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2007年02月02日(金)更新

“雪吊り”は空振り?

とうとうまったく雪が降らないまま2月に入ってしまいました。
昨日1日から少し雪模様ですが、今冬は記録的な雪の無い冬として
記憶されることになるかもしれません。


実際はそうでもないのですが、福井というと過去に「豪雪」で全国に
知れ渡ったので、大阪などから来社される人は「拍子抜け」した
ような気になるようです。

昨年は全国的に厳冬でしたが、正月休みの間に40センチ程となり、
5日の仕事始めにあたって「除雪車(ショベルカー)」を手配して、
会社の前の道路や駐車場を除雪、道路際の塀沿いに積み上げて高さ3m
ぐらいの雪の山脈が出来ましたが、(その後もう一度除雪)今年は
ご覧のとおり何もありません。

駐車場写真

ここ数年、降雪が少なかったので、費用もかかることだし、昨冬は「雪吊り」
をサボったところ、ハズれて大雪となり生垣や一本しかありませんが
社屋を建てた時に父が運んできた「松の木」が被害を受けたので、今冬は
12月早々に「雪吊り」を業者さんにお願いしたのです。
しかし空振りということになりそうです。もう明日は節分ですから。

雪吊り

湿気を含んだ重い雪のときは、「雪吊り」がないと「庭木」が傾いたり、
枝が折れたりして無残な様相となります。
車窓から見える野山の木々も幹が割れて白い肌を見せているのは心痛むものです。
(枝打ちなど里山の手入れをしなくなったからでしょう)

金沢の「兼六園の雪吊り」などは見事なもので、冬の風物詩としてよく写真などで
ご覧になると思いますが、雪国では一般の会社、家庭でも普通の冬支度として
行われてきたものです。

資材に使われる「縄」や「ムシロ」は、昔は農家の冬仕事だったので、子供の頃
いとこの家へ行くとよく囲炉裏のそばで一家で「縄ない」をしている光景に
ぶつかりました。

しかしこの辺の近隣農家でも今は見られなくなりました。ビニールひもや
ブルーシートに置き換えられたのでしょうが、「雪吊り、雪囲い」は
やはり「縄・莚(ムシロ)」の方が風情がありますね。

そんなのんびりした話しより、「雪」は高齢者社会にとって新しい脅威となり
つつあります。
老夫婦ふたり、あるいは老人の一人暮らしの家にとって「雪」は恐怖になり
ます。身体が不都合になると玄関先の30cの雪の始末にも苦労するでしょうし、
ましてやしんしんと屋根に積もる「音なき雪の音」はどんなに不安で心細いこと
でしょうか。
戸建ての家を処分し、マンションに入る知人も増えてきました。

市役所などではこのような家庭の「雪下ろし」などに業者、ボランティアの
手配の仕組みを作っているようですが、多いときは一晩に40c~も降り、
それが何日も続いたのが「38豪雪」、「56豪雪」だったのです。
でもその頃はまだ若い人たちも多く、地域の絆も強いものがありました。

「温暖化」もこの点に関する限り救いとなっているのかも知れません。

横山国男
http://www.yosakoiya.jp/
http://www.echi-zen-art.co.jp/

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