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2007年08月29日(水)更新

「世襲」と「事業承継」

安部新内閣が発足しました。「お友達内閣」から派閥にも気を使った
「実務者中心型内閣」へ、とも言われていますが、支持率は期待もこめて
少しUPしたようです。

どなたでも気がつくのは、総理をはじめ二世、三世の大臣が多いことです。
政治の世界でも「世襲」が目に付き、これがこの国にとって良いことなの
かどうかは個々の政治家の資質しだいということでしょうが、難問山積の
日本国をよい方向に導く「政治家」であってほしいと。・・・お願いします。

「世襲」とは、親の手にしている特定の地位や、肩書き、職業などをその
子や係累が引き継ぎ、それによって社会的な権力や権限を得ること
(Wikipedia)とありますが、たまたま「そこに生まれただけ」で既得権を
引き継ぐのでは、社会のダイナミズムは失われるのではないでしょうか。

もうひとつ引き継ぐという点では、中小企業の「事業の承継」という問題が
クローズアップされています。

中小企業経営者の平均年齢が高くなり、また「後継者がいない」と答える
事業主も増えているそうですから、中小企業が大部分を占める日本では
人口減少と並び「社会の活力」という点でも大きな問題です。

後継者がいる場合は、「事業承継」のプログラムを、顧問の会計士やコン
サルタントと相談しながら計画的に実施に移していかねばなりませんし、
後継者のいる場合、いない場合の相談窓口も増えつつあるようです。

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ザックバランに言いますと、私は「継ぐも継がぬも本人の自由」と思って
きましたが、子供に「夢がない」とだけは思われたくありませんでした、

引き継ぐほどの大した資産や家作もなく、業容・業態からいっても「ビッグ
ビジネスにはなりえない」ような典型的な小企業ですが、それでもサラリ
ーマンも昔ほど気楽な商売でもなくなってきましたから、「自営業も捨てた
もんじゃない」とは思っています。

誤解を恐れずに言えば、事業承継は「娘(息子)に羨ましいと思わせる」
ことで半分成功したようなものと思っています。
サラリーマンには定年がありますが、自営業にはありません。
長い老後を経済的なことを心配しながら暮らすくらいなら、自分がやりたい
間はやればよい、とさえ思います。

定年後の資産の運用とかで、やれ「株」だ、「為替FX」だと怖いことに頭を
使うより「事業利得」の方がはるかに確実で、第一他人や証券会社を恨ま
なくて済みます。納得のできる本当の「自己責任」ですから。

夫婦で役割を分担しながら、つらい時も相談しながら乗り越え、嬉しいこと
があれば社員や家族ともども喜ぶ。自分で決めた目標を達成したときの
快感などは生活全部がかかっているのでサラリーマンでは得られない人生
経験でもあります。

多少の余裕ができれば、自己投資、旅行や買い物、多様な人々との交際
で世界が広がる、サラリーマン世界では役員クラスまでは難しいでしょう。

当社の場合は今のところ何とか30年あまりの年月のなかで自然と蓄えら
れてきた「染織デザイン・プリント」の知識や人的ネットワークなどが、
毎日少しずつ後継者に引き継がれて、新しい企画でも役立っているように
も見えますので、周囲に感謝しながら「この小さな企業」をお客様に喜んで
もらえるものにしていってほしいというのが私の願いです。

「苦労もあるけど、自営業だからこその喜び、幸せもあるんだよ」というのが
厳しい経営環境を前にして、躊躇しているかもしれない多くの「後継予定者」
に申し上げたいことです。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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