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2010年06月15日(火)更新

逆鱗に触れる

『逆鱗(げきりん)とは、伝説上の神獣である「竜(龍)」の81枚の
鱗(うろこ)のうち、あごの下に1枚だけ逆さに生えるとされる鱗のこと
をいう。「竜」は、元来人間に危害を与えることはないが、喉元の「逆鱗」
に触れられることを非常に嫌うため、これに触られた場合には激高し、触れ
た者を即座に殺すとされた』・・・(Wikipedia)

出典は「韓非子」なので、君主と臣下との間の事柄として用いられるよう
ですから、現代においては「課長の逆鱗に触れた」などは誤用でしょう。
せいぜい「社長の逆鱗に触れた」くらいが適当な表現かも知れません。

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「逆鱗に触れた事例」として、千利休の自刃が痛ましく思い出されます。
太閤秀吉から、思いがけず理由も定かではない不興をかい、切腹に追い
込まれるその辺の真相は謎とされていますが、公表された二つの罪状の
他に、秀吉の側近として振る舞ったことが、関白秀吉の武将間で進行した
権力闘争に巻き込まれたという見方もあるとか。

秀吉の茶頭(さどう)にまで登りつめた利休は、従軍もしているようで、
秀吉から下賜されたと言われる立派な鎧兜が表千家に残っています。
実際には戦闘に加わるというより、陣中にあって茶の湯が武将に一時の
慰安と命の再生を実感させる、というのが大きな役目だったようです。

それにしても、稀代の目利き・毒舌家で利休の高弟だった山上宗二も、利休
のとりなしで一時は秀吉との関係も修復されましたが、結局は耳と鼻をそが
れて斬首されるという、戦国武将の世界とはいえ、「茶の世界」とはおよそ
結び付かない残忍さです。秀吉の猜疑心のなせるわざだったのでしょうか。

現代のビジネス世界においては、殺されこそしませんが、それでも社主や
ファウンダーとか言われる人の「逆鱗に触れた?」と思われるような非情な
人事も時にはニュースになります。

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「茶を点てて飲む」という、日常生活の俗事のなかに究極の“美”を作り
上げようとした利休、その無念の最後は、“日本人の美意識”という形で
多くの茶道愛好家のみならず、「華道」などと共に庶民にも受け継がれ、
「クールジャパン」の本質を形作るものの一つとなったように思います。

最近、面白く読んだ「茶の湯」関係の本。

千利休 その人と芸術 山上宗二記(現代語全文完訳)
写真 <千利休 その人と芸術> <山上宗二記(現代語全文完訳)>

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2010年03月09日(火)更新

林望著 『節約の王道』 

日曜の夜、欲しい本があったので書店に行く。ついでに林望さんの『節約の王道』
(日経プレミアシリーズ)を買う。

帰ってPCでチェックしたら本体780円の新書版が、アマゾンのユーズドで250円、
『節約の王道』とは程遠いです。

節約の王道(日経プレミアシリーズ) 林望 著

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「なるほど」「あ、自分もそうしている、そう考えている」という点も多かったのですが、
例によって“あとがき”から先に読むと納得と自省の一文が書いてあります。

『・・節約というのは、いってみれば、そういうふうに生活すべてにわたって、まずは
「直視せよ」ということなのである。ほんとうに、こういう生活は合理的なのか、理性
的で文化的なのであるか、果たしてどこか間違ってるところはないのか、自分の
身の丈にあった生活をしているのか、無駄なことに無用の力やお金を使っていない
のか、そういうふうに無限に自省し、直視し、そして宜しからざるところあらば、悪し
きは廃するに躊躇せず、宜しく改むるに逡巡せず、それが言ってみれば節約の
王道である』・・・。

林望先生の風貌もあって、あとがきは夏目漱石を読んでいる感じですが、中身は
とても平易で楽しめる本でした。
節約を説く“哲学書”→780円は安い。本はいいですね。

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このブログで連載400回になりました。節目に、何か気の利いたことを書こう、と
思いましたが、そういうふうに考えるとブログも重荷になるのかも。

読んでくださる方に心から感謝申し上げます。







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2010年03月05日(金)更新

「藤田健吾!」生徒の一人が叫ぶ。「ハイ!」クラス全員が応える。

卒業式のシーズン。
諏訪中央病院の名誉院長鎌田實先生が『週刊ポスト3・12日号』に書かれた
コラム、「ジタバタしない」“泣きながら食べたロールケーキ”は涙なくして読めませ
んでした。(引用させていただきます)

要約すると、
藤田健吾くん(静岡)は、子供のころからサッカーがうまく、ヨーロッパ遠征にも
選ばれるほどだった。しかし、中学3年生で上咽頭がんを発病、その後もサッカー
を続けたが、07年10月9日、彼は17歳で亡くなる。

07年、静岡での鎌田先生の講演会後の楽屋を訪ねた健吾くんのお母さんが、
その後も先生と何度か手紙を交わすようになり、彼の死後発見されたブログの
「翼を失った鳥」の詩に、鎌田先生は、何とかサッカーを続けようと必死にもがいて
いる彼の姿が見えた、と書かれています。

そしてブログは<サッカー部の仲間は、永遠に僕の宝物です。本当にありがとう>
と結ばれていたという。

亡くなって5カ月後の卒業式も感動的だった。
職員会議で健吾くんの名を呼ばないという方針は決まっていた。
それでも幼稚園から一緒だったクラスメートは遺影を制服の中に秘めて入場。

クラス全員の名前を担任が呼び終えた瞬間、生徒の一人が「藤田健吾!」と叫ん
だ。これにクラス全員が「ハイ!」と応えた。
健吾くんの告別式のときに練られたという。   「健吾と一緒に卒業しよう」。

健吾くんが生きていれば、今年は成人式。健吾くんの友人たちは、3年経っても
彼を忘れていなかった。新成人で作る実行委員会は、成人の集いに、ご両親を
招待した。 という。

ご両親は、そのお礼に成人105名全員に紅白のロールケーキを配ったそうで、
鎌田先生にも手紙とともにお母さんから送られてきて、先生は泣きながらロール
ケーキを食べたとあります。

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話は変わりますが、今日の日経39面に、“景気低迷 高3生、袋小路”「大学断念
・・・就職も困難」という記事が載っています。
「今までにない事態」として現場の進路指導の先生が悲鳴をあげている、と。

素晴らしい健吾くんやその仲間たち、後輩が「社会に出られない」という現実。
私達が作ってきたもの、求めてきた社会とはこういうものではなかったはず、という
思いが私の胸を締め付けます。


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2010年01月13日(水)更新

『男おひとりさま道』、『今日よりよい明日はない』

年末、本屋さんで数冊の雑誌と本を買いましたが、雑誌の一冊は初めて手にした
「日経ビジネス Associe」。

特集として“ビジネスの地力を高める大人の教養&マナー2010”と表紙に大書
してあり、どうやら若いビジネスマン向けの雑誌のようです。

記事に関連する特別付録として、1年間で52の課題に挑む「教養促成プログラム」
という小さな小冊子がついています。(マニュアルと呼ぶべきか)

「懐石料理の店で食べる」~和室で懐石料理を食べてみる。座布団の座り方や
箸使いなど作法を守りながら、相手との会話や季節の食材を十分に楽しもう~
という風に、それぞれに解説および指南があります。

以下、「歌舞伎」、「文楽」、「友人とシェークスピアの演劇を観に行く」、「ワイン」、
「日本庭園」、「映画」、「オペラ」の観賞などと続きますが、読むべき本として
『カラマーゾフの兄弟』、『論語』、『古事記』、『徒然草』、『坂の上の雲』はともかく、
『方法序説』、『陰鬱礼賛』、『イスラーム文化』、『ブッダのことば』、
『ガリア戦記』、『二重らせん』、『新訳 君主論』・・・などなど20冊あまり。

驚きました。だいたい私には初めて聞く書名のものも何冊かあり、こうなると教養
以前の問題。 「ふ~む」と唸ってしまいました。

趣味欄は「読書」でなく、単なる「本好き」にしといてよかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一流ビジネスマンになるのも大変だな、「促成」であり「速成」ではいけませんので
ますますご苦労さまです。

エチケット・マナーも身につけねばなりません。うるさいスポーツとしてゴルフがあり
ますが、先輩からの教えは「エチケットとは人に迷惑をかけないこと。マナーとは
人を不愉快にさせないこと」。・・ビジネスでもまあこれくらいでOKでないかと。

これに、あと、問われれば(ここが大事ですが)、「熱く語れるものを二つほど」持
っていれば、若い人ならそんなに「無教養」ではないんではないか、と思った次第。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、勿論上のリストにはありませんが、正月休みに面白く読んだ本。

「男おひとりさま道」上野千鶴子 著(法研)

著者は還暦を過ぎた「おひとりさま」。著書『おひとりさまの老後』(2007年)は75
万部のベストセラーでちょっと読んでみたい気もしましたが、『男おひとりさま道』は
その続編です。 前期高齢者男子の私としては、ドレドレなにが書かれてあるのか
と思って読んでみました。

ちゃんと「おひとりさま」になる準備はできてますか?なんとも答えようがありません。
女性(カナイ)の方が平均寿命が長く、さらに歳の差が加わるので、私の方が「おひ
とりさま」なる可能性は小さいと思ってますが、先のことは誰にもわかりません。
このあたりの男女の心理、機微についても面白く書かれています。

一つだけ、「インターネット」について全くといっていいほど触れられていないのは
残念。老後の結構大きな「ヒマつぶし」「ボケ防止」にいいと思うんですが。


 もう一冊は大好きなエッセイスト・画家の玉村豊男さんの新書版『今日よりよい
明日はない』。

「今日よりよい明日はない」玉村豊男 著(集英社新書)

相変わらずエスプリの利いた、あっという間に飲み終え、いや読み終えてしまう
「好みのワイン」のような本。

本のタイトルになった、著者が20年前ポルトガルのある小さいホテルで働く若い
バーテンダーと交わした会話をご紹介します。
                  *   *   *
「いくつ?」 「21になりました」 「若いね」 「それほどでもありません」 「将来は、
なにになりたいの?」 「将来?・・・さあ、わかりません」 「若いんだから、夢が
あるでしょ」 「夢・・・・ですか。 とくにありません。 結婚して、子供をもって、平穏
に暮らせればそれでいいです」 「そういうもの?」 「ポルトガルには、今日より
よい明日はない、という言葉があります。 毎日を満足して暮らせれば、それで
十分だと思います」  --私(著者)にとって、この会話は衝撃的でした。今日
よりよい明日はない。そんな言葉をよりによって21歳の青年に教わるとは・・・。

本の帯には“人生80年時代、「すでに成熟した社会」の、今日を豊かに生きる!”
とあります。

 



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2009年10月21日(水)更新

ターゲットからパートナーへ

前々回のブログで、モノをつくる設備や技術、知識をもつ側(たとえば当社)が、
買い手(主に個人)や注文者の意向・企図をできるだけ実現してあげる、即ち
「モノづくり」から「コトづくりへの協力」の方向へ舵を切るには、作り手が「寄り添う」
といった感覚が必要なのでは、と「寄り添う」といった言葉を深い考えもなく使いました。

思いがけずブランディングをコンサルするクエストリーの櫻田社長様から
「同感です!」とコメントまでいただいて恐縮してしまいましたが、昨日入手した本
の目次に「!」と目にとまった項目がありました。

その本は、青木貞茂著「文化の力」(NTT出版 本体@1600-)で、繊研新聞の
評者の激賞があって買ったのですが、まだ少し読みかけたところです。

帯(コシマキ)に、“茂木健一郎氏絶賛!『時代を突き動かす衝動のど真ん中に、
「文化」の総合力を見る。卓越した論考は、現代における「マーケティングの新約
聖書」と呼ぶにふさわしい。読め。感じろ。そして、跳べ。日本人に大いなる勇気と
希望を与えてくれる本が登場した。』” とあります。

「文化の力 -カルチュラル・マーケティングの方法-」(NTT出版 本体@1600-)

どうなんでしょうか、まだ読了していないので責任は持てませんが。
昨年5月の初版ですから、すでにお読みになられた方もおられるかも知れません。

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目にとまった項目とは「ターゲットからパートナーへ」(P161)で、マーケティング
では対象とする顧客を「ターゲット(標的)」という言い方をすることがよくあるが、
これは戦争用語であり使うべきではない。顧客はシューティングの対象などでは
ない、と。  「顧客を撃ってどうする!!」

「マーケティング」を勉強したこともない人間(私)が、こういう外来語を軽々に
使うこと自体が「文化的」でないのでしょうが、それより浮かんだ言葉「寄り添う」
が「パートナー」という意味だとすればうまい具合に合致するな、と思った次第。
(これも英語ですが)

「ターゲットからパートナーへ」を意訳すると、「標的から同志へ」?、「標的から
連れ合いへ(そういえば女房は標的だったかな)」?・・ あまりピンときませんが。

ともかく「顧客をターゲットではなく、パートナーとして」のスタンス(また英語だ)で、
一度自社の「モノづくり」を顧客からの視点で考えてみたいと思います。






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