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2008年01月27日(日)更新

赤フン。

先週末、当社の新年会を、近くの居酒屋で開きました。低予算で飲んで食べられる
この手のお店があちこちに出来ていますが、それでもどの部屋も一杯で、年末の
予約申し込みでも、1月末近くになってしまったようです。

ようです、というのは新年会や、たまに行う飲み会は、近年は後継者の娘夫婦に
セッティングを任せています。日ごろあまり物言わぬ静かな従業員でも、飲んだり、
食べたりするうち、従業員同志は勿論、経営者への本音なども聞かれますから、
若い後継者にはいい勉強の機会でもあります。

「飲ミニケーション」とはよく言ったものですが、最近は会の半ばを過ぎると、私は
「お先に失礼」することにしています。その方がなお盛り上がるように思えますので。

「新年おめでとう。創立30周年を迎えられた謝辞と、今年は特に原材料、資材が
更に騰がると思われるので、コストダウンを全社で取り組みたい。社長からの
メッセージ伝達、一日の仕事や作業を振り返る日報を今年は作りたい」など簡単な
挨拶をして、この1月末に還暦を迎える当社の専務に乾杯の音頭を頼みました。

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乾杯のあと、還暦の祝いに贈られたのは、従業員一堂がサインした「赤フン」、
“赤いフンドシ”で、大盛り上がり。早速ジーパンの上から着けると大拍手、本人も
「なんか、久しぶりにエネルギーが充満するな」と言って大いにウケてました。

「はまじい」こと浜本専務は、会社創立後すぐ入社してくれ、気難しい私と長年本当
によくコンビを組んでくれました。
団塊主流で正義感が強く、当時は京都の名門R大で学生運動も結構やった彼が、
なぜ当社のような零細な企業にきてくれたのか、本人曰く「いやー、やんちゃした
ので大きいとこは採ってくれないですよ、それにここは仕事おもしろそうだったし」と
言っていたような記憶があります。

私は30年も会社を続けられたおかげは彼にある、とさえ思っています。
勿論リーダーとしての資質も十分ですが、生活文化関連分野における彼のデザ
インの知識とセンス、黎明期のパソコンに嵌って以来(“マックの神様”と私は尊称
してます)、還暦とは思えない“若いグラフイックス”を今でも自在に生み出す能力、
こんな人材にはその後も会ったことがありません。(ちょっとマニアックな“はまじい
のもの作り日記ーブログ”も書いていますので、当社サイトからどうぞ)。

私は幸運でした。後継者に言いたい。早く第二の「はまじい」を見つけるか、育て
ねばと。

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毎日、顧客とのやりとりの中で、専務にも私にも共通しているのは「お客さんが考
えていること、すなわちデザインのイメージを“共有”できることの重要さ」です。
いろいろな依頼があるわけですが、受ける側がどれだけの「引き出し」を持って
いるか、ということで、そのためには意識して毎日「モノとコト」を注意深く観察し、
意味を考え、美意識に裏付けられた好奇心が欠かせません。

新しく通りに出来た「看板」一つでも、そのデザインの良否は勿論、それが持つ
メッセージの社会的意味にまで興味を持たないと「産業のデザイン」は出来ない
のでは、と思います。事物に無関心な人にはこの仕事は向かないでしょう。

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60歳(還暦)などは、まだまだ若い。これからも頑張って後進の指導をよろしく。
近いうちにまた時間を忘れて、飲んで話しましょ。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/