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2007年03月13日(火)更新

“魯山人の宇宙展”とダンディズム

日曜日に友人たちが、雪の心配のない滋賀でゴルフをやろう、と
いうことになり、仏像や寺、なだらかな丘陵地、曲がりくねった
街道の湖国「近江路」は、司馬遼太郎、白洲正子ならずともいつ
でも行きたい、走りたい所なので、即「OK」しました。

もう一つちょいと足を延ばして、京都のデパートで開催している
カワシマコレクション、紀尾井町の福田屋所蔵品が公開されると
いう「魯山人の宇宙展」も見たかったので前日から出かけることに
しました。

もうかなり前になりますが、東北新幹線「宇都宮」から、延々と
関東平野を陶芸好きの仲間とレンタカーで走り、「笠間」まで
「日動美術館」と北鎌倉から移設された魯山人の「春風萬里荘」を
観にいったことが思い出されます。

「魯山人」を知ったのは、魯山人が世話になり、またその焼き物
制作に大きな影響を与えたとされる、近くの「山代温泉」須田菁華
さんの店を家内と覗いたときからです。30年も前のことですが、
以来魯山人の作品が気になって仕方ありません。

生涯に、創ったり星岡窯で生産した膨大な焼き物は、一品制作、
床の間の置物とは違った「日用の器」が藝術にまで昇華された例
だと思いますが、類稀な絵や書に対する造詣と創作力、「食」に
対する貪欲な探究心などが相互に絡み合って「とんでもない」作品
の迫力、人間力を世に知らしめた昭和の芸術家の一人でしょう。

人物や作品などについて論評する知識も鑑識眼も持ち合わせて
いませんが、それより「大様な人柄」と言う点に大いなる魅力を
感じますし、作品そのものだと思います。

私には確たる「座右の銘」というものは無かったのですが、最近
ようやく「真善美」でイイカナと考えているところです。

それは「真」か、それは「善」か、それは「美」か、判断時の
フイルターというわけですが、私の小さなモノサシでは計れない、
とてつもなく大きな「真・善・美」を追い求めたのが芸術の魯山人
や山頭火であり、政財の吉田茂や白洲次郎などではないでしょうか。

「孤高」ともちょっと違う、もっと骨太で、対象・本質にぐいぐい
と迫り、「風評」など意に介さず、「美」や「プリンシプル」を
体現したこの「昭和の男たち」こそ、真の“ダンディズム”という
言い方がピッタリ似合うように思えるのです。

果たして「平成」からはどんな「本物の男」が出てくるのでしょうか。

パンフレット 春風萬里荘

左の展覧会図録から 春風萬里荘



横山国男
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2007年03月12日(月)更新

50年前の“The Saturday Evening POST"誌

写真は1954年11月13日発行の同誌です。(価格は15セント)
もう一つは'68年11月号の“Esquire”誌(1ドル)です。

2誌の表紙

どちらもアメリカを代表したグラフ誌。
当社の専務が「フィフティーズ」のデザインなどのために資料
として所蔵しているもので、数十冊あります。

POST誌にはまだ日本製品の広告がありませんが、14年後の
Esquireには「SONY」「Canon」の広告が顔を出しています。
懐かしいスターもよく登場していて、パラパラとめくって
いるだけですが、興趣が尽きません。

見開きのGM「Pontiac」の広告イラストレーションなどは巨大な
アメリカそのもので、最近佐世保に入港して話題となった
原子力空母「ロナルド・レーガン」などより大きく見えるような
気がするのも面白いところです。

ポンチャック見開き

アメリカがすごい自信と矜持を持っていた時代なのでしょうね。


横山国男
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2007年03月09日(金)更新

ネットカフェ難民~事務局ブログに感動~

3月8日付けで配信いただきました「経営者会報ブログ」コムMAGA
vol.50のトップにある「文明の自滅!?」論に感動した一人です。
忘れてはならない思いやりある“社会人の視点”だと感服しました。

TVニュース特集「ネットカフェ難民~イスで暮らす若者たち」を
見ておりませんが、“日雇い派遣”と呼ばれる若者たちをつくり
出している現状の先には、文明の自滅が待っている、とのご指摘
に同感です。

「企業の社会的責任」「コンプライアンス」などなど新しい言葉
が次々と出てきますが、実態は真逆の方向へ走っているという気
がしてなりません。

“「経済」とは、人民を救うことを意味する「経世済民」若しくは
「経国済民」の略である。(Wikipedia)”

とするならば、今の日本に本当の「経済」はあるのだろうか、どう
したらよいのだろうか、と零細な企業主は考え込んでしまいます。
毎日、自社の生き残り(ばかり)を、必死に考えている自分がそこ
にいるからですが。

数年前、外国人の経営者を迎えて、その手腕で建て直しに成功した
大手の自動車メーカーがありましたが、遊休地や不要施設の処分は
ともかく、大規模な従業員のリストラについては、他に方法がない
のだろうか、と思った一人です。

それは「かわいそうだな」という感情論ではなく、家族を含めた数万、
数十万の「顧客」をいずれ失うことに繋がるのではないか、と漠然と
危惧したからです。

人は、会社に出勤して仕事をするときは「生産者」として企業の一員
ですが、家に帰れば「消費者」「生活者」です。
当たり前ですが、「生産者」でなくなるということは、健全な「消費者」
でもなくなるということではないのか、と素朴に思ったのです。

地方で生活していると、「高齢化社会」が急速に進んでいることを
まざまざと実感します。
いずれそう遠くない将来、毎日どこにも出ず、一日中テレビを見て
すごす老人たちが増え、地方の街は今以上に活気を失い、“イスで
暮らす若者たち”が「年金制度」を粉々に打ち砕く・・・という想像は
悲観すぎるでしょうか。


横山国男

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2007年03月08日(木)更新

「園芸福祉」と「園芸療法」

雪のなかった冬でしたが、昨日はめずらしく10センチほどの
積雪、スノータイヤを交換してしまった人は大慌てでした。
でも春はもうそこまで、花の季節も間近い3月初旬の北陸です。


友人のMさんは長年ご夫婦で花屋さんを経営してきました。
最近息子さん夫婦が郊外のショッピングセンター近くに大きな
お店を開店されたのを機に、老後は「園芸福祉」の仕事に力を
入れていきたい、と話してくれました。

先日そのMさんの紹介で「園芸福祉士」の方が、ロータリー
クラブで30分間「卓話」をして下さいました。

          *******

幅広い年代の人が、「花や野菜を育てる」という活動を通じて、
楽しみや喜びを共有するというのが「園芸活動」、それを体感
できる場所や空間を作り上げるのに「初級園芸福祉士」という
資格があって、今や43の都道府県で2000名が「NPO法人日本
園芸福祉普及協会」の講座を受講しているとのこと。
(福井県ではまだ7名しか有資格者がいないのだそうですが、Mさん
も勉強中のお一人とか。)

さらに森を散歩する時の爽快な気分、植物が育っていくのを見る喜び、
自分で作った野菜を見ながら隣の人とオシャベリをする、“芋煮会”
などはその典型らしいのですが、「癒し効果やコミニュケーション
効果」をうつ病患者の治療や、身体障害者、精神障害者のリハビリ
などの治療に活用する「園芸療法」も確立しつつあるそうです。

医療法人「和佐の里」(和歌山県)の“園芸療法”の取り組みなど
もご紹介され、園芸はこれからの社会の中で、リクリエーションと
しても、治療としても、さまざまな分野で活用されていくことに
なるでしょう、と講師は結ばれました。

           *********

いただいた資料を読むと、「園芸療法」は18世紀ころヨーロッパで
始まったそうですが、我が国には1990年代に紹介されたとあり、
あまり知られていないのも不思議ではありません。

米国には「アメリカ園芸療法協会」があり、Mさんの話ではベトナム
戦争で肉体や精神が傷ついた帰還兵の療法としても知られており、その
ための特殊な園芸用器具なども開発されているとのこと。

そういえばトム・クルーズの主演した映画で、ベトナムから下半身不随
の身で帰還した若い兵士の“人間の尊厳が壊れていく”戦争の悲惨さが
よく出ていた秀作がありましたが、「園芸療法」がこのようなケース
にも有効なんだな、と思いました。

翻って荒廃する我が国の学校や街、頻々と発生する「金属類」の盗難、
「園芸福祉」のような活動は特に高齢者にでも出来る社会貢献ですから、
全国に広まって、植えた人も見る人も“ハッピー”な気分になる日本に
したいものです。

パンフレット表紙

横山国男
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2007年03月07日(水)更新

ゴルフ場を葡萄畑にしませんか

今日本には2400箇所ゴルフ場があります。ゴルフをなさらない
方は「えーっ、そんなに?」と驚かれると思います。

それも一箇所で20万坪とか規模の大きい所では50万坪などという
所もありますから、「よくもまあこんなに造ったもんだ」と
夢が覚めて思うのは夕張市のハコモノにも通ずるものがあります。

バブル崩壊の象徴、自然破壊でも問題になったことはご存知の
とおり、挙句は民事再生という便法で「会員権」と称する
手形を不渡りにされて、痛い目に会った人は私だけではありません。

何事もそうですが、ゴルフもゴルフそのものに何の「罪」も
ありません。「ゴルフの神様」がゴルフを錬金術に利用した
「人間」を罰したのは当然でもあります。

しかし「生涯スポーツ」、「生涯学習」にとても向いた素晴らしい
スポーツ・ゲームで、熟年以降からでも充分始められます。
あれほど嫌っていた阿川佐和子さんでも今は夢中らしいですから。

「民事再生法」で一旦は助けられたゴルフ場ですが、もともと過剰
供給ですから、再度倒産の危機に見舞われているゴルフ場もまた
多くなってきました。

         ・・・・・・・・・・・・・

ゴルフ場の有効利用についてアイデアがあります。

ワイン醸造のためのブドウ畑や、高級な野菜、果樹の栽培です。
ここ数年、福井から非常に甘くて美味しい「スイカ」を香港の市場
へ出荷していますが、我々日本人にとっても高価と思える値段で
まだ数量は多くないようですが、充分な市場性をもっているようです。
(ただしスイカは土質の関係から、ゴルフ場に合うかどうかは
不案内です)

お隣の「中国」では、急速に高級食材の需要が高まって、3000円、
5000円の高級メロンでも充分販売のチャンスがあるようですし、
いずれワイン文化も沸騰するでしょう。

ゴルフ場は陽あたりもよく、コース内には縦横に散水のための
パイプが埋設されていますし、各ホールのサイドにはカート道路、
作業道路も整備されています。

クラブハウスにはレストランもあり、カリフォルニアの「ナパ」など
では農場を訪れ、ワインの試飲を楽しむ光景もよく紹介されますので
日本人が休日に訪れるのも素敵ではありませんか。
新しいレジャーの形が一つ実現します。


さらにできれば、中高年者や障害者を雇用し、「園芸療法」(近く
ブログで書いてみたいと思っています)にも役立つかも知れません。
団塊定年者の農業に対する「憧れ」もうまく利用し、中国から輸入
するばかりでなく、しっかり輸出して「ハイテク・自動車」に熟年
パワーで一泡ふかせるというのはどうでしょうか。

こうして既存の過剰なゴルフ場の有効な利用を考えることは、業界
にとってもとてもよいことのはずです。
このままでは共倒れになることは必至ですから。


ゴルフ場


横山国男
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