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2008年11月03日(月)更新

山車の大きな人形の衣装・・苦労しておられたんですね。

先日、猿回し芸「太郎さんと次郎君」の衣装を作らせてもらったことをブログにも
書かせてもらいました。

この模様が2週にわたってTV放送されたためでしょう、その後、何件かのお問い
合わせなどがあり、素直に喜んでいます。

そのうちの一つに、当社でも想像していなかった依頼があり、お話を聞いて当社
の技術と提案力が生かされる、お役に立てる恰好の案件がありました。

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来年のお祭りの企画なので、詳細は控えますが、当地でも歴史のある、有名な
お祭りです。

大きな(5~6m)武者人形などのつくりものを乗せた「曳き山車」が、毎年8基も
出て、3日間、県内外からたくさんの観光客を集めます。

「山車」は、毎年地区やグループの人たちの知恵をしぼったものになります。
巨大な人形を「来年は何にするか」は、もうほとんど決定しているそうです。

週末、ある「山車」の勧進役、デザイン担当、衣装制作担当の方々が「テレビを
みたのですが・・」と当社を訪ねてこられました。

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お話によりますと、
「人形作りはともかく、毎年、衣装特に染めや織りの“織物・生地”を探すのが
もう大変なんです。無地のものはまだよいのですが、柄物になるとそんな大きな
柄やデザインのものはほとんどありません。「ふとん」や「帯」の生地の中から
探すのですが、生地幅がせまかったり、必要な長さが手に入らなかったり・・」。

私の回答は、
「全くご心配いりませんよ。どんな柄のどんな大きさのものでも、フルカラーで
お作りします。それも150cの広幅の生地、素材はいろいろありますが、発色が
きれいで、お祭りが雨でもシャンとしているのはポリエステルがいいでしょう。
価格もリーズナブルですから」。

その他、数量も少量でもよいこと、素材感や十二単衣のような複雑な見た目も、
グラフイックスで本物のように見せることができることなど、たくさんの資料と合わ
せてお見せしたところ、躍りあがらんばかりに喜ばれたのです。

何より感激されたのは、「拡大図柄」でプリントできるということです。
たとえば腰元などがよく着ている「矢羽根」の柄がありますが、人が着る着物の
柄としてはせいぜい一つの矢羽根は10c程度の大きさでしょうが、5mもある
人形となると30c~40cの大きさが必要になります。

判官の裃(かみしも)の背中の「紋」だって15cくらいにはなるでしょう。

そんな生地は存在しませんから、衣装担当さんは大変なご苦労があったようです。
「すぐ、ミーティングを開いて図案を持ってきます。本の切り抜きとか、クレヨンで
描いたものでもいいでしょうか?」

「いいですよ、でもデータで作ってきていただいたほうが安くできますね」。

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よほど喜んでくださったのでしょう。当社の玄関を出られてからも「よかった、よか
ったこれで安心やね、ナントカカントカ」とにぎやかにおしゃべりしながら車へ。
こちらも嬉しくなりました。「そうか、考えてみたらそれは大変だったろうな」とも
思いました。

モチーフの小さい「小紋柄」や久留米絣、紅型、レース模様、リバティー柄など、
和洋を問わない「お人形」のために、柄のサイズを縮小した服地を作ることは
すでに企画に上がっていますが、「大きな人形」は気が付きませんでした。
旗などは30c四方の小さいものから、20mx30mの巨大なものまでお作りして
いるというのに。

足元で困っておられた方がいたんですね。PRができていないということかな。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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