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2007年08月19日(日)更新

助田茂蔵さんの「野の花」“謄写版絵”をTシャツに

「謄写版」をご存知ですか。50歳以上の方なら、“ガリバン(版)”と
いえば「なつかしいなあ、昔はテストも町内会のお知らせも文集も全部
これだった」とインクのにおいまで甦ってくるような気がしますね。

「おい、横山、ちょっと残って手伝ってくれ」と中学の担任にいわれて、
“ガリ版刷り”を手伝った記憶もありますし、(インクは服などにつくと
絶対落ちず閉口したものですが)、若い頃「謄写版印刷教室」へ通ったことも
思い出です。

余談ですが、印刷の方式は凸版(活版、木版など)、凹版(グラビアなど)
平版(オフセット、リトグラフなど)孔版(シルクスクリーン、ステンシル、
伊勢型紙など)の4種でしたが、最近これに版不要のデジタル印刷が加わり
ました。謄写印刷は孔版印刷の代表でしたから、私の仕事であるシルクスク
リーンとは原理が同じ親類でもあります。

蝋引きした美濃紙という和紙(原紙)をヤスリ板の上に置き、「鉄筆」という
金属のペンでガリガリと文字を書くと、蝋が取れた部分からインクが降りて
印刷できるという日本人が発明した「簡易印刷機」の嚆矢ともいえるものです。

昭和40年頃には輪転式の高速簡易印刷機(確か“デュプロ”という商品名
でした)、さらにはコピー機が急速に普及してあっという間に姿を消しまし
た。所有している今や骨董品ともいうべきこのレトロな印刷機がこれです。

謄写版キット 謄写版キットの内部


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
助田茂蔵さんは現在93歳、福井市と隣接する鯖江市で元気に今でも毎日制作
しておられます。
56歳にしてはじめて絵筆をとられ、その後お仕事のご縁からだと思いますが、
「謄写版絵」を研究され、「謄写版印刷でこんなことまで可能なのか」という
独自の世界を創造された大先輩です。

助田茂蔵さんの人とそのお仕事、家族で作られる素晴らしいご本については、
季刊「銀花」誌の編集者田中栞さんの「Web謄写印刷館」に詳しいので、
ぜひお読みください。(ここでは触れていませんが、別に「シルクスクリーン
印刷工房」をお持ちのご長男は“虹の画家”靉嘔(アイオウ)作品の刷り師
としても高名な方です。)

この素敵な助田翁のボタニカルアート「野の花」シリーズを久米繊維さんの
オーガニックコットンTシャツの上に、当社のオンデマンドインクジェット
プリンターを駆使して美しいプリントTシャツに仕上げたのが、助田さんと
交友がある「ハマジイ」こと当社専務の浜本です。(専務のブログに作品を
掲載していますが、感動ものです)

このお盆期間中、鯖江のおそばやさん「だいこん舎(や)」さんで展示
(販売も)されましたので、家内とおそばも楽しみに行ってきました。

謄写版絵・プリントオーガニックT

そして驚いたのはオーガニックTとなんともいえない優しいマッチングを
魅せている「野の花Tシャツ」の美しさもさることながら、「だいこん舎」
さんの“大根おろしそば”の美味しさでした。

続きは明日に。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2007年08月12日(日)更新

「お盆」を迎えて思うこと

今週は「旧盆」が含まれ、企業も一斉に夏休み、里帰りを
する人たちも多いのですが、ガソリンが最高値で公共の交通
機関にした人、帰省を取りやめた人もいるかもしれません。

この一年、鬼籍に入られた方の家族にとっては、新盆となり、
諸行事も執り行わなければならないわけですが、先週の木、金
に続いて私は今夜今年30回目にもなる「お通夜」に出かけねば
なりません。

政治家でも地方の名士でもなく、一介の零細な企業主にしては
例年になく異常に多い「お悔やみ」の席に出席しておりますので
いろいろ考えることになります。

一つは友人関係、取引先の経営者関係でかなりご長命のご両親が
亡くなられるケースが多いことです。

今日のお通夜は、ご本人は享年98歳、私の遠い縁戚にあたりま
すが、三男ご夫婦とは交流が深く、こちらも夫婦でお参りすることに
なります。

またロータリークラブやゴルフクラブの役職がらみの関係もあり、
もちろんご近所はいうにおよびません。周辺には高齢の方も非常に
多い地域でもあります。

しかしこれは私も高齢者の仲間入りを目前にしているわけですが、
生まれた所でもあり、ここで30年も会社を続けていれば、自然と
交友も広くなり、「お悔やみ」にお伺いせねばならないそれなりの
人間関係も増えるのは当然ということでもあります。

現在、このような「弔事」には出向く機会が少ないということである
ようでしたら、お互いに現役でバリバリ仕事をされているご年齢、
「油の乗った」状況でしょうから、それは喜ばしいことですね。

ということで、私も人生の第4コーナーを回りつつあるということを、
「お盆」を前に静かに実感したしだいですが、Web2.0,3.0の未来
には興味深深、ぜひそれまで頑張って見届けたいものです。

横山国男

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2007年08月01日(水)更新

「永遠の旅人」・・芭蕉さんとゴルフ

「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。・・・」
何かの拍子に名文や名曲のフレーズ、一節などが何度も頭の中を
しばらく駆け巡ることがあります。

この「奥の細道」の冒頭も、最初口にした時、なんともいえない
リズム感と芭蕉の「旅への思い」、曾良を伴う「二人の旅人」が
パーッとイメージされて大好きな「出だし」のひとつです。

旅人二人
以前から好きなイラストのホームページです。(本文とは関係ありません)

「百代の過客」は「はくたいのかかく」と読むそうで、「永遠の旅人」
を意味すると解ってからは、一層心にしみる文章となりました。
いつかは「松尾芭蕉」にのめりこんでみたい、そんな気がします。

          ・・・・・・・・・・・

先週末はホームコースの「芦原ゴルフ場」でプレーしました。
この日本海を望む「白砂青松」(大分松枯れ病にやられましたが)の
ロケーション、やがて半世紀にもなる歴史あるクラブ、私のゴルフ
ライフの原点でもあります。

9番ホールの途中、左手の松林からすぐ下の砂浜に、芭蕉が元禄二年
(1689)八月七日、ここで詠んだ「汐越の松」の句碑があり、時々
この石碑と松を訪ねてきた俳句愛好家グループの人影を目にします。
芭蕉が見た松はすでに枯れ、朽ちた大木として横たわっています。

「終宵(よもすがら) 嵐に波をはこばせて 月をたれたる汐越の松」 

五・七・五じゃないんですね。さっと駆け下りて写真を撮ってきました。

芭蕉句碑と地蔵さん 9番Hの案内板

「句碑」と隣の「お地蔵さん」に手を合わせてから、駆け戻って打った
ピッチングでの第三打はピンそばへのナイスショット、バーディーで
久しぶりのパープレー(ハーフ36)。芭蕉さんのご利益かも。
そう言えばゴルフも「永遠の旅人」に似ているようなところがあります。

            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「永遠の旅人」といえばS・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」(1968)。

 オープニングのR・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」は物語りの
予感を、ディスカバリー号が月へ向かう場面でのJ・シュトラウスの
「美しく青きドナウ」は宇宙の限りない静謐を感じさせて、40年も前に
見事なSFX世界の“旅情”を演出していました。

音楽や映像は私のいささか古くなった脳にも時々鮮やかに蘇り、一度
去来すると半日ぐらいは頭の中をぐるぐるしてちょっと閉口します。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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