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2007年02月28日(水)更新

【お題】就職について-明大商学部生の質問について考える

<質問>
就職について前向きになれません。なぜなら、就職してサラリーマンとして
働くことは社会の中の「歯車になること」になるとしか思えず、嫌悪を感じるからです。

この考え方はおかしいでしょうか? 何かアドバイスをお願いします。

(明治大学商学部生)


就職=サラリーマン=歯車・・・嫌悪 というわけですね?

戦前は20%しかいなかったといわれるサラリーマン、今は70%
以上だそうで、就職とは「就社」を意味し、社会人ではなく「会社人」
とも揶揄される現代日本です。

社会学のことは分かりませんが、20%が70%になったら「何に
価値をおくか」が変質して当然ですし、現在問題とされている「教育」
や「階層」「ニート」などとも関連があるような気がします。


世の中が「バブル」に向かって突き進む頃、東京の朝の通勤電車に
乗り合わせた私は、満員の社内で右を見ても左を見ても例外なく
日本最大の「経済紙」朝刊を小さく折りたたんで熱心に読んでいる
サラリーマンの姿を見てチョット異様な感じがしたものです。


長男は親の仕事を引き継ぐことが当然とされた時代からみれば、
何を職業に選んでもよい現代なのですから、サラリーマンしか選択肢
がないとは思えません。

また「産む機械」はともかく、社会を機械に例えれば大小いろいろな
「歯車」がそれぞれの役割(使命)をはたしてこそ健全な国や地域が
生成される、と考えたいと思います。


世界的な奉仕団体である「ロータリークラブ」では特に四大奉仕を
掲げています。不真面目ロータリアンの私が言うのも可笑しいですが、
その2番目は「各自の職業に誇りと自信を持つように努め、品位ある
営業を行い、それを通じ人々に奉仕しましょう」(職業奉仕・要約文)
となっています。

自らの仕事を熱心に行うこと、それ自体が社会への奉仕ともなっている、
ということでしょうか。

ロータリークラブの徽章(マーク)は「歯車」をデザインしたもの
ですが、今回のご質問と不思議な符合も感じます。


就職も含めて人生そのものに前向きになってくださることを期待します。


ロータリー表紙


横山国男

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2007年02月23日(金)更新

土鍋炊飯器とウオッシュレット

年末に比較的高価な買い物をしました。上にあげた二つですが、
「土鍋炊飯器」は初めて使うもの、「ウオッシュレット」は
二代目です。

先に「ウオッシュレット」ですが、初代は25年使い、最近不具合
が続くので、思い切って入れ替えることにしました。
ノズルなどはレバーを手で操作するタイプのもので、入れ替えに来た
工務店の若い人が「へー、初めて見た」と言う旧式のモノらしいです。

「らしい」というのは、それほど不便とか時代おくれなどと思った
こともなかったからですが、「ウオッシュレット」に関する限り、
フタの開閉が自動になったり、操作がタッチパネル式へ、シャワーの
強弱がよりデリケートになったりしたぐらいの変化のように思います。

いわばより電化されたのですが、ストーブなどと同じように故障のリスク
はより高くなったのではないでしょうか。

マライア・キャリーが日本でなにより感心したのは「ウオッシュレット」
だったという話があります。上海では「マック」のトイレですら、出てきた
ときには「顔面蒼白」だった家内が今のところ一番ご満悦ですが。


「土鍋型炊飯器」は予想通り孫たちにも大人気です。
特に「雑穀米」のご飯、それを「おにぎり」にしたもの、その「おにぎり」
も時間が経っても白米のような「団子状」にならず冷たさも気になりません。
「おこげのおむすび」も「焼きおにぎり」にしても二人の孫が歓声をあげて
食べます。

「ご飯党」の支持を得て、値が張りますが最近のヒット商品というのも
頷けます。


ところで最近の小学生と保育園に通う二人の孫(男)の猛烈な食欲には驚かされ
ます。20年「パン・ケーキ」を作ってきた家内が呆れるほどよく食べます。
それでも太る様子が全くないのは、「代謝」が活発なのでしょう。

この調子でもし「スナック食品」や「加工食品」を食べたら、と想像すると
怖いものがあります。微量ではあっても、添加物や残留農薬が小さな身体
に蓄積していくに違いありません。

「土鍋」で炊いた「雑穀米」や、良質の小麦で作った手作りのパンが彼らの
「身体」を造っていくのに役立つなら、「安い買い物」と言えるかも知れ
ません。

七穀米のおにぎり
七穀米のおにぎり

手作りのパン
手作りのパン ~カンパーニュ~

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
横山国男

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2007年02月14日(水)更新

金継ぎ(きんつぎ)・・リサイクルについて

江戸ブームですが、江戸は「環境リサイクル」という点でも
素晴らしかったようです。

大掛かりな装置でペットボトルから糸を「再製」するような
現代とちがって、「エネルギー」を殆ど使わないリサイクル
・・「修理・再生」が中心です。

古着屋、紙くず買い・拾い、いかけや、たが屋、下駄の歯の
入れ屋、傘の古骨買い、瀬戸物の焼き継ぎ屋などがあったようで、
一部は近年まで残っていたものもあります。

私の中学生時代は「厚歯」の下駄で通い、減ってくると下駄屋
に持っていって入れ替えてもらいましたし、母は茶碗を欠かした
時でも少しいいものは「焼き継ぎ」に出していました。



「修理」といえば先日食事した近所の和食屋さんで、食べ終わった
織部風の小皿に「金継ぎ」がしてあるのを見て、ご主人に「珍しい
ですね」と言うと、なんと自分で修理したとのこと。

皿1       


皿2


「本漆(うるし)だとかぶれるので、カシュー(人工漆)で
やったんですよ」。 こちらが興味深そうに眺めているので、
忙しい時間帯なのに、他の修理した小鉢や皿なども戸棚から出して
見せてくれました。どれも純金を使ったプロの修理法に近いもの。

物やサービスが豊富になり、修理するより買ったほうが安いと
「使い捨て」が当たり前になって「ものを大切にした日本人の
美徳」が喪失したといわれていますが、上手な「金継ぎ」などは
それ自体が新しい「景色」となって心を和ませるものです。

次は「再生」のお話。
このお店は2年ほど前、近くの民家を「京の町屋」風に改装再生し、
移転したのですが、去年の夏八畳の部屋に「油団(ゆとん)」
という古い「大福帳」や和紙の古紙をニカワと植物油で固め、オカラで
磨き上げる敷物(越前和紙の産地、福井ならではの夏の敷物、今は
ほとんど見かけません)が敷いてありました。

傍らの家内に「これがいつも話している“油団”だよ」と講釈して
いると、お茶を持ってきたご主人が嬉しそうに笑って「名前を知って
いたのはお客さんが初めてです」。まだ若いご主人と一足飛びに友達に
なったような気がしました。

(お店の名は“泰平”。福井駅より徒歩10分。下のズボ蟹も)


【御食国(みけつくに)福井の食べ物】

              
ズボ蟹    


ズボ蟹。水蟹ともいいます。ズワイと
違い、甲羅の部分は食べません。              
端から2,3センチの所を「パキッ」と
折り、引き出すとたっぷりとした、
美しい蟹の身が水を滴らせて・・。
今の季節だけのおいしい蟹で、バカ
高いズワイより好きという人も。
              

横山国男

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2007年02月13日(火)更新

早く観たい! 映画「世界最速のインディアン」

 映画評論家の「おすぎ」さんが、先日TVで「世界最速の
インディアン」という映画を激賞! 花丸していました。
もうご覧になった方もおられるでしょう。

(大都市では観れるようですが、こちらではまだ公開されて
いないのです。)


いわずもがなですが、ここでの「インディアン」とはアメリカの
原住民のインディアンではなく、有名なオートバイの方。
(我々の年代では“バイク”ではなく“オートバイ”。写真の
箱には“MOTORCYCLE"とあります)。

オートバイとそれに魅せられた実在の人物“バート・マンロウ”
のお話だそうで、監督のロジャー・ドナルドソンは30年間この
企画を温めていたとか。 製作費は日本の出資と聞きました。


車もバイクにも詳しくありませんが、3年ほど前、近所に出来た
「アンチックと古着」の店を覗いたら、スカイブルーの色が
あまりにきれいなオートバイのモデルがあり、思わず「これ、
いくら?」とアイヌの「アツシ」のようなものを纏った「女主人」
に聞きました。

「二千円ってとこかな」「えーっ、ホント?」嬉しくなって買って
帰ったのがこれ。 名車「インディアン」です。




「模型の写真 1/6スケール」




「ホントに安かったな。 あのオバチャン勘違いしたんじゃ・・」
と思いつつ、家でよく見ると一部はダイキャストですが、大半は
プラスティック、製造も1987年で「MADE IN CHINA」とあります。
とてもアンチックなどといえるものではありません。


でも気に入っています。C.G.でデザインしたものにはない何か手の
温もりがあります。アメリカじゃ白バイにも使われていたような。
どなたか「何年型モデル」か教えてくださると嬉しいですが。


いくつになっても、このようなモノに男はトキメクもの。そうで
なければ「ハーレーダビッドソン」の購入者の大半が、50,60歳代の
「オジサン」である、との説明がつきません。

         ・・・・・・・・・・・・・

 肝心の映画の話ですが、主役のマンロウに、大フアンである
サー・アンソニー・ホプキンスとのこと。

“羊たちの沈黙”“ハンニバル”など猟奇的な役や、異常な役柄で
知られてますが、「日の名残り」での名演や、「永遠(とわ)の
愛に生きて」などは深夜に居間のTVで観て、周りに誰もいないので
ボロボロ泣きました。ラストの美しい風景も心に残ります。

 この映画ではまた新しい境地を開いて見せてくれるようです。

1930年代に、流線型で空気抵抗を極限まで減らした「インディアン
スカート」という卵型のオートバイで、今でも破られていない
時速305.89キロという「世界最速記録」を樹立した男、そのとき
既に68歳。

この魅力溢れるマンロウのまわりに「本当にいい女たち」(おすぎ)
がからむそうなので、これも楽しみです。

横山国男

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2007年02月09日(金)更新

TV番組:倉敷のジーンズVS福井のメガネ

昨夜の「ニッポン旅X旅ショー」(NTV系)という“旅・グルメ”
番組は、低価格・大量生産に抗して頑張る「日本の職人さん」が
見られて楽しいものでした。

おそらく今朝から「私も欲しい!」「食べたい!」というわけで、
工場やお店の電話が鳴りっぱなしになるのではないでしょうか。

ただ意外というかやっぱりというか、岡山のジーンズはともかく、
福井が全国の「日本製眼鏡」の90%以上を製造していたとは知ら
なかった、とスタジオにいたタレントさんも言っていましたね。

それは無理の無いことかも知れません。メガネにはブランド名
(ほとんどがライセンス)しか入っていませんし、箱やケースの
表示は「MADE IN JAPAN」とあるだけですから。

番組では「素材、デザインから個人オーダー」という福井の会社
が紹介され、後日送られてきた「メガネ」に感激しているタレント
さん、スタジオの他の人も「私も作りたい!」という嬌声が飛び
交っていましたが、まだこのような会社、工房が多いわけでは
ありません。

地場産業としての「眼鏡産業」は最盛期の三分の一ぐらいに縮小
したのではないでしょうか。ほとんどが中国へ移ってしまいました。
その結果、生き残りの一つの形態として上記のようなアトリエ的な
企業や工房が出現しはじめているわけです、


ジーンズもよく似た環境にあるのではと思います。勿論ストーン
ウオッシュやサンドペーパーでのユーズド加工などはすぐ中国へ
もっていかれてしまいます。次々と考えなければならないのですから
シンドイ話しです。

壁崩壊以前の共産圏や市場解放前の中国では、ほとんどジーンズ姿
は見られませんでしたが、今やモスクワ、上海では、老いも若きも
ごく当たり前のようですから、開拓時代のアメリカの金鉱堀りの
作業服・・「ジーンズ」は「アメリカ文化」の中で「COKE」とともに
最も成功したものの一つでしょう。
その生地の量はハンパではありません。

        ・・・・・・・・・・・・・・・

当社専務でデザイナーのハマちゃんがお遊びでジーンズにプリント
して提案したら、「インディーズ系」のアパレルの目にとまり、
けっこうご注文を頂いています。現在リニューアル中のサイトを
オープンする時はちょっと力をいれてみたい、と思っています。


ジーンズ写真2


ジーンズ写真3



横山国男

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