大きくする 標準 小さくする

2008年02月20日(水)更新

監督官がやってきた!

「監督官がやってくる!」という本があり、広告で見かけたときちょっと気になったの
を覚えています。(福田秀樹著@1365円日労研)

“わが社の労務管理はきちんとしているだろうか”ということですが、なにしろ「署」の
つくお役所ですから、「監督官」といういかめしい職名とともに、もし調査などという
ことになれば、なんとなく「嫌だなー」という社長さんは結構多いと思います。

「保健所」や「00事務所」の「所」と違い、泣く子も黙る「警察署」や「税務署」と同じ
【労働基準監督署】・・・「署」ですから。
特別やましいところがなくても、道端に警官が立っていれば、どなたでも一瞬「スピ
ードメータ」を見たり、「シートベルト」を確認してしまいますよね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

監督官がやってきました!。設立30年で初めてです。
私が不在のときに一度来られて、名刺を置いてゆかれ、応対した社員に「社長さん
に電話を下さるよう」と伝言がありました。

「どのようなご用件でしょうか」「一度お伺いしてお尋ねしたいことがあります。
外国人は勤務されていますか?超過勤務(残業料の支払い)についてはどのよう
にされていますか?」

研修生も含め、外国人を雇ったことはありませんが、残業については「三六協定」
をきちんと「就業規則」のなかで整備しているかどうか、製版作業で接着剤(有機
溶剤)を使用するので、「特殊健康診断」を義務付けられていますが、そういえば
昨年実施していなかったのでは、と不安になりました。

「税務調査」は、過去何度か受けていますし、もしいきなり税務官が来ても、とり
あえずお願いしている税理士、会計士さんに連絡をするのが普通だと思います。
(今までの調査はすべて会計事務所を通じて連絡がありましたが)
このような「監督署」関係は、お願いしている「社会保険労務士」さんへまず報告
して、事前に精査、準備をするべきなのでしょうが、あえて連絡せず、現状ありの
ままを見ていただいて、是正をうける事項があればきちんと対応することにしまし
た。

「給与台帳」「タイムレコーダー」「就業規則」など書類のチェック、工場内の「有機
溶剤取り扱い注意」の掲示板、「作業主任者の受講票」など、かなり厳密に調べて
最後に是正すべき点を3項目ほど、「いつまでに出来ますか」とお尋ねがあり、
「年末・年始が入りますので1月末まででよろしいでしょうか」「結構です。それでは
お願いします」となりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当社のお願いしている労務士さんはとても優秀な方で、信頼していますが、
「監督署が来ましたよ」と電話すると「調査はいつですか」「いえ、もう終わりました」
「えーッ、それで何て言われました?是正の報告書置いていかれたでしょ、すぐ
FAXしてください」。

FAXすると折り返し電話がかかり「1枚ですか?これだけですか?」「はい」。
会社によっては4~5枚になることも珍しいことではない、とのこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

特別素晴らしい「労務管理」をしているわけでもありませんし、残業については、
中国などへの生産移行で「残業しなくてはならないほどの仕事が欲しい」ような
状況が続いている業界ですから、「違法」など最初からあまり頭にありません。

「税務調査」などもそうですが、あまり泥縄式に「策を弄する」のは、かえって
調査官のフアイトに火をつける場合も多いのでは、というのが私の30年の経験
から思うことです。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/