大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2009年12月28日(月)更新

「首里城」と「おばぁの家」

年の瀬も押し詰まってから、知人のTさん夫婦のお誘いで沖縄へ行きました。

Tさんは私とほぼ同年齢ですが、次々と事業を広げられてきました。私のような
モノづくりではなく、販売、サービスの業種です。

その前向きでバイタリティあふれる事業意欲には感心させられ、大いに学ぶべし
と思って友人と同行させてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なぜ沖縄かというと、Tさん夫妻のおそらく最後の「夢の事業」・・沖縄で農業(ある
種の果樹栽培)をやりたい、と。計画してきた事業が大分形になったので一度来ま
せんか、ということでした。

既存のビジネスはご子息二人に引き継ぎつつあり、気働きの素晴らしい元気印の
奥様と暖かい沖縄でこれからのセカンドライフを充実させたい。まだまだ「挑戦者」
でありたい。そんな風に私は感じました。「人は年齢で老いるのではない」・・ですね。

これからは今までのようなお仕事とは違い、天候や予測のつかない問題なども
発生する可能性のある仕事なので、リスキーな面もあるのでは、と思いますが、
そのあたりは織り込み済み、逆にそれも楽しむ、と思っているようにも見えました。

若い人たちからITの利用を学び、事業に活かし、成果を挙げさせ、そして自分た
ちの老後は今までと違った世界にチャレンジしてみる・・・柔軟な思考と体力、応分
の資金も必要ですが、Tさんにはどれも備わっているように思えます。

世の中、守りと委縮が目立つ昨今、他人ごとながら久しぶりにワクワク感を味あ
わせてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで沖縄へは何度も行きましたが、いつも仕事と趣味が合体して「紅型」(びん
がた)や「芭蕉布」などの染織を夫婦で見て歩くのが楽しみです。 
今回初めて見聞したことを二つ。

一つ目は「首里城」を時間をかけて見学できたこと。
かっては独特の文化を持ち、中国、東南アジアとの交易も盛んだった「琉球王国」。
首里城の他にも、各地に“城(ぐすく)”がありますが、太平洋戦争で破壊し尽くされ
た首里の「城塞と王宮」は、近年ほぼ復元されつつあります。

ただ、有名な「守礼の門」も含め、復元された建造物は時の経過をあまり感じさせ
ないものです。でもそれだけ沖縄戦が凄まじいものだった、ということでしょう。

那覇港のおびただしい「交易船」が描かれた南蛮屏風がありましたが、65年前、
これらの船が「米軍艦艇」に姿を変えたのです。終戦の決断の遅れは「沖縄」にも
大きな犠牲を強いたことになった、と絵を見て思いました。

守礼の門 首里城の玉座

二つ目は、念願だった「沖縄の古民家」を訪ねることができたこと。
Tさんの奥さんが「あら、見たいんだったら案内してあげるわよ。お友達のお隣が
古い家だから。でもおばあちゃんいるかなあ」

「おばぁ」はいました。TVや映画でもよく撮影の舞台になるそうで「○○さんもきたよ」
と幾人ものタレントや俳優の名を教えてくれました。

「おばぁ」自らの案内で家の裏にある今はもう屋根が落ちた「豚小屋」や、雨水を
貯め生活用水とした大きな石造りの天水桶(これも落ち葉でいっぱいでしたが)等
かっての厳しい暮らしを話してくれました。

築80年余りとか。曲がりくねった柱、沖縄独特の屋根瓦が美しく優しい。
『夏は涼しくていいんだが、冬は寒くて最近はとなりの息子の住宅におる』(おばぁ)

沖縄の美しい古民家

おばあちゃん、一緒に写真にはいってくれてありがとう。
Tさん御世話になりました。元気をもらいました。感謝です。


株式会社横山工藝 横山国男
染型工房横山工藝プリントのことなら
【染型工房 横山工芸】
オーダーよさこい屋お祭り、太鼓の衣装なら
【オーダーよさこい屋】

:::株式会社横山工藝:::
 オリジナル広巾生地の「染の布」布製品へのダイレクトプリント「PriX」
 横山国男社長ブログはまじい専務ブログ制作事例ギャラリー
:::オーダーよさこい屋:::
 2008年制作事例イージーオーダーのご紹介よさこい屋店長ものづくり日記
 スタッフ日記なおくま店長日記日と月・エチゼンニッキ / よしくま日記

2009年11月26日(木)更新

「JTB、国内200店閉鎖」・・今朝の日経トップ記事から。

今朝、日経本紙を開くと、旅行業界最大手のJTBが、11年度をメドに、全店の2割
にあたる200店の国内店舗を閉鎖する、というニュースがトップに出ています。

要するに店頭での旅行商品の販売落ち込みが、前年同期に比べグループ全体で
18%も減ったので、ということらしいですが、その原因は景気低迷ともう一つは
明らかに個人や小グループが「旅行社を利用しなくなっている=ネット予約や通販
で購入」するようになったのが大きな理由であることは間違いありません。

JTBも「ネット強化、商品倍増」へ大きく舵を切ることにした、とあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カナイが昨夕、シカゴの次女のところへ行く、といって小松、羽田経由で成田へ
向かいました。今日の午前の便に乗るためには前泊するしかありません。

今回初めて一人で海外へ行くことになったのですが、還暦に近く、あちこち具合も
悪いいわば「老婦人」がぜ~んぶ一人でネットで予約。「ビジネスシート」もゲット
して国内移動、前泊ホテル代も全て入れて往復10万円もかからないんだそうです。

9月ごろ「格安運賃チケット」をまず入手することからはじまった今回の「作戦」で
一つだけ狂ったのは、10月から「燃油サーチャージ」が復活して2万数千円を
余計に払うことになった、と言って悔しがっていました。(マイレージを利用して
「ビジネスクラス」へアップグレードするためには、格安航空券ではだめで、超早割
で発売される普通席のシートの一つを確保、その後格安航空券をキャンセルする
必要があり、新たに10月で購入に切り替わるからだそうです)。
いずれも、カード会員になっている必要はあります。

これらの面倒くさい(私などには)手続きを、次々とパソコンでシコシコやりとげた
カナイは、実は「ウェブ2.0」も「ユビキタス」も「CPU」もな~んも知りません。

私のように、インターネットってどういう仕組みになっているんだろう、とか、こんな
操作をしたらPCが壊れるんではないか、と恐れたりは一切しません。
携帯を使い倒し、長女にパソコンの基本操作だけ習ったあとは、お気に入りには
“猫ブログ”が列をなし「お買いものはラクだし、ネットって便利で楽しいわ」である。

当然、昨年夏から施行された「ESTA(米国入国に必要となった電子認証システム)
もJTBさんなどのお世話にならないのだから自分でネットで取得した。

これらの知識は“猫ブログ”の執筆者の中に、「ノウハウ」を持つ人たちがいて
そういう情報を集め、最適な組み合わせを、しかも格安で「旅行を自分で作る」と
いう「楽しみ」にまでしてしまった、ということでしょう。JTBさんの苦境も分かります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お母さん、シカゴ何時に着くの?」「えーと、○○便だから○○時」とか、昨日の朝
次女とパソコンに向かってしゃべっていたが、これも無料通話に近い「スカイプ」。

「コジローちゃん元気?」「ハイヨ」ってうちの猫の首っ玉押さえて、カメラを向けて
いました。

「へー、全部自分で手配したの? お母さんすごいジャン!」かって飛行機で仕事
していた次女が感嘆した我が家の「デジタルおばさん」は、今頃コンビニでおにぎり
買って、カウンターへ向かっている頃かも知れません。

完全に負けてる。


株式会社横山工藝 横山国男
染型工房横山工藝プリントのことなら
【染型工房 横山工芸】
オーダーよさこい屋お祭り、太鼓の衣装なら
【オーダーよさこい屋】

:::株式会社横山工藝:::
 オリジナル広巾生地の「染の布」布製品へのダイレクトプリント「PriX」
 横山国男社長ブログはまじい専務ブログ制作事例ギャラリー
:::オーダーよさこい屋:::
 2008年制作事例イージーオーダーのご紹介よさこい屋店長ものづくり日記
 スタッフ日記なおくま店長日記日と月・エチゼンニッキ / よしくま日記

2009年10月28日(水)更新

ガンバレ!「温泉」。

「温泉」は勿論嫌いではありません。私の居住地から30~40分も車で走れば
芦原、山代、山中、片山津など北陸の有名な温泉が続々とあります。

ただ、個人的な好みでいえば大きな「ホテル・旅館」より、部屋数が少ない歴史の
ある「旅館」がいいのですが、こういうところは「差別化」を計るようになったため、
総じて料金が高額になってしまいました。

しかし、「ライフスタイルの変化」や「温泉に何を求めるのか」がはっきりしない
まま、近年大きな「ホテル・旅館」はデザイナーなどを入れて部屋、露天風呂など
に多額の改装資金をかけ競争に走りました。・・そこへ不況が直撃。

「高級旅館・ホテル」の看板でも次々と経営不振に陥り、中には倒産やチェーン
形式の格安を売り物にする資本に買い取られたところも相次いでいます。
ゴルフ場なども同じですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな中、26日(月)は奉仕団体の「会員増強プログラム」で、大きなホテル旅館
で一泊の会合がありました。外装はホテルでも内部は素晴らしい和風建築。
細部までケチなところがありません。

20名のオジサンが集まりましたが、やはりこの年代にはこういう“正しい温泉宴会”
が今でも人気。「議題の主旨」は分かりきっているので、会議もそこそこに大広間
(広すぎる!)でのコンパニオンのお姉さんを入れた「宴会」へ突入。

会長の私が主張している“会員の融和”の為には「飲ミニケーション」も大事なのは
言うまでもアリマセン。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まだ忘年会シーズンには間がありますし、月曜日の夜なのでお客は少数でした。
宴会が始まると、「女将」がご挨拶に見えました。

「ようこそいらっしゃいました」と、おでこを畳にすりつけるようにお辞儀をされる。
足元をみたわけではないのですが、会員の旅行会社社長の紹介ということで
破格の料金。
こちらがおでこをすりつけなければならないのに、と一瞬恐縮してしまう。

何度かお会いしていますが、心なしか疲労が美形の顔に出ているような気が。
ま、よその心配をしている場合ではないのですが・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

地元銀行の友人と飲んだ時にこっそり聞いた話では、こんな状況では計算上では
債務償還年数80年になっちゃう貸付先もあるとか。孫まで返済に頑張らなくては
ならないのか、とちょっと暗澹。

「自分で作ったモノ」に苦しめられるというのは、今「国家」も同じですね。
女将のためにも(当社にも)早く景気が回復してくれることを祈るばかりです。


株式会社横山工藝 横山国男
染型工房横山工藝プリントのことなら
【染型工房 横山工芸】
オーダーよさこい屋お祭り、太鼓の衣装なら
【オーダーよさこい屋】

:::株式会社横山工藝:::
 オリジナル広巾生地の「染の布」布製品へのダイレクトプリント「PriX」
 横山国男社長ブログはまじい専務ブログ制作事例ギャラリー
:::オーダーよさこい屋:::
 2008年制作事例イージーオーダーのご紹介よさこい屋店長ものづくり日記
 スタッフ日記なおくま店長日記日と月・エチゼンニッキ / よしくま日記

2009年09月25日(金)更新

「田中本家伝来の婚礼衣裳」

連休に上信越へ行きましたので、一度見てみたいと思っていた長野県須坂市の
「田中本家」の収蔵館を観てきました。

田中家は享保19年(1734)の初代に始まり、現在の11代まで連綿と続く須坂の
豪商ですが、数多くの生活用品、衣装などが見事に保存されていて、特に私は
仕事柄「染織」に興味がありますので楽しみにしていましたが、その内「婚礼衣裳」
のデザイン、手仕事の見事さには特に圧倒されました。 

図録にある、元東京国立博物館染織室長・山辺知行氏の解説の一部と、写真を
転載してご紹介したいと思います。

田中本家伝来の婚礼衣裳

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<抜粋>
『・・打掛は幕藩時代には高級武家の女性のシンボルともいうべき礼装用の表衣
(うわぎ)であったのだから、一般には表立って用いることが出来なかったのは勿
論であったが、その点、田中家のような地方でも指折りの財力と家格を具えた
素封家=表向きは封土もなく封録も受けていない。でも諸侯と等しい、もしくは
それを凌ぐ財力のある家柄=で、藩主への御用金調達等によって士分の扱いを
受けて居た家であるから、このような上流武家階級の服飾がそのまま取り入れら
れることに何の抵抗もなかったことと思われる。・・』

『・・そしてこれ等は何れも当時の最高級品であるが、其処には金に飽かして、
その優越性を誇示しようといった過剰なきらびやかさもなく、むしろ全体に控えめ
で余裕のある品の好さが感じられる。これは田中家に代々受け継がれて来た、
「外」に対する自分の立場を顧みて「分を守る」という高い教養精神の現われで
あったと思う。・・』

松竹梅鶴亀模様打掛(三枚重ね)  黒龍紋地桐鳳凰模様打掛
紫鼠羽二重地染分け桜に貝合縫取模様振袖 花嫁花婿婚礼衣裳 白緞子地雲立涌菊鳳凰模様打掛 青緞子地松竹梅鶴模様打掛
白羽二重地羽衣に楽器模様打掛 黒縮緬地松竹梅四季の花模様振袖 黒縮緬地若松模様留袖(二枚重ね) 櫛、簪、笄、根付け、手絡

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夏は高温多湿の我が国、冬は豪雪地帯でもある須坂で300年近い時を経ても、
このようにそれぞれが新品のように保存されてきたのは「モノを大切にする」と
いう精神と、遮光及び吸湿・放湿の天然のメカニズムを持つ土蔵、そして和紙、
桐の収納箱など「保管に適した材料」の智恵とが組み合わさった結果でもあると
思います。

あらためて、日本の文化と先人の知恵、工藝技術のすごさを思い知らされますし、
英国ビクトリア&アルバート美術館のパトロンたちが驚嘆したというのも肯けます。

国宝のようなものはありませんが、そのほか玩具、器、駕籠など珍しいものが多く
建築、庭園も含め、一度お近くへ行かれたらぜひ覗いて見る価値は十分にあると
思います。


株式会社横山工藝 横山国男
染型工房横山工藝プリントのことなら
【染型工房 横山工芸】
オーダーよさこい屋お祭り、太鼓の衣装なら
【オーダーよさこい屋】

:::株式会社横山工藝:::
 オリジナル広巾生地の「染の布」布製品へのダイレクトプリント「PriX」
 横山国男社長ブログはまじい専務ブログ制作事例ギャラリー
:::オーダーよさこい屋:::
 2008年制作事例イージーオーダーのご紹介よさこい屋店長ものづくり日記
 スタッフ日記なおくま店長日記日と月・エチゼンニッキ / よしくま日記

2009年09月23日(水)更新

「渋滞」は覚悟してましたが・・。

シルバーウイークとかで20日から22日まで妙高高原(新潟、長野の県境)へ
「シルバーエイジ」の3夫婦で出かけました。
好天に恵まれましたが、紅葉にはまだ早い季節です。

福井から北陸高速を北上して、上越(直江津)で上信越自動車道を南下、妙高は
普段なら3時間半ぐらいで行けるところが、約5時間近くかかりました。

各地で渋滞したようですが、ここは上越⇔妙高間で数か所ある「対面通行」、即ち
追い越し車線のない一車線になるととたんに詰まってしまいます。
普通30分のところが1時間以上のノロノロ運転となりました。しかし普段の交通量
では支障がないようですから仕方ありません。

予想していましたので別にイライラもしませんでしたが、それでもせいぜい13キロ
ほどの渋滞、これが50キロともなれば私には耐えられそうもありません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

渋滞の車列の中にいるといろいろな発見があります。

① もうめったやたらにワゴン車やSUVタイプの車が多い。前も横もそのほとんど
  がそういう車で、乗っているのはファミリーと思われ、「パパは大変だなー」と。
② その他も軽自動車を含む小型車がほとんどで、観光バス、トラックもあまり
  見かけません。さらにベンツやBMWなど大型の外車には全くといっていい
  ほど出会わないのは、リッチな人たちはこういう時は出かけないのか、それと
  も電車か飛行機で優雅にどこかへ?
③ 合流するときはスムースに入れてくれてマナーがよい。またものすごく車が
  多い割には意外に事故車を見かけません。無理な追い越しはできないし、
  緊張して運転しているせいでしょうか。パトカーもほとんど見かけませんでした。
④ パーキングエリア、高速道のガソリンスタンドはどこもいっぱい。給油口まで
  30分以上かかったでしょう。サービスエリアの売店なども人で一杯。食べ物は
  「売り切れ」の張り紙ばかり。

 トイレと水を買うため2度ほど立ち寄りましたが、一気に我が家まで直帰しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前の日、ホテルでテレビを見ていたら、若いお父さんが「高速道路がどこまで行
っても千円なので、行けるところまでいってみようかと思ってます」なんてインタビ
ューに答えていました。

今は高速道路の付帯設備がすごいことになっていて、宿泊設備や温泉もあるし、
遊園地まがいの施設もあります。パーキングから下の海岸に降りられるようにな
っていて、夏なら海水浴など一日過ごせるような所もうちの近くにあります。

要するに「高速道路自体がレジャー施設」化しているんですね。

今回「現地集合・現地解散」で楽しんだ3夫婦とも高齢者の仲間入りの年齢です。
長時間のドライブもきつくなってきました。
この上「高速道路無料化」が実現するようであれば、家で本でも読むか近場で楽し
む「静かな連休の過ごし方」が合っているようです。
«前へ 次へ»