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2009年03月17日(火)更新

財務諸表は役に立つか

当社のウエブサイト構築でお世話になった会社の社長から、不定期にメルマガを
頂きます。先日「目からウロコだった」と推奨されている『世界一利益に直結する
「ウラ」経営学』(アスコム出版@1400-)という本を買って読んでみました。

『世界一利益に直結する「ウラ」経営学』(アスコム出版@1400-)

この本は作家・ジャーナリストの日垣隆氏と経営コンサルタント・税理士の岡本吏郎
氏との対談をまとめたものです。

その中に「頭のいい人は財務諸表が役に立たないと知っている」という章があり、
次のような会話が出てきます。

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日垣さんが、「どうも世間では財務諸表を読めるようになったらビジネスや経営に
生かせるものと思っている人が多いようです」との振りに、
岡本さんが、「現在の中小企業の会計に関して言えば、申告目的だけですね。
中小企業の会計は、ほとんど税務会計でしかありません。ですから税務会計の
基準で作られた決算書なんてあまり経営の役には立ちません」。

続けて
「だいたい読み方がわかったところで経営がわかるわけでもないし、数字のセンス
がよくなるわけでもない。経営は身体感覚なのですから。もともと数字のセンスの
ない人が会計の道具として使うということを考えた場合、財務三表というのは最悪
です。難しくて使いこなせるわけがありません。
子供を見ていても、生まれつき数字のセンスのある子とない子との差は明らかです。
苦労して努力しなくても、できる子はスッとできる。幾何学など、みんなが10行くら
い使って行う証明を、3行くらいで簡単に解いてしまう子もいます。
数字のセンスというのは人さまざまで、「こうしたら良くなる」というのはありません。
その人それぞれに合った数字の見方というのがあり、それは言葉にするのは非常
に難しいのですが、自分なりにきちんと数字をとらえられる人は自営でやっていける
人なんです。「決算書が読めれば資金繰りはラクになるでしょうか?」「経営分析が
できれば、悪化している経営を立て直せるでしょうか?」とよく聞かれますが、残念
ながらそんなことはありません。

日垣=決算書が読めて経営がうまくいくなら、会計を勉強した人はみんなお金持ち
になっているはずですね(笑)。 <後略>

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私は数学が苦手でした。しかし当社の優秀な税理士さんが言うことでも「なるほど、
そうですね」と聞いてはいますが、従わないことも結構あります。
それは、会計上あるいは決算上はそうしたらよいと思うことでも、経営上の判断は
また別の考えがあるからです。

設備投資などのタイミングは、経営者にしか分かりませんので、よほどリスキーで
ない限りは私の考えを実行してしまうこともあります。
言いかえれば会計士・税理士さんは、数字から見た助言をして頂ければそれで
いいと思いますし、それはそれで冷静な経営という点でも大切なことです。
ただ小さな企業では社長は毎日「会社がどういう状況にあるか」なんてことは
あらためて数字を見るまでもなく肌でわかっているものです。

間もなく31期目の決算となるのでそんなことを考えました。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
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http://www.yosakoiya.jp/

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