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2009年02月04日(水)更新

「目下の一大事」・・禅師の言葉から。

数年前、しばらく講話をお聞きしていた曹洞宗松野宗純老師からいただいた
「近ごろ思うこと」(PHP友の会会員向け)という小冊子を久しぶりに読み返して
いるところです。

「いま、ここ、われ」と題されたエッセイの一部をご紹介します。

『・・「無常を観ずべし」。道元禅師は言われた。世の中のあらゆる現象は、常に
変化している。この事実をしっかり見つめよ、ということだ。
決して人生のはかなさを説いているのではない。むしろとてつもなく前向きな考え
方であり、真理である。
なぜ前向きかといえば、無常を体得するとは、いまをよく生きることにほかならない
からだ。禅の教えをシンプルに表すと「いま、ここ、われ」となるが、それと表裏を
なすのが無常観の体得といえる。
私たちは「いま」を生きていると同時に「ここ」にしか生きられない。そして、こうして
いる間にも、刻一刻と時は過ぎていく。だから昨日を悔い、明日に不安を持つ前に
「いま」を充実させることが先決で、それが実り多き人生の足跡となる。
すなわち、いまとりくまなければならない仕事があれば、それに打ち込むことだ。
食べるときは食べ、眠るときは眠ることを目下の一大事とするのである。
無常の中に生かされていることを知り、「いま、ここ、われ」を楽しむ。それが心を
養う秘訣だ。』

どうでしょうか。頭では理解できてもなかなかこのような心境に達するのは難しい
ものですね。しかしすべてのものが移ろいゆき変化していく、その変化の中から
また新しいものが生れてくる。・・・とゆったり考えればよいのではないでしょうか。

「百年に一度云々」といわれるような、経営する人にも、そこで働く人にとっても
不安な昨今、老年にさしかかるある時期、こういうお話が聞けたことは私にとって
得難いことの一つだったと思っています。

横山国男

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