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2008年01月10日(木)更新

世界一の木材輸入国の「年賀状」とは。

郵便事業会社によると、2008年の年賀状の総発行数は40億2100万枚で、その
内、この6日までの差出枚数は28億8300万枚だそうです。
総発行枚数は4年ぶりに少し増やしたものの、投函数では前年比4.1%減となって
おり、最終引き受け枚数は減るものと予想されている。(1月7日東京新聞から)

40億枚の年賀状とは一箇所に集めるとどのくらいの体積になるのか、想像もつき
ませんが、このためにどのくらいの樹木(パルプ)が必要だったのか、と考えると
恐ろしい気がしないでもありません。

郵便事業会社も「再生紙」(40~50%の古紙含有が条件、先日大手製紙会社の
年賀状用紙は4~5%しかはいっていないことが判明し、問題となりました)、また
1枚55円で発売、購入者の5円と日本郵政の拠出5円、合わせて10円を温暖化
ガス削減事業に寄付するという「カーボンオフセット年賀」も売り出したようですが、
特に後者はほとんどPRしていなかったように思います。

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この数年、「年賀状」をやめるかどうか思案しながら、やはり購入してきました。
ただ、差出しは年々遅くなって、今年は半分以上は年明けになってしまったのも
年齢のせいもあるかもしれませんが、やはり環境のことも以前よりちょっと気に
なっているのかも知れません。

一年に一度のご挨拶、表書きは手書きを守ってきたのは、1~2分でもその人の
顔を思い浮かべるからで、一筆加えることもなく、宛名もパソコンでということにな
ったらもう自分の中ではそれこそ虚礼となり、環境のためにも止めた方がよいよう
にも思います。

元日の朝、いただいた年賀状を1枚1枚見るのはとても心豊かな感謝のひととき
で、日本の佳き風習・文化だとの思いは変わりませんし、郵政省の時代から郵便
事業では年賀状が大きな収益だそうですから、それにも多少の貢献にもと思いま
すが、紙だけでなく、インキや配送・配達の燃料など温暖化の問題とのつながりも
否定できません。

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日本は国土の67%が森林にもかかわらず、世界一の木材輸入国でもあります。
結果として森林の破壊に手を貸すことになっているのですが、まだまだ日常他の
紙製品も無駄にしていますので、そちらの方からまず改めて、真心こめて一年に
一回の「年賀状」くらいは続けるべき、との思いもあって悩ましいところです。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
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【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/