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2008年09月08日(月)更新

「大統領選」と「首相選」・・あまりの違いに。

民主主義を守る、人権を守る、そのほかいろいろの理由をつけて(自国の)、世界
のあちらこちらで紛争に介入したり、時には大きな犠牲を払う結果になろうとも、
大国の面子にこだわっているように見える米国。

私のような普通の日本人から見ても、昔憧れたような国ではなくなったような気が
しますが、それでも大したものと思う一つは「アメリカ大統領選挙」です。
民主、共和両党のまず候補者指名を得るための、長い期間、広い国土での活動
に驚かされますし、その間、国民の関心はいやが上にも盛り上がります。

大統領に選ばれるまでの仕組みは結構複雑なようですが、それでも両党とも候補
者が決定し、副大統領の指名も終わりました。
正副候補者本人はもとより、家族のプライバシーまで白日のもとにさらされ、とても
ではないですが、並みの神経ではもたないだろうとさえ思わされます。

しかし、これが大統領になるための試練であり、選挙戦を通じてあらゆる問題に
対する解答を用意し、相手陣営からの攻撃に耐え、時には切り返していくことで
成長し、言葉を選ぶことや演説もうまくなり、何より多くの支持者と世界のメディア
を前に何度も「自分こそ大統領にふさわしい」と繰り返すうち、「覚悟と確信」に満ち
た、大統領に「成って」いくのでしょう。

「アメリカ合衆国」の素晴らしい点の一つだと思います。

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政治に詳しくないですが、一日本国民として考えても、最高責任者「日本の首相」
が選ばれる際、「禅譲」とか「密室での決定」とか、時には「棚ぼた」などと評され
るのは本当に違和感があります。マスコミなどにも責任があるような気もしますが、
真剣に国の将来を考えてこなかったと思われる、多くの我々国民の責任が一番
大きいのではないかと思うと同時に、山積する問題を前に、「逃亡」するくらいなら
初めから引き受けるべきではないのでは、と彼我の「覚悟」の違いに暗澹とします。

この7~8年の間に、何度か台湾へ旅行するうち、現地旅行会社のKさんという人
と仲良くなりました。敬虔なクリスチャンで台湾でも有名な大学を卒業したインテリ
でもあります。
バスの中で、自身の軍隊の経験(台湾には徴兵制があります)をユーモアを交えて
 話してくれましたが、驚いたのは台湾には「米軍基地」はありません、という一言。

横にいた初めて同行した私の友人が、「日本は米軍基地だらけ、どっちが立派な
独立国かわからんね」と言われたのが印象的でした。こんなことも知らなかった私
のような者が多ければ「立派な国家」になりようがありません。

「二度と刃向わぬよう」・・その恐怖から徹底的に日本的なるものを解体し、制度を
作り変えた占領政策でしたが、「大統領制度」を持ち込まなかったのにはどんな
理由があったのでしょうか。天皇を象徴としての元首として残す決定と何か関係が
あったのか、情報公開が進んでいますので、解かる日がくるのかも知れません。

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翻って、平たく言えば「首相」とは、一家で言えば「お父さん」。会社で言えば「社長」。
( ウーン、責任重いですナ。)
首相ともあれば、あらゆることにおいて「私」はあとまわし、「公」に身も心も捧げる
覚悟でその重責を果たしてこそ「国父」という言葉もある所以でしょう。

辞意を表明して数日もたたないうち、奥様とデパートに買い物に行き、帰りは高級
中華料理店に入る、あるいはその前の首相だった人もいろいろな場所で、今更の
「持論」をお話になっているのをネットなどで見聞きすると、まだまだ余力があった
のでは・・と、つい考えたくなるこの頃です。

中小零細企業で「どなたか適任の方にあとはよろしく」なんて言えたらこんなに楽
なことはありません。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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