株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
2007年06月08日(金)更新
厚生年金保険料の半分は事業所が負担してきたのですが・・・
小企業といえども、法が網羅されたこの国(法治国家)で健全に事業を営んで
いくためには、「会計士(税理士)」「社会保険労務士」の専門知識を借りなければ
なりません。
さらにお仕事の内容によっては、懇意の「弁護士」や「弁理士」も必要かも
しれません。
大企業ならこれらの人たちを社内に抱えているところも多いでしょう。
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「年金問題」が大揺れです。
ここにいたるまでの種々の「制度の変更」「扱いの変更」はあまりに複雑多岐
にわたり、専門家である「社会保険労務士」さんでも混乱している人も
あるそうですが、当社が長年お願いしている労務士さんはこの分野の
エキスパートで、最近は「セミナー」での講師や、関与先の相談・依頼
などに超多忙のようです。
私はこの秋には厚生年金の完全受給資格である65歳になりますが、60歳を
迎える前に社会保険事務所から「年金説明会」の案内をもらいました。
もちろん出席しました。顧問の労務士さんからは「年金をもらう、もらわない
に拘わらず、受給資格を証する”社会保険庁長官のハンコ”がまず最も大事
なのです」と言われていましたので。
その前に私は転職、転居もありましたので、労務士さんにすべての記録を
確認してもらい、「どのような形で年金を受給するのがベストなのか」を、
老後の私たち夫婦のライフスタイルに合わせたアドバイスももらいました。
しかし、私には「制度」がその後も崩壊に向かって加速しているように思えて
なりませんので、労務士さんと時々、話をします。
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家内も50代の半ばを越えたので、先日「一度この辺で、年金の記録を確認
しておいたほうがいいと思うよ、労務士さんにお願いしたら?」と申しますと、
なんと40年近い厚生年金、国民年金(任意加入の時代)に関する
あらゆる領収書、通知、メモ、手帳すべてが入った古びた紙袋を出してきた
のでビックリしました。
(最近の5000万件の問題発覚よりちょっと前のことです)
今日、労務士さんが来社して、「すべて合致しています。福井県は記録の
整備がきちんとされている方なので照合は楽なんです」と結果を知らせて
いただきました。
その後の雑談で、私が「厚生年金というのは事業所が半分負担してきまし
たよね、年金が話題になるとき、いつもこのことが事業主側から語られない
こと、マスメディアがとりあげないことが不思議なんです」と話しました。
従業員の老後のため、血のにじむような思いで拠出してきた「厚生年金事業
主負担分」の膨大な積立を、国や管理していた人たちははどのように考え、
扱ってきたのか、と思います。
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「分からないから放っておく」としか考えられない今回の問題は、さらに大きな
負担として、地方の小さな町や零細な事業主に降りかかってくるような、
そんな気がしてなりません。
横山国男
【オーダーよさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
2007年06月07日(木)更新
”よさこい”は今やスポーツ
今日7日の新聞でも話題として報道されていますが、「第16回YOSAKOI
ソーラン祭り」が 昨日6日から、札幌大通り公園で始まりました。
海外のチームを含め、今年は341チーム、4万3千人が5日間の熱演を
繰り広げるとあり、 財政再建団体の夕張市が初めて市外会場に選ばれ、
期間中2百10万人の観客が見込まれる、とあります。
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冬の北海道(札幌)には有名な「雪祭り」がありますが、なんとか夏季にも
目玉になる ようなビッグイベントを、ということで、当時の北大生を中心とした
グループが、高知の「よさこい」と北海道の「ソーラン」を組み合わせた新しい
参加型、コンクール型の「お祭り」を考えだしたことは有名な話です。
今や北海道経済に与える効果は180億とも200億円とも言われていますから、
大した ものです。
必ず手に「鳴子」を持つ、「ソーラン」を演舞曲に取り入れるなど簡単な約束事が
あるようですが、折しも「盆踊り」や「民謡踊り」が消えていく時代とぶつかり、
「踊りたい!」 「自分を表現したい!」という老若男女を魅了したのです。
この期間の飛行機や札幌および周辺の旅館、ホテルは満員でしょう。
これを「よさこい」の本家、土佐の高知が黙ってみているわけがありません。
高知市では旧盆に「本家」らしい伝統を守った「よさこい祭り」がありますが、
8月末にはお江戸「東京表参道」を中心に、全国から招来したチームで
華やかに「スーパーよさこい」を開催しています。
この実現には橋本大二郎知事、都の大きなバックアップがあったと言われて
います。
現在、「ソーラン系」、「本家よさこい系」、「勝手連」と大きな3つの流れが
あるように見えますが、”リオのカーニバル”やハワイにも進出し、国際的にも
知られるようになりつつあります。
「よさこいは今やスポーツですよ」・・当社に毎年衣装を注文される金沢のチームの
T代表が言われましたが、なるほどと納得しました。
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当社のよさこい衣装制作部「オーダーよさこい屋」もピークを迎えています。
半纏などは全国的に「綿」が今でも主流ですが、「ポリエステル」の発色の
きれいさ、イージーケア(洗ってもアイロン不要など)ははるかに「綿」を凌駕します。
加えて当社が30年間蓄積してきた「スクリーン製版」「プリント」「転写加工」「刺繍」
「図案制作」「企画・デザイン・プレゼン機能」「資料・サンプル」などと地場産業の
「合繊織物」「縫製産業」を結びつけたことが、お客様に喜ばれているようです。
「よさこい」で振られる大旗(フラフ)も薄くて軽く撥水加工を施してありますので、
お陰さまでご注文が増えてきました。
フルカラーで中には巨大なものまでありますが、当社の得意とするところです。
横山国男
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2007年06月05日(火)更新
ウチの石川遼クン・・ジュニアゴルフについて考える
首相官邸にまで招かれ「日本全国を明るくしてくれた」と称賛されたジュニアゴルフ
の逸材「石川遼」君。高校一年生(15歳)でのプロ競技での優勝は、ゴルフという
スポーツ(ゲーム)が、特にトーナメントにおいては、4日間72ホールという長丁場で
行われることを考えると、「体・技・心」どれが欠けても成就されるものではありませ
んから、その実力は本物といえるでしょう。
このまま伸びていって、世界で活躍してくれるとよいのですが。
「ハンカチ王子」こと早稲田の斉藤投手に続いて、低迷する「男子プロゴルフ」の
救世主として期待されているわけですが、早くもマスコミは「ハニカミ王子」などと
ニックネームをつけ、ヨンさまを追っかけていたおばさまは大忙し。ゴルフ場などは
無縁の場所だったはずですが、石川君が出場している昨日の「関東アマ」は前代
未聞のギャラリー数で、「お弁当」500食があっという間に売り切れたということです。
「平和日本」「内向き日本人」を象徴しているような話題ではありますが、それだけ
今の日本が「さわやかさ」を渇望しているということでもあり、ある意味健全とも
言えるかも知れません。
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「ジュニアゴルフ育成」に関わる者として、いろいろな問題や課題も考えさせらて
いますが、(特に親の方に問題があるケースが多いのですが)そういうものを超えて、
なおゴルフには素晴らしい教育効果があると信じて疑いません。
「週刊ポスト」の石川遼君の記事にある、「集中力」「挨拶」「向上心」「笑顔」・・・の
どれをとっても今の子供たちや青年に欠けているものではないでしょうか。
しかし私が考える「ゴルフから学ぶこと」で最も重要視していることは他にあります。
それは
1.フイールドには審判がいないので、すべてルールに基づいて自分がジャッジ
すること。(公正とはなにか。自分に有利にふるまわないということはどういう
ことか)
2.プレーに関する「アドバイス」を受けることも、与えることも競技中は禁じられている
こと。(すなわちあらゆるトラブルも、自分の頭と持っている技術と道具でなんとか
しなくてはならないこと)
「君たちがやがて社会に出たときの宝物になると思います」と、いろいろな大会で
挨拶するときの常套文句にしています。
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ところでウチの孫、未来の石川遼クン(ハナカミ王子)はこの4月から小学3年生に
なり、あまりにワンパクなので知合いのプロがやっている「ジュニアゴルフスクール」
に入れました。
家の中でゲームに異常に熱中することも心配でした。
どうやらゴルフが好きなようで、行き帰りの車のなかでも学校のことやゴルフのこと
を会話します。「石川遼君も同じ小三からゴルフをはじめたんだって」と今回の話題
も解説してやりますが、遼君のご両親(大変好感を持っていますが)のようなサポート
は出来ませんし、するつもりもありません。
ジュニアの指導に長い、Sプロにまかせて一切口も出しません。
時々のぞくと、おかしなグリップでブンブン振り回して機関銃のように嬉しそうにボール
をアチコチに飛ばしています。
しかし中学に入る頃には、飛距離でもスコアでもきっと私の方が負けると思います。
アチラはうまくなり、コチラは一層年をとるからですが。
コー君、いつかジジ・ババと3人でゴルフを楽しもう。
ジュニア基本ゴルフ教本「みんなでゴルフ」(@800円)
※ジュニアどころか、大人の教本としてもすぐれもの。ふだん必要なルールも
書かれていて、もしこの教本をマスター出来れば90点のゴルファーに
なれるでしょう。
(社)日本プロゴルフ協会で入手出来ます。http://www.pga.or.jp
横山国男
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2007年06月04日(月)更新
お祭りでは目を惹きますよ・・”反射プリント”
まるでシャツに電飾板がついているように光っていますが、これは先日お客
様の注文で作った「反射プリント鯉口シャツ」です。(デジカメのフラッシュで
反射しています。反射シートの色はシルバー)
正確にはプリントではなく、「再帰反射シート」をプロッターでカッティングして
ヒートプレスしたもので、シートを形成している微小なガラス球体の内面に
届いた光が見る人の方へ反射してくるのです。
したがって自動車のヘッドライトや懐中電灯をあてると光源の方向に特に強く
反射してくる特徴があるのですが、光源が多方向にある繁華街や、音楽系の
ライブの会場などのたくさんライトがあるところでは、夜間どの方向からでも
目立ちます。
ペンライトだけでなくこういうTシャツも目を惹くと思うのですが。
当然考えられる用途は夜間の交通事故防止で、警察庁も推奨していますし、
事故処理にあたる警官の制服にも使われていますが、そのほかにも自転車
のペダルに貼られていたり、いろいろなところへ使われるようになりました。
「LIGHT FORCE」のブランドで反射材関係で実績ある(株)丸仁さんは当社の
長年のお客さまですが、最近も反射するロープを開発しました。
ご存じの黄色と黒の「トラロープ」で、100m先から光って見えますから、夜間
災害で交通止めをする際などにも最適として、新聞にも掲載されました。
ロープにできるのは、「糸」に反射ビーズが加工されているということですから
この技術はすごいものです。
実際この繊維でつくったメンズスーツもあります。これを着ていったら
キャバクラ嬢も目を丸くするでしょう。
シートの色も各色用意されているので、当社の「よさこい衣装」で使われる
ケースも出てきました。
簡単な注意事項を守っていただければ、洗濯ももちろん問題ありません。
アイデアを考えることがお好きな社長さんは何か”閃いた”のではないか、と
思いますが・・・。
横山国男
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2007年06月02日(土)更新
観音さまに逢いたい・・禅僧からのお葉書 その二
「一枚のはがきから仏教を」という活動を続けておられる越前市の「金剛院」
ご住職、諏訪普現(すわふげん)師からのおはがきは、毎回とても鮮烈で
ときには癒され、また静かに自省をよびさまされる時も。
独特の筆文字で毎回かなりの枚数をここは自筆されるのです。
反対側の表面は、切手と小さい宛名シール以外のスペースに「仏さまへの
思い」をいつもいっぱいに書かれます。
ふげん師はお見かけしたところ50歳前後かな、と想像するのですが、
大好きな作家で禅僧の玄侑宋久さんにちょっと雰囲気が似ておられます。
禅宗のお坊さんは坐禅のせいでしょうか、正座されてもあぐらをかかれても
本当にゆったりと美しい「形」で、感心させられますが、ふげん師もそのお一人
です。
「地蔵院」の親寺にあたるとか、前回の松野先生の「人間塾」にも時々顔を
出されたので親しくさせていただくようになりましたが、「金子みすず」について
とても詳しく教えていただきました。
きっかけはふげん師がみすずの生地、仙崎を訪ねたお土産に一枚の絵ハガキ
を下さったのですが、それが「弁天島」の詩、自筆原稿の写真でした。
不明を恥じますが、それまで金子みすずってジャズ歌手だったかな、と勘違い
していた私ですが、いっぺんに引き込まれました。
詩集も買いましたが、先年書家の吉川壽一君と下関まで旅行したのに、その
時はこの薄倖な仏心厚い詩人を知らなかったので、近くの「仙崎」を訪れる
チャンスを逃してしまいました。
****************
ふげん師からははがき以外にも、毎年新年にお手製のカレンダーや「金剛院」
の”何があっても立ち直れるおまもり”なども頂戴します。
いつも財布に入れていますが、無事ですごせているのはおまもりのご利益でしょう。
おまもり
いただくばかりなので、今回は専用の「インクジェット染色機」でTシャツを一枚
お作りしました。 暑い時期の作務にもいいかと。
観音さまに逢いたい・・・Tシャツ
横山国男
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2007年05月31日(木)更新
みほとけは風のごとく花のごとく・・・禅僧からのお葉書 その一
ここ数日の内、お二人の禅師さまからお葉書をいただいて、なにやかやと
ちょっと粗野な気持ちになりがちだった、最近の自分を見つめ直すいい機会を
いただきました。
この愛らしい手描きのお地蔵様のおはがきを下さったのは松野宗純老師さま。
福井県の武生市(今は越前市)で、10年あまり「地蔵院」という、老師自ら托鉢
などで再興されたお寺(庵と言ってもよい大きさ)のご住職をされておられました。
御本尊はお地蔵様、お堂前には坂村真民先生が贈られた「念ずれば花ひらく」の
石柱があります。
2年ほど前、職を辞され、奥様の待つ横浜へお帰りになられましたが、確か
お年は77歳、今もご執筆や大学での受講、合間には「合唱団」で歌唱を
楽しんでおられるご様子です。
「PHP全国友の会会長」「松下政経塾塾頭」なども歴任され、平易な文章で我々
衆生に「禅」を通じての生き方をご指南され、「和力」などご著書も多い禅師さまです。
しかし何よりご尊敬するのは、米国の大学もご卒業後、メジャーの石油会社の
日本支社 にお入りになり、副社長時代不退転の決意で自ら発議した経営の変革ー
ー社員、全国の ガソリンスタンドのリストラを遂行され、再生の暁には自らもこの
リストラの苦悩の行き場を求めて、金沢の曹洞宗古刹「大乗寺」に、高齢を顧みず
禅の一修行僧をめざして門を叩かれたことです。
このときの決断は最愛の奥様からも賛成は得られなかった、と
以前NHK「新日本紀行」 でも述懐されておられました。
経営の最高責任者を終えても次々とポストを求め、一般社員の生活にはほとんど
関心ないようにも見える大企業の経営者も時にはおられるようですが、
松野先生ような経営者もおられたのです。
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2年ほどでしたが、主宰された「人間塾」でご指導をいただきました。
求めていた私の「心の師(メンター)」として、「仏縁」とはありがたいものだ、
と思わずにはいられません。
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お葉書には「私も人生最後の”林住期”を今歩いています」とあり、数年前大病を
された奥様がゴルフを楽しまれるほど恢復されたこと、私が作って差し上げた
お地蔵様のTシャツを「今年も着ていますよ」とお元気な近況が書かれてあり、
会社や私ども夫婦を気遣ってくださるお便りでした。
もう一枚は私に「金子みすず」を教えてくださった金剛院の諏訪普現師さまからの
おはがきです。次回に。
横山国男
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2007年05月29日(火)更新
彫刻入門
このところ新年度の県立美術館の社会人講座「彫刻ー基礎講座」に毎週
土曜日通っております。
若い人もいますが、中高年の方が多く、男女は半々、私が一番高齢のよう
です。「洋画」「日本画」どの講座もそんな感じで、「学び」好き日本人、特に
元気な初老の人たちが多いことを実感します。
4月から6月まで10回、延べ40時間ほどですが、もうすでに旅行で2回ほど
休んでしまいましたので、私より先生(芸大出の学校にお勤めの女性の講師)
のほうが私が挫折するのではと心配そうで、なにかと助言をしてくださいます。
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春になるとなにかやってみたくなるものです。水彩画が好きで、昨年は敬愛
する玉村豊男さんの一日教室に入れたので、軽井沢くんだりまで5時間も
車を運転して今や超人気スポット「ヴィラデスト」農園のアトリエで、玉村さん
の手元もじっくり見せていただけたのは感激でした。
その時の私の「植物細密画」(ボタニカルアート)は憧れの「玉さん」に会えた
ことで満足したせいでしょうか、どうにも冴えない出来で終わりました。
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「彫刻基礎講座」はモデルさんを中央に3~4回までは鉛筆かコンテでデッサ
ン、人物の頭部や首、それを支える肩それぞれが球体や円筒、躯体などで
構成されているという「立体」をつかむ勉強。
小さくても鼻や口、眼窩、髪の毛などもおろそかにはできません。
最初はどうしても「似顔絵」のような平面になってしまい、苦労します。
うまく描けなくてもとりあえず次へ進まなくては。
講座は午後からですが、先週末は遅れているので、朝の10時ごろから誰も
いない教室で前の週作っておいた細木を棕櫚縄で巻いた支柱となる「芯棒」
に粘土付けを見よう見まねでやりました。
子供の頃の「泥遊び」を思い出す粘土の感触はなかなかいいものですが、
その内このままいくと「若い女性の頭像」はずいぶんデカいものになるぞ、と
不安が。
大きくて”稚拙”な「女性像」はイタダケマセン。せめて大きさぐらいは抵抗の
ないものにしないと、と考えているところへ先生が見えました。
「そうですね、やはり芯木を切った方がいいでしょう」ということで粘土を一度
全部とることに。「こりやますます他の人より遅れるな」とあせります。
「横山さん、石や木彫は削り取ったらおしまいですが、粘土はどんどんつけ
て、どんどん削ってみて。しっかり面でとらえてみて。ちょっといいですか」と
木片で作ったヘラのようなものでグイグイと削ったり、盛り上げたりすると
途端に「うーん、さすが」と思わせるプロの所業。
で、先週の終りの時点がこれです。
自分で言うのもなんですが、初めてにしてはなかなかイイ線いってるんじゃ
ないかと。
ロダンやザッキン、平櫛田中とはいかぬまでも、もし彫刻家を志していたら
・・・などとアホな夢想が許されるのが「素人ゲージツ家気取り」に許される
特権なのです。
悪い予感がします。この像を撫でまわしているうち、最後はなんともつまらぬ
見る人になんの感興もおこさせない「白い塊」に仕上がるのではないか、と。
最終の2回は「石膏取り」をして美術館での作品展もあるようなので、今から
”気合の入った”友人・知人への案内状のデザインまで考えている今日この
頃です。
横山国男
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2007年05月24日(木)更新
一問百答・・身ぐるみはがされる恐怖
<質問>
(明治大学商学部 今村隼さん)
中小企業を経営するお立場のみなさまに質問です。大企業にいたのでは絶対にできない経験、
身につかない能力というものがありましたら、教えてください。
大企業のサラリーマンの経験も少しありますが、小企業の社長にとって何が一番
サラリーマンと違うかというと、「会社と運命共同体であることを24時間強く意識して
いる」ことでしょうか。
社員や家族への責任感もありますが、特に今日のような経営環境では経営を続け
ていく、会社を存続させていくということはなかなか大変なプレッシャーです。
ダメということになったら、ほとんどの場合すべてを失うことになります。
(社長は第一の”連帯保証人”ですから)
○ これは大企業にいたのでは”絶対にできないスリリングな経験”でしょう。
誤解をおそれずに言うと私は「事業とか会社を命がけでやってはいけない」と思って
います。
社員や愛する家族、なにより自分の一度しかない人生に大きな犠牲を強いるほど
「価値」のあるものでしょうか。
まして倒産が原因の経営者の自殺などは本当に無くならないものか、と強く思い
ます。
・・・とは言うもののそういう状況に否応なく追い込まれることもあるのが中小企業、
同情を禁じ得ませんが、なんとか必死でそういうことにならないように頑張るわけ
です。
○ その結果”身につくこと、能力”がいくつかありますが、長くなりますので私が
大事だと思っていることの一つ、
「会社は赤字では潰れない、キャッシュフローが止まったとき潰れる」です。
人間でいうと「血液」の流れが止まるということでしょうか。もっとも何年も実質赤字
続きではキャッシュフローもへったくれもありませんが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今村さんへ
今回のご質問を頂いたとき、私の頭の中にはむしろ反対の「大企業にいたので
経験できたこと、身についたこと」が浮かんだのです。
私が独立開業した最初の顧客は当地の「上場企業」だったのですが、人を介して
取引のお願い(発注)に訪問したとき、「事業計画書」(設備、人員の将来計画、
資金調達、技術のPR,取引先のメリットなど)を持参したことです。
このような文書は商社勤務時代にさんざん書かされ、ビジネス文書や稟議書、
与信管理そのほか大企業での決済の仕組みを知っていたからです。
コトはスムースに運びました。
もうひとつ「総務・経理」もしばらくさせてもらいましたが、中でも「約束手形」に
ついてその利便性からくる「危険性」について多くのことを学びました。
そのことが30年間支払いに手形を使わず、また1枚も「不渡り手形」を経験せずに
来れたことにつながっていると思います。(銀行の担当者は一様に驚かれます)
その時代、私は将来起業することになるとは考えていなかったと思いますが、
今村さんにもしそのようなご計画があるのなら、大企業でのご経験は人脈や交友、
人間観も含め、大変役に立つケースもあるということを私の経験から申し添えます。
ご健闘をお祈りします。
横山国男
【オーダーよさこい屋】
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2007年05月23日(水)更新
リボン図書館
???「リボン図書館」?。リボンに関する書籍が集められた図書館でも、
リボンで作った本がある図書館でもありません。
この5月の半ば、パリ2区・ビクトワール広場、有力メゾンのブティックや、
ギャラリーの集まる一等地に、当社の有力な顧客であるS繊維工業さんが
ショールームを出されたのです。
「図書館」とはプリントリボン、ニットテープ、チロリアンテープ、パイピング、
コード、トリミングテープ、オリジナルスエード調人工皮革などなど私も
知らないないものもありますが、およそ3万4千点をまるで図書館の書架の
ように配列、展示した様を取材した業界紙の記者が「リボン図書館」と
名づけたようです。(繊研新聞5月12日・パリ松井通信員の記事から)
S繊維工業さんは、福井というより日本を代表する「服飾副資材メーカー」
さんです。最近は人工血管など医療分野へも進出されていますが、なんと
いってもアパレル(スポーツも含め)、ファッションになくてはならない
細幅織物、リボン、テープ、ユニフォームなどの袖や裾に使われるフライス
生地などの特殊品メーカーとして年々業容を拡大されてきました。
当社とのお取引も20年になりますが、ラッピングリボンやテープなどへの
「シルクスクリーンプリント製版」をさせていただいております。
クリスマスの金・銀の入ったリボン、オーガンジーなどの薄い生地のリボン、
婦人靴の水玉のリボンなど夢のような美しいプリントリボンは「包装の簡素
化」という逆風もあるのですが、決してなくならないものの一つでしょうし、
フアッションに使用される副資材のレベルは今や世界でも日本がリードし
ているのではないでしょうか。
S社長とはゴルフもご一緒したことがありますが、先日小松空港からの
帰り、お寿司屋さんでばったりお会いし、「ぶんか」という福井県の文化
広報誌でS社長さんが「歌舞伎が大好き」という巻頭コラムを書かれて
いたことをお話しているうち、私が「能楽好き」だということもわかって
大いに盛り上がりました。「いやー、知らなかったなあ。でも能はよう分らん。
歌舞伎がやっぱりいいわ」。
しかし「日本の芸能・伝統文化を大切に守り、その美と心を企業経営に
活かす」という点では完全一致でした。
きっとパリでの「オープニングパーティー」ではそのあたりのイベントも組み
込んだものだったに違いありません。
〈マイリボン〉
家内が趣味のパン・ケーキをラッピングする為に作りました。我が家の
白ネコ「コージー」もモチーフに。
“マイリボン”をお作りになりたい方はご相談ください。
横山国男
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2007年05月22日(火)更新
観客は私たち夫婦だけ・・・名画座さん、応援します
日曜日の夜、久しぶりに福井の名画座「M劇場」へ家内と映画を観にいきました。
上映開始のブザーが鳴っても、驚いたことにお客は私たち夫婦の二人だけ。
売店で買った(初老のオジサンが窓口もモギリも売店もお一人で三役です)
飲み物とポップコンを気兼ねなくガサガサやれるのはいいのですが、「これじゃ
経費も出ないな」と申し訳ない気持ちになるのは、歳のせいでしょうか、それとも
経営者のはしくれだからでしょうか。 (夫婦割引で一人千円)
この映画館は私の子供のころからあり、古いですが清潔で福井の映画フアンに
とっても思い入れの強いところ。ずっと洋画を主に上映し、途中から非商業的な
作品も紹介してくれているいわば福井映画狂の”家”みたいなもの。
(頭の中を”ニューシネマパラダイス”のテーマ曲が何度も流れます)
観客が10人以下というのは時々ありますが、二人だけというのは初めてです。
もしホラー映画だったりしたら、横に座っている家内はトイレへ一人では行けな
いでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
肝心の映画は「クリムト」。あの画家のグスタフ・クリムトの映画ですが、これが
また難解というか芸術的というか日中のゴルフの疲れもあってときどき居眠りし
てしまいました。
ただ主演しているジョン・マルコビッチ(日本の名脇役 今福将雄さんにそっくり)
は、はじめて名前と顔が一致、ハリウッドのギャング映画などでも渋い演技で
昔から気になっていた性格俳優ですが、やはりただものではありません。
新聞に20世紀初頭のヨーロッパ画壇の異色の画家二人の映画作品上映、と
あったので観にいったのですが、次回は「モディリアーニ」。
主演はあの「ゴッドファーザーPARTⅢ」でも印象的だったアンデイ・ガルシア。
哀愁ある眼と黒い髪のあまり長身でないハンサム、秘めた情熱と静謐を同時に
感じさせて好きな俳優です。
予告編が上映されましたが、さすがと思ったのは妻のジャンヌ役のエルザ・
ジルベルスタインという女優さん、時々「ハッ」とするほどあの眼球のない「絵」
にとても似た表情をするのです。
モディリアーニの死の翌々日、お腹に新しい命を宿したまま投身自殺を図る
というショッキングな人生を送った妻のジャンヌ・・・。ピカソなども登場して
当時のパリのデカダンが映像化されるようですからぜひ観たいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
画家をテーマにした映画は結構ありますね。
古くはジェラール・フイリップの「モンパルナスの灯」、カーク・ダグラスが熱演
して確かアカデミー賞に輝いた「炎の人ゴッホ」、画家とその周辺の人物を
描いて見応えのあった「美しき諍い女(いさかいめ)」等など。
映画は素晴らしい。そういえばカンヌ映画祭で北野武監督の短編「素晴らしき
休日」も話題になっているようですね。
これも田舎の映画館での二人の男(農業の男と映写技師)の話とか。
そういえば「M劇場」の一人三役の方、「映写技師」も兼ねていたかもしれま
せん。
さらに帰り際、「私、映画に出ております、ぜひ観てください」とチラシをいた
だいたのです。
戸田博監督「十二月の空」での易者役、「春の公園」でのホームレス役だ
そうで、キャストを見ると主役じゃないですか。(ニューヨークのインデペンデント
系シネマフエスティバルに2作品ともノミネートされているそうです)
シネマなんとかで「福井をロケの舞台に」という活動もされているそうで、実は
マルチ人間、すごい人だったのです。
こういう人に今の地方の映画館や名画座は支えられているのですね。
戦後から続く映画愛好団体「福井映画サークル」の存続がピンチになって
いるとも新聞で読みました。
今年当社の「よさこい衣装」のご注文には、「あの、”さくらん”って映画ありま
すよね、あのサイケ調の着物云々・・」とおっしゃるお客様が結構いらっしゃい
ます。
映画「さくらん」もM劇場で近日上映、仕事の参考にもなるのでぜひ観にいく
つもりです。
そのとき”サークル存続”へのカンパもさせていただきます。
横山国男
【オーダーよさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
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