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2006年08月31日(木)更新

男は強く―可愛い孫には旅をさせよ

小学校2年生の孫(男の子)が、福井から横浜のお父さんの家
(娘婿の家)へ、一人旅をしてきました。彼にとっては夏休み最後の
大きな思い出だったことでしょう。

3日前の朝、元気に小松空港のゲートを通り、機内では希望した
窓側の席、わずか1時間ほどの空の旅をして、羽田で向こうの
祖父母が待っていてくれた、というわけですが、ものおじしない
のできっとスチュワーデスさんとオシャベリも楽しんだことでしょう。

初めての一人旅はどんな感想だったのか、聞きたいと
思っていましたが、ゆうべ私のところへちょっと顔を見せてから、
両親とご飯を食べに行ってしまいました。

快活でものすごく食べますが、お腹はいつもペシャンコ、私から
みると羨ましいくらいですが、新入生の夏の頃、どうやらちょっと
イジメにあっているのでは、と思うことがありました。

ある日、学校から100mほどの田んぼ道を、5,6人のグループで
下校してくるのを生垣の陰から見ていると、孫はグループから
2,3m後ろをふらふらと歩き、ときどきなにか言っているようです。
すると前のグループから一人が孫に近づき、何か言い、孫を田んぼの
方に押したり、他の子もそれを囃したりしているように見えます。

そんなことを2,3度見た後、素知らぬ振りで、しかし単刀直入に
「誰かいじめる子がおるんか?」と聞きますと、はっきりした返事を
しません。「どうだ、空手やるか」「うん、やりたい」。
ずいぶん飛躍した乱暴な話しのようですが、要は男は本能的に
「強くなりたい」のです。姉ばかりの中で育って、ガキ大将が
眩しかった私にはよくわかります。

あれから一年、入門祝いに買ってやったときはダボダボだった
空手着も、度重なる洗濯で縮み、体も少し大きくなって、サマになって
きました。子供の世界もいろいろあるようですが、どうやら
一つの関門をくぐりぬけつつあるようです。

「黒帯まではやめないこと」「乱暴しないこと」が約束です。
生島ヒロシ氏が、アメリカ放浪中金がなくなり、空手の指導で生活費を
稼いだという話しが週間誌に書いてありましたが、「芸は身を助ける」
一例かもしれません。


横山 国男
http://yosakoiya.jp
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