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2007年08月31日(金)更新

「駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた

草鞋(わらじ)を作る人」という諺があります。正確には文頭に“箱根山”
文末に“そのまた草鞋を拾う人”がくっついているんだそうですが、世の
中にはさまざまな境遇、職業があり、さまざまな立場の人がいて、うまく
社会を構成していることのたとえとして、「昔の人はうまいことを言うなあ」
と私などは思いますが、さて若い人は聞いたことがあるのでしょうか。

前回「事業承継」について、「零細企業の親父さん」が日ごろ考えている
あまり立派でない「作戦」を書きましたが、この「ことわざ」にも考えさせ
られる私なりの解釈があります。

 要は「田舎で草鞋を作り(稼いで)、お江戸では駕籠に乗る人になれば
よい」というような意味ですが、小企業でも頑張れば、夢は実現するはず、
と後継する若い人たちに言いたいのです。

そのためには、普通の「わらじ」を作っていたのではダメですし、販売方法
も工夫しなければなりません。我々にはない「若さと情報入手手段」も持ち
あわせているのですから。

わらじとよく似た「ビーチサンダル」で、そのファッション性、テイスト、価格
などで世界的に売れている南米のメーカーがありますが、おそらくその
会社の社長は「お江戸で駕籠」どころか、世界中を「プライベートジェット機」
で飛びまわっているかもしれません。

インターネットや様々な媒体に加え、この10年あまり企業の行ったなりふり
かまわぬ「非人間的リストラ」は、すっかり若者に「社会ってこんなものか」
という諦観を植えつけてしまったのではないでしょうか。

中小零細な企業でもお店でも、「あとを継ぎたくなる」ように、やせ我慢でも
社長が仕事にも遊びにも元気な姿を見せ、時には「お江戸で駕籠に乗る」
姿も見せねば、「事業承継」は魅力的なものに写らないでしょう。

という言い訳で、大枚をはたいて11月金沢で公演の(あとは東京、大阪)
「ホセ・カレイラス」のチケットを苦労して家内と二人分手に入れました。

娘は「いいなあ」と羨ましそうです。  贅沢してすみません。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2007年08月29日(水)更新

「世襲」と「事業承継」

安部新内閣が発足しました。「お友達内閣」から派閥にも気を使った
「実務者中心型内閣」へ、とも言われていますが、支持率は期待もこめて
少しUPしたようです。

どなたでも気がつくのは、総理をはじめ二世、三世の大臣が多いことです。
政治の世界でも「世襲」が目に付き、これがこの国にとって良いことなの
かどうかは個々の政治家の資質しだいということでしょうが、難問山積の
日本国をよい方向に導く「政治家」であってほしいと。・・・お願いします。

「世襲」とは、親の手にしている特定の地位や、肩書き、職業などをその
子や係累が引き継ぎ、それによって社会的な権力や権限を得ること
(Wikipedia)とありますが、たまたま「そこに生まれただけ」で既得権を
引き継ぐのでは、社会のダイナミズムは失われるのではないでしょうか。

もうひとつ引き継ぐという点では、中小企業の「事業の承継」という問題が
クローズアップされています。

中小企業経営者の平均年齢が高くなり、また「後継者がいない」と答える
事業主も増えているそうですから、中小企業が大部分を占める日本では
人口減少と並び「社会の活力」という点でも大きな問題です。

後継者がいる場合は、「事業承継」のプログラムを、顧問の会計士やコン
サルタントと相談しながら計画的に実施に移していかねばなりませんし、
後継者のいる場合、いない場合の相談窓口も増えつつあるようです。

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ザックバランに言いますと、私は「継ぐも継がぬも本人の自由」と思って
きましたが、子供に「夢がない」とだけは思われたくありませんでした、

引き継ぐほどの大した資産や家作もなく、業容・業態からいっても「ビッグ
ビジネスにはなりえない」ような典型的な小企業ですが、それでもサラリ
ーマンも昔ほど気楽な商売でもなくなってきましたから、「自営業も捨てた
もんじゃない」とは思っています。

誤解を恐れずに言えば、事業承継は「娘(息子)に羨ましいと思わせる」
ことで半分成功したようなものと思っています。
サラリーマンには定年がありますが、自営業にはありません。
長い老後を経済的なことを心配しながら暮らすくらいなら、自分がやりたい
間はやればよい、とさえ思います。

定年後の資産の運用とかで、やれ「株」だ、「為替FX」だと怖いことに頭を
使うより「事業利得」の方がはるかに確実で、第一他人や証券会社を恨ま
なくて済みます。納得のできる本当の「自己責任」ですから。

夫婦で役割を分担しながら、つらい時も相談しながら乗り越え、嬉しいこと
があれば社員や家族ともども喜ぶ。自分で決めた目標を達成したときの
快感などは生活全部がかかっているのでサラリーマンでは得られない人生
経験でもあります。

多少の余裕ができれば、自己投資、旅行や買い物、多様な人々との交際
で世界が広がる、サラリーマン世界では役員クラスまでは難しいでしょう。

当社の場合は今のところ何とか30年あまりの年月のなかで自然と蓄えら
れてきた「染織デザイン・プリント」の知識や人的ネットワークなどが、
毎日少しずつ後継者に引き継がれて、新しい企画でも役立っているように
も見えますので、周囲に感謝しながら「この小さな企業」をお客様に喜んで
もらえるものにしていってほしいというのが私の願いです。

「苦労もあるけど、自営業だからこその喜び、幸せもあるんだよ」というのが
厳しい経営環境を前にして、躊躇しているかもしれない多くの「後継予定者」
に申し上げたいことです。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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2007年08月27日(月)更新

一年間“ブログ”を書いてみて

久米信行さんに経営者会報「社長ブログ」を書くよう勧められながら、
グズグズしていて、初回を書かせていただいたのは去年の8月23日でした。

これが87回目となりますが、いまだ「何が」という理由ははっきりしません
が、不安のようなものがあります。

その一つは長い間このような文章を書き連ねていれば、いくら「ネコをかぶっ
て」いても、私という人間の正体があからさまになるのでは、という恐怖感
かも知れません。

それはともかく、今日の地元紙「福井新聞」に折り込まれていた情報誌、「fu」
(ふう)に、福井県三国町出身の詩人荒川洋治さんの「私が手紙を書く理由」と
いうインタビユー記事があり、「なるほどな」と思ったところをご紹介して、
「ブログ一年目」の句読点にしたい、と考えました。

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― 荒川さんにとって「書く」とはどういうことでしょうか

 人の目を意識し、考え抜いて言葉を生み出す。「書く」にもいろいろありますが、
書くこととは考えること、読む人との距離を測ることです。

― いい文章を書く「コツ」を教えてください

 文章とは自己表現です。気持ちを伝えるのに「正しい」はない。相手があること
だから、どう“自分を表現するか”は、当然相手によっても異なってくる。
小さな行き違いに目くじらを立てていてもしょうがないし、小さな「しまった」を
繰り返していくうちに、自分なりのフレーズやフォームが生まれてくるはずです。

― 現代人は「書く」機会が減ってきてますね

 (略)「書くこと」は主観的に周りを見つめながら、客観的に内面を見直す作業
でもあります。時に思いもよらなかった自分が見えることもある。怖いけれど、
とてもおもしろい。自分を知り、考えることで、自分を上手に表現できるように
なる、それが「書くこと」です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「経営者会報社長ブログ」を書き続けることで、自分を上手に表現できるように
なりたいと思っています。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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2007年08月23日(木)更新

5年前の今日、アルバトロス(あほうどり)が舞い下りました

還暦60歳の誕生日を目前にした、5年前の今日、8月23日でしたが、
ゴルフではきわめて稀といわれる「アルバトロス」(ホールの規定打数
パー〔PAR〕より3打少なくホールアウトすること)を経験しました。

アルバトロスは27万ラウンドに一度、(ホールインワンは約1万ラウ
ンドに一度)の確率という統計もあるそうですから、四半世紀余りの私の
ゴルフライフでも最大のエポックでした。
また60歳という年齢での達成も、「飛距離」がポイントになりますので
珍しいことかもしれません。

当日は暑い日でしたが、「ロータリークラブ納涼家族大会」を夕刻から
このゴルフ場のクラブハウスで催すことになっており、ゴルフをする人
は昼前にスタートしました。

この週末も例年同様の行事があり、チャリティーバザーやオークションで
奉仕のための資金を集めます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

同組のプレーヤーは、このFゴルフクラブの支配人Hさん、建材商社社長
のSさんなどでしたが、9番ホール(543ヤード、PAR 5)はゆっくりした
打ち下ろしの、左に少し曲がる実質500ヤード位のロングホール。
私のドライバーショットは追い風にも乗り、硬いフエアーウエイを
バウンドしながら300ヤード程先の左側の平坦な場所に止まりました。

あとで聞いた話ですが、まだ若いキャディのKさんは4度のホールイン
ワンに立ち会ったという“幸運の女神”。
“女神”は8番までの私のゴルフを見て、「残り205ヤード、フォローの
打ち下ろしですから、4番アイアンでしょう」とのご託宣。

ゴルファーならナイスショットの感触はお分かりと思います。ほとんど
当たった感覚のない、スムースな振りぬきの1打はグリーン方向に飛び、
ひょっとすると「乗ったかもしれない」と思いました。

私の位置からグリーンは見えましたが、左奥にあるピンは左サイドの小山
の陰になり、見えませんでした。
少しの静寂のあと「入ったァ」「やったー、アルバトロス!!」という歓声が
あがり、「ホントかな」と思ったのを覚えています。

このゴルフクラブは15年になりますが、今日現在でも9番ホールでのアル
バトロスの記録は私だけのようですので、ちょっと気分がよいものです。

銀のプレートとマグカップ
アルバトロスの祝いに仲間から贈られた純銀のプレートと、その後昨年
ですが、ホールインワンも飛び出しましたので併せて記念に作成しお贈り
したマグカップです。

横山国男

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2007年08月20日(月)更新

おろし蕎麦名店「だいこん舎」さん繁盛記

昨日のブログの続編です。鯖江の「だいこん舎(や)」さんというお蕎麦屋
さんがとても美味しかったので書かずにはいられません。

だいこん舎さんの玄関

このお盆に当社で制作した助田茂蔵さん(93歳)の「野の花オーガニック
Tシャツ」を展示させていただいている「だいこん舎」さんは、鯖江の
旧国道8号線沿い、つつじで有名な西山公園そばにありますが、中年より
ちょっとお若いご夫婦が一生懸命「大根とそば」のうまさを探求しておられ
る“名店”といってもよいお店だと思いました。

福井は“そばどころ”として近年つとに有名です。福井市内をふくむ県北部の
どこへいっても自慢のお店が数多くあり、古くからの「郷土食」を代表する
ものとして「そば打ち」をされる方も多い土地柄です。
「素人そば打ち名人」の全国大会も長く続いています。

「そば」は今ほど豊富な食材がなかった昔、代用食であったり、農家ではおやつ
がわりに作って食べる地味なものだったと思います。
私はそばに限らず「食通」ではありませんので、好きか嫌いかでしか判断でき
ませんが、子供の頃素朴な「つなぎ」を使わないぶつ切りの蕎麦や、そばがき
をそれほどおいしい食べ物と思った記憶はありません。

しかし今や「福井のそば」は「おろしそば」を筆頭に、全国区になりつつあり
ます。それでも蟹や甘エビ、天麩羅などをトッピングした「割り子」などは
ちょっと蕎麦本来の素朴さが打ち消されているように思ってあまり食しません。

久しぶりにおいしいと思った「おろしそば」を「だいこん舎」さんでいただき
ました。

もちろん石臼挽きで、そば粉にもこだわっておられるのですが、「十割そば」
とメニューに書かれていたのでややかたいものを想像していたのです。
しかし出てきたものは少し細めで硬さはなく、店名のとおりこの時期にしては
「大根」の味もしっかりしていてとても美味しい「おろしそば」でした。

他にも食べてみたいメニューがあり、これから秋、冬の大根の美味しい時期を
想像すると、「この地に生まれてよかった」とさえ思えるほどです。

お盆の帰省客でしょうか、お店は一杯でご主人の「ガシガシガシ」という
大根をおろす音(大概の蕎麦屋さんでは機械でおろすのではと思います。
この辺にも美味しさの秘密があるようです)がひっきりなしに厨房から聞こ
えてきて、しばらく待っていなければなりません。

その間にTシャツをみて、素敵なテーブルも見たあと、コーナーで売られ
ているお店でもご使用の「越前焼」の蕎麦用皿を2枚、片口をひとつ買って
しまいました。

越前焼のそば皿・片口

これ以上モノを増やさないといつも家内と言っているのですが、「これからは
二つだけだから」という言い訳で。
どうにも自制心がありません。

横山国男

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