
いて当然です。
当選の暁に「万歳!」の繰り返しや、「ダルマに目を入れる」より、「選良」として
これからの仕事を思うと責任の重さに身が引き締まる、といったきわめて当たり前
の感覚を持っている人が尻ごみするのも無理ありません。
かくして選挙は一種の「お祭り」と化し、時には候補者自身の「生活手段」「家業」
では、と思えるような世襲議員が大半を占めるようになってしまったのは、国政レ
ベルの方が顕著ですが。
選挙カーのスピーカーの声がずいぶんと大きく聞こえるような気がします。
考えると今地方の街は、昔に比べずいぶん静かになっているんだな、と気がつき
ます。
身近な商店街の人通りは絶え、子供たちの遊ぶ声もなく、車は多くなりましたが
他者との関わりを拒否するごとく静かに走り去って行きます。
「生活する音」「猥雑な音」が少なくなってきました。
その中で4年に一度、突然「お願いしまーす」の大音声が連日響き渡るのですが、
「もう違うんじゃない?」とズレを感じているのは私だけではないと思います。
全国の地方都市に増えている夕暮れのような町を、明るい希望の持てる街にして
いただくよう「お願い」するのはこちらだと思うのですが。
横山国男
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2007年04月18日(水)更新
教育・・ジジババにできること
知るは喜び
調べるは楽しみ
分かるは感動
学ぶは一生
2年ほど前、ある企業のサイトの文章の中に出てきたこのコピー(?)
にすごく感心し、思わずメモしたのですが、これはどなたかの有名な
作なのでしょうか、それともたとえば大手学習塾などの「コピー」
なんでしょうか。
いずれにしても、「うまいことを言うもんだなあ」と思って、その後
時々「教育」の話になるとこれを話題にすることがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・
昭和も20年代の終わり頃になると、ようやく敗戦の傷跡も癒え、小学校
高学年だった私の周りでも「冒険王」とか「おもしろブック」などの
子ども向け雑誌も豊富になり、「貸本屋」さんも全盛期だった記憶があ
ります。
私の愛読したものに「年鑑」があります。その頃は朝日新聞の少年向け
年鑑や、大手出版社が盛んに年鑑を出していました。
インターネット時代を迎える前には、膨大な本が出版され、情報は細分化
されたので、年鑑はいつの間にか姿を消してしまったようですが、団塊
世代を含め、私たちはこの年鑑でいろいろなことを「知り」、「調べ」ま
した。
世界の国々、人口や物産、文化文物など人文科学の「知の宝庫」のような
大部の本で毎年記述が書き改められます。
余裕のない母にせがんで買ってもらった思い出がありますが、文字通り
「知る喜び、調べる楽しみ、分かる感動」がありました。
また一時期、「叙勲」の記念にとか、「創立○周年」の記念品、引き出物
として立派な字典や事典をいただいたことがあります。
しかし今は殆ど使わなくなってしまいました。なんと言ってもパソコンの
「ウイキペディア」や「アルク英語辞書」などは文字も大きく(老眼には
なによりなのです)、記述の多さ、語彙や文例が豊富で「あっ」という間
に引けてしまうこの利便性に、IT時代のすごい恩恵を感じずにはいられま
せん。「学ぶは一生」もこの部分では随分楽になりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小学生の授業に「茶道」「お点前」などを取り入れた先生の話が週刊誌に
ありましたが、子どもたちがすごく関心を示すそうです。
私の中学校の時は「茶道部」「華道部」などのクラブがありましたが、
今急に思い出したのは「職業・家庭」という授業時間があったことです。
工作や料理などをした記憶がありますが、まだ義務教育を終えて就職する
子どもたちも多かった時代だったからでしょう。楽しい時間で裁縫で作った
雑巾や金工のチリトリなどは母が喜んでくれました。
「知る」「調べる」「分かる」「学ぶ」はいつの時代であっても「教え、
育む」のキーワードだとあらためて思います。
「教育」にもメソッドや技術があるのでしょうが、まず何より子どもたちの
「目を輝かせる」ようにすることが原点ではないでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この春休みに小三の孫を「春休みジュニアゴルフ教室」に連れて行きました。
なんとしても「野山」に引っ張って行かねば、と決心した理由のひとつが
「ゲーム」です。
クラスの殆どの子が「ゲーム機」を持っている中、娘はかなり我慢をさせて
きたようですが、三年生になるまで、という約束だったので与えました。
本ですごした祖父・祖母から見ると「異常」としか思えません。下の子まで
夢中で、呼びかけても返事もしない、とうとう下の子はトイレに行き遅れる
有様です。「最高に欲しかった」そうで無理もありませんが、やめさせた
あとの顔が赤く上気しているのを見て「怖い」ものも感じました。
これからの時代、コンピュータは人間の分身のような位置を占めることは
疑いありません。
それを認めざるを得ないからこそ、自然の中に身も心も「解き放つ」時間を
子どもたちに与える必要があります。
屋外で遊べなくなった子どもたちを、空調の利いた室内でゲームやTV漬けに
放置しておくことを何とかしなくては、とジジババは考えております。
交通事故や異常者の心配をせずにのびのび遊びながら、規律を教え込むの
には今やガラガラになった「カントリークラブ」(ゴルフ場)が最も適している
と思います。幸いジュニアの費用も格段に安くなりましたが、ともすれば
ゴルフを白眼視する大人がまだ多いのが残念です。
孫は初めて触れるゴルフに目を輝かせ、「夏休みはカブトムシもいるよね」
「終了式、ボクはカレーライスだ」とのたまい、その後は次のスクールに
向けて毎日「ゴムホース」を振ってスイングの練習をしています。
(どうやら私が30回振らないと“ゲーム”はさせない、と言ったからのよう
でちょっと悔しいのですが・・・)
横山国男
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2007年04月16日(月)更新
息を呑む美しさ・・台湾故宮の青磁
何度か台湾を訪れていますが、今回初めて世界四大博物館の一つ
「故宮博物院」を短時間ですが、見ることができました。
この春、リニューアルを終えた記念の企画展だったのでしょうか
北宋時代(960~1127年、日本では平安中期)の僅か20年ほどの
間にだけ作られ、世界でも数十点ほどしか現存していないという
汝窯の青磁が展示され、話題となりました。
週間誌で福田和也さんがレポートし、激賞していて「生きてる間に
観られたことは幸せ」という風なことが書いてありましたが、残念
ながら終了してしまい、あきらめていました。
仲良くしている台北の旅行社のKさんと飯を食っているとき、この
話をすると「故宮の館蔵品の数点は今も展示していますよ」と言う
ので、翌朝タクシーで開館と同時に2階の展示スペースに一目散に
急ぎました。団体が入ってくるとすごく混雑する、と聞いていた
からです。
・・・・・・・・・・・・・・
その色や形、なんともいえぬ気品ある美しさには「息を呑む」という
表現が当たっていると思いますが、青磁でも汝の青磁にはメノウの
粉末が加えられていたそうで、そのせいかやわらかい緑の色味も感じ
られ独特の温かみがあります。
作り手の美意識の高さ、高潔な生活の姿まで透けて見えるような思い
がして、一気に脳は中世の中国へワープします。
まさに「眼福」とはこのこと。
いくつかの陶磁器や工藝品を見て、あらためて「人間は素晴らしい、
“万物の霊長”とはこのこと」と思いました。
「今あるものに一つとして新しいものはない。すべて昔からある」と
いうような文章を読んだ記憶がありますが、それどころかいにしえの
人間が作り出したものの方が、はるかに力強く、デザインも秀逸で
「美」の根源を感じさせてくれます。
「これいいな」と思って買った「器」など、殆どの原形はこれらの
博物館や美術館にあって「なーんだ」と思わされることも一度や二度
ではありません。
日本の染織「能衣装」だけ例にとっても、その大胆でモダンな意匠と
ともに、織り、染め、刺繍などの気の遠くなる「手仕事」の世界は今
では望むべくもありません。
我々は進歩したのだろうか、と思わされるときです。
もっと陶磁器などの知識を持っていれば、さらに楽しみも深くなった
はずなのでそれが残念。
また「美術・工藝」でのかっての中国の素晴らしさを、あらためて
思い知らされましたが、きっとこのDNAは引き継がれているはず。
超大国を自認するアメリカも、多くの人がこれらの遺産を見たら益々
「中国・中国人」に対する認識が変わるでしょう。それとも近い我々
よりもっと早くから「中国」を識っているのかも知れません。
横山国男
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2007年04月10日(火)更新
はるかなるオーガスタ
“ゴルフの祭典”第71回「マスターズゴルフ」が終わりました。
世界では数億人がTVを通じて観ていたことでしょう。
日本でもゴルフ好きの方なら、毎日早朝からTV観戦、最終日の9日
月曜日(現地日曜日)は出勤の途中も気になって、携帯でチェック
されていたサラリーマンの方も多かったかもしれません。
タイガー・ウッズフアンにはフラストレーションのたまる4日間で
したが、優勝したのはほぼ無名と言ってよい、ザック・ジョンソン
(31歳)。ヒリヒリするような重圧に耐えて、頂点に立ちました。
それにしても毎回思うことですが、外国の人はどうしてこのような
席でのインタビューの受け答えが素敵なんでしょうか。
この一見地味な(外見も)選手ザックも感動的な優勝者の弁を語り
ました。
外国人といってもアメリカが多い気がしますが、このような場合
まず主催者、関係者やボランティア、フアンへの感謝の言葉を述べ
ます。
1月に生まれたばかりの長男ウイルちゃんにキスしまくったあと、
「家族、仲間、そして神に感謝したい。夢と思っていたメジャーで
勝つことが出来たが、これからも出身地のアイオワを忘れないプロ
でありたい」と。泣かせますね。
前年度のチャンピオン、フィル・ミケルソンからグリーンジャケット
を着せてもらうと、「ワォ! 着慣れなくちゃね」と飾らない人柄が
よく出ていてほほえましくなりました。
日本では優勝者のインタビューの第一声が「そうですね、今日は・・」
と何を聞いても「ソーデスネ」で始まり「これからも応援よろしく
お願いしまース」で終わるのが非常に気になります。マイクを向ける
側のレベルにも問題があると思いますが。
・・・・・・・・・・・・・・・
1995年、生涯に一度はと思っていた「マスターズ」の決勝ラウンドを
観ることが出来ました。ジョージア州アトランタまでの長時間の飛行、
そこからバスでさらに数時間、ゴルフにまつわる私の思い出の中でも、
今でも色鮮やかで褪せることがありません。
本当に夢のような美しいコースでしたが、TVで観ていたのと全く違って
いたのは、実際にはかなりのアップダウンがある「丘陵コース」だった
ことでした。
全米アマで優勝したタイガー・ウッズが初めて招待された年だったと
記憶していますが、身体も細く、まだ少年の面立ちでした。
この年の優勝者は“オネスト”ベン・クレンショー。18番ホール最前列
で観ていましたが、最後の短いパットを沈めると、腰をかがめたまま、
パターから手を離し、両手で顔を覆い肩を震わせ慟哭しました。
あとで知ったのですが、師匠のハービー・ペニック老が大会直前に亡く
なり、共に長年師事したトム・カイトとともに葬儀に参列、棺を担いで
からトンボ帰りでオーガスタに戻ってきたのです。
“ハービーがついていてくれた”、とベンはインタビューで答えていた
ようです。すでに全盛期は過ぎていましたし、優勝者の予想ではかなり
後順位だったと思います。
背景にはいろいろなドラマがあるものですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
毎年のように用具の進歩や技術の向上があり、あれから「オーガスタ
ナショナル」も400ヤード以上距離が延びています。
108ミリのカップに向かって必死で考え、風を読み、自制と闘争本能の
間で揺れる心をコントロールしながら、持てる技術を駆使して攻める
マスター(名手)たち。そうはさせじとコースセッティングに叡智の
限りを尽くし、カップを守ろうとするスーパーインテンデントと呼ばれる
グリーンキーパーやコース委員会のマスターたちとの戦いがメジャーと
呼ばれるゴルフです。
今年の優勝スコアが久しぶりの4日間で1オーバーという、マスター達
を苦しめた結果は、ひとまず「コース」の勝ちだったということでしょう。
今ごろ「オーガスタナショナルゴルフクラブ」の面々は、あの美しい、
しかしあまり大きくないクラブハウスで祝杯を挙げているに違いありま
せん。
当時のNo.11ホール(版画)
珍しい木製のキャディバッグタグ
横山国男
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これもクリエイティブな仕事と思えば…
from After5のメインストリート
会社のイベントでポスティングを行うことになり輪転機を使ってオリジナリティーなチラシを作るべくにわか印刷屋になった話印刷といえば、昔は学校の先生がガリガリした原稿にイン ... -
昨日はバレンタインデー。悪党:民主党へ「青空」の歌詞を贈ろう
from 脳挫傷による見えない障害と闘いながら・・・
バレンタインデーでしたが、義理チョコで割引きシールを貼られたまま貰ったり。北方領 -
犬山城
from 青春18切符で行く,日本の「城」巡り29
oojijisunです,青春18切符で行きます お城巡りを準備中です、参考になります。 -
【ブログピックアップ】横山工藝 横山国男さん
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「ブログピックアップ」では、 経営者のみなさんの書かれたブログの中から、 お薦めのブログをご紹介しています。 今回のお薦めブログは 横山工藝の横山国男さんです。 * ... -
「節約の王道」林望・著 | 我が道を行く、気品にあふれた節約本
from 23:30の雑記帳
節約の王道(日経プレミアシリーズ) 節約本にありがちな、 ある種のみすぼらしさが感じられない、 上品なというか、気品にあふれた本。 筆者のものの考え方が独特なので、 同意できない方も多数いらっしゃると思われる。 例えば、ゴルフ好き、煙草好き、鉄道模型....
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