株式会社横山工藝 代表取締役 横山 国男 の日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
「プリント道」45年余。新たな自身の夢と後継者への手紙-(株)横山工藝社長 横山国男のブログ
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2009年05月18日(月)更新
“盛春まっしぐら”・・南部直登さんのコンサート
ので、友人が中心となって企画し、お誘いを受けていた「南部直登“盛春まっしぐら”
スペシャルコンサートin FUKUI」にカナイとでかけました。
南部さんは福井市出身。友人Iさんの同級生で間もなく還暦とのこと。
長い音楽生活三度目の正直で現在オリコンチャート30位にランクされているという
「九頭竜の流れ」がヒット中だそうで、同級生たちが地元でコンサートを企画した
ものです。やはり持つべきものは友達ですね。本当にそう思います。
今週末には私も未経験のコンサートの「実行委員長」をさせられて、馴れないチケ
ット販売、広告募集で多くの友人に助けてもらいましたので実感します。
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会場は400名ほどの入りでほぼ満員。この時期よくバックアップされたものと感心
しましたが、「九頭竜の流れ」は演歌でカラオケ愛好家が多いせいか、中高年の
フアンもかなりの数。
私は南部さんを見るのも聴くのも初めてでしたが、大変なエンタティナーです。
上記のヒット曲もさることながら「盛春歌(せいしゅんか)」と題する、これも南部さん
の作品(=作曲)が心にジンジンと沁みました。
若い時は文字通り「青春」、でも今だって心は「盛春」なんだと。
また、本当にレパートリーが広いのです。伸びのある声量と艶のある声質、抜群の
ギターの腕前、この年代までメガヒットに恵まれなかったけれど、あきらめずに夢を
追い続けた者だけが持っている人としての優しさ、豊かさ、ゆとりのようなものすら
感じさせてくれた素敵なコンサートでした。
ナレーションで紹介があったのですが、やはり原点はジャズ。友情出演の福井の
ジャズミュージシャン(アルトサックス)の大御所、白井淳夫さんも私の出発点は
「グレン・ミラー物語」と言っていましたが、南部さんもうなずいていました。
ゲストには他にも元劇団“四季”のソプラノ歌手村田恵理子さんも登場。
700回以上も歌ったという「オペラ座の怪人」を怪人の扮装で登場した南部さんと
共演。素晴らしいの一語でしたが、続く村田さんの「アヴェ・マリア」独唱にも心奪わ
れました。
さらにベンチャーズや白井さんとのジャズの即興をいれた“フォービート”のギター
演奏まで南部さんの多芸多才ぶりを心行くまで味合わせてもらった2時間でした。
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オールデイズ・・・演ずるひとも観る人も、私の周りは頭に白いものが混じった人
ばかり。
セピア色になりかけた記憶が久しぶりに鮮やかによみがえった気がしました。
私、ジャズには深い知識がありません。でも「モダン・ジャズ・カルテット」(MJQ)
や、「アートブレイキーとジャズメッセンジャーズ」などには魅了された一人です。
ジャンヌ・モロー、モーリス・ロネの「死刑台のエレベータ」の映像が浮かびます。
その後デキシーランドジャズ、そしてブルーグラスからカントリー&ウエスタン
(C&W)にぞっこん。
久しぶりにカントリーヨーデルの「キャトルコール」をスリム・ホイットマンで聞きたく
なりました。(45回転レコードで持ってます)。
エディー・アーノルド、ハンク・スノー、ハンク・ウイリアムス、・・・・S・ホイットマンも
生きていれば80歳をこえているはず。
・・・やっぱりセピア色かな。
<写真提供:ISHIBASHI EYES × BLOG (石橋正人のブログ)>
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2008年11月10日(月)更新
素晴らしかった「高雄市國楽圑」福井公演。
定期航空路開設(本年6月)を記念して金沢・小松・福井の3市で公演を行いました。
昨年秋、45名の団員で、東京をはじめ7つの公演を行い、日台の青少年交流など
も含めて大成功だったそうですが、今回は指揮者のほか14名の小編成です。
しかしその「音」は素晴らしいもので、中国・台湾の伝統楽器にすっかり魅了され
ました。
演奏者のほとんどが、国立台湾芸術大学、国立台南芸術大学民俗音楽研究所
などで高い技術を磨いている、あるいは卒業した若手の演奏家ばかりです。
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「二胡」「琵琶」「揚琴」などは聞いたことがあります。
特に「二胡」、あのシンプルな弦楽器がどうしてあれほどの豊かな、時に激しく
時に哀調を帯びた音を生むのか感嘆して聞き惚れてしまうのです。
中でも「桃花の川渡り」と題された、2台の二胡の合奏は見事なもので、長い曲を
激しい曲調の場面でも文字通り一糸乱れず弾きあげて感動的でした。
また「笛」や「笙(しょう)」も日本の雅楽で聞くものとちょっと違って(楽器も少し
大ぶりに見えました)、おだやかで膨らみのある音色は、本当に台湾特に中国の
長い文化を感じさせてもらった夜でした。
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このコンサートをプロデユースしたのは、来日23年、現在は金沢市に近い美川に
住んで音楽活動をしている、歌手の寒雲(カンウン)さん。<写真中央>
公演の前後にお目にかかりましたが、とてもきさくでかわいい人でした。
日本の名曲なども歌いましたが、やはり中国語(北京語)で歌曲を歌われるとき、
その伸びのある艶やかな声に「すごい」と思わされました。
聞くところによりますと、寒雲さんのお母さんは70歳を超えられていますが、
「台湾オペラ」(京劇)のスターで、人間国宝に指定されておられるそう。
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深まる秋の夜、中国・台湾の伝統音楽に酔いしれたひと時でした。
この週末には、姉妹関係を結ぶ高雄のロータリークラブの周年記念式典に出席
しますが、よい話題ができました。
横山国男
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2008年07月11日(金)更新
「スカーレット リボン」。
長年地場の多くの業者さんへお納めしているのは、当社の主力事業の一つでも
あります。感謝に堪えません。
先日、テーブルの上に、カナイがケーキの箱にかけるきれいな「真紅のリボン」が
置かれてあるのを見て、頭の中をフッとある曲がよぎり、それはいつまでもリフレ
インして私を悩ませました。
40年も前の小さな白黒TVの画面、レーガン大統領が「アンディの声を国宝に
宣言」と称えた、「ムーンリバー」「シャレード」「酒とバラの日々」などで大好きな
アンディ・ウイリアムスがソフトなハスキーがかった声で歌っていました。
曲は「スカーレット リボン」。一人の少女がベッドに入る前、ひざまづいて「神様、
どうか紅いヘアーリボンをください。お願いします」というような、絵本のような歌詞
だったと記憶しています。たったその時一回聞いただけですが、感動して、以来
ズーッと特徴あるフレーズとメロディの一部が耳に残っていたのです。
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こんな時、インターネットは便利ですね。いろいろ調べて最後に北軽井沢でペンシ
ョンを経営されているSさんが、アンディ・ウイリアムスのおそらくは日本で唯一の
本格的サイト「Wonderful World Of Andy Williamas」を開かれている
ページに行き着きました。
しかし発売された多くのアルバムの曲目を調べても「スカーレット リボン」は入って
いません。思い余ってアンディのことなら何でもと思われる管理人のSさんにメール
を送りました。
翌朝、丁寧な返事のメールがきました。「随分、昔のことをよく記憶されていますネ。
フアンとして嬉しい限りです。ご回答出来なかったものですから、掲示板にコピー
しました。下のURLにフアンの方が返事をしていただきました。私も初めて聴き
ましたが、素晴らしい曲でした。特にぺりー・コモのが良かったです」とあります(?)。
そして「パソコン若葉マーク(紅葉マーク?)」の私を仰天させたのは、ご案内して
いただいた“YouTube”。
ダイナ・ショア、ハリー・ベラフォンテ、ペリー・コモ、ブラウンズなどが「スカーレット
リボン」をそれぞれの味で歌っています。中でも私にはアメリカが元気だった
’50~60年代の、笑顔100%そばかす美人=ドリス・デイが最高でした。
でもアンディ版はありません。
フアンの方の返事を見ると、アンディは「スカーレット リボン」をおそらくレコーディ
ングしていないのでは、と書いてあります。あの膨大な楽曲を歌ったアンディが
私の大好きな「スカーレット リボン」はレコーディングしていないなんて。
でもあれは間違いなく「アンディ ウイリアムス ショウ」だったはず。 親日家で、
味の素のコマーシャルなどでお茶の間にも絶大な人気のあったアンディ。
日本公演で唄ったのかも知れません。しかしこの話題でコメントを寄せられた
人は、見てないけど一様にアンディの「スカーレット リボン」を聞いてみたいと
書かれていて、私は思いがけずちょっと得をしたような気分でした。
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娘たちは「古ーい! レトロー!」と言うでしょうね。でもあの頃は最高だったんです。
『現在65歳以上のアメリカ人の四分の三が一人暮らしで、次にいつ食事ができる
かわからない「飢餓人口」に属するという。(文藝春秋6月号「世界同時貧困」 堤
未果さんの記事から)』・・そんなアメリカじゃなかった。我々には憧れの国だった。
マーティー・ロビンスの「ホワイト スポーツコート」はあくまで明るく、「上流社会」の
グレース・ケリーは高貴で美しく、ビング・クロスビー、アステアもまだまだ元気でした。
それからダスティン・ホフマン、キャサリン・ロスの「卒業」へ。(’67年。 アン・バン
クロフトの妖艶さにドキドキしました)。etc,etc。。。。
そしてリチャード・ドライファスの「アメリカン・グラフイティ」は’73年でした。
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かってPGAゴルフ「アンデイ・ウイリアムス サンディエゴ オープン」を主宰して、
チャリティにも熱心だったアンディ・ウイリアムスも今や80歳!。
あの長い顔とやや足が短いようにもみえる、しかし人懐っこい笑顔で、相変わらず
歌やゴルフの人生を楽しんでいるに違いありません。
横山国男
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2008年05月28日(水)更新
オルガン・メモリアルイヤーだそうです。N響コンサート。
’08年は「オルガン・メモリアルイヤー」なんだそうです。
昨夜(27日)は、県立音楽堂で「NHK交響楽団名曲コンサート~オルガンとともに」
というタイトルでオルガンの名曲を聴く機会に恵まれました。
福井県立音楽堂は音響の素晴らしさで、演奏家、音楽フアンから高い評価を得て
いるホールですが、もう一つは非常に立派なパイプオルガンが設置されていること
でも有名です。
音楽堂の建設や壮大なパイプオルガンの設置への情熱、それになにより福井の
「文化振興」に多大の貢献を続けてこられた小野グループ会長小野光太郎氏。
ユトリロ、ブラマンク、フジタ、菱田春草、浜口陽三他、中でもビュッフエのコレク
ターとしても“小野コレクション”の質の高さはつとに有名です。氏の存在なくしては、
おそらく実現できなかった音楽堂ですが、さらに数年前、財団の基金運営で
「アルゼンチン債」で損失が発生した際も、個人的に多額の補填をされたような
報道にも接しました。
ドイツ共和国や英国王室から多くの勲章や称号も贈られている氏ですが、当夜も
私達の左手、ボックス席で静かに「オルガンの名曲」に耳を傾けておられました。
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さて、当夜の曲目は、
J.S.バッハの「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」、「小フーガト短調BWV
578」,それにヘンデル「オルガン協奏曲第6番 変ロ長調 作品4-6」という、
題名は知らなくともポピュラーな選曲、オルガンはシルヴァン・エリさん、指揮は
小泉和裕(客演)、フル編成ではありませんが、N響の管・弦を夢見心地で楽しみ
ました。
N響はまだ徳永二男さん(バイオリン)がコンマスだった時以来ですが、誕生85年
にもなるそうですね。世界的にも評価の高い交響楽団になりましたが、50年も前、
N響にも関係した近衛秀麿率いる「ABC交響楽団」を、暗くてせまい市の公会堂で
それでも感激して聴いた中学生時代、今は豪華なシャンデリアの下、快適な椅子
にもたれて、素晴らしい音を楽しめる幸運を喜ばずにはいられません。
オルガン曲のあとは、ヘンデルの組曲「水上の音楽」、休憩を挟んでラストは
ドヴォルザークの交響曲「新世界より」と、本当に久しぶりのクラシックをそれも
肩肘張らず楽しめたプログラムでした。
アンコール曲は再びオルガンが入って、これも美しい間奏曲、マスカーニの
「カヴァレリア・ルスティカーナ」一曲だけでしたが、十分心が満たされた夜でした。
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いつもメセナには力を入れて下さってますが、今回創業120周年を記念して協賛
されたこの名曲コンサート、チケットを下さったセーレン株式会社様に家内ともども
厚く御礼申し上げます。
横山国男
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2008年04月26日(土)更新
「太鼓持(幇間)あらい」さんの至芸。
ともいわれる、我が福井が生んだ「太鼓持あらい」の荒井さん。
今や関西地方ではただ一人プロの太鼓持ちとして有名ですが、定席はこの天ぷら屋
さんの2階のお座敷。
永く愛好会が続いているようですが、私は定席で聞いた(見た)ことはありません。
それでもちょくちょくいろいろな席でお目にかかったことがあります。
ご本人が「ホームページ」で述べておられるように、言うなれば「男芸者」。
花柳界の盛んだった明治中期が全盛だったようですが、太平洋戦争後はあらゆる
文化が西欧の方を向いてしまっては、このような至芸は生き残るには厳しすぎる
時代でした。
太鼓持ちの芸や遊びは洗練された「客」がいて成り立つ一面もありますから、
「お座敷あそび」とは縁遠くなって、キャバレーやカラオケの流行する現代では
「太鼓持(幇間)」が絶滅に瀕しても不思議ではありません。
ルーツは800人もいたといわれる「秀吉の御伽衆(おとぎしゅう)」の中のいわば
道化師では、という説もあるそうですが、太鼓持ちが「太閤を持ち上げる」すなわち
ヨイショ役、ごますり役の意からと言われればナルホドとも思います。
あらいさんのプロのお座敷芸はなかなか楽しいものですが、時には強烈な「Y談」
も飛び出すので、気の弱い私などは女性が同席しているとドギマギしてしまいます。
しかし当人たちが大笑いしているのを見ると、こっちのほうがウブなんですね。
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「太鼓持ち」という仕事については「面白うてやがて悲しき・・」という連想から、実は
ただの「宴会盛り上げ業」だけでなく、その裏で苦界とは言わぬまでも「花柳界」で
毎日のように起こる「男と女にまつわるトラブル」の解決役として、表には出ない形
での始末も引き受けたのでは、とフッとそんなことも考えました。
古今東西、スマートな男女の別れなど少ないものではないでしょうか。修羅場あり、
ふんだくりあり、ときには刃傷沙汰まで、「太鼓持ち」は時には旦那サイドの依頼で、
またあるときは可哀想な女のために義侠心を発揮したかも、なんて考えるのも
ひまつぶしにはもってこいの題材ですね。
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あらいさん作「太鼓持あらいの三国北前音頭」を三味線の伴奏で、ご本人の指導
で天ぷら屋さんのカウンターのまわりをぐるぐると最後に踊りました。
最初は気恥ずかしかったのですが、そのうちノッてきて「エライヤッチャ、エライ・・」
の阿波踊りもこんな気分なんだ、と思ったところでお開きになりました。
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今や絶滅危惧種となりつつある「太鼓持ち(幇間)」について、興味のある方は
リンク先のHPをぜひご覧ください。日本語の他、英語版、フランス語版と共に、
あらいさんの満面の笑顔が迎えてくれます。
横山国男
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2008年04月23日(水)更新
「相撲甚句」と「木遣りくずし」それにヒット中「男の偲び酒」
た。 3年前から本格的に「演歌」を猛勉強、今では作詞もやってシンガーソング
ライターというわけです。
当夜の聴衆はほとんどが中高年ばかり、知り合いのご夫婦の顔も多く見えます。
大半は天ぷらを食べに行って、T君から「席を用意しておきますから」と言われて
咄嗟に欠席の言い訳をおもいつかなかった(と思われる?)40名ほどの皆さん。
が、なかなかどうして高音部に独特のサビがあって、「うまいもんだなー」と思い
ました。途中、自作の歌詞を忘れて目の前にいた私が急いでプリントを渡した
のもご愛嬌。その「男の偲び酒」は当地有線でもリクエストが増えているそうです
から、そのうち「文化会館」でのステージを楽しみにしてますよ。
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「前回は12曲も持ち歌を歌って客からヒンシュクを買ったので」(T君本人の弁)
今回は他のプログラムも、ということだそうで、友情出演が3つ。
①「相撲甚句」 ②「三味線と小唄、端唄、俗曲など」 ③今や関西エリアに一人
しかいない(東京でも4人)といわれる「太鼓持(幇間)の芸」。
① 「相撲甚句」を聞くのはなんと半世紀ぶり。小学生のころ大相撲の地方巡業が
近くの公園であると、父が連れていってくれましたが、若い力士6~7人が土俵の
周囲に立って「相撲甚句」(甚句形式とは本来7775の歌詞)を唄いましたが、
あの独特の節回しと手拍子、「ハァー ドスコイ ドスコイ」は今も耳に残っています。
デーモン小暮閣下は「相撲甚句」のCDまで出しているそうですが、「花づくし」
「山づくし」「出世かがみ」など有名な甚句がある中、「ご祝儀結婚」は歌詞が良く、
先日の当社専務子息の結婚披露宴などでこれを唄ったら、拙いスピーチ(汗)より
よほど拍手喝采だったかも。(歌詞を最後に掲載しておきます)
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② 相撲甚句も邦楽ですが、中高生の頃「民謡」にはまって、全国の正調民謡を
大御所「町田嘉章」さんの解説付「ソノシート(いわばビニール製レコード)」を擦り
切れるまで聞いた記憶があります。その中にはいくつかの甚句もありました。
邦楽といえば、ややお年を召されてはいましたが、美形の三味線のお師匠さんが、
長唄の名曲などをご披露のあと、「ではちょっとくだけてにぎやかに“木遣りくずし”
でも」と言われたので、「おおっ、出たぁ」と嬉しくなりました。
「木遣りくずし」は私が短いサラリーマン生活をおくった商社の横浜支店の「部歌」
だったのです。いつも宴会の始まりに部長の先導で全員で唄うとスイッチが入る
ような感じがしたものです。“部歌”みたいなものは今の時代だからこそいいかも
しれません
あのころは会社のエライサンになると、「3ゴ」といって「小唄・碁・ゴルフ」を嗜むの
が教養というか粋とされていました。 部長もベッピンのお師匠さんのところへ
せっせとお稽古に通われたのでしょう。「木遣りくずし」は俗曲といわれるジャンル
に入るようです。
土曜日は半ドン、袋にいれたゴルフのドライバー1本を片手に持ち(午後は日曜日
のゴルフに備えて練習だったのでしょうか)ニューヨーク帰りでパナマ帽を少し斜め
にかぶり、東横線の綱島あたりからおそいご出勤でしたが、カッコよかったし、なに
より昨今と違ってゆったりとした時代だったんですね。
昭和へタイムスリップしたような一夜でしたが、さらに森繁久弥、三木のり平の
抱腹絶倒コンビが東宝映画「社長シリーズ」などで見せた芸のルーツの一つは
これではないか、という「太鼓持(幇間)」については次回に。
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相撲甚句 「ご祝儀結婚」 作者不詳
(ハァー ドスコイ ドスコイ)
♪ハァーエー
(ハァー ドスコイ ドスコイ)
めでためでたの 若松さま ヨー
(ハァー ドスコイ ドスコイ)
ハァー 真砂高砂 御席は
この度ご縁が ありまして
00(新郎の姓)00(新婦の姓) ご両家が
深い契りの ご婚礼
松竹梅に 彩られ
00君には 00さん(新郎新婦の名前)
お若い二人が 結ばれて
両家も千秋 万々歳
福寿の宴(うたげ)は ご親族
お友達やら 皆様の
心からなる ご祝辞に
鶴は千年 亀万年
永い人生 末広の
いついつまでもの 幸せを
挙げて お祝い ヨーホホホイ
ハァー 申します ヨー
(ハァー ドスコイ ドスコイ)
横山国男
【染型工房 横山工藝】
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2007年12月27日(木)更新
歌謡曲の時代とは。
勿論、私だけでなく、かって60%を超える視聴率を記録した時代から、現在30%
が守れるかどうか、という全国的な傾向ですから、「廃止論」まで出てくるのも
不思議ではありませんが、それでもNHKは記念すべき60回に向けて、「歌力
(うたじから)」と称して挽回に向けて必死のようです。
「歌謡曲」については、昭和と平成で何が変わったのか、という分析でどなたかが、
昭和は「時代」を歌い、平成は「私」を歌うようになった、と仰られてなるほどと思い
ましたが、今年などは「千の風になって」などがヒットしたのをみると、さらに死後の
世界にまで及んで、なにか日本(日本人)が変質しつつあるのだろうか、などと
ひょっとしたら頓珍漢なことまで考えてしまいます。
今年8月、5000曲を超すヒット曲を作詞し、小説、エッセーなどでも類稀な才能を
お持ちだった阿久悠さんが70歳で他界されました。
ヒット曲のタイトルをサラッと見ても、「えっ、これも阿久悠なの?」と、あらためて
驚かされますが、あの頃小さかった娘たちが「ペッパー警部」などを身振り手振り
を交えて歌っていた我が家の光景が思い出され、自身も起業間もなくで猛烈に走
り回っていた時代だったなー、と感慨を覚えます。ともかく日本全体を熱気のような
ものが覆っていたように思います。
「歌謡曲は時代を食って巨大化する妖怪である」と阿久悠さんは述べたそうです
が、来年は平成も20年、元年の頃は想像もできなかた「マルチメディア」の時代
にあって、これからはどのような「歌謡曲」が生まれてくるのでしょうか。
阿久悠著「歌謡曲の時代ー歌もよう人もよう」(新潮文庫 @500-)を注文しま
した。
横山国男
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2007年11月06日(火)更新
ホセ・カレーラスを聴きました
3日(文化の日)金沢の石川県立音楽堂で三大テノールの一人「ホセ・カレーラス」を
聴くことができました。(10・31東京、11・10大阪)
確か3ヶ月ほど前にチケットを買いましたが、この間にパヴァロッティが亡くなりました。
オペラが大好き、オペラに詳しいという方は大勢おられますが、地方に住んでいると
オペラの公演などは極めて少ないもので、私のオペラ原体験は、中学生のころ、
「労音」で市の公会堂で見た(聴いた)藤原歌劇団の「椿姫」(主演大谷きよ子)
だったと思いますが、その後ほとんど鑑賞の機会がないまま今日に至っています。
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それでもあの「ルチアーノ・パヴァロッティ」の魅力はすごいものがあって、いつかCDも
買い、TVのワールドカップ「三大テノール」公演、トリノ冬季五輪の「トゥーランドット」
の歌唱など印象的でしたが、残念ながら今年の9月6日亡くなってしまい、カレーラス、
プラシド・ドミンゴとの「三大」は崩れてしまって、テノールの一つの時代が終わったと
いう方もおられます。
私の尊敬するブロガー(ご趣味は声楽)によりますと、ルチアーノはあの立派な体格が
楽器となってハイCといわれる高音も余裕をもって、しかも美しい声で歌える稀有の
テノールなんだそうですが、私はオペラのアリアより、彼の「カンツォーネ」の方が大好きな
一人です。(3日は東京芝・増上寺大殿内で”パヴァロッティ追悼公演”も行われたようです)
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「ホセ・カレーラス」を一口でいうと、「端正」だと思いました。
ドミンゴと同じスペイン生まれのようですが、見た感じでも三人三様でそこがまた魅力
だったのでしょう。
「ベル・エポック」と題したプログラムで20曲近く、言葉が分かりませんが、「端正」な
声とスタイルで魅了し、満員の聴衆から「スタンディングオベーション」のアンコールが
ナント4回も繰り返されて素晴らしいコンサートでした。
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先ほどのブロガーさんから、「音楽は生で聴くに限ります。生だけが音楽という考え方も
出来ます。よく料理などで手作りを評価しますが、それと相通じる面があります」と
教えていただいて、出来るだけ多くの生で聴く機会をこれからも得たいものと再認識した
一夜でした。
横山国男
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2006年12月10日(日)更新
京の年中行事―吉例顔見世を観る
幸運にも師走の京の風物詩といわれる「南座の顔見世興行」を
観る機会を頂き、週末夫婦で参りました。
去年から続いている十八代中村勘三郎の襲名披露の掉尾を
飾る興行でもあり、人気役者の勘九郎の雰囲気も手伝って
「南座」も今年は一層華やいだ感じがあるようです。
「中村勘三郎」のまねきが上がるのは20年ぶりとか。
そういえば以前に「顔見世」を観たことがあって、10年ほど
経つような気がしていましたが、家内がそのときのプログラム
を持っていて「當る辰歳」とあるのは19年前の辰年である
ことがわかり、「えーっ、そんなに経つのか」と思わず
“光陰矢の如し”を実感してしまいました。
しかしそれはちっぽけな人間の話。上のパンフを見ても20年間
体裁が変わっていないのにあらためて驚きますが、変化の烈しい
時代に在って「京都」が持っているものにますます多くの人が
惹きつけられるのもよくわかります。
1603年、四條河原で“出雲の阿国”が歌舞伎踊りをして以来
4百年、七座の内ただひとつ発祥の地に生き続ける「南座」は
洛中屈指の名所でもありますが、19年前は座席が狭く、身を
縮めて長時間の観劇に耐えた記憶があります。
それも今は平成の大改装で内部はすっかりラグジュアリーに。
天井の照明なども「和モダン」といった趣です。
新勘三郎の演目(夜の部)は美しい舞踊劇「京鹿子娘道成寺」。
歌舞伎にうとい私でも、あの絢爛豪華な衣装、喜怒哀楽の目の
演技、そして鍛え抜かれた末の柔らかな身体の使い方の素晴らしさ
には興奮して見とれてしまいます。
のけ反ったまま微動だにしない所作のところでは、思わず傍らの
家内に「イナバウアーやね」と言って笑われました。
イナバウアーなどといいましたが、このような自由闊達な物言い
が許されるのも歌舞伎のよいところ。
「口上」でも居並ぶ役者さんが、勘九郎時代の「やんちゃ」を
おもしろおかしく延べられ「・・よろしく御願い申し上げ奉り
まする」などと平伏して、観客をドッと笑わせておりました。
お客とのコミュニケーションの妙が4百年歌舞伎を続けさせて
きたのでしょう。
対して私の大好きな「能楽」は「抑制、そぎ落としの美」。
衣装以外は徹底的に簡略化の極致で、これはこれで見る人、
聴く人の想像力を豊かにさせるもの。
幕間に「狂言」が演じられることも多いので、歌舞伎のように
一杯飲みながらにぎやかに「お弁当」などということもあり
ません。哲学的でいかにも武家の芸能です。
どちらも素晴らしい日本の伝統芸能、特急なら1時間あまりの
「京都」に近い福井に住んでいる幸せを感じるときです。
横山国男
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