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2008年06月09日(月)更新

2億円!の腕時計。

先週末は所用があって京都のD百貨店へ。

全店「割引セール」の最中でしたが、公務員のボーナスもまだでしょうし、このところ
全国の百貨店の売り上げは、対前年比マイナスが続いていますから、心なしか
静かな感じ、消費に元気がないようにも見えました。

夕刻、カナイが地下の食品売り場へ行くといいますが、このごろはすぐ疲れて、
とても付き合う気持ちになれず、中吊り広告で盛んにPRしている「世界の時計
フエスティバル」の催事会場を覗いてみることにしました。

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これだけのブランド(40あまり)が集まると、さすがに「世界の・・・」をつけても納得
ですが、価格は数十万円代は少なく、数百万円から千万単位のものも結構あって
はなっから目の保養、よい仕事を見せてもらういい機会くらいのつもりでしたから、
値段にはビックリもしません。

しかし一番奥まったショウケースの上に、さらに2点だけ別のケースに収まっている
2つの腕時計は、000,000、・・・とタグのお値段の0を数えているとナント2億
ウン千万円。もう一つも一億円以上。さすがに驚きました。

「フランク・ミュラー」の究極の機械式時計で、宝石は使っていますが、宝飾時計
ではありません。「拝見サセテイタダキマシタ」というのが正直な感想でした。
時間があれば手にとって見たい、「持ち重り」も味わいたかったのですが、ともかく
人類が作った最も小さい機械の中で最も高価なものかも知れません。

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勿論国産の高い評価の時計もありました。おなじみの「グランドセイコー」それに
カシオの「Gショックシリーズ」、今回シチズンがマンを持して発売した「カンパノラ」の
ミニッツリピーターとパーペチュアル。30万円前後の価格ですが、これがもし完全
機械式だとゆうに2千万はする、という日本の時計技術の粋を集めたものらしい
です。(クオーツ等を使っているから安く出来るというわけ?)。

同じシチズンなら「経営者会報」の裏表紙にここのところずっと広告が出ている
「ザ・シチズン」(21万円)が「上質」を感じさせて精度、デザインとも私には好感が
もてます。

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時計のメカ(心臓部)ともいえる「ムーブメント」にクオーツ(水晶発振子)を使って、
一時は世界を制覇する勢いだった「日本の時計メーカー」は、量産とコストダウン
の繰り返しの中(最後は1個100円とも)途上国のコピー製品にまで組み込まれて
苦境に追込まれました。一方崖っぷちに立たされたスイスのメーカーは機械式と
意匠にこだわることで息を吹き返しました。日本の産業の未来を暗示する好例で
すね。(私も友人から5000円で譲り受けた「中国製ヴァシュロン・コンスタンタン」
を持っています。嵌めはしないのですが、あまりにもよくできていて、“日中産業
戦争の敗戦記念品”として机の上にあります)

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大概の男なら「車と時計」には興味があるでしょう。時間もよくわからない女性向
「宝飾時計」や「宝石」などにはピクリとも反応しないのは、要するに「メカ」がない
から。
少年時代にラジオや目覚まし時計を分解してしまった経験者も多いはずです。

私も時計好きなほうで、10個ばかりありますが、どちらかといえばメカよりデザイン
の面白いもの、服装との連想(TPO)から買うので値段の高いものはあまりありま
せん。
熱心にショウケースを覗きこんで、あるいは販売員と話し込んでいる老若男女の
お金持ちお客さんたちを横目に会場を後にしました。
比較的安い方のものでも、とても手が出る値段でないことは勿論ですが、機械式
は面倒な方だし「時計マニア」でなくてよかった、と思いました。
こういうのを負け惜しみと言うんですかね。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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