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2009年01月07日(水)更新

「君を幸せにする会社」お題について考える

ご質問5,6,7については、前回(5日)の拙ブログにありますので再記しませんが、
どのようなお話になるのか楽しみにしていると書きましたら、編集部の大西様から
メールを頂戴し「それではあなたはどう思われますか」と逆に振られてしまいました。

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久米さんでも「難問です」とおっしゃっているくらいですから、私に「解」があろうはず
もない、というのが正直なところです。
質問7.の最後に「そうした中で、自分の信念を貫くにはどうしたらよいと思われま
 すか」には、経営理念のようなものはあっても「自分の確固たる信念となっている
 のか」と問われればこれも自信がありません。

「答」になっていないと思いますが、現時点でつぎのような漠然とした思いを持って
おります。

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「文明」と「文化」の定義をよく知りませんが、ある人が「文明とは腹のたしになる
もの、文化とは心のたしになるもの」と言っておられてナルホドと思いました。
これがバランスを保っていれば「幸せ」を感じる人が多いのではないかと考えてい
るのですが、(すなわち「幸せと利益のバランスシート」とでも呼ぶべきか)どうやら
パンばかり作って無理やり口に押し込んだり、一方では固有の文化を大事にして
いる地域にはパンがいきわたらない、という矛盾が世界規模で起こっているのが
現状ではないか、なんて考えています。

ライオンは腹が満ちていれば目の前に鹿がいても襲いませんが、人間はあくなき
欲望で飽食の上に飽食を重ねているようなものです。
いよいよこの文明も終焉で、かっての「地域限定文明」とは違い「世界規模」です
から、人類の危機は本当に来るかも、とすら思わされます。

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「経済も文化の一つである」とは私も同感ですが、さすれば「文化力」を失えば
経済も失うということであり、「幸せ」も失うことになるのではないでしょうか。
「人はパンのみにて生くるにあらず」はイエス・キリストの言葉として有名で、それに
続く本義は宗教的言辞ですが、一般的には「それでは他に何が要るのか」という
問いになり、ここに「幸せとは」の答が人それぞれにあるような気がします。
パンを「マネー」と置き換えれば今の時代もっとわかりやすくなりますね。

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たまたま「生活文化関連分野」で仕事をしている私、当社としては文化が経済を
 振興すると考えて「アート・カンパニー」を目標に前進するほかありません。
そのためには「学習する組織だけが生き残る」(チーム・ダーウィンの著者、熊平
美香さんの言葉)を胸に、社員とともに勉強し、教養を少しでも身につけていくこと
が「お客様、社員、経営者の幸せ」につながると考えたいと思います。
・・・・・そういえばこれをこそ「信念」とするべきかもしれません。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2009年01月05日(月)更新

「幸せと利益の関係」について。

前回3日のブログで、当社・私の目指すべき企業像みたいなことを書きました。
「アート・カンパニー」ですが、そのベースには「真善美」を置いて、と考えています。
しかし、そんなきれいごとでこの厳しい時代を生き抜いていけるのか、という不安
は勿論あります。

私は勝手に「真善美和」として座右の銘としていますが、「真善美」というメルマガ
を発行され、先日は「君を幸せにする会社」を上梓された公認会計士天野敦之さん
が、8日(木)明大での久米さんの講義のあと、「出版記念パーティー」をされる、と
久米さんのメルマガ「縁尋奇妙」1月4日号配信にありました。
(感動するご著作でした)。

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パーティーに先立ち、特別ゲストとして『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』の山田
真哉さん、『魔法の質問』のマツダヒロミさん、『会計のトリセツ』の望月実さんの
お三方が加わり、天野・久米両氏の5人で90分のトークセッションがあるとのこと。

縁者もこのセッションとパーティーには参加できるそうで、「ぜひ聴いてみたい」と
思いましたが、前日家族の中に病院で治療を受ける者がおり、2~3日は不自由
かなと思い、出席は断念しました。この内容が後日なんらかの形で配信されること
を切望しています。

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この特別授業を聴講したいのにはわけがあります。
天野さんが授業に先立ち、9つの質問を出されており、久米さんも「難しい問題。
 当日までに考えぬいて参りたい」と書かれています。

たとえば
質問5.私は人を幸せにする価値を生み出すからこそ、会社は利益を得られると
     考えていますが、世の中には、人の幸せを考えるよりも目先の利益、と
     いう会社が多いのが現実です。そうした会社が、今回の金融危機で行き
     詰まることによって、人を幸せにする価値を創造することの大切さに気づ
     く人が増えると思っていますが、この幸せと利益の関係について、ご意見
     を聞かせて下さい。
質問6.社員の幸せやお客様の幸せが大切だとわかっていても、これだけ経済が
     悪化してくると、そんな悠長なことは言っていられないという会社も多くなる
     と思います。私はこんなときだからこそ、従来の考え方を転換させなけれ
     ばならないと思いますが、この点についてはどう思われますか。
質問7.現代の社会では、人の幸せを考える余裕を与えず、奪い合いや競争を
     促進するような様々な仕組みや雰囲気がありますが、そうしたなかで自分
     の信念を貫くにはどうしたらいいでしょうか。

  などは久米講師をはじめ、皆さんがどう答えられるかを聴きたかったのです。

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「幸せ」という価値観は人それぞれかと思いますが、最近仕事で「幸せ」を感じた
事例があります。

当社のサイト「オーダーよさこい屋」で衣装を作られたお客様から、「感謝のメール、
お手紙」などをたくさん頂戴するようになって、一つひとつ読ませていただいて、
「ああ、ありがたいな」と思ったのです。
「お客様の声」としてサイトに載せるようになりましたが、それまで最終ユーザーの
声が届くような事業形態ではなかったので、本当に新鮮で感激しました。

これもまたPRと考えられなくもありませんが、そんなことより「この仕事をしてよか
った。力を与えてもらった」と心から思いました。

そんなワケで「幸せと利益の関係」について、信念と呼べるようなものを学べたら、
と考えたのです。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2009年01月03日(土)更新

溺れる者は“本”にもすがる。

本はほとんど大手ネット書店で買うようになってしまいましたが、「本屋さん」という
のは、あいかわらず本好きにとってはハッピーな場所ですね。

10年ほど前、トム・ハンクスとメグ・ライアンが共演した映画「ユー・ガット・メール」。
ニューヨークの片隅で、メグは母親の代から続く小さな絵本屋を経営しているので
すが、近所の子供たちに「読み聞かせ」などをする場面などがあり、店内もなんとも
素敵な本屋さん。印象に残っています。

年末・年始に読もうと思って、最近福井市内にできた本やディスクなど数十万点を
置くという「大型書店」で2冊ばかり買いました。本離れがいちじるしいといわれる
昨今、順調にいってもらうことを願っていますが、その為には地元の「本屋」さんで
本を買うことも大事です。

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そのうちの1冊“ART COMPANY”「知識デザイン企業」(紺野 登著 日本経済
 出版社 @1900.-)は、私にとってはワクワクしながら読んだ本で、不安な
年明けを払拭させてくれるような思いがする良書でした。

私はベストセラー小説とかはほとんど読みません。経営書も一時は高価なものも
買いましたが読了したものは少なく、ハウツー本も大仰なタイトルにつられて以前
はかなり読みましたが、最近は少なくなりました。

古典を読むのが大事と言われますが、かなりのエネルギーがいるような気がして
これもなかなか取り掛かれません。要するに読書家ではないのです。

永く興味をもって読んでいる分野の本といえば、美術・デザインの関連書籍でしょう
か。仕事にも関係がありますが、なにより楽しいからです。

ただ、なんとなく「アート」が次の時代のキーワードになる、「真善美」の経営が求め
られるようになるのでは、との思いをずっと持ち続けてきました。
しかし、美学やデザイン理論を系統だてて学ぶ機会も持ち得ませんでした。

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本書に次のような一節があります。
『企業は創業者の暗黙知(精神やビジョン)を伝承するために、時には創業者の
個人的思想も含めて、独特の組織文化を作り上げるのである。これは歴史のある
企業に限らない。第1章でも触れたが、グーグルのような新興企業でも創業者の
理念や哲学を文化として継承することは重要な課題だ。逆に歴史が長くとも、伝統
を失った企業は山ほどある。
さて、さらにボラニー(ハンガリーの物理化学者で科学哲学者)は、絵画・音楽など
の芸術文化(本書で言うアートより狭く、芸術を意味する)は、その社会にとっての
「上位の知識」であるとも述べている。つまり、芸術という形態で社会にとっての
高度な知識が保持されるというのである。芸術は上質の生活文化となり、さらに
より日常的な生活文化の源流となっていく』・・・・・。

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本書は、脱工業化社会における新しい企業モデルとして「アート・カンパニー」という
概念を提唱され、これこそが日本の企業の目指すべき形態であるとし、そのイメー
ジは「真摯」である、と述べられているように理解しました。

当社も「生活文化関連分野」の企業を標榜していますし、これから本書を何度も
読み返すことになるでしょう。そういう意味ではバイブルのようなもので、座右の書
として、後継者には別に一冊買って贈ることにしました。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2009年01月01日(木)更新

新年おめでとうございます

吉川壽一書「丑」




                明けましておめでとうございます
               みなさまのご健勝をお祈りします

                今年もよろしくお願いいたします

               ==============


   「丑」  吉川壽一 (SYO ARTIST)

    NHK大河ドラマ「武蔵」題字揮ごう。フランス、イタリア、中国、ドバイなど
    世界各国で「書パフォーマンス」を展開。
    エルメス美術館のためのスカーフ制作や、着物、傘、Tシャツなどにも美
    しい書作品を連面しています。 (当社顧問をお願いしております)



横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
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会社概要

http://www.ykougei.jp http://www.yosakoiya.jp

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個人プロフィール

「知るは喜び、調べるは楽しみ、分かるは感動、学ぶは一生」とか。高齢者の仲間入りの年齢ですが、仕事でも趣味でもICT時代の恩恵に感謝しています。趣味・・本好き、水彩画、ゴルフ('05までJGA委員、現在中部ゴルフ連盟ジュニア育成委員ほか。エポック・・還暦のアルバトロス、'06...

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