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2010年09月22日(水)更新

JET STREAM~秋の夜、 城達也のナレーションが懐かしい


遠い地平線が消えて
ふかぶかとした夜の闇に心を休める時
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています
満天の星をいただくはてしない光の海を
ゆたかに流れゆく風に心を開けば
きらめく星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂の、何と饒舌なことでしょうか
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 
ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお伴をいたしますパイロットは・・・
私・・城 達也です

(♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~)

夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは
遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります
お送りしております、この音楽が
美しく、あなたの夢に、溶け込んでいきますように

Jet Stream




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

懐かしいですね!。

元気だった美しいジャンボの姿と城さんの声をお聞きになりたい方は・・



1- Mr. Lonely 演奏:Franck Pourcel
2- Theme From A Summer Place 演奏:Percy Faith and His Orchestra
3- La Reine De Saba 演奏:Raymond Lefevre
4- Nocturne 演奏:Paul Mauriat


***



この散文詩を書かれたのは、堀内茂男さんという人だそうです。
曲と曲の間にも短いナレーションが流れますが、とても素敵です。たとえば

  『ゴンドラの船べりをたたく水の音が、心なしかうつろに聞こえる。
   建物の影の船溜りで客待ちをしている船頭さんたちに、ベニスの
   秋が忍び寄っている・・・』   

あのころヨーロッパに憧れました。   (城達也‘95年2月25日没)

 
株式会社横山工藝 横山国男

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2010年09月21日(火)更新

(続)「書の魅力」・・芳名お手本帖が出てきて

昨日20日は、友人のMさんも出品している日本画展を観に行ってきました。
いよいよ美術の秋、公募展をはじめ種々の展覧会シーズンです。

会場入り口で「どうぞご芳名を・・」と促され、カナイの名前もあわせて
記帖しましたが、やはりお隣に達筆で署名があると気になるものです。

前号で「書の魅力」について書きましたが、そういえば毛筆での署名や
記帖となるとちょっと気おくれというか緊張します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここのところ断・捨・離(大掃除)を続けていますが、いろいろな物が
出てきて、写真などはそのたびに眺めたりしているのではかどりません。

もうかなり前に書家の吉川壽一さんからいただいた、「芳名お手本帖」も
出てきました(私バージョンです)。これでちゃんと練習すれば今頃は・・
とあらためて思ったのですが、本当にこの「お手本帖」は素晴らしい。

横山国男 芳名お手本帖
写真1 <横山国男 芳名お手本帖>

吉川さんによると、下記の6本の線が四千年の書の歴史から生まれたそうで
その説明は興味深いものです。

6本の線とは

写真 < 6本の線とは>

<説明> ・上記の6本の線は、約4000年の書の歴史から生まれてきま
した。1の甲骨文は骨や甲羅に刻された文字です。2の篆書は青銅器や石に
鋳造されたり、刻されたものです。3の隷書になると木や竹や帛に墨書され
たり、陶に焼かれた線なのです。墨・紙・硯・筆などの文房四宝が揃って
美的な要素から美しい文字に整えられてきたのです。
・より自由で、指や手や腕や頭が柔軟であった時から、だんだん理性の強い
楷書になっています。私たちが上達を目指すとき、それは楷書から始めるの
ではなく、筆の柔軟さ(開・閉)や指の先端の運動などを重視した、草書や
行書から習ってゆくことを薦めています。
・まず、筆を持ち、やわらかく、なんでも書いてみる姿勢が大切です。
楷書は、目習いをして構造を知ってから筆を執ってほしいのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お手本はこうです。

・行書(上段)、草書(下段)の書き方
・行書(上段)の書き方 ・行書(上段)の書き方 ・行書(上段)の書き方 ・行書(上段)の書き方

・楷書
草書(下段)の書き方 草書(下段)の書き方 草書(下段)の書き方 草書(下段)の書き方



それで芳名などを書くときは

芳名 芳名 芳名


となるわけですが・・・。(他にも横書きなどお手本多数)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成2年2月2日、2並びの消印が押された色紙2枚も同じ紙袋の中に。
(下はカナイの名前の一字から 麗)

色紙

細字は、
 「うるはしみ吾が思ふ君はなでしこが花になぞえて見れど飽かぬかも」
(大伴家持)。前衛書家ですが、NHK大河「武蔵」の剛直な題字から
この流れるような美しい細字まで、「書家」ってすごいなと思います。

ともあれ私の“実用の書”は遠い。

(お気づきかも知れませんが、このブログの社名ロゴも吉川壽一書です)


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2010年09月17日(金)更新

「書」の魅力

記憶にも記録にも残る暑い夏でしたが、ようやく朝夕は秋の気配が少し
感じられるようになりました。

書家の吉川壽一さんには当社の顧問もしていただいていますが、彼から
くる書状やはがき、ファックス文書のほとんどは毛筆書き。スラスラと。

下はこの夏の初めの素敵な暑中見舞いです。
~~~と涼しい風が・・このような文字遊びも日本の「書」ならではの魅力。

暑中見舞い 書 吉川壽一
写真 <暑中見舞い 書 吉川壽一>

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メールやワープロが多くなって、文字を書く機会が減っていますが、手紙・
はがきなどは太字の万年筆やボールペンなどでつとめて手書きしています。
さすがに毛筆とはいきません。

端正な文字、能筆・・悪くありませんが、一般人はむしろなんともいえない
その人なりの味のある文字を余白をうまく使って書けたら最高だと思います。
目指すは“へたうま”!。


下は魯山人の献立表とはがきです。(『別冊太陽』SPRING 1983から)
もちろん一般人ではありませんが、ワープロ文字には無いご本人の楽しさ
が伝わってきます。絵手紙が人気なのもわかります。


星岡茶寮のある夜の魯山人直筆の献立表(昭和44、5年頃か)   私の料理観 (自筆赤絵筒向付)ーはがき
写真左 星岡茶寮のある夜の魯山人直筆の献立表(昭和44、5年頃か)。
  右 私の料理観 (自筆赤絵筒向付)ーはがき



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2010年09月14日(火)更新

「脱亜入欧」から「脱欧入亜」?

昨日は市内のロータリークラブ(RC)に招かれて短い講演をしました。
ロータリークラブに限りませんが、いろいろな奉仕団体、異業種交流や
職能団体など会員の減少に悩んでいるところは多く、会費収入の減少で
解散を考えている業界団体もあると聞きます。

RCも100年も経つと、自己変革できなければ制度疲労を起こすのは当然。
昨年会長としてボーイスカウトとの協働を企画しましたが、ボーイスカウト
も100年余りの歴史があり、こちらは少子高齢化の影響も受けています。

100年・・1世紀。 短いようで長い。

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夏目漱石が英語研究のため文部省の派遣で英国へ留学したのは1900年。
9月8日に横浜を出発。 上海、パリ(万博見学)を経由してロンドンに
着いたのは10月28日。50日かかっています。33歳の時でした。

この程、ロンドンの下宿前にある「ロンドン漱石記念館」内に、英国留学
110周年を記念して、漱石の等身大胸像が設置されたそうです。

“等身大”で思い出すのは、ある日、漱石が道を渡ろうとすると、向こう
から、背の低い猿のような黒っぽい異様な足の曲がった生き物がこちらへ
歩いてくる。それがショウウインドウのガラスに映った自分の姿であると
気付くのに時間はかからなかったという話ですが、かなりメゲたようです。

こういう日本人の体形からくる劣等感や少ない留学費は、軍事や医学研究
での留学とは違う、文系の漱石にはかなりつらいものだったようです。
本を買いたいため、水とパンだけの日を続けたともあります。
それは滞在中も帰国後も苦しめられる神経衰弱、胃弱の遠因となったよう
にも思われます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以前、ある方のブログで、これからはアジア(亜細亜)の時代。今までは
十数時間もかけて飛行機で米国や欧州へ行かねばならなかったが、今後は
米欧の人が来る番だ、短時間でアジア各地へ飛べる日本は有利なのだと。

最大のマーケットでもある中国にしても、遠い距離、困難な中国語習得など
欧米人には不利。同じ漢字文化の国、最後は筆談でもやれる日本人には大き
なチャンスだと思いませんか?という内容だったと記憶しています。
「なるほど、そういう考え方もできるな」と感心した次第。

漱石が苦しんだ「人種差別」や、いわれのない「嫌○○」などはあっては
ならないと思います。アジア抜きには語れない時代になったのですから。

「脱亜入欧」ではなく「脱欧入亜」?という言葉が浮かびました。
私が初めて使った言葉なら嬉しい、と思いましたが、残念! 
Googleで検索したらちゃんと出てきましたヮ。


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2010年09月09日(木)更新

「細川護煕の世界」

民主党の代表選たけなわ、すなわち誰がこの国の首相になるかという話で
すが、いつの頃からか政治に失望するようになって、関心もいま一つです。
よくないことだとは思っていますが。

少し前の『週刊現代』(9月4日号)の巻頭グラビアで「細川護煕の世界」
と題する特集が載っており、興味深くページを繰りました。

日本の憲政史上、宰相としてどう評価されるのか私には解りませんが、
私の好きな政治家(だった)の一人です。「美」にこだわった人ではない
かと。 それは出処進退、その後の生活にも表れています。

以下、この企画に記されている文章からいくつか私の心に響いたキャッチ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『17年前、自民党から政権を奪取し、今よりはるかに困難な政権運営を
成し遂げた宰相がいた。--彼、細川護煕は、現在、晴耕雨読の日々を
過ごし、日本を静かに見つめている。』

『細川家代々の当主は、地位や栄達に恬淡としていた。その生き様は
私に影響しているかもしれないーー細川護煕 』

『轆轤(ろくろ)を回し、絵を描き、疲れれば茶室でひとり茶を点てる』

『 「何年やるか」でなく、「何をやるか」にしか関心がなかったーー
 細川護煕 』

『人はなぜ生きるのか。自分に問わなくては答えも見い出せない』

『陶芸家になろうと思ったわけでもないし、陶芸家でもないーー細川護煕』

『何百という中から ある時、突き抜けた一つが生まれる』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

細川家の歴史は、足利義輝、義昭時代から始まり、徳川将軍家より古い。
信長、秀吉ら6人の主君に仕え乱世を乗り越え、江戸時代には肥後熊本藩
54万石の大大名、そして現代にまで続く。

『寡欲に徹する生き様こそ、文字なき家訓』・・我が家には家訓がありませ
ん。けれど、代々領土的な野心を持ったり栄達を喜ぶ人が少なく、質実さを
尊ぶ傾向があります。寡欲に徹してきたから、長く家が続いたのかもしれ
ません。・・・と細川護煕さんは述べている。

また『細川家を語る上で欠かせないもう一つの側面は、文化を尊ぶ気風で
ある』とも書かれています。その気風は今日なお18代となる細川護煕さん
に、陶芸や絵、書、執筆、かってはシングルの腕前だったと聞くゴルフに
いたるまで「美的生活」として受け継がれていると感じました。

忠興は千利休の高弟「利休七哲」の一人だったし、妻のガラシャにまつわ
る物語も深く心に残っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数万点に上る手つかずの文書資料をはじめ、多数の伝世品、特に収蔵数は
日本一とされる「能面」などのコレクション・・
細川家の文化財を保存する「永青文庫」はぜひ一度訪れてみたい所の一つ
です。


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