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2009年04月06日(月)更新

【明大生との毎週一問百答】 心の整理のつけかた

<ご質問>──────────────────

 人生の岐路においてひとつの道を決断したとき、どのような思いで
 下したのでしょうか。

      (岡崎塾4期生・東京大学経済学部3年 嘉信由紀さん)


<お答>
大企業のサラリーマンから町工場に転じた私ですが、それが人生の岐路で大きな
決断を要したとの思いはあまり強くなく、思うに「やりたいこと、好きなことができる」
 という希望の方が強かったように思います。

その時点では、まだ起業まで思い描いていたかどうかはっきりしませんが、モノを
作る仕事ですから、自分のやりたいようにやるにはいずれ独立開業する時期が
くるだろう、と考えていたと思います。

何でも需要が伸びている時代でしたし、友人たちも次々と会社を興すのを見て
いましたから、恐怖感はなかったのですが、やはりなにより若かったということ
でしょう。今から考えると夢中で寝る時間も惜しんでやりましたが、少しもつらいと
は思いませんでした。

多少の苦労や心配もなかったといえばウソになりますが、なにより周囲の人の
おかげで今日までこれたと感謝しています。

ご質問の趣旨と微妙にズレていますが、要は「正しいか正しくないか」よりも、
「好きか嫌いか」の方が重要で、「好き」なら決断の重みもあまり感じないように
思います。要するに「前しか見てない状態」ですから。

ズレついでに、私の友人(建材商社社長)のブログに素敵な言葉がありましたので
ご紹介します。
友人とは同業の社長さんが、毎月1日にハガキをくださるそうです。3月1日の
ハガキには、

   『 行く手がふさがったら、それは別の扉が開くサイン』

愛知県にお住いだという同業社長さんの創作かどうか存じませんが、なにか心が
楽になるようなそんな気がしました。

すごく悩んで決断した・・というようなことでもあとで考えると「案ずるより産むが易し」
 だった、というケースが私の場合多かったように思います。


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2009年03月25日(水)更新

日本再生は「零細企業」という呼称をやめること

零細企業の「零細」とは何を指していうのだろうか、と最近考えます。
中小零細企業とか中小・零細企業とか間に・を入れて表示されることもあるようです。
一般には従業員(社員)10名以下の企業や事業所、店舗経営などを「零細企業」
というようです。

思うに従業員数でカテゴリー分けしているようですが、「零細」と言う文字から受け
るイメージは、当然ですがまず零はゼロ、(ゼロです!)、細はホソイ、コマカイ、
→痩せ細る、細々(ほそぼそ)となどロクなイメージが湧いてきません。(細井さん
細田さんゴメンナサイ。苗字のことを言っているわけではありませんので)

いつ頃から使われた言葉か知りませんが、なんとなく戦前の商工省とか、戦後の
通産省あたりが「お上目線」で使い始めたのでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかし、現代では従業員(社員)が5人くらいでも知的な生産活動ですごい売上や
好業績の企業も珍しくありませんし、逆に大企業だってあやしくなってきているとこ
ろも最近は増えてますよね。
「地場産業ルネッサンス」なんていい言葉が生まれてきている時代に、それを支え
再生し発展させようとしている企業に「零細」なんて言葉を使って平気でいるセンス
はおかしいと思います。

これからはますます規模ではなく、企業経営の中身が問われる時代。いいかげん
人の数で分類する「零細」などという言い方はやめたらどうか、と思います。
私も何かの折に「いやー、零細企業ですから」などと言ってしまいますが、人員的
には20名近くいるので「零細」ではないことになります。それよりこの「零細」という
言葉の持つ響きが古くて失礼で嫌だなあ、若い人が敬遠する→大企業志向になる
のに一役かっているのではと思ってしまいます。

まずお役所やマスコミから変えていただけないですかね。
(差別用語として新聞、NHKなどでも一切使用しないようにしてはどうでしょうか。
世の中が明るくなると思います)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これからは自分の口から言うのはやめようと決めました。適当な言葉が今は浮か
びませんのでとりあえず「小企業」でもいいじゃないかと。
コンプライアンスなんて難しい英語もすぐ使う国ですから“スモールカンパニー”
なんてオシャレでいいかも。

自分としては中小企業といわれるより「強小企業」といわ
れるようになりたいと思います。


横山国男

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2009年03月05日(木)更新

「大恐慌」来るなら来てみろ。

今、本屋さんへ行くと「恐慌本」がいっぱい。
その内の一冊「大恐慌入門」(朝倉 慶著 徳間書店)を買って読みましたが、
まえがきにある「ケタ違いのスーパーバブル崩壊を覚悟せよ」「悲劇の幕はまだ
切って落とされたばかり」「デリバティブという“金融ばくち”に熱狂したツケをこれ
から払わされる」などの刺激的な小題が並んでいます。

なんでも彼らがやった「ばくち」の総計は、想定元本で6京円(一億円の一万倍が
一兆円、一兆円の一万倍が一京円)だそうで、これが音を立てて崩れていってる
とのこと。私の勝手な解釈ですが、世界の富の40%くらいが一瞬で吹っ飛んだ
計算になるようです。(もっともそれが「富」だったのかどうか怪しいものですが)
昔「ジャワの東」という映画で、高さ40mくらいの「大津波」が押し寄せてくるシーン
があり、胆をつぶしましたが、まあそんなものではないかとも思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところが、あまりにも天文学的な数字のせいか、私自身になにが起こるのか具体的
にイメージできないせいか意外と平静に読了しました。
それより、この間から考えている「何でも60%」になる、する、という思いつきが私を
落ち着かせているのかも知れません。

要するに一度日本人は何でも現在の60%で生きる覚悟をしたらよいのでは、と。
しかもこれはそうトンデモナイコトでもないように思えるのです。
大体が現在の生活は「過剰」ばかりのような気がします。議員の数も行政サービス
も夜間の照明も車の排気量も新聞のページ数も食糧の輸入・廃棄分も休耕田の
面積(農業補助金)も私の摂取カロリーも・・・・・・数え挙げたらキリがありません。

3リッターの車に乗っているのなら1800ccに、1000ccなら600ccの軽に乗る、
十分です。衣食住全般にわたって楽しく4割減を目指したらどうかと思います。
おかげで成人病が減り、国の医療費も60%になるかもしれません。
家だって子供が巣立っていけば日当りのいい40%を文字どおり「ハウス農園」に
すれば野菜などはとても二人では食べきれません。バイオ技術も発達してますし。

とまあ、考えているわけですが、あながち荒唐無稽というわけでもないのです。
日本は南北に長い列島ですし、水もあります。一滴の水もないようにみえる
アラビアの砂漠でもベドウイン族はチャンと暮らしていますから、それに比べれば
恵まれすぎているほどでしょう。

会社の売り上げも現在の60%でやれる体制をつくります。人件費も60%、これは
一見難しいように思えますが、もともと日本人の労働生産性はすごく低いですから
これを1.5倍くらいに高めれば60%にしたことと同じではないでしょうか。
過剰生産するくらいなら、わが社などは駐車場のアスファルトをはがして元の畑に
もどして半農半工、半農半商、社員は家族の食糧を作る、ご近所の高齢者にも分
けてあげる、というのは健康的でグッドアイデアだと思いますが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんなことを考えるのは私の世代は食糧難を経験してますし、私などは中学生まで
母親の小さな畑を手伝った記憶がしっかり残っていて、いざとなったら何とかする、
できるという自信がある(と思っている)からかも知れません。
その点都会でお暮らしの皆さんは大変ですぞ。

世界、日本の経済がどうなるかは予想もつきませんが、かって経験したことが
ない場面は一度は避けられないと思っていたほうがよさそうです。
でも、ついこの前まで日本人はそういう暮らしをしていたのです。サラリーマンなど
という職種の就労者は戦前は30%しかいなかったらしいですから。(今は70%)

横山国男

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2009年02月23日(月)更新

「撤退」も大事な戦略

『撤退に異常な意味をもたせてしまう何かが、この国(の文化)にはある。と思う』

確かこんな文章をあるブログで読んだ記憶があるのですが、たしかに日本人は
罪ではなく「恥」に重きをおくようなところがあります。

事業を始めたころ、ある政府系金融機関の若手経営者の会があり、その後の
パーティー席上、一人の融資担当者が少し笑いながら話してくれたことを今でも
鮮明に覚えています。

『 「福井は浄土真宗の盛んな土地柄で、人様にご迷惑をかけるのを一番恥と
する。歯をくいしばってでも事業継続、借入返済を一番に考える事業主が多い。
大いに貸付けてもよい」と東京の本部から言われているんですよ』と。

暗に最後はすべてを差し出しても弁済する・・・ともとれる話でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の不況は、第一次石油ショック、ニクソンショックなどを経験済みの私でも
それらとは全然違うと思います。「ガンバロー!!」の精神論などではとても乗り
切れるとは思えません。

いろいろな補助や支援で命脈をつないできた企業が退場を迫られることになり、
否応なく産業構造の転換が起きると思います。

考えてみれば、最後は「竹ヤリ」で国を守ろうとまで真剣に考えた「太平洋戦争」、
精神論がいかに悲劇を長引かせたか、と暗澹とした気持になります。

セフティーネットを張りながら、同時に新しい経済社会へ移行していく決意がそれ
ぞれの事業経営者に求められているのだと思います。

事態が表面化してくるのはこれからだ、と最近周りの経営者と話していてもヒシ
ヒシと感じます。恥だなんて思わず「正しい撤退」も視野に入れて心を落ち着かせ
て対処したいものです。


横山国男

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2009年02月04日(水)更新

「目下の一大事」・・禅師の言葉から。

数年前、しばらく講話をお聞きしていた曹洞宗松野宗純老師からいただいた
「近ごろ思うこと」(PHP友の会会員向け)という小冊子を久しぶりに読み返して
いるところです。

「いま、ここ、われ」と題されたエッセイの一部をご紹介します。

『・・「無常を観ずべし」。道元禅師は言われた。世の中のあらゆる現象は、常に
変化している。この事実をしっかり見つめよ、ということだ。
決して人生のはかなさを説いているのではない。むしろとてつもなく前向きな考え
方であり、真理である。
なぜ前向きかといえば、無常を体得するとは、いまをよく生きることにほかならない
からだ。禅の教えをシンプルに表すと「いま、ここ、われ」となるが、それと表裏を
なすのが無常観の体得といえる。
私たちは「いま」を生きていると同時に「ここ」にしか生きられない。そして、こうして
いる間にも、刻一刻と時は過ぎていく。だから昨日を悔い、明日に不安を持つ前に
「いま」を充実させることが先決で、それが実り多き人生の足跡となる。
すなわち、いまとりくまなければならない仕事があれば、それに打ち込むことだ。
食べるときは食べ、眠るときは眠ることを目下の一大事とするのである。
無常の中に生かされていることを知り、「いま、ここ、われ」を楽しむ。それが心を
養う秘訣だ。』

どうでしょうか。頭では理解できてもなかなかこのような心境に達するのは難しい
ものですね。しかしすべてのものが移ろいゆき変化していく、その変化の中から
また新しいものが生れてくる。・・・とゆったり考えればよいのではないでしょうか。

「百年に一度云々」といわれるような、経営する人にも、そこで働く人にとっても
不安な昨今、老年にさしかかるある時期、こういうお話が聞けたことは私にとって
得難いことの一つだったと思っています。

横山国男

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2009年01月30日(金)更新

そもそもなんの為に「起業」したのか。

よく経営書などに、「企業は永続しなければならない」とか「永続することに価値が
ある」というような記述が見られますが、これを「金科玉条」にすることには個人的
にはあまり同意できません。

「経営者会報」の最新号に「老舗」の特集があり、興味深く読みましたが、伝統を
守りながら常に革新、チャレンジも続けてきたことがよくわかります。
要は企業の存続とは「必要とされている」から残るのであり、「必要」とされる企業
であり続ける努力を怠らなかったところが「老舗」として存在している、ということ
ではないでしょうか。

経済はグローバル化しています。ニーズ(必要)がない、ニーズを創りだせない
なら、ただ長くやることに意味はないと思います。
「存続」だけを願うのでは、そもそも何のために「起業」したのかというあの日の
熱い思いを、なぜ承継したいと思ったのかを、もう一度振り返ってみる“必要”が
あると思います。



横山国男

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2009年01月24日(土)更新

経営の神様

「経営の神様」と称された松下幸之助翁に次のような語録があるそうです。

『小さい会社の経営であれば、率先垂範して部下の人に命令しながらやることも
必要だけど、これが100人とか1000人とかになれば、それではあかんね。
心の底に「こうしてください、ああしてください」というような心持がないといかん。
これがさらに1万人、2万人となれば、「どうぞ頼みます」という心境に立たんと
駄目やな。 けど、もっと大きくなると、部下に対して「手を合わせて拝む」という
思いがないと、いかんということや。わしはそういう心で経営をやってきた』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

苦境に立つ日本、「神様」はどのようにご覧になっておられるでしょうか。

横山国男

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2009年01月07日(水)更新

「君を幸せにする会社」お題について考える

ご質問5,6,7については、前回(5日)の拙ブログにありますので再記しませんが、
どのようなお話になるのか楽しみにしていると書きましたら、編集部の大西様から
メールを頂戴し「それではあなたはどう思われますか」と逆に振られてしまいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

久米さんでも「難問です」とおっしゃっているくらいですから、私に「解」があろうはず
もない、というのが正直なところです。
質問7.の最後に「そうした中で、自分の信念を貫くにはどうしたらよいと思われま
 すか」には、経営理念のようなものはあっても「自分の確固たる信念となっている
 のか」と問われればこれも自信がありません。

「答」になっていないと思いますが、現時点でつぎのような漠然とした思いを持って
おります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「文明」と「文化」の定義をよく知りませんが、ある人が「文明とは腹のたしになる
もの、文化とは心のたしになるもの」と言っておられてナルホドと思いました。
これがバランスを保っていれば「幸せ」を感じる人が多いのではないかと考えてい
るのですが、(すなわち「幸せと利益のバランスシート」とでも呼ぶべきか)どうやら
パンばかり作って無理やり口に押し込んだり、一方では固有の文化を大事にして
いる地域にはパンがいきわたらない、という矛盾が世界規模で起こっているのが
現状ではないか、なんて考えています。

ライオンは腹が満ちていれば目の前に鹿がいても襲いませんが、人間はあくなき
欲望で飽食の上に飽食を重ねているようなものです。
いよいよこの文明も終焉で、かっての「地域限定文明」とは違い「世界規模」です
から、人類の危機は本当に来るかも、とすら思わされます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「経済も文化の一つである」とは私も同感ですが、さすれば「文化力」を失えば
経済も失うということであり、「幸せ」も失うことになるのではないでしょうか。
「人はパンのみにて生くるにあらず」はイエス・キリストの言葉として有名で、それに
続く本義は宗教的言辞ですが、一般的には「それでは他に何が要るのか」という
問いになり、ここに「幸せとは」の答が人それぞれにあるような気がします。
パンを「マネー」と置き換えれば今の時代もっとわかりやすくなりますね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たまたま「生活文化関連分野」で仕事をしている私、当社としては文化が経済を
 振興すると考えて「アート・カンパニー」を目標に前進するほかありません。
そのためには「学習する組織だけが生き残る」(チーム・ダーウィンの著者、熊平
美香さんの言葉)を胸に、社員とともに勉強し、教養を少しでも身につけていくこと
が「お客様、社員、経営者の幸せ」につながると考えたいと思います。
・・・・・そういえばこれをこそ「信念」とするべきかもしれません。


横山国男

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2009年01月05日(月)更新

「幸せと利益の関係」について。

前回3日のブログで、当社・私の目指すべき企業像みたいなことを書きました。
「アート・カンパニー」ですが、そのベースには「真善美」を置いて、と考えています。
しかし、そんなきれいごとでこの厳しい時代を生き抜いていけるのか、という不安
は勿論あります。

私は勝手に「真善美和」として座右の銘としていますが、「真善美」というメルマガ
を発行され、先日は「君を幸せにする会社」を上梓された公認会計士天野敦之さん
が、8日(木)明大での久米さんの講義のあと、「出版記念パーティー」をされる、と
久米さんのメルマガ「縁尋奇妙」1月4日号配信にありました。
(感動するご著作でした)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パーティーに先立ち、特別ゲストとして『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』の山田
真哉さん、『魔法の質問』のマツダヒロミさん、『会計のトリセツ』の望月実さんの
お三方が加わり、天野・久米両氏の5人で90分のトークセッションがあるとのこと。

縁者もこのセッションとパーティーには参加できるそうで、「ぜひ聴いてみたい」と
思いましたが、前日家族の中に病院で治療を受ける者がおり、2~3日は不自由
かなと思い、出席は断念しました。この内容が後日なんらかの形で配信されること
を切望しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この特別授業を聴講したいのにはわけがあります。
天野さんが授業に先立ち、9つの質問を出されており、久米さんも「難しい問題。
 当日までに考えぬいて参りたい」と書かれています。

たとえば
質問5.私は人を幸せにする価値を生み出すからこそ、会社は利益を得られると
     考えていますが、世の中には、人の幸せを考えるよりも目先の利益、と
     いう会社が多いのが現実です。そうした会社が、今回の金融危機で行き
     詰まることによって、人を幸せにする価値を創造することの大切さに気づ
     く人が増えると思っていますが、この幸せと利益の関係について、ご意見
     を聞かせて下さい。
質問6.社員の幸せやお客様の幸せが大切だとわかっていても、これだけ経済が
     悪化してくると、そんな悠長なことは言っていられないという会社も多くなる
     と思います。私はこんなときだからこそ、従来の考え方を転換させなけれ
     ばならないと思いますが、この点についてはどう思われますか。
質問7.現代の社会では、人の幸せを考える余裕を与えず、奪い合いや競争を
     促進するような様々な仕組みや雰囲気がありますが、そうしたなかで自分
     の信念を貫くにはどうしたらいいでしょうか。

  などは久米講師をはじめ、皆さんがどう答えられるかを聴きたかったのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「幸せ」という価値観は人それぞれかと思いますが、最近仕事で「幸せ」を感じた
事例があります。

当社のサイト「オーダーよさこい屋」で衣装を作られたお客様から、「感謝のメール、
お手紙」などをたくさん頂戴するようになって、一つひとつ読ませていただいて、
「ああ、ありがたいな」と思ったのです。
「お客様の声」としてサイトに載せるようになりましたが、それまで最終ユーザーの
声が届くような事業形態ではなかったので、本当に新鮮で感激しました。

これもまたPRと考えられなくもありませんが、そんなことより「この仕事をしてよか
った。力を与えてもらった」と心から思いました。

そんなワケで「幸せと利益の関係」について、信念と呼べるようなものを学べたら、
と考えたのです。

横山国男

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2008年12月27日(土)更新

創立30周年で考えたこと。

12月23日は30年前、法人登記をした日でした。その前2年ほど個人経営の時代
があるので、業歴は30年を超えているわけですが、創立30周年を迎えられる企業
は2%しかない(船井総研調べ)などと言われるとそれなりに感慨もあります。

実感としては2%でなく、20%くらいあるような気もするのですが、法人280万社、
年間7万社ほど出来て、8万社ほどが消えていくとか読んだ記憶がありますから、
きちんとした資料なのでしょう。

ちょっと何か記念に、と思わないでもなかったのですが、何もしないことにしました。
通過点と考えて、後継者をいかに育てていくか、長年お取引いただいたお客様の
お役にたてるようこれからも気を引き締めてもう少し頑張ろう、と思ったのです。 
 まず、何よりもこれまでご支援くださったお客様に感謝したい気持で一杯です。

そして感謝してもしきれないパートナーである家内とワインで乾杯だけしました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

4年ほど前、娘夫婦が「あとを継ぐ」と約束したので、事業承継について真剣に
考えました。

後継者が経営を任され、一生懸命やってくれるとしても、時代や産業構造がこれ
から本当に変わり、経営環境の変化についていけないとすれば、冷静な判断で
「会社を閉めたほうがよいと思います」とだけ私に進言してくださいと、後継者と
同年代の新しい会計士さんにお願いしました。

関係先、従業員に迷惑がかかります。そして経営者自身も全てを失いますから、
ゾンビ企業などと言われないよう、しっかりやってもらいたいと、この30年の節目に
そして激動の2008年をわずかに残して、今考えています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の経営環境の激変で、緊急融資などの話が毎日のように報じられています。
しかし、これからの先行きを考えると融資の返済は容易ではない気がします。
在庫調整が済めば再び景気は上昇に転ずる、などの過去のパターンはもうない
のではないでしょうか。

今日の状況は、問題を先送りにしてきたツケが一気に噴出したとも言えます。
自社でも困難なことは先送りにしていることも多いものです。
若い人には、社会をつくりかえる大チャンスともいえるのですから、希望を持って
頑張って欲しいと思うのです。

横山国男

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会社概要

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個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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