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2007年12月21日(金)更新

「百姓」と名乗る古野隆雄さんに感動しました。

「自分の仕事は自分でおもしろくする」 百姓 古野隆雄

現在、事務局から「今年一番感動したブログ」の投稿募集があるようです。ブログ
ではないのですが、人間学を学ぶ月刊誌を標榜する「致知」(致知出版社)10月号
に「人生の大則」と題されたインタビュー記事があり、、ここにもこんなに素晴らし
い日本人がおられることを知り、感動しました。

古野隆雄さんをご存知の方は多いのでしょうか。私は恥ずかしながら知りません
でした。「アイガモ農法」の権威です。平成12年スイスのシュワブ財団より「世界で
最も傑出した社会起業家」の一人に選出され、「ともに考え、ともに学ぶ」という
信条で中国やベトナムをはじめ、その国の伝統農法を大事にしながら、農薬や
化学肥料を使わずに、アヒルやアイガモに働いてもらって完全循環型の農法を
広めている「日本の百姓」です。(昭和50年九州大学農学部卒)

古野さんのプロフイルの肩書きには堂々と「百姓」と書いてあります。
「百姓」。・・・今の日本ではあまり名乗りませんね。いわく「農業」とか「農家経営」
とか書いてあるケースが多いように思いますが、古野さんは以下のように述べら
れて、誇り高く「百姓」を使われます。

『私は百姓なんですよ。アイガモ農法が有名になったから米ばかりつくっている
ように思われますが、あらゆる野菜もつくるし、カモや鶏を飼って畜産もします。
百姓は百の作物をつくるという意味と同時に、山の手入れもするし、土木の仕事
もするというように、百の仕事ができる、要するに何でもできるという意味でもあり
ます。本来人間はみんな百姓で、すべての仕事を自分でやっていたんです。
それがすべてお金を出して人にしてもらうようになり、農家ですら単一のものだけ
を大量生産する世の中になった。百姓百作が農業のおもしろさだと思います』。

インタビュアーが ― 自分で自分の仕事をおもしろくする努力が人生で大切な
ことだといえそうですね。 に答えて、
古野『それをやり続けられる人をプロと呼ぶのでしょう。そのためには一度始めた
ことは簡単に諦めないこと。そして一日一日をよく生きることが肝要だと思います』
『一つ問題を解決すると、また一つ問題が出てきます。でもそうやって技術の
“井戸”を掘り続けることが、自分の仕事をおもしろくするのではないでしょうか。
私がアイガモ農法を追求してきたのも、世のため人のためというよりは、自分の
仕事をおもしろくしたかったからだと思います』

アイガモ農法を知るまでは、朝4時に起きて、炎熱の中、地を這うようにして一日
中草を取るが、一週間後にはもう別の草が生えている、という過酷な農作業の
繰り返しの中、「いつか必ず無農薬でやれる方法は見つかる」という根拠はなか
ったけれど自信があったと述べておられます。

記事には古野さんのカモを持っている写真がありますが、こんなにいい顔をした
日本人を最近見かけません。読む人に「仕事」とは何かを「謙虚」に、そして力強く
教えていただいたような気がしました。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
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