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2008年12月22日(月)更新

『七つの社会的罪』・・・マハトマ・ガンジーの箴言。

「インド独立の父」と尊称される、マハトマ・ガンジー(1869~1948)について
多くを知りません。小・中学校の教科書などで「偉い人だったんだな」と思った記憶
があるくらいです。

暗殺され、荼毘にふされたラージガートというところに、ガンジーの碑文があるそ
うで、書かれている「七つの社会的罪」は、真理は永遠なのだと思わされます。

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『七つの社会的罪』

         1.理念なき政治
         2.労働なき富
         3.良心なき快楽
         4.人格なき学識
         5.道徳なき商売
         6.人間性なき科学
         7.献身なき信仰

というものだそうです。
【マハトマ・ガンディー】 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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現在の世界的な経済の混乱や、日本では数々の不祥事が今年も続きました。
1、2、5などは特にあてはまるような気がします。

厳しい時代でも、心して経営したいと考えさせられます。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年12月20日(土)更新

元気を出したいが。

ブログネタに困るということはあまりありませんが、暗い話はつとめて書かない
ようにと日頃は思っています。
しかし、ノーテンキな話題はこれだけ周囲の雰囲気が変わると書きづらいもの。

昨日、来社した仕入れ先の営業担当者から「とうとうY旅館もギブアップですね」と
民事再生中の山中温泉の名旅館が破産・営業停止の道を選んだことを聞かされ
ました。

開湯800年、源泉かけ流し、能舞台まで持つ北陸有数の正統的旅館でした。
この冬一度行ってみたいとネットで予約状況をチェックしていた矢先なので、落胆
しました。

いずれここも最近はやりのビジネスモデルを持つチェーンに買い取られ、年中
同一料金、大広間の畳はめくられてフローリングに変えられ、バイキング料理の
テーブルの周囲には家族づれが群れをなす、という風景が頭をよぎります。

この旅館もそうですが、芦原、片山津、山代、山中ほか多くの温泉旅館、ホテルが
近くにありますので、知りあいもそれなりにいます。

先日、銀行のエライ人が「債務償還年数80年というところもあります。孫の代でも
終わるかどうか」という話を力なくされていましたが、暗澹とした気持になります。

温泉の文化も今や絶大なピンチです。

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そこで働いていた人にとっても生活の方途を失うことになりますが、最近矢継ぎ早
に発表される、自動車や電機関連の派遣労働者、期間工の「雇い止め」のニュース。

以前ブログに書いたことがありますが、数年前、経営不振に陥った日本有数の
自動車メーカーの立て直しに、外国人の社長を迎え入れた際、思い切ったリストラ
が行われました。

このとき感じたのは、従業員というのはコインの裏表のようなもので、会社では
生産やサービスに従事して給与をもらいますが、帰宅すれば一生活者、消費者
です。当然自社製品の忠実な顧客でもあるわけですが、クビを切られた、という
事実はその後どのような思いと行動につながるのでしょうか。

3000人の解雇は、3000人の消費者、顧客を失うことだけで済むとは思えません。

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あるブログに
『企業の業績は数字で判断されるが、数字が企業を動かすわけではない。
人の心、誠意が動かすのだ』とあります。

「○月○日で契約終了です。寮は3日で空けてください」

こんな言葉を何の感情もなしに、ねぎらいの言葉もなく事務的に伝えられるなら、
日本も終わりと思うのは私だけでしょうか。

せめて、3か月とかの期間を置くのが大企業、人間のやることではないでしょうか。
そんな費用はたかが知れているはず。 この時期、株主だって同意します。

未来の顧客を、子、孫の代まで敵にまわそうとしているとしか思えません。

横山国男

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2008年09月05日(金)更新

職としての農、生活としての農。

工業化が進むと農村から都市へ人が移動し、この現象がグローバルに起きれば
「食糧」問題が起きるのは当然と思えます。日本がその好例だと思いますが、さり
とて中国をはじめ途上国の人たちも「もっと豊かになりたい」と同様な行動をとる事
を非難はできません。

私の祖父母は私が子供の頃、どちらも農家(小作と言ってよいでしょう。豆腐屋や
桶職人なども兼業していましたから)だったので、美しい里山の景色とともに、思い
出が一杯あるせいか農業・農家に親しみがあります。

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前回「適職」と「天職」について書きましたが、農業について考えさせられる「記事」
と「本」に出会いました。

<記事>
「経営者会報9月号」ー“目指すは農家の自立と事業化。その先に日本の農業の
未来は拓けます”と題した(株)ナチュラルアート社長鈴木誠氏(42歳)への取材。

慶応大を卒業し、旧東洋信託銀行で順風満帆のビジネスマン人生を歩んでいた
鈴木さんに、畑違いのジャンル、しかも農業を起業する道を選ばせたものは何だ
ったのか、という記事ですが、詳細は読んでいただくほかはありません。

農作物・畜産物の生産・加工・販売まで手がけ、直営農場は10か所、提携農家
1000軒、自社食材を使用したレストラン経営も運営して、5年で年商100億に
達しているそうですから、私の持論「農業こそ有望産業」を実現されていて、拍手
したい気持ちになります。

長くは書けませんので、私がこのベンチャーが成功したキーワードと思うのは2つ。
一つは「社名」の“アート”にあると思います。(農業とは無縁のワードと思われて
きたのではないでしょうか)。 もう一つは社長が話されていますが『たとえば大根。
米粒よりも小さな種を蒔くと、その4か月後には立派に育っていた。自分で引っこ
抜いたとき、強烈な感動を覚えたんですね』。という情動です。

経営者会報 9月号表紙

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<本> やまずめぐる =町田武士著(ソニーマガジンズ)

9月2日号久米信行さん発行のメルマガ「縁尋奇妙」に“里山を襲ったスポンサー
経営破綻の悲劇”と題して、久米さん家族の心のふるさとでもあり、和綿Tシャツ、
「しあわせのコットンボール」事業等で私も関心を寄せていた「渡良瀬エコビレッジ」
(主宰者 町田武士さん)が、事業を応援してくださっていた不動産会社が倒産
して先行きをちょっと心配している、ついては心ある一般の人の応援も求めている、
というようなお話が書いてありました。

「貧者の一灯」をとも考えていますが、前から気になっていた町田さんの著書を
この際読んでみたいと思ってamazonへ。(ユーズドしかなく、購入のボタンを押し
 ましたが、届いた本の定価を見るとなんと3倍で買ってしまいました。新刊在庫
がないため、もとの定価を私が知らなかったのですが、それだけ良書であるとも
言えるのでしょう。ただこの差額が支援にまわるわけでないのが残念)。

まだ読みかけたばかりですが、第一章からとてもいいお話で感動します。

『私は農業人というよりは「百姓」という言葉が好きだ。百姓には、百の姓(かばね)
を持つという意味があり、つまり、百の生き方であり、百の仕事ができるということ
なのだ。そこには、身のまわりのことをすべてまかなうことができる知恵を、尊ぶ
気持ちが込められている気がする』
『いまは農についても、「生産者」と「消費者」という言葉で語られるが、つくる側と
食べる側をくっきり分けているようで、私はこの言葉が好きになれない。それは
消費者という言葉が、都市に住み、お金を稼げば、食べ物は消費するだけでいいと
いうようなニュアンスを含んでいるように思えるからだ。もう少し生産の現場に近づく
ことで、さまざまな問題や食環境の大切さが見えてくるような気がする』・・・・・。

「やまずめぐる」町田武士著 ソニーマガジンズ @1600円

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前回の拙ブログでいうと、鈴木社長は「適職」を得てまっしぐらに驀進中、町田さん
は農業を「天職」として、第一章小題「本当に気持ちいい暮らし」を実現されている
どちらも羨ましい人生を手中にされているように私には思えます。

横山国男

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2008年09月03日(水)更新

適職必ずしも天職ならず。

職業というものについて書かれたあるブログのコメント欄に「楽しい仕事はあっても
“楽”な仕事はない」と投稿された文言があり、一瞬なるほどと思いかけましたが、
そうとも言えないんじゃないか、としばらく考えました。

「楽」の反対は「ツライ・苦しい」ということとして考えると、大体楽しい仕事をしている
時は、長時間身体や頭を使っても嫌になったり疲れないものですし、疲れたと
しても快いものであったりします。
逆に言えば、楽でない仕事を楽しいものにできないかを考えることこそ人生の要諦、
成功の秘訣と言えるかも知れません。

そういう観点から、長年の「自分の職業(仕事)」が、自分にとってまず「楽しい仕事」
であるならこんなに幸せなことはありません。自身や家族の生活のために好きでも
ない仕事を定年まで勤め上げたという人も世の中には多くおられることでしょう。

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それと何か通じるような気がするのは、「適職は天職か」ということです。

敬愛している邱永漢さんの超人気ブログ「ハイハイQさんデス」にTOMOKOさんと
いう方の「10才若く見られたかったらーHow to 自分磨き」というコラムがあり、
(とても面白かったのですが、昨日2日が最終回となってしまいました)その139回
に「適職と天職」と題した一文があります。

ここでTOMOKOさんは、江原啓之さんがある著書の中で「適職と天職」について
書かれているのを読んで目からウロコが落ちたと延べられています。

『江原さんによると「適職」とは自分に適していて、しかも生活していけるだけの収入
があるもの、「天職」とは自分が本当にやりたいこと、なのだそうです。(中略)
「適職」と「天職」は一致していなくてよいのだ。考えてみれば、どんな仕事だって
自分を100%生かしていると断言できる人は何人くらいいるのでしょうか?
組織の中にいて自分のやりたい仕事をやるにはいろいろな制約がありますし、
フリーランスで仕事をしていても自分のやりたい仕事だけ選べるのは、よほどその
世界で成功している一握りの人で、普通の人は生活のために多少いやな仕事でも
引き受けざるを得ないことがあるのではないでしょうか?
幸せな人生には「適職」と「天職」の両方が必要なのです。』(引用終わり)

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さて、私の場合ですが、社会に出て40年あまり、職場も変わりましたが、ほぼ一貫
して繊維のデザインに関わる仕事をしてきて(学校もそうですが)、「適職」だった
ように思います。
それでもあとどのくらいやれるか分かりませんが、これからはもう一つの「天職」に
向かっていくことをほぼ決めています。

それは・・・「コッ恥ずかしい」ので公開できません。

横山国男

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2008年07月03日(木)更新

『神様、この会社が社会のお役に立たないのであれば、

どうぞつぶしてください』・・ダスキンの創業者である鈴木清一氏は、創業時こう祈
ったそうだが、本来あるべき創業の精神とはこのようなものだろう。「はじめに心
ありき」なのだ。(後略)

この文章は、谷口正和さんの新著「日本へ回帰する時代」(繊研新聞社1800円)
の“創業へ。そもそも何のために始めたのか”に、はじめに「心」あり、と小題を
つけて書かれているものです。

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谷口さんは1942年京都生まれ(私と同年)、武蔵野美大を出て現在マーケティング
 コンサルタントとしてご活躍中ですが、3年ほど前、福井県産業支援センターが
企画した「デザインワークショップ」に参加し、講義を拝聴して深い共感をおぼえ、
ご著書の殆どを読ませていただきました。当社は谷口さんの持論を実践、実現
しようとしているといっても過言ではありません。

要は「量産・量販・低価格競争に未来はない。経済活動とその所産である「文明」
ではなく、これからは精神活動とその所産である「文化」を経済・経営の柱に据え、
そこへ回帰していく。すでにその兆候は表れている」という主旨で、私も同感です。

もう一つ「直感」の時代に入ってきた、として、
「特に女性リードの時代においては、ますます直感的判断が重視されるようになる
だろう。いかに政治家や企業家が、とうとうと理論を述べても、テレビの前の女性
たちは直感的に嘘か本当かを見抜いている。「3秒」もあれば十分なのだ。
それは言葉としてのロジックを聞いているのではなく、見た目や表情といった視覚
的要素を見ているからだ。聞いているのではない、見ているのである。言葉は嘘を
つけるが、表情は嘘をつけない。とても動物的ではないだろうか。(後略)

この意見は、賢い消費者が増えているのだ、お客様第一と口では言いながら、
結局は作り手、売り手側の論理が透けて見えるようでは成功しませんよ、という事
だと思います。

著者の意図とは少し論旨が外れるかも知れませんが、恰好のサンプルがあります。
一連の「食品偽装問題」などで、次々とTVカメラの前に立たされた「社長さん」の姿
です。中には「何で?」という表情の経営者もおられましたが、そういう人たちは、
本書でも紹介されている松下幸之助翁の次の言葉、即ち「経営者としての王道」
を踏み外したのではないか、と自戒をこめて思うこの頃です。

『経営というものは、天地自然の理にしたがい、世間大衆の声を聞き、社内の衆知
を集めて、なすべきことを行っていけば、必ず成功するものである』。

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話は冒頭に戻りますが、鈴木清一さんのような「祈りの経営」を実践されておられる
静謐な経営者も内外にきっと多くおられるのでしょうね。 私には程遠いことですが。

横山国男

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2008年06月11日(水)更新

薄れ行く「時の記念日」・・「金は時なり」。

昨10日は「時の記念日」でしたが、一昨日このブログに時計の話題を書いたのに
記念日のことはすっかり忘れていたのです。
考えてみればそれで時計の催事があったんですね。

なぜ気がつかなかったのだろう、と思い10日の地方紙をくまなく見直しましたが、
やはり「時の記念日」に関する記事はまったくありませんでした。
例年見たと思う「時計店」の一覧広告もありません。
今や「時の記念日」は祭日でもないので、忘れられつつあるのでしょうか。

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時の記念日は1920年(大正9年)に制定され、欧米人並みに時間を尊重する
意識を国民にもってもらうことを目的に、生活改善同盟(!)が選定したそうです。
6月10日というのは、「日本書紀」天智天皇の条、水時計創設の記からとった
ものだそうですが、「時間の大切さをかみしめる日」と意義付けられている、と
あります。(セイコーホールデイングス(株)の記事より)

またカシオのインターネット調査によると、一日24時間では足りないと考えている
のは世界で日本人が一番で、あと8時間くらい欲しいそうです。
なにかセカセカしている割には能率が上がっていないのではと思いますが、それも
ちゃんと数字に出ています。
各国の1時間の価値は、日本9200円、アメリカ39000円、ドイツ43000円、
中国9700円と、中国よりも低いのです。
よく日本人の労働生産性が問題視されますが、我々は時間をもっと大切に扱う
心構えが必要かもしれません。

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どのような境遇に生まれようとも、時間は人間に平等に与えられているもの。
「時は金(カネ)なり」と言いますが、金(キン)にまでするのは一人ひとりの勉強と
工夫次第。
「ブログBusinessMedia誠」連載“山口揚平の時事日報”(’07.04.17)にこんな
記述があり、膝を打ちました。後継者や若い人に読んで欲しいと思いました。
(私には間に合いそうにもありませんので)

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<前段略>
「今後必要になるのはタイムイズマネー?マネーイズタイム?」(山口揚平)

ところで日本人は、借金が嫌いである。多くの人がお金を借りるのではなく、お金を
貯めてから、何か事を起こそうとする。よく言えば堅実と言えるが、裏を返せば
「お金をコントロール」する力に長けていないという見方もできる。
 私は、お金は、社会への貢献の結果であるとともに、将来の可能性そのものだ
と思う。日本人はこれまでお金の話題を避けてきたが、そろそろお金を肯定的に
捉えるのはどうだろうか。

 お金には生き金と死に金があるはずだ。「消費」のために借金をするのは、愚の
骨頂だが、将来への投資のためにお金を使うスキルと勇気を養う必要がある。
資本主義の世界では明確なビジョンと、可能性の高いプランさえあればお金を
調達することが可能だ。お金がないから何かができない、と考える必要はない。

 そう考えると、これからの私達若者に必要なことは、時間を切り売りしてお金を
得る「時は金なり」の発想ではなく、「金は時なり」と考え、お金をコントロールしな
がら、大きな将来ビジョンを達成してゆくスキルではないだろうか。(引用終わり)

横山国男

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2008年06月06日(金)更新

上級(高級)と上質の違い。

最近「上質」という言葉が目に付くようになったと思うのですが、私だけでしょうか。
モノのない時代、あるいはある程度ものが行き渡る過程では、「高級」という言葉
の持つ響きがステイタスや夢を感じさせました。

このところ高級品マーケットやブランド品に異変が起きている、販売の落ち込みが
続いており、ユーロ高もあるのか、一部のブランド品が日本マーケットで値下げを
し始めたというのは過去の不景気の場面でもあまり例がないとのこと。
しかし、一方では高価な「客船クルーズ」などは販売と同時に完売らしいので、
いよいよ「モノからココロへ」の動きが顕著になってきたのかも知れません。

また「高級車」「高級旅館」などの「高級」もあまり使われすぎれば、「高級」の条件
の一つ「希少性」が希薄になるのは当然です。
そこへ「上質なライフスタイルへの提案」などと言われると、なにかありそうな感じを
受けてしまいます。
そこで「高級(上級)」って何?「上質」とは?ということになるのですが。

こんなことを考えていて「ああ、これかも」と高級(上級)と上質の違いに思い至った
一つの例は「船場吉兆」さんの話題。
 昨年末不祥事が明るみに出て、「民事再生」がボディーブローのように利いて、
フラフラになったところへ、先日の「お料理使いまわし」や「残り物利用」などの
アッパーカットでついにダウン。廃業に追い込まれてしまったのですが、「高級
料亭」だったけれど、「上質料亭」ではなかった、ということではないでしょうか。
特に経営者の経営理念の「貧しさ」を感じさせられたように思います。

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こういうところでの「お食事」などとは無縁だった人の中には「ザマーミロ」と言う人
もいるようですが、それは「上質」ではありません。
廃業の記者会見で女将が「のれんにあぐらをかいていました」と涙ながらに語って
いましたが、年はとっても女性ですから「あぐら」などはこれは「上品」ではありませ
んし、毎回「涙」を武器に使うのも上質ではないですね。

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ある雑誌でエッセイストの沢樹 舞さんが、経験と知性を重ねて輝きだす「上質を
愉しむ人生」と題して、そもそも「上質」とは何だろうか、華やかなファッションモデル
から一転、物書きとして、またソムリエとして新たな人生を求めてフランスのボルドー
のシャトーに住み込んで畑仕事に明け暮れたという生活から、

『思いがけず、ひとは上質の意味を知ることがある。あの旅の経験こそが、自分
自身に計り知れない自信と勇気を与えてくれた。「上質」を求めるとき、物を選ぶ
目だけでなく、生き方さえも変えてしまうのだ。そんな人生もまた上質なのだと思う』
と書かれています。

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わが敬愛するゴルフマナー研究家鈴木康之さんも、「週刊ゴルフダイジェスト」に
もう5年間、250回以上もエッセイ「AZAMIの教え」を書き続けておられます。
副題は “上級より上質。ゴルフマナー修得講座”です。

思いがけず、船場吉兆さんのケースは「上級(高級)と上質」の意味を考えさせて
くれました。

横山国男

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2008年01月07日(月)更新

世界に通用する教育に投資する。

<読んでくださる方へ>

佳いお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

ゴルフ場のキャディさんに「いくつに見える?」「エーッ65ですか?お若いですねェ」
と言われて(言わせて)喜ぶようなカッコ悪いことは、今年からやめて、「まだ65、
ドンドンいろいろなことに挑戦しなきゃ」という気持ちでいきたいと思います。
よろしくご指導ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結局例年通り、長い正月の休みもダラダラと過ごしてしまいましたが、年々テレビ
を見る時間は少なくなって、今年あたりは民放TVはほとんど見ませんでした。
放映している内容の劣化についてはネットでも嘆く声が多いですが、もうすでに
TVの総視聴率自体がかなり低くなっていますし、TV局が最も恐れる「スポンサー」
が「消費者・生活者」の声に敏感でないはずがありませんから、間もなく変化が現
れる、と私は思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな番組の中で、NHKBS2「未来への提言」“フインランドの教育改革”は
とても印象に残りました。

ご覧になられた方も多いと思いますが、見終わって私が考えたことは、日本人が
蓄えているとされる「個人資産1500兆円」(勿論全てが現金ではなく、またその
何割かは中小・零細企業の実質担保として銀行に抑えられているとも)を、国も
民間も個人も「教育」に投資するのが一番よいのではないか、と閃きました。
(塾や有名大学への進学を意味するものではなく、もっと全国民的なものです)

私も含めて「投資」と「投機」をきちっと峻別することができないのが日本人の現実
ではないか、と思いますが、長引く低金利で少し「株」でもやってみようか、と始め
ると、暴落に遭って「もうコリゴリ、やっぱり国債か定期預金」という殻の中に戻って
しまう人も多いでしょう。

このままで仮に「円」が1ドル200円になれば(長期には国力の低下→円安だと信
じています)、円資産は半分になってしまうのは素人の私にも分かる理屈なので、
今のうちに有効な「投資先」を探すか、育てる必要があるのではないか、
それなら「投資下手」の日本人は、わが国は無資源国、あるのは人的資源だけ
なのですから、人、特に若いひと、子供たちに「世界で通用する教育」という投資
をしていくのが一番なのでは、とふと考えたのです。

狭義でも広義でも教育にはお金がかかります。国の財政は破綻に近い状態です。
子育てに追われている年代で教育費の負担に耐えかねている人たちも多いので
はないでしょうか。

高度経済成長、手厚い行政サービスなどの結果、団塊世代から上の人たちは
平均して多くの個人資産を有することになりました。
しかしその年代は、困ったことに「投資」について全くといっていいほど学習して
いない年代でもあります。

ではどのような形でこれを実現するか、ですが、私が考えているくらいですから
すでにいくつかの提言がなされていることでしょう。
「投資」ですから「リターン」がなくてはなりませんが、21世紀を生きる日本人に
“大きなリターン”がある、と確信しています。

必要以上に死蔵されたまま、減価していく高齢者世代の蓄えを、もっと積極的に
「日本」のために活かしていくような政治が行われるとよいのですが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

テーマが大きすぎましたが、新年だからでしょうか。番組が終わったあとこんなこと
を考えてしまいました。

横山国男

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2007年11月22日(木)更新

【明大生との毎週一問百答・番外編】一社員に戻って、誰かの下で働きたいと感じるか。

<ご質問>

ふといち社員に戻って、「誰かの下で働きたい」と感じることはありますか
                 <東洋大学経営学部 渡辺麻貴さんから>


今日は第4回のオフ会ですね。一度参加してみたいような怖いような・・。
渡辺さんのご質問を考えていたら、ふと誰かは“私”で「私の下で一社員として働
きたいか」と考えてしまいました。

<お答え>
・・・・・・・・ウーン、答える勇気というか自信がありません。
(少しはいいところもある、と思うんですが。そう思わなければ社長なんかやって
られませんよね)

横山国男

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2007年11月20日(火)更新

創立30周年を迎えられるのは2%。

当社は創業からでは31年、会社創立からは来年12月で30周年ということになり
ます。設立時、零細企業にしては、当初から資本金を1000万、監査役には
公認会計士に就任していただいて,体裁だけは「立派すぎ」という人もいました。

血の滲むようなとか、苦節○○年とかもあまり経験せず、本当にお得意先に恵ま
れ、運よく続けられたものと従業員や周囲に感謝しておりますが、又聞きの情報で
すが,こういうデータがあります。

“日本には230万から250万の企業があり、そのうち80万社は幽霊企業だそう。
実質150万~170万社で、そのうち税金を払っている黒字企業は2万社しかない。
これは「船井総研」のデータだそうですが、さらに年間に起業するのは、約8万社、
そのうち10周年を迎えられるのは3.6%、創立30周年を迎えることが出来るの
は2.0%。 同様50周年は0.7%、100周年ともなると0.03%” だそうです。

「そうか、30年前起業した100社の内98社はもうないのか」という感慨も少し覚え
て、あらためて北陸で30社ほどあった同業者のことを考えると、4~5社になって
いるので、よく生き残ってきたな、とは思います。

もし(どなたも興味はないでしょうが)生き残ってきた秘訣を一つ挙げるとしたら、
と聞かれたら、「時代への好奇心」でしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もう一つ「80万社の幽霊企業」について。

今日、数年間「休眠」としていた、別法人の「有限会社」の清算手続きが全て終了、
税務書類を会計士に提出してもらい、県と市への「清算確定申告」をするための
セップもいただきました。

「会社を整理するのは大変だよ」と友人から聞いていましたが、実際、時間も費用
も想像以上にかかりました。資本金1円から株式会社の設立ができるようになり
ましたが、解散や清算のことが設立時どれだけ頭にあるか、またこのような煩雑
で、費用もかかるため放置されているのが「80万社の幽霊企業」を生んでいる
のではないか、と思いました。

倒産や破産の場合、「法的に清算」されてしまいますが、後継しないまま、ただ
看板を下ろし、シャッターを閉めても「会社を整理」したことにはなりません。

税務当局も「幽霊企業」の実態を掴めず、毎年確定申告の用紙を送ったり、管理
に頭が痛くなってきているとみえて、私の場合は「減免措置」がしてありましたが、
それでも税務署より何度か「きちんとしてほしい」との要請みたいなものがありま
した。

幸い、出資金の範囲内で整理ができましたが、これが債務超過などになっている
と、税理士ではなく弁護士を入れての「特別清算」ということになるそうで、
費用も150万~200万円もかかるケースもあるとか。
(税理士との雑談で出た話ですので、正確ではないかも知れないことをお断りして
おきます)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれ事業を引き継ぐにあたって、できればスッキリしておきたいと思い、手続き
をしましたが、数年前の会社設立の法律改正の際、同時に「幽霊法人」の整理を
あまり負担の無い形で思い切ってやるべきだったのではないか、と思いました。

同様に、銀行の「幽霊口座」なども膨大なデータ量を占め、管理するにはかなり
コストがかかっているようですから、一旦整理して、その後は「口座維持手数料」
制度を設ければ、もう少し「預金金利」も高くしていただけるのではないか、と
考えたりします。

横山国男

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個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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    節約の王道(日経プレミアシリーズ) 節約本にありがちな、 ある種のみすぼらしさが感じられない、 上品なというか、気品にあふれた本。 筆者のものの考え方が独特なので、 同意できない方も多数いらっしゃると思われる。 例えば、ゴルフ好き、煙草好き、鉄道模型....