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2009年07月06日(月)更新

当社“はまじい専務”のアートTシャツ展(久米繊維ギャラリー)

今日7月6日から31日まで、東京錦糸町の久米繊維工業さんの1Fプレスルーム
(ギャラリー)で、当社専務浜本が制作したアートTシャツ10点+の展覧会を開催
させていただくことになりました。

「Lost」と題した、浜本ワールドがお楽しみいただけるのでは、と思いますので、
お近くへお越しの際はぜひお立ち寄りください。


スライドショーはこちら

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専務の浜本とは30年余、会社創立以来のコンビでやってきました。このブログに
リンクしている「はまじい専務ブログ」で、月に一回くらいのペースでゆうゆうと
「プリントものづくり」のあれこれを書いていますが、Macの黎明期からテキスタイル
のデザインで独特の世界を創ってきました。 “すごい”です。他にいません。

私は手描きの方なので、パソコンでのグラフイックはできませんが、ともに膨大な
テキスタイルデザインの知識をもとに「共通するイメージ」を抱くことができるので、
顧客の欲しい「最終の形」への落とし込みをやるとき、「靴の裏から足を掻く」よう
な思いをしたことがないのは共に幸せだったと思います。

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普段は私の方からあまり「指示」することもなく、ルーティンの作業指示、顧客との
打ち合わせの他は何かごそごそやっているようですが、私は関知しません。

こんな風な「スローカンパニー」でとりあえず今日までやれたことは有難いことで
すが、これからの厳しい時代でも「ジャパン・メード」「日本の職人」の矜持を失わず、
久米さんのおっしゃる「絶滅危惧種」業種ではなかろうか、と思うこともあります
が、「知識デザイン企業」として「地場産業ルネッサンス」を旗印に生き残っていけ
たらいいな、と考えております。

10 pieces exhibitionブログご高覧のほどお願い申し上げます。


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2009年06月08日(月)更新

「全国植樹祭」に両陛下ご来県で思うこと

今朝の地元紙を開くと、「全国植樹祭」が47年ぶりに福井市とその近郊で開かれ
たニュースで一杯です。

メーン会場は数年前、豪雨禍で大きな被害にみまわれた市の東部、朝倉義景の
居城跡で有名な「一乗谷朝倉遺跡唐門(からもん)前広場」一帯です。
幸い雨も降らず、6300名もの出席者で「豊かな緑を次代へ」をテーマに祭典が
滞りなく行われたようです。

天皇、皇后両陛下は記念式典でウスズミザクラ、アカマツ、ケヤキ、トチノキ、スダ
ジイを植樹され、ヤブツバキ、キタコブシ、ユキバタツバキ、ヤマボウシの種を蒔
かれた、とあります。
私は森や里山にかなり関心がありますので名前は知っている木ばかりですが、
中にはそれがどんな木か姿が思い浮かばないものもあります。

介添え役のボーイスカウト、ガールスカウトと両陛下の植樹のお写真は微笑ましく、
緑の大切さの思いとともに心に温かいものが満ちてきました。

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私は1942年生まれですから、戦後民主主義教育と言われるものを受けた最初
の世代でしょう。
「象徴としての天皇」を教えられたというわけですが、そのせいか世界でも稀有の
日本の天皇・皇室の長い歴史、国との関わりについては詳しくありません。

だからダメなんだとどこかからお叱りがあるようにも思いますが、私が天皇・皇室
のことでいつも思いますのは、「元首」とされる割にはあらゆることに大変「質素」
であられるということです。

台湾の「故宮博物院」での展示物を見ても、その気の遠くなるような時間と経費を
かけた工芸品などが王朝の庇護のもとに作られたことや、ウイーンの市街はハプ
スブルグ家の庭だった、ベルサイユ宮殿やロシア王朝、古くはエジプトの王家など
連想するのは「金銀財宝の輝き」。

日本にも天皇の別荘だった「離宮」が今もいくつか残っていますが、私の大好きな
「桂離宮」にしても、実に自然と一体となったある意味「簡素の美」「シンプル」を
具現したものです。建築材料も大体が木と紙と土ですから。
シルクロードを経た海外の文物を収蔵した「正倉院」にしても、金銀財宝というより
は、まあ「博物館」「古物収蔵館」のような趣ではないでしょうか。

日本の天皇は日常そのご公務、定例の祭儀の執り行いはなかなかの激務で
夜明け前にお勤めになられる行事も少なくないようです。
「世界平和」と「瑞穂の国日本」の未来永劫をお祈りされておられるに違いありませ
んが、お田植えの際のお写真などを拝見すると、おそれながら古いジャンパーに、
長年お使いになったのでは、と思われるズボンやゴム長などをおはきになり、本当
に尊敬申し上げてしまいます。

日本の皇室にどのような「お宝」があるのか存じませんが、少なくとも私には民衆
の苦役から得た「金銀財宝」が溢れている等とは想像できません。
もしそうならこのように永く日本の皇室が存在しているとは思えないからです。


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2009年04月10日(金)更新

「まんがタイトルロゴと書の美」展 書家吉川壽一の挑戦

SYO ARTISTと名乗る書家の吉川壽一さん(当社顧問)が、先月京都の中心部、
烏丸御池にある「京都国際マンガミュージアム」で展覧会を開催。

今回の個展は「まんがタイトルロゴと書の美 鳥獣人物戯書」と題して、数々の
漫画のタイトルロゴを書いてきた吉川さんが、この展覧会のために「当初とは変化
しているストーリーや主人公に思いをはせて新たに書いた」という渾身の作品を
展示しました。私は会期末ギリギリに観に行きましたので、ブログでのご案内も間
に合いませんでした。

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いつものように特大の揮ごう作品は、10年以上も連載された三国志の世界を
題材にした「蒼天航路」の作者、王欣太(キング ゴンタ)さんとのコラボレーション。

龍の絵はキングゴンタ、“気”の文字は吉川壽一との共作
 
龍の絵はキングゴンタ、“気”の文字は吉川壽一との共作


宮本武蔵の生き様を描いた「バガボンド」(井上雄彦)、第二次世界大戦のさなか
にタイムスリップした自衛隊兵士をモチーフにした「ジパング」(かわぐちかいじ)、
他講談社の「モーニング」に掲載されたものを中心にタイトルロゴだけでも20作品
におよびます。

会場ではセリフを面白く配した「マンガふきだしの書」をはじめ、種々のパネル作品
など総数90点が訪れた人を圧倒させてくれました。

展覧会チラシ 展覧会チラシ

その他このマンガミュージアムの館長である養老孟司先生との対談も会期中に
企画されました。
そのお題が『書として見るか。画として読むか』ですから、このお二人の話はかなり
シュールな内容だったに違いありません。

またコスプレを楽しむパフォーマンスも何度か行われ、この古都の度肝を抜く
「書展」の様子は、新聞の他にNHKで関西一円に放送されたようですから、ご覧
になった方もいらっしゃるかも知れません。

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ところでもう一つ素晴らしかったのが、この「京都国際マンガミュージアム」の建物。
京都の方はご存知でしょうが、ここは廃校になった「元龍池小学校」で、ミュージ
アムに改装されました。
これが本当に当時の面影を残しながら、レトロとモダンの内外装が“はんなり”と
調和して、いつまでも歩き回りたい懐かしくも温かい迷路のような空間なのです。

50万冊を超え、今なお増え続ける漫画の収集、日本が生んだコミック文化に触れ
たいと多くの外国人旅行者のキョウト新名所にもなっているようです。

「SYO ARTIST 吉川壽一」の今回の挑戦相手は、千二百年をはるかに超える
時間のものすごい集積と厚みを持つ「京都・KYOTO」だったような気がします。


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2009年03月20日(金)更新

地元小学校の「教育調査結果」に驚きました。

私は卒業した小学校の近辺に今でも住んでいます。駅まで車で6~7分ですから
市街地の古い歴史のある学校ですが、全校生徒は今や282名(昭和30年、私の
卒業時は1000名くらいいたと思います)、少子化と郊外への居住が広がった結果
でしょう。

 昨日この「足羽(あすわ)小学校 学校だより」というプリントが、「市政広報」に
はさまれてポストに入っており、何気なく読んでみると、「本校の教育に関する調査
結果の概要」という報告が書かれていて非常に驚く内容だったのです。

先日、大阪府の橋下知事と福井県の西川知事が対談した新聞記事があり、大阪
の教育について、橋下知事が学力・体力が全国トップクラスの福井に学びたい、と
書かれていました。それを裏付けるようなデータなのです。

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まず保護者からの回答が282名中、278名というのに驚かされます。(98.5%)
何より親が真剣で真面目ということでしょうか。

質問は21項目(学校に対する保護者の意見が9項目、我が子についての設問が
12項目です)ありますが、ベスト3、ワースト3を挙げてみます。

ベスト1.我が子は、毎朝、朝食をとっている (97%)
    2.授業参観や学校行事等、教育活動の公開がなされている(94%)
    3.我が子は、学校生活が楽しく、友人関係も良好である(92%)
      我が子は、元気よく遊んだり、運動している(92%)
      学校は、保護者に教育方針や教育内容を伝えている(92%) 

ワースト1.我が子は、つきたい職業など将来の夢や目標をもっている(56%)
     2.本校の児童は、場にあったあいさつができている(58%)
     3.我が子は、毎朝、排便する習慣がついている(61%)
     
その他一般に言われている教育の崩壊といった兆候はあまり読みとれないので
認識を新たにしましたが、その理由をなんとなく想像してみました。

福井は大変共働き率の高い地域であるにもかかわらず、このような結果が出るの
は三世代同居も多いですし、「祖父・祖母」の同居・非同居に関わらず協力がある
のだと思います。
なんのかの言っても仏教(真宗王国である、あった)の影響もまだあるでしょうし、
地域力(自治会組織、子供会組織など)も機能している方でしょう。

何より私は、97%の子供たちが「朝食」をとってから学校に行く、というこの一事に
大変感動しました。指導されている先生たちに感謝したいと思わされる報告でした。

大阪も頑張ってください。

横山国男

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2009年03月02日(月)更新

全国よさこい衣装コンペ・・デザイン部門で優勝、総合でも準大賞!!

昨日3月1日(日)、福井県の繊維素材で制作したよさこい衣装のデザインを競う
「第4回全国YOSAKO衣デザインコンペティションinふくい」の最終審査会で
当社がデザインした「颯爽JAPAN(兵庫)」の衣装が<デザイン賞部門>で優勝、
演舞の内容や動きに合わせデザインや配色、素材使いを工夫した個性的な衣装
かどうかを審査する<コンペ部門>では、デザイン画を描き、プリント生地から
制作させていただいた地元「明新森組chezawatoto(ジュニア)」 が準大賞を
獲得するという大変嬉しい結果となりました。

2日の福井新聞=当社でデザイン・制作した衣装で踊るジュニアたち

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この催しは、福井県の繊維産業の振興、イメージアップを目的に県繊維協会など
が「ふくいファッションイベント実行委」をつくり、力を入れてきました。
本年度は全国122チームから応募があり、<コンペ部門>、<デザイン部門>
合わせて13チームが最終審査に残るという狭き門でした。
県産生地の提供を受けた13チーム(1チーム代表10名)は、福井の会場へ招待
されて演舞します。

 今年から新設された、祭りなどで実際に着用した衣装を対象に審査する
<デザイン部門>には昨年苦心して制作した長女(企画・デザインディレクター)
の衣装デザインが優勝。
 <コンペ部門>は、新人の服装学院出身のOさんが、福井の「よさこい」では
草分け的存在の“明新森組” 森代表のきびしい注文に何度も試行錯誤を繰り返し
ながら、テーマの「花火」を見事に衣装に表現してくれました。
また、この花火の衣装は会場に集まったよさこいフアン、観客からの人気投票で
1位の「優秀賞・イッチョライNPO賞」も受賞するというW受賞の快挙でした。

審査の結果発表で、二人は抱き合って喜んだようですが、夜遅くまで何か月も
苦労した甲斐があったというものです。

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インターネットを中心に事業を進めてきたショップ「オーダーよさこい屋」も4年ほど
になり、ようやく「ワンストップ=デザインからお渡しまで全て当社内で完結する」
という強み、良さをご理解いただけるようになったと思います。
「よさこい衣装」の検索でも常にトップページをキープしてきました。

加えて繊維・織物・二次加工など全てが周辺に揃っていますので、バラエティに富ん
だ企画・デザインの活かし方が出来る強みがある、と考えています。
特に今回のように、「オリジナルプリント生地の制作」は、プリント柄のデザインから
必要量のみプリントする当社の得意技をいかんなく発揮できたと思います。

長い間、「地場産業ルネッサンス」の一翼を担いたい、福井の繊維産業が製造のみ
に偏っている現状を少しでも改善できたら、の思いが少し実現に近づいた気がした
今回の受賞でした。

これを励みにこれからも社員一同でがんばりたいと思っています。

颯爽JAPAN=デザイン賞 テーマ“花火”=コンペ準大賞、人気投票一位

横山国男

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2009年02月13日(金)更新

意外と好評なんだそうです=「逆チョコ」。

明日2月14日は「バレンタインデー」。土曜日なのでこの際「義理チョコ」は無しに、
とチャッカリ考えるのかと思ったら「義理」は意外と根強いんだそうです。

「恋人たちの愛の誓いの日」とされ、世界各地で様々な祝い方があるそうですが、
ヨーロッパなどでは、男性、女性の別なく、花やケーキ、カードなどを贈り合うそう。
日本に見られるようなホワイトデーのような習慣はあまりないようです。

先日「繊研新聞」に<バレンタインデー 今年の消費動向を読む>という記事が
ありました。マーケティング会社が調査した今年の「バレンタインデー事情」で興味
を引いた記述を二つほど転載させていただきます。

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「逆チョコ」という言葉があることを知りませんでした。(私)

『森永製菓が行った「男と女のバレンタイン意識調査」では、話題の「逆チョコ」市場
が盛り上がり、ボーダーレス化が見られた。10~50代の男女各400人を調査。
「欲しいと言われればチョコを贈る」と答えた男性は90.8%に上った。
意識としても「男があげても良いと思う」は7割と、逆チョコに違和感はないようだ。
そこに込める気持ちは「感謝」61%、「友情」40%、「シャレ」27%、「愛情」25%
が上位。贈る相手は会社員の65%が「妻」、学生は56%が「学校の女性友達」で、
「彼女」の40%を上回った。
 女性も「逆チョコ」を好意的に受け止めている。98%が「もらったらうれしい」と
回答し、逆チョコ男性を「気が利いている」67%、「すてき」44%、「紳士だ」17%
と評価する。くれた男性を「異性として意識する」は8割近く、逆チョコ男性のネーミ
ングでは「チョコメン」が一番だった。
逆チョコの予算は「本命(女性)」は平均1672円、「義理」600円。本来の女性が
男性にプレゼントする場合では本命1714円、義理542円と若干の差があった』。

冒頭の根強い「義理」については、

『バレンタインデーにチョコをあげる「予定がある」と答えたのは、「義理」70.8%、
「本命」49.2%と義理が根強く、イベント化が目立つ。それは「バレンタインデーを
どう思うか」との結果にも表れ、「イベントとしてはアリだと思う」が57.5%と過半数
を上回った。そこに「毎年楽しみにしている」10.0%を加えると約7割がイベントと
して好意的。逆に「正直、結構、面倒」「なければいい」は約4人に1人。無関心派
を加えると3割になる』。

他にも「草食系の増殖」とか「20代はおウチ派」だとかの面白い調査分析があり
ますが、総じて チョコ=「感謝を込めた季節のギフト」に定着が最近の我が国の
「セントバレンタインデー事情」と理解してよいようです。

ホワイトデーに頭を悩ませなくてもよくなるかも知れませんね。

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ところで、日本の「バレンタインデーにチョコを贈る」というイベントを考えだしたのは
「メリーチョコレートカムパニー」の原社長さんであることはあまりに有名です。

始まりの1958年(昭和33年)のフエアの売り上げはたった170円(3枚のチョコ)
だったと、この「経営者会報事務局ブログ(昨年の1月19日号)」に、ITをいち早く
利用して高収益企業にした原さんへの取材の記事も載っています。

滅多に「講演会」というものには行かない私が、10年以上も前、お話をうかがって
「情報化時代」の幕開けを強く実感させていただいた恩人の一人とも言える方でした。
その「メリーチョコレートカムパニー」が、ロッテホールディングスに全株買収され、
原社長さんも退かれたという、昨年末のニュースは衝撃的でした。
家族経営の理念のもと、あれほどの超優良企業であられたのに。
原因は巨額のデリバティブ取引の損失とか。誰もが予想しえなかった「金融崩壊」、
本当に経営とは一寸先は闇、何が起こるか分かりませんね。

なにはともあれ、お元気であられることを念じるばかりです。


横山国男

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2009年01月12日(月)更新

「学問」と「勉強」の違い・・成人式に思う。

昨日11日(日)に成人式をした地域もあったようです。私などにはもう半世紀近く
前の遠い出来事。

郷土福井の幕末の傑物、橋本左内がなんと15歳で記した「啓発録」という決意文
があり、成人式が話題になるとき、時々引き合いに出されます。
昨夜、初めて読んでみました。(ネットにあります) 言われているように昔の人は
15歳でも大人だったなあ、という感想ですが、「若きサナイの悩み」も垣間見えて
微笑ましい部分もありました。

生家は藩医だったようですから、本などもたくさん読める環境にあり、時代は幕藩
体制が揺らいで、勤皇の志士なども越前(藩主=松平春嶽)に盛んに出入りした
時季ですから、少年左内も政治に強くかかわりたい、そのためには猛烈に勉学に
励まなければ、と思ったに違いありません。

固く心に誓ったことは、
1.稚心を去る。(何ごとによらず、子供っぽさを離れない内は発展しない)
2.振気。(気を奮い立たせる)
3.立志。(目的を定め、一生を無駄にするな)
4.勉学。(常に学問を専務とし、自己の心胆を練る)
5.朋友を択ぶ。(自分を成長させてくれる友を得る)
の5つで、( )内は私の一部意訳ですが、15歳にして立派なものです。

全体に「君に忠、親に孝」が強烈に流れていますから、戦後教育でGHQが認める
はずがありません。戦後民主主義教育の第一波の私など読んでいなくても不思議
ではないわけです。

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ところで、「勉学」という言葉がでてきますが、「学問」と「勉強」とは違う、とフアンだ
った美貌の哲学者、故池田晶子さんがエピソードを書いている部分があります。
(考える日々=P50)
父も兄も東大卒だったけれど、自分とはなんの関係もないと思っている。とはいえ
身近で見ていて、明らかにこれは違うな、と気づいた。・・・・として、

『父親は旧制高校最後の世代にあたり、その流れで東大(帝大ていうんですか)、
に行った人である。対して、三つ違いの兄の方は、苛烈な受験戦争を勝ち抜いて
東大に入った人である。やはりこれはなんらか違うことのようだ。両者を見ていて、
私は思った。言ってみれば、父親は「学問」が好きなのだが、兄は「勉強」が好きな
のである。この二つは、以て非なるものである。・・・・」(後略)

苛烈な受験戦争を勝ち抜いて東大に入り、その後、政・官・財の中枢で日本を引っ
張ってきた人たちにも新しい価値観が必要とされる時代になったのかも知れません。

新成人の人たちには「啓発録」も一度読んでみてはいかがかと。

横山国男

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2008年11月06日(木)更新

合州国でない合衆国

「合州国」(がっしゅうこく)と書いても間違いではないんだそうですが、ユナイテッド
ステーツを「合衆国」と訳したのは名訳だと思います。
王国や公国、一番多いのは共和国のような気がしますが、「合衆国」というのは
アメリカだけです。

アメリカ合衆国第44代大統領は黒人で初めてのバラク・オバマ氏。以前ブログに
書きましたが、長い選挙戦を戦うのは大変ですが、しかしこの期間に候補者は
厳しく鍛えられて、大統領にふさわしい人物に「成る」という一面もあるように思い
ます。

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オバマ新大統領の国民や世界に向けたメッセージ、決意の表明はリンカーンや
ケネディと並ぶ素晴らしいものだと思いますが、それにしてもあらためて「言葉」
の持つ力、政治における「言葉」の重要性を認識させられます。

イラク戦争や世界金融危機、社会問題などに対して「私達はできる!」「チェンジ」
を掲げて当選しましたが、考えてみればそのどれもがアメリカ自身が原因となって
きた、引き起こしたとも言えるのではないでしょうか。

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私の年代では子供のころからアメリカは憧れの国でした。
太陽がサンサンと溢れる「アメリカンドリーム」の国でした。しかし長じて少しは
モノが見えるようになれば、自国はもちろん、どの国家も固有の問題を多く抱えて
いることが分かります。

今夏、短い旅行でしたが、最もアメリカの典型的な大都市といわれる「シカゴ」と、
建国時の面影を色濃く残す小都市「ボストン」の二つの都市を訪れました。
その気になって観察してみれば、現代アメリカの持つ様々な問題の一端も見えた
ように思いました。

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折しもサブプライム問題に端を発したアメリカの経済、モノつくりを止めてしまった
アメリカ最後の象徴とも言えるGMの危機、社会不安が増しているからでしょう
 か、「銃」の販売が異常に増えているそうです。

この背景に「アメリカ史上初めての黒人大統領誕生」という素晴らしい選択を
必ずしも喜んでいる人ばかりではない、と冷静に考えてみると、むしろ苦難は
始まったばかりなのかも知れません。

まずは4年の任期を無事に、そして本当の「改革」を進めてもらうことを、アメリカ
と関係の深い日本、それも片田舎の小さな企業の社長でも祈らずにはいられな
い、と今朝は思いました。


横山国男

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2008年10月24日(金)更新

書とは“打つ”こと。

「バァ~ンと打つ!」・・大河ドラマ「武蔵」の題字、タイトルロールでおなじみの
SYO ARTISTを名乗る書家吉川壽一さん(当社顧問)が好んで使うフレーズ
です。

先日、この秋の吉川壽一書展が、東京文京区の「講談社K-スクエア」と新宿
高野ビル「コニカミノルタプラザギャラリー」で開催されたので観に行きました。
この書展は久米さんのメルマガでもご紹介いただきました。ありがとうございます。

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物心ともに絶大な後援者だった、亡き吉田福井新聞社社長は、級友の吉川さん
を「書を床の間芸術から引きずり出した男」と評しました。

フランス、イタリア、中国、中東など、世界各地で「書パフォーマンス」を演じ、
また前衛書の大家として毎日書道の重鎮でもあるのですが、もちろん見事な楷・草・
行書、時には道元の和歌などを書した「かな」の美しさなどには心を奪われます。

あの大きな体をゆすって、時々当社にも現れますが、展覧会間近になると彼の
頭の中はアイデアで一杯、息せきって入ってこようとするので、私が「あっ、靴、
靴脱いで」と言いたくなるほど。岡本太郎を思い浮かべてしまいます。

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今回「講談社」の方は、「漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展」と題して、数多く
のマンガのタイトルを書いてきた経緯から、「ふきだし」をとりあげることに。

小は80c角から大は150c角の15枚の布地に、ふきだしの輪郭をとり、中には
「越前墨流し」の模様をインクジェットでカラー出力したものを当社で用意しました。
この模様の上に「書」した、相変わらずトンだ発想の作品です。

吉川壽一「風雲展」漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展 チラシ  吉川壽一「風雲展」漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展 使用グラフィックアート

その他には、当社で見つけた、「スクリーン印刷技術による視覚の位相」を利用
した3次元フレーム(額縁)に、書を入れた作品も数多く制作しました。

新しいモノを見つけると、子供のように喜々として「SYO」が発想されるようです。

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「無二なる風のSYO・書展」=コニカミノルタプラザ(新宿高野フルーツ4F)

「コニカミノルタ」さんは、数年前から、彼の活動を全面的にバックアップしてくれ
ています。デジタルを駆使する御商売なのですが、究極のアナログ=「書」に
並々ならぬご関心をお持ちのようで、文化支援の意味の他に、技術者の発想に
資すると思われているのかも知れません。

日本のハイテク製品が群を抜いている背景に、このようなバックグラウンドがある
ことを感じます。なにしろ米粒に1000字を書く人がいる国ですから。

さて、「書とは“打つ”こと」の例を。天井まででも足りないデッカイ紙は越前和紙
の第一人者、岩野平三郎さん(本年度伝統文化ポーラ賞受賞)の雲肌麻紙。

大書“心” 宮本武蔵あての手紙・扇面に

そのほか、「剣豪・武蔵」「書聖・王義之」「沙門・空海」「光明皇后」をはじめ、
「ミロ」「ピカソ」にまで、連綿と巻紙や扇面に“手紙”を書くという(!)、その誰も
思いつかない着想と流麗な書に、今回もまたあっと驚かされました。

(講談社会場は26日まで。コニカミノルタプラザ/ギャラリーB&Cは終了)。


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2008年10月22日(水)更新

反省猿次郎くん来社・・TV放映から得たもの。

13日と20日、月曜日の夜7時30分から、福井テレビ(FNS系)の制作番組
「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」で、当社を紹介していただきました。

先日ブログにも書きましたが、「猿まわしの太郎さんと反省猿次郎君コンビ」が、
次郎クンのふるさと福井を訪ねる、というストーリーで、いわば「里帰り記念公演」。
10月3日は当社にも来訪し、賑やかでした。

5日日曜日は、満員のTV局のホールで、猿まわしの公演がありましたが、記念に
地元の企業で作ったモノを見せたいとのこと。

次郎クンがステージで使う階段付き跳び箱を永平寺町の家具製造業さんが、
当社は地場産業の合繊織物を加工してコンビの衣装を作ることに。

10月20日(月)19:30放送 福井テレビ(FNS系)制作「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」 10月20日(月)19:30放送 福井テレビ(FNS系)制作「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当社は、主に北陸地区の染工場さん、プリント、シルク印刷業者さんへのシルク
 スクリーン版(型)を30年余り製作してきました。
この10年は、染織や縫製産業が雪崩をうって中国へ移行した時期。お客さんや
同業者さんの中に廃業した所も多く、つらい状況は今なお続いています。

私たちも必死で生き残りの道を模索してきました。その一つがよさこいや太鼓、
音楽グループの少人数のステージ衣装、ユニフォームなどをオーダーで制作
する仕事です。やってみて大変な仕事だとわかりましたが、今では、県外からの
ご注文も少しずつ増えてきました。

産地ですので、素材や加工技術は豊富です。また専務や私が長年テキスタイル
(染織)デザインに力を注いできました。多くの資料やそのノウハウで何ができるか、
何をすべきか夢を語ってきました。

 このような資料や加工手法の知識、人と設備の制作ネットワークが、当社の
「ワンストップビジネス」を可能にしていると思います。
 企画・デザインは当社がやりますが、CADによるパターン制作、豊富な素材の
提案・調達、縫製やプリント等協力工場を含めたあらゆる二次加工など、それも
ほとんど地場周辺で完結できる強みです。

また、了解を得て保存してきた過去の代表的な衣装なども、まだ少ないですが、
新しいヒントやインスピレーションを得るのに役立っていると思います。

このようなモノ作りは、TV局にとっても「絵になる」と思われたようです。
2回の30分番組の中で、かなりの時間、制作過程や作品、現場などをスタッフと
共に放映していただきました。 こちらからお礼を申し上げねばなりません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

説明役で登場した長女が、私が指示したわけでもないのに、当社のPRは少しに
して、明るく産地全体のPRをしてくれたのをとても嬉しく思いました。
後継修行中の身ですが、私にとってこんなことも今回のイベントでは印象的でした。

専務や私の、どちらかといえば「仕事を遊んだ遺産」を楽しく引き継いで、スタッフ
全員で力を合わせて、これからも日本のモノ作りにがんばって欲しいと思いました。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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会社概要

http://www.ykougei.jp http://www.yosakoiya.jp

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個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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