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2007年11月27日(火)更新

人生のテーマ・・特に老後は。

「どんな時間を、どういう人と、どこで、どうやって過ごすか」

これが人生のテーマである、と読みましたが、なかなか含蓄があります。
特に60歳代も半ばを過ぎ、企業に勤めた友人などの大半がリタイアしているよう
にも見えるこの頃、みんなどのように過ごしているのだろうか、と少し気になります。

企業の経営者として、まだまだ現役の意識は強いですが、それでも事業承継
などの話題も身近なものとして意識する年齢でもあり、同時にその後のテーマと
して「どんな時間を、どういう・・・」というのは、残りの人生を豊かなものとしたい、
と思えばなおさら考えざるをえません。

「方丈記」とか「徒然草」に出てくるような、茅屋に住み、一切の虚飾を捨てて、
シンプルライフを地で行くような生活も究極のエコ(エゴ?)だし、憧れないわけ
ではありませんが、これは到底出来そうにありません。

「・・どういう人と、どこで、どうやって」というのは、自分以外の人との関わり方が
大変ウエイトが高い、ということでしょうから、伴侶や家族、友人そして最近は
ネットを介したつながりのある人・同好の士も含まれるかも知れません。

夫婦を例にとってみると、リタイア後の生活で、終始どちらかがどちらかにあわ
せる、というのはなかなかシンドイものがあるような気がします。

ので、出来れば40代ぐらいから、自分の得意分野を相手の中に少しずつ広げる
“努力”も必要で、共通の趣味、価値観とまでなれば大変ケッコウなことではない
でしょうか。

福井出身のマーケットプランナー辰巳渚さんのブログに『日本人の男性は、俺は
仕事を一生懸命するから家のことは全てお前に任せる』というケースが多いようだ
が『西欧の男性は、ボクは仕事を一生懸命するので、家のことで何か助けて欲し
ことがあったら必ず言ってほしい』という言い方になる、というような話が書いて
あり、ウーム、ソーカと思いました。

定年やリタイア後の生活をよりよいものにしたいと思ったら、スタート地点は
ずっと以前にあるものなのでしょうね。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2007年11月22日(木)更新

【明大生との毎週一問百答・番外編】一社員に戻って、誰かの下で働きたいと感じるか。

<ご質問>

ふといち社員に戻って、「誰かの下で働きたい」と感じることはありますか
                 <東洋大学経営学部 渡辺麻貴さんから>


今日は第4回のオフ会ですね。一度参加してみたいような怖いような・・。
渡辺さんのご質問を考えていたら、ふと誰かは“私”で「私の下で一社員として働
きたいか」と考えてしまいました。

<お答え>
・・・・・・・・ウーン、答える勇気というか自信がありません。
(少しはいいところもある、と思うんですが。そう思わなければ社長なんかやって
られませんよね)

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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2007年11月22日(木)更新

KYなら我が家に三人もいる。

安倍首相退陣のころ、一気に世間に広まった「KY」(空気が読めない)という新語
は、ことしの「新語・流行語大賞」の有力候補らしいのですが、イニシャルとしての
KYなら我が家には娘婿と孫、私も含めて三人もいるので、ちょっと複雑な気分で
す。

どうやら最初は「空気を読め」という意味で、ブログのコメント等で「空気嫁」とかの
表現で以前から用いられていたようですが、いつしか「空気が読めないやつ」と他
人を嘲笑する言葉に転じたようです。

イニシャルと同じだから言うわけではありませんが、あまり感心しません。
かって流行語になった「オバタリアン」みたいなユーモアもないし、新語として受賞
した「小泉劇場」みたいな「なるほど感」もありません。

一つには「空気」という語感から連想する「わけのわからなさ」があるような気が
します。「いじめ」なども空気と関連性があるように思いますし、私は終戦時3歳で
したから実感はありませんが、「軍国少年」などというのも当時の空気が生んだ
産物に違いありません。

ここのところ日本人はきわめて「内向き」になってきているのではないか、という話
を多く聞きます。
世界で何が起きているのか、新興アジアの活況についてもマスコミはあまり取り
上げず、TVは毎度同じのバラエティ番組のオンパレード、中国の情報について
は感情論ばかりで、意味も無く怖がるだけ・・・等ということでは閉塞感がつのる
のもやむを得ないのでしょうか。

そういう中で、日本人同志が「KY」とかやっているのも「なんだかなー」と思うこの
頃です。
12月3日今年の「新語・流行語大賞」が決まるようですが、そんなわけで私なら
「KY」に一票は投じません。

横山国男

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2007年11月20日(火)更新

創立30周年を迎えられるのは2%。

当社は創業からでは31年、会社創立からは来年12月で30周年ということになり
ます。設立時、零細企業にしては、当初から資本金を1000万、監査役には
公認会計士に就任していただいて,体裁だけは「立派すぎ」という人もいました。

血の滲むようなとか、苦節○○年とかもあまり経験せず、本当にお得意先に恵ま
れ、運よく続けられたものと従業員や周囲に感謝しておりますが、又聞きの情報で
すが,こういうデータがあります。

“日本には230万から250万の企業があり、そのうち80万社は幽霊企業だそう。
実質150万~170万社で、そのうち税金を払っている黒字企業は2万社しかない。
これは「船井総研」のデータだそうですが、さらに年間に起業するのは、約8万社、
そのうち10周年を迎えられるのは3.6%、創立30周年を迎えることが出来るの
は2.0%。 同様50周年は0.7%、100周年ともなると0.03%” だそうです。

「そうか、30年前起業した100社の内98社はもうないのか」という感慨も少し覚え
て、あらためて北陸で30社ほどあった同業者のことを考えると、4~5社になって
いるので、よく生き残ってきたな、とは思います。

もし(どなたも興味はないでしょうが)生き残ってきた秘訣を一つ挙げるとしたら、
と聞かれたら、「時代への好奇心」でしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もう一つ「80万社の幽霊企業」について。

今日、数年間「休眠」としていた、別法人の「有限会社」の清算手続きが全て終了、
税務書類を会計士に提出してもらい、県と市への「清算確定申告」をするための
セップもいただきました。

「会社を整理するのは大変だよ」と友人から聞いていましたが、実際、時間も費用
も想像以上にかかりました。資本金1円から株式会社の設立ができるようになり
ましたが、解散や清算のことが設立時どれだけ頭にあるか、またこのような煩雑
で、費用もかかるため放置されているのが「80万社の幽霊企業」を生んでいる
のではないか、と思いました。

倒産や破産の場合、「法的に清算」されてしまいますが、後継しないまま、ただ
看板を下ろし、シャッターを閉めても「会社を整理」したことにはなりません。

税務当局も「幽霊企業」の実態を掴めず、毎年確定申告の用紙を送ったり、管理
に頭が痛くなってきているとみえて、私の場合は「減免措置」がしてありましたが、
それでも税務署より何度か「きちんとしてほしい」との要請みたいなものがありま
した。

幸い、出資金の範囲内で整理ができましたが、これが債務超過などになっている
と、税理士ではなく弁護士を入れての「特別清算」ということになるそうで、
費用も150万~200万円もかかるケースもあるとか。
(税理士との雑談で出た話ですので、正確ではないかも知れないことをお断りして
おきます)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれ事業を引き継ぐにあたって、できればスッキリしておきたいと思い、手続き
をしましたが、数年前の会社設立の法律改正の際、同時に「幽霊法人」の整理を
あまり負担の無い形で思い切ってやるべきだったのではないか、と思いました。

同様に、銀行の「幽霊口座」なども膨大なデータ量を占め、管理するにはかなり
コストがかかっているようですから、一旦整理して、その後は「口座維持手数料」
制度を設ければ、もう少し「預金金利」も高くしていただけるのではないか、と
考えたりします。

横山国男

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2007年11月14日(水)更新

老後の読む楽しみは「夏目漱石」がよいかと。

12日(月)は、錦糸町の久米繊維工業さんをお訪ねして、今年させていただい
た仕事のお話とか、来年ぜひ共同で実現したい企画の提案なども久米社長、
スタッフの皆さんとお話することができました。
絶滅寸前の「和綿」復活プロジェクトのDVDも見せていただき、「これはロマン
ですねー」と感激。

また「エコロジー・チャリティー2007 Tシャツ・アート展」のプロデューサーで、
イラストレーターの竹本明子さん(デザインスタジオバンブー)にも、久米社長の
お計らいで、お会いすることができました。
今夏アート展の参加作品のほとんどを、当社のインクジェットシステムで制作さ
れました。出来上がりを喜んでいただきましたが、こちらこそ感謝しております、
と御礼を申し上げました。

==============

ところで、今回久米繊維さんをお訪ねした折に、もう一つ手前の「両国」の江戸
東京博物館で開催されている「文豪・夏目漱石―そのこころとまなざし」展を家内
と観ることも楽しみにしていました。

「夏目漱石」に詳しくありませんが、(“猫”と“坊ちゃん”くらいしか読んでいないの
で)いずれ全集を読み通したいもの、とかねがね思っていたところ、京都の漱石
研究家で茶道家の「椿わびすけの家」という、とても心癒されるサイトを見つけま
した。(主筆―丹治伊津子さん)

ご案内で漱石のお孫さんである松岡陽子マックレインさん(米オレゴン大学名誉
教授=日本語・近代文学、83歳)の「漱石夫妻 愛のかたち」(朝日新書)を読ん
で、よく話題になる「鏡子夫人悪妻説」に関してもサラリとしたユーモアあふれる
文章を書かれていて、ぐっと漱石を身近なものに感じました。
同時に発刊されたこの展覧会の「公式ガイドブック」から、懸命に勉強した跡が
残るノートや、ロンドンの留学先から妻子に宛てた漱石の誠実で情愛溢れる
手紙類、俳句や絵なども豊富に展観されていることがわかりました。
(18日まで)
・・・・・・・・・・・・・・・・

公式ガイドブックに「おわりに」と題して、当博物館の橋本由紀子、金子未佳
両学芸員の記述があり、漱石の魅力の源泉に触れた気がしました。
(以下一部を引用させていただきます)

・・・むかしの人の一生は、平均寿命が80歳を超えた現代人に比べてずっと短く、
それゆえに早熟で、一事を成し遂げるのも早かったかもしれない。しかし明治の
文豪・夏目漱石が、小説家として世に出たのは遅く、人生も後半にさしかかって
からだった。(中略)
悩み彷徨する時間も長かったが、いくつになっても新しい世界に挑戦した漱石。
漱石の生き方は、進路を模索している若い世代や、第二の人生を歩みだそうと
する団塊の世代など、現代を生きる私たちに、勇気や示唆を与えてくれるものだ。
明治という時代とともに歩んだ漱石が、見ていたものは何だったのか、考えていた
ことは何だったのか、それを解き明かしたい・・・(略)。

出口近くの漱石のデスマスクを眺めながら、私の両親も明治生まれで、子供の
頃、正月には絣の着物に黒い足袋をはかせてもらい、祖母の家に行ったこと
などをふっと思い出したりしました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

偉大なエンターティンメント小説「吾輩ハ猫デアル」「坊っちゃん」から、「草枕」
「虞美人草」「三四郎」を経て、「それから」「門」へ。 そして晩年の「行人」「心」、
絶筆となった「明暗」まで、その他の作品も含め老後の「晴ゴ(ルフ)雨読」は、
じっくりと「夏目漱石」を楽しみたいな、と思った展覧会でした。

横山国男

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