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2008年11月10日(月)更新

素晴らしかった「高雄市國楽圑」福井公演。

台湾南部、高雄市の「高雄市国楽団」(正式にはタイトルの漢字)が、小松=台北
定期航空路開設(本年6月)を記念して金沢・小松・福井の3市で公演を行いました。

昨年秋、45名の団員で、東京をはじめ7つの公演を行い、日台の青少年交流など
も含めて大成功だったそうですが、今回は指揮者のほか14名の小編成です。

しかしその「音」は素晴らしいもので、中国・台湾の伝統楽器にすっかり魅了され
ました。
演奏者のほとんどが、国立台湾芸術大学、国立台南芸術大学民俗音楽研究所
などで高い技術を磨いている、あるいは卒業した若手の演奏家ばかりです。

台湾の調べ ~寒雲と共に~

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「二胡」「琵琶」「揚琴」などは聞いたことがあります。
特に「二胡」、あのシンプルな弦楽器がどうしてあれほどの豊かな、時に激しく
時に哀調を帯びた音を生むのか感嘆して聞き惚れてしまうのです。

中でも「桃花の川渡り」と題された、2台の二胡の合奏は見事なもので、長い曲を
激しい曲調の場面でも文字通り一糸乱れず弾きあげて感動的でした。

また「笛」や「笙(しょう)」も日本の雅楽で聞くものとちょっと違って(楽器も少し
大ぶりに見えました)、おだやかで膨らみのある音色は、本当に台湾特に中国の
長い文化を感じさせてもらった夜でした。

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このコンサートをプロデユースしたのは、来日23年、現在は金沢市に近い美川に
住んで音楽活動をしている、歌手の寒雲(カンウン)さん。<写真中央>
公演の前後にお目にかかりましたが、とてもきさくでかわいい人でした。

日本の名曲なども歌いましたが、やはり中国語(北京語)で歌曲を歌われるとき、
その伸びのある艶やかな声に「すごい」と思わされました。
聞くところによりますと、寒雲さんのお母さんは70歳を超えられていますが、
「台湾オペラ」(京劇)のスターで、人間国宝に指定されておられるそう。

紙は寒雲さんのお母さん

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深まる秋の夜、中国・台湾の伝統音楽に酔いしれたひと時でした。
この週末には、姉妹関係を結ぶ高雄のロータリークラブの周年記念式典に出席
しますが、よい話題ができました。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年11月09日(日)更新

「越前ガニ」と「沙漠化」について考える。

霜月11月も明日は10日。今朝も大して寒くありません。今年は今日までのところ
特に温かいようで気になります。

誰もが知るようになった「越前ガニ」。その解禁日は今年は11月6日でした。
福井県の沖合から解禁日の朝戻ってきた蟹漁船、揚げられたズワイ蟹の初セリ
の風景などは、毎年TVニュースですっかりおなじみになりましたが、どうも近年の
画面は違ってきたように思います。

背景に、冷たい雨風やみぞれ混じりの天気、暗い色の海がありません。
あと半世紀もすると、このあたりの年間平均気温が「那覇」と同じになる、という
「温暖化」の予測すらあります。

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かと言って日本が「砂漠化」するとも考えにくいですね。周囲を海に囲まれている、
そのおかげで多雨である、「緑被率」は世界第二位、などが思い浮かびます。

長年冷害などで苦しんだ東北や北海道でも「米」の収穫がさらに容易になるでし
ょうから、飢餓も考えにくい。バイオや品種改良の技術も世界のトップクラスです。

携帯やIT環境その他の「日本独自規格」が進んで(遅れて?)ガラパゴス化する
という意見もあるようですが、大きなハワイ・・パラダイス化するかも知れません。

とかく悲観的な方に傾きがちな(世界有数の自殺大国でもあるので)日本。
1500兆円も個人金融資産があるんだそうですから(誰も見たことはないけど)
「恐慌」になっても国家倒産はしない、とゆるく考えて暮らすのはどうでしょうか。

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しかし、世界各地で起きている「砂漠化」・・・水が少ないという意味で「沙漠化」、
の問題は少し調べてみると、「月の砂漠」のようなロマンチックな風景には程遠
いものがあります。

砂漠化の原因はいろいろ複合していますが、やはり「人間」が原因となっている
大きなものとして一例をあげると人口爆発があります。

資料によると、例えばアフリカのスーダンでは20世紀に入ってから人口が6倍。
井戸ポンプが普及したのが原因だそうです。水が使えるようになり、家畜を増や
すことが容易になりました。

しかし、増えた家畜は緑を食べ尽くす、人は乏しくなった木々を根こそぎ取って
調理や家を造る泥レンガを焼くのに使う、井戸はさらに深く掘られ、地下水は
涸れ、木も枯れていくという悪循環が始まります。

美しかったオアシスも、次々と文字通り「沙漠化」していったのです。

農業の機械化も過剰耕作、農地の酷使につながり、土地をやせ細らせ、雨が
降れば土壌流出、表土は流れて砂漠化します。

しかしこの問題の難しいところは、その地に住む人々にとって「必要不可欠」、
「生存のための営み」そのものだということです。

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今日の新聞に「エネルギーの自給を目指して注目されている」岩手県葛巻町の
話題が載っています。標高400m人口8000人のこの町は、今や風力発電、
太陽光、酪農の町なので家畜糞、森林資源から出る間伐材などのバイオ技術も
総動員して、今や町内消費エネルギーの70%をまかなうそうです。
各種団体の視察や観光客も増えて昨年は約50万人が訪れたのもプラス。

先日、環境NPO法人の代表を務める、親友の建築家が持ってきた「太陽熱利用
調理器(コンロ)」で実験をして見せてくれました。
薄いステンレスの鏡板が四方に開く簡単な構造のものでしたが、大して強くもない
秋の日差しでも30分もかからずに、中くらいの鍋のお湯が沸きました。

感激した私が「すごいな、これをアフリカに送ったら、あの強烈な太陽だから10分
もかからんな。砂漠化防止に役立つよな、安く出来そうだし」。

「もうやってるよ。だけど鏡板は盗まれるし、上の方の人間がこれを法外な値段
で横流しするから、本当に必要な人に渡らないんだ」・・彼の返事です。

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新しいエネルギーの開発に「自然資源を活用して日本一のエネルギー基地に育
てよう」と人口8千人の小さな町が町民あげて取り組む日本。
自治体からお達しがあれば、ゴミの分別、リサイクルに文句をいいながらもきちん
と従う大半の日本人。

対して、
55カ国もあるとは知りませんでしたが、その大半が沙漠化に苦しむアフリカ。
どのような援助が有効なのでしょうか。教育にも人口制限を含む医療分野にも
多くの人的、物的援助が長い年月送られ続けてきたと思うのですが。


横山国男

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2008年11月06日(木)更新

合州国でない合衆国

「合州国」(がっしゅうこく)と書いても間違いではないんだそうですが、ユナイテッド
ステーツを「合衆国」と訳したのは名訳だと思います。
王国や公国、一番多いのは共和国のような気がしますが、「合衆国」というのは
アメリカだけです。

アメリカ合衆国第44代大統領は黒人で初めてのバラク・オバマ氏。以前ブログに
書きましたが、長い選挙戦を戦うのは大変ですが、しかしこの期間に候補者は
厳しく鍛えられて、大統領にふさわしい人物に「成る」という一面もあるように思い
ます。

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オバマ新大統領の国民や世界に向けたメッセージ、決意の表明はリンカーンや
ケネディと並ぶ素晴らしいものだと思いますが、それにしてもあらためて「言葉」
の持つ力、政治における「言葉」の重要性を認識させられます。

イラク戦争や世界金融危機、社会問題などに対して「私達はできる!」「チェンジ」
を掲げて当選しましたが、考えてみればそのどれもがアメリカ自身が原因となって
きた、引き起こしたとも言えるのではないでしょうか。

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私の年代では子供のころからアメリカは憧れの国でした。
太陽がサンサンと溢れる「アメリカンドリーム」の国でした。しかし長じて少しは
モノが見えるようになれば、自国はもちろん、どの国家も固有の問題を多く抱えて
いることが分かります。

今夏、短い旅行でしたが、最もアメリカの典型的な大都市といわれる「シカゴ」と、
建国時の面影を色濃く残す小都市「ボストン」の二つの都市を訪れました。
その気になって観察してみれば、現代アメリカの持つ様々な問題の一端も見えた
ように思いました。

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折しもサブプライム問題に端を発したアメリカの経済、モノつくりを止めてしまった
アメリカ最後の象徴とも言えるGMの危機、社会不安が増しているからでしょう
 か、「銃」の販売が異常に増えているそうです。

この背景に「アメリカ史上初めての黒人大統領誕生」という素晴らしい選択を
必ずしも喜んでいる人ばかりではない、と冷静に考えてみると、むしろ苦難は
始まったばかりなのかも知れません。

まずは4年の任期を無事に、そして本当の「改革」を進めてもらうことを、アメリカ
と関係の深い日本、それも片田舎の小さな企業の社長でも祈らずにはいられな
い、と今朝は思いました。


横山国男

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2008年11月03日(月)更新

山車の大きな人形の衣装・・苦労しておられたんですね。

先日、猿回し芸「太郎さんと次郎君」の衣装を作らせてもらったことをブログにも
書かせてもらいました。

この模様が2週にわたってTV放送されたためでしょう、その後、何件かのお問い
合わせなどがあり、素直に喜んでいます。

そのうちの一つに、当社でも想像していなかった依頼があり、お話を聞いて当社
の技術と提案力が生かされる、お役に立てる恰好の案件がありました。

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来年のお祭りの企画なので、詳細は控えますが、当地でも歴史のある、有名な
お祭りです。

大きな(5~6m)武者人形などのつくりものを乗せた「曳き山車」が、毎年8基も
出て、3日間、県内外からたくさんの観光客を集めます。

「山車」は、毎年地区やグループの人たちの知恵をしぼったものになります。
巨大な人形を「来年は何にするか」は、もうほとんど決定しているそうです。

週末、ある「山車」の勧進役、デザイン担当、衣装制作担当の方々が「テレビを
みたのですが・・」と当社を訪ねてこられました。

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お話によりますと、
「人形作りはともかく、毎年、衣装特に染めや織りの“織物・生地”を探すのが
もう大変なんです。無地のものはまだよいのですが、柄物になるとそんな大きな
柄やデザインのものはほとんどありません。「ふとん」や「帯」の生地の中から
探すのですが、生地幅がせまかったり、必要な長さが手に入らなかったり・・」。

私の回答は、
「全くご心配いりませんよ。どんな柄のどんな大きさのものでも、フルカラーで
お作りします。それも150cの広幅の生地、素材はいろいろありますが、発色が
きれいで、お祭りが雨でもシャンとしているのはポリエステルがいいでしょう。
価格もリーズナブルですから」。

その他、数量も少量でもよいこと、素材感や十二単衣のような複雑な見た目も、
グラフイックスで本物のように見せることができることなど、たくさんの資料と合わ
せてお見せしたところ、躍りあがらんばかりに喜ばれたのです。

何より感激されたのは、「拡大図柄」でプリントできるということです。
たとえば腰元などがよく着ている「矢羽根」の柄がありますが、人が着る着物の
柄としてはせいぜい一つの矢羽根は10c程度の大きさでしょうが、5mもある
人形となると30c~40cの大きさが必要になります。

判官の裃(かみしも)の背中の「紋」だって15cくらいにはなるでしょう。

そんな生地は存在しませんから、衣装担当さんは大変なご苦労があったようです。
「すぐ、ミーティングを開いて図案を持ってきます。本の切り抜きとか、クレヨンで
描いたものでもいいでしょうか?」

「いいですよ、でもデータで作ってきていただいたほうが安くできますね」。

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よほど喜んでくださったのでしょう。当社の玄関を出られてからも「よかった、よか
ったこれで安心やね、ナントカカントカ」とにぎやかにおしゃべりしながら車へ。
こちらも嬉しくなりました。「そうか、考えてみたらそれは大変だったろうな」とも
思いました。

モチーフの小さい「小紋柄」や久留米絣、紅型、レース模様、リバティー柄など、
和洋を問わない「お人形」のために、柄のサイズを縮小した服地を作ることは
すでに企画に上がっていますが、「大きな人形」は気が付きませんでした。
旗などは30c四方の小さいものから、20mx30mの巨大なものまでお作りして
いるというのに。

足元で困っておられた方がいたんですね。PRができていないということかな。


横山国男

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2008年10月31日(金)更新

形見になってしまった赤いセーター

10月最後の日記は悲しいものになってしまいました。
東京の友人Mさんが、つい先日、やはりというか病魔を乗り越えられず亡くなって
しまい、一昨日がお葬式でした。暗澹とはこういうのを言うのでしょうか。

同じ60歳代の友を、しかも私より少し若くて、スキーのインストラクターで、座持ち
の名人、ギターも歌もプロ顔負けだったMさん。
私たちの「佳き仲間の会」は名伯楽を失ってしまいました。

たまたま足のケガでお別れに行けませんでしたが、集まった仲間に見送られて
旅立ったことでしょう。

 私的なことですが、思い出をブログに記しておきたいと思いました。

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Mさんとはアパレル業界の友人を介して知り合いました。そのご縁はその後ドン
ドン広がって「仲間の会」ができ、年に数回、東京周辺や北陸でゴルフや飲み会
をやってきました。

会長を務める私の地元の友人とMさんの人脈や人柄で、中にはアパレル上場企
業の社長さんも数名おられますが、会えば少年に還ったように皆にぎやかに他愛
なく遊びに興じました。

死亡の報を聞いた時、それらの光景は一瞬セピア色となり、Mさんのにぎやかで
ヤンチャな声が耳元でしたように思いました。

今年の春、メンバーの医師S君(同級生。横浜で総合病院を開いています)が
帰郷した際、「Mさん、また入院したらしいね。本人が転移したらしいと言ってる
そうだけど」と聞くと、「よくないな、今年一杯は無理かも」と打ち明けられました。

2回目の手術が成功したので、体力の回復を待って、本人も希望しているから
ということで、この夏、御殿場へみんな集まってゴルフをする計画でしたが、結局
これも実現しませんでした。

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先日、恵比寿のWホテルに泊まったとき、「ああ、そういえばここはMさんの息子
さんの結婚式に来たなあ」、あれは何年前だったかな、などとフッと思いました。

暖かい披露宴で、Mさんの長年の友人である女優の萬田久子さんご夫妻も出席
されておられ、そのあと「佳き仲間の会」の二次会へも顔を出してくれました。
われわれ同様、今は深い悲しみの中におられると思います。

その年の11月、恒例の「北陸シリーズ・かにかも会」のとき、片山津でのゴルフ
はMさんと同組でした。

少しオレンジ味がかった真っ赤なVネックのセーターを着ていたので「その赤いい
なあ、還暦だからくれない?」と言うと「これ、萬田さんのダンナのナントカの記念
品なんですよ。でも還暦祝いならいいか」ということで、終わったあとのお風呂場で
渡してくれたのです。

その後冬のゴルフには愛用のアイテムになりました。
Mさんは巨体だったので少し伸びていますが、この冬、袖を通したらあの時の暖
かいMさんのにおいがするような気がします。

赤いセーター  刺繍のワンポイントはひげのリッキーさん

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Mさんも大好物だった「越前ガニ」は、解禁まであと一週間ほどだったのに。
今年はまだ誰からも連絡はありません。


横山国男

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2008年10月29日(水)更新

パレットを洗う。

今年の春から、念願かなって水彩画の教室に月2回通っています。生徒さんは
熟年ばかり12,3名ほどで、女性が少し多いかなという感じです。

先生は金沢美大卒のOさん。 50歳を超えられたくらいでしょうか。
水彩の命である「水」を生き物のように自在に操って、時々私の絵に2~3
筆手を入れてくださるだけで、「ウーム、ナルホド」と感心してしまいます。

何事もプロというのはすごいもんだな、とあらためて思う瞬間です。尊敬とともに
「少しでも近づきたい」、とその手元を食い入るように見つめることになります。

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ここのところ足のケガで休日も家にいるので、今まで描いた10枚ほどの絵を
見直し、自分なりに手直しをしてみました。
よくなったものもあり、描き込みすぎて汚くなったり、悪くなったものもあります。
「過ぎたるは・・・・」ですね。

パレットも一度洗って、絵の具の配列を考えてみました。
同系の濃淡順に、混じり合うと汚くなるものは上段と下段に分けて、色見本も
作ってみました。

この色はあれとこれをこんな感じに混ぜて・・イメージがわきやすくなったように
思います。

パレットとカラーカード

秋も深くなって、数少ない好天でもゴルフにも行けず、こんなことをしているより
他ありませんが、それでも思いがけない発見もあって、カナイが買ってきたバラ
を見て、ちょっと描きたくなりました。


横山国男

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2008年10月27日(月)更新

「ことばを旅する」・・・細川護煕から深まる秋の京都へ

’04年6月~’08年5月まで、週刊文春に毎月一回4年にわたり、中央見開きに
連載された細川護煕(もりひろ)氏の表題のエッセイを、旅の写真とともに楽し
みにしていました。

西行、良寛、漱石、与謝野晶子など、著者が「心に残る名言の生まれたゆかりの
地」を旅する紀行エッセイ集。
気に入ったものは時々スクラップもしていましたが、「テーマのある旅」というのも
なかなかいいですね。

先月単行本化されましたので、あらためて読ませてもらいました。
=「ことばを旅する」(細川護煕著 文藝春秋刊 @1600-)

「ことばを旅する」(文藝春秋@1600-)細川護煕著

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著者は熊本県知事から、第79代内閣総理大臣として、初めて自民党以外の
政権を樹立した立役者。 しかし’93年8月から10か月で退陣せざるを得なく
なったのは、氏の人生観が、権力とカネがものいう政治の世界と根本的に相い
れなかったのではないか、と私は想像しています。
細川首相が続くような国なら、日本はもう少し変わっていたかも知れません。

エッセイ第42回、兼好法師の「緒縁を放下すべき時なり」(徒然草)を地でいく、
還暦を迎えた’98年5月、あっさりと議員を辞職し、陶芸家の道へ。
湯河原に隠棲されているわけですが、第二の人生は創作に、というのは私の
憧れる生き方でもあります。

国会中継などで、かっての最高権力者が口を開けて居眠りしている図は、美しい
ものではありません。「老残」という言葉すら思い浮かびます。(失礼)
ロマンチスト、アーチスト・・・細川さんの「美学」では許せないものでしょう。

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細川さんは1938年1月生まれ、とありますから、今年70歳。
その風貌は、さすが肥後熊本藩主だった細川家の第18代です。
私が魅力的だと思う一つ目は70歳とは思えぬダンディぶり。まだ青年と表現する
のは無理でも、50代にも見えるのです。
「美」を追求している人だけが持つ、独特の若さがあるように見受けられます。

週刊文春 切り抜き。本カバーの裏表紙にも

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二つ目は、繊細で絵画のような素晴らしい文章を書かれること。
以下の文章は、先ほどの兼好法師「徒然草」を、生涯の友というべき書として挙げ、
修学院道(京都)を訪れた紀行文の文末に書かれたものです。
情景が浮かび、しっとりと心に沁みました。

 ・・・ 『横川を経て、兼好籠居を偲び訪れた秋の修学院道の紅葉はちょうど
    見ごろだったが、楓葉を散らす無常の風をまだ苦悩の中にいた兼好も
    感じただろうかと、そんなよしなし事を思いつつ、踏むには惜しい落ち葉
    の上をそっと歩いた。』

みなさまのテーマは「仏像」でしょうか、「季節の京料理」でしょうか。
秋真っ盛りの京都を旅したくなりますね。


横山国男

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2008年10月24日(金)更新

書とは“打つ”こと。

「バァ~ンと打つ!」・・大河ドラマ「武蔵」の題字、タイトルロールでおなじみの
SYO ARTISTを名乗る書家吉川壽一さん(当社顧問)が好んで使うフレーズ
です。

先日、この秋の吉川壽一書展が、東京文京区の「講談社K-スクエア」と新宿
高野ビル「コニカミノルタプラザギャラリー」で開催されたので観に行きました。
この書展は久米さんのメルマガでもご紹介いただきました。ありがとうございます。

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物心ともに絶大な後援者だった、亡き吉田福井新聞社社長は、級友の吉川さん
を「書を床の間芸術から引きずり出した男」と評しました。

フランス、イタリア、中国、中東など、世界各地で「書パフォーマンス」を演じ、
また前衛書の大家として毎日書道の重鎮でもあるのですが、もちろん見事な楷・草・
行書、時には道元の和歌などを書した「かな」の美しさなどには心を奪われます。

あの大きな体をゆすって、時々当社にも現れますが、展覧会間近になると彼の
頭の中はアイデアで一杯、息せきって入ってこようとするので、私が「あっ、靴、
靴脱いで」と言いたくなるほど。岡本太郎を思い浮かべてしまいます。

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今回「講談社」の方は、「漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展」と題して、数多く
のマンガのタイトルを書いてきた経緯から、「ふきだし」をとりあげることに。

小は80c角から大は150c角の15枚の布地に、ふきだしの輪郭をとり、中には
「越前墨流し」の模様をインクジェットでカラー出力したものを当社で用意しました。
この模様の上に「書」した、相変わらずトンだ発想の作品です。

吉川壽一「風雲展」漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展 チラシ  吉川壽一「風雲展」漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展 使用グラフィックアート

その他には、当社で見つけた、「スクリーン印刷技術による視覚の位相」を利用
した3次元フレーム(額縁)に、書を入れた作品も数多く制作しました。

新しいモノを見つけると、子供のように喜々として「SYO」が発想されるようです。

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「無二なる風のSYO・書展」=コニカミノルタプラザ(新宿高野フルーツ4F)

「コニカミノルタ」さんは、数年前から、彼の活動を全面的にバックアップしてくれ
ています。デジタルを駆使する御商売なのですが、究極のアナログ=「書」に
並々ならぬご関心をお持ちのようで、文化支援の意味の他に、技術者の発想に
資すると思われているのかも知れません。

日本のハイテク製品が群を抜いている背景に、このようなバックグラウンドがある
ことを感じます。なにしろ米粒に1000字を書く人がいる国ですから。

さて、「書とは“打つ”こと」の例を。天井まででも足りないデッカイ紙は越前和紙
の第一人者、岩野平三郎さん(本年度伝統文化ポーラ賞受賞)の雲肌麻紙。

大書“心” 宮本武蔵あての手紙・扇面に

そのほか、「剣豪・武蔵」「書聖・王義之」「沙門・空海」「光明皇后」をはじめ、
「ミロ」「ピカソ」にまで、連綿と巻紙や扇面に“手紙”を書くという(!)、その誰も
思いつかない着想と流麗な書に、今回もまたあっと驚かされました。

(講談社会場は26日まで。コニカミノルタプラザ/ギャラリーB&Cは終了)。


横山国男


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2008年10月22日(水)更新

反省猿次郎くん来社・・TV放映から得たもの。

13日と20日、月曜日の夜7時30分から、福井テレビ(FNS系)の制作番組
「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」で、当社を紹介していただきました。

先日ブログにも書きましたが、「猿まわしの太郎さんと反省猿次郎君コンビ」が、
次郎クンのふるさと福井を訪ねる、というストーリーで、いわば「里帰り記念公演」。
10月3日は当社にも来訪し、賑やかでした。

5日日曜日は、満員のTV局のホールで、猿まわしの公演がありましたが、記念に
地元の企業で作ったモノを見せたいとのこと。

次郎クンがステージで使う階段付き跳び箱を永平寺町の家具製造業さんが、
当社は地場産業の合繊織物を加工してコンビの衣装を作ることに。

10月20日(月)19:30放送 福井テレビ(FNS系)制作「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」 10月20日(月)19:30放送 福井テレビ(FNS系)制作「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」

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当社は、主に北陸地区の染工場さん、プリント、シルク印刷業者さんへのシルク
 スクリーン版(型)を30年余り製作してきました。
この10年は、染織や縫製産業が雪崩をうって中国へ移行した時期。お客さんや
同業者さんの中に廃業した所も多く、つらい状況は今なお続いています。

私たちも必死で生き残りの道を模索してきました。その一つがよさこいや太鼓、
音楽グループの少人数のステージ衣装、ユニフォームなどをオーダーで制作
する仕事です。やってみて大変な仕事だとわかりましたが、今では、県外からの
ご注文も少しずつ増えてきました。

産地ですので、素材や加工技術は豊富です。また専務や私が長年テキスタイル
(染織)デザインに力を注いできました。多くの資料やそのノウハウで何ができるか、
何をすべきか夢を語ってきました。

 このような資料や加工手法の知識、人と設備の制作ネットワークが、当社の
「ワンストップビジネス」を可能にしていると思います。
 企画・デザインは当社がやりますが、CADによるパターン制作、豊富な素材の
提案・調達、縫製やプリント等協力工場を含めたあらゆる二次加工など、それも
ほとんど地場周辺で完結できる強みです。

また、了解を得て保存してきた過去の代表的な衣装なども、まだ少ないですが、
新しいヒントやインスピレーションを得るのに役立っていると思います。

このようなモノ作りは、TV局にとっても「絵になる」と思われたようです。
2回の30分番組の中で、かなりの時間、制作過程や作品、現場などをスタッフと
共に放映していただきました。 こちらからお礼を申し上げねばなりません。

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説明役で登場した長女が、私が指示したわけでもないのに、当社のPRは少しに
して、明るく産地全体のPRをしてくれたのをとても嬉しく思いました。
後継修行中の身ですが、私にとってこんなことも今回のイベントでは印象的でした。

専務や私の、どちらかといえば「仕事を遊んだ遺産」を楽しく引き継いで、スタッフ
全員で力を合わせて、これからも日本のモノ作りにがんばって欲しいと思いました。


横山国男

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2008年10月20日(月)更新

石川遼クンに見る「スーパースター」の資質。

土曜日の朝、うっかり階段を3段ほど踏み外し、大したことはないと思っていた
のですが、夕刻になっても右足の指先が腫れて痛いので、近くの懇意の整形医
に行きました。

レントゲンで見ると、薬指、中指に小さな剥離骨折があり、全治一か月とのこと。
アルミ板の副木をあてていただいたので、歩行はなんとかできますが、しばらく
不自由な生活をおくる羽目になりました。

それにしても簡単にバランスを崩すようになったなあ、と年齢を実感させらました。
しかし「いや、いや この程度で済んでよかった」と、分別くさく自分を慰めるのも、
また老いた証しのような気がして抵抗を感じるものです。

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そんなことで日曜日の取引銀行のゴルフコンペは、絶好の天気でしたが、急きょ
欠席させてもらって、午後からTVで「日本オープン」をじっくり観戦。

すでに私には後景となってしまった、まぶしいほどの若さを感じさせてくれるのが、
2位に入った石川遼クン。
17歳ですが、持っているものは天性のゴルフの才能だけではないようです。

ルックス、ファッション、インタビューでの話し方や声質、しぐさや笑顔がいずれも
絵になる現代のメディア向き。 女子では宮里藍さんにも似たものを感じます。

長嶋、王、イチローに次ぐスポーツ界から久し振りの国民的人気を持つスターが
生まれつつある予感がしました。
それは早くもコマーシャルへの露出の多さが証明しています。
石川遼クンへの各社のアプローチは、今後さらに激しさを増すことでしょう。

ゴルフでは、青木、尾崎、中島(AON)、岡本綾子などもスターだったと思います
が、この人たち、たとえば尾崎などのコマーシャルへの登場はきわめて少なか
ったように思います。

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優勝した片山晋呉は独自のスタイルでここまで来た人という感じ。35才で7人目
の永久シードの25勝を挙げたのには並々ならぬものを感じさせます。

ゴルフに対してきわめてストイックで、練習と研究熱心ではこの人の右に出る者は
いない、というのが定説ですが、あの独特のテンガロンハットと不思議なネックレス
のスタイルは、ゴルフ行者のようで残念ながら少し華がないように思います。

プロ転向したとは言え、遼クンはアマチュアのお父さんが10年ほど指導したに
すぎません。
まだジュニア年齢の遼クンが、プレッシャーを楽しみながら自分をおびやかす
位置にきてしまう、という現実に、片山選手は苦笑しているかも知れません。

また苦節○十年、ようやく夢のツアーに出られるようになったプロも数多くいます。
彼らが石川遼クンの多額の契約金におだやかでない気持ちを持ったり、最近で
は心ない言葉を吐くシーンもあるとか聞きますが、私にはわかるような気もします。

しかし、一流選手のほとんどが苦しんだ、今回の日本オープンの超難関コースを
軽々とクリアした石川遼という“少年”に尊敬すら感じはじめているのでは。
自分たちの世界にタイガー・ウッズが生まれつつあることを、素直に誇りに思う
ようになって欲しいと思います。

第一、当人の遼クンはこれらの雑音をうまく処理し、時にはそれをエネルギーに
置換する才能まで持っているのでは、と感じました。
タイガー・ウッズなどを見ていても「スーパースター」に必要な資質です。

戦う舞台をアメリカに移す日もそう遠くないかも知れません。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
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「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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