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2008年08月25日(月)更新

「中国」・・皆さんはどのように思っておられますか。

「北京オリンピック」が終わりました。
個人的にはいくつかの競技をTVで見ただけで、熱狂したわけでもありませんが、
それは今回だけでなく、だんだんと関心が少なくなってきたように思います。
朝、新聞を開くとトップに日本人の「金メダル」などの活字が大きく躍っていたりした
二週間でしたが、興奮度は若い時と比べようもありません。

このところのマスコミや結構影響力を持つ総合誌、経済誌などでオリンピックを
契機とした「中国論」が盛んで、かなり手厳しい、あるいは脅威論、もっと言えば
「嫌中」のような感情論まで多いのですが、中国のこれからとか、中国人、その
思考のよってきたるものなど問題が大きすぎて正直私にはよくわかりません。

「北京オリンピック」の開会式や閉会式を見て、「中国はすごい、長野オリンピック
はショボかった」という人もいれば、「本来オリンピックは都市が主催するもの、
あれじゃ北京とは名ばかりで100%国がやったもの。冬季ということもあるが、長
野こそオリンピック精神にふさわしい」という人もいます。
またその後の長野がいかにツケに苦しんでいるかを見よ、東京で再度やる意味
などない、という意見を読むと「それもそうかも知れない」と思ったりします。

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しかし、今や世界人口の5人に一人は中国人、日本の輸出入相手国としてトップ
ともなれば、嫌中・嫌日が不幸で不毛な感情であることは疑いありません。
今後中国と無関係で日本人の暮らしが成り立つとは到底想像できませんし、そう
いう国は日本だけではなくなっていると思います。

今となって良かったのか悪かったのか私などには分かりませんが、中国への
雪崩をうったような工場移転は、私の属する業界では、例えば「縫製産業」などは
絶滅寸前に見えます。問題は日本が生産手段をほぼ失った業種から相手の
「言い値」で物を買わねばならなくなるでしょう。日本では作れないのですから
仕方ありません。泣き言を言ってもそれが世界の常識で中国が悪いのではあり
ません。

日本より中国人労働者や移民の受け入れに寛容だったイタリアの繊維・染織産地
プラトーなどは既に崩壊の様子を呈していると聞きます。
「中国がダメならインドがあるさ」・・日本の産業未来図とはそういうものなのでしょ
うか。

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ともあれ、当社に隣接している「F紡績」の女子寮は、かって日本人女子工員さん
が数百名いましたが、今は数十名の中国人の若い女性が住んでいます。
朝晩賑やかですが、このお盆中の休みは毎年のことですが故郷にも帰らず、研修
室は夜遅くまで灯りがついていて、どうやらパソコンを使っているようです。
勉強なのか、インターネットで故国で開催されているオリンピックを見ているのか
分かりませんが、一人の日本人もいませんから、私の周辺の中国人比率は5人に
一人以上かも知れません。

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彼女たちは世界や日本の経済などに関心はなく、、ただ一心に稼いで一日も早く
家族のもとに帰ることを夢見ているだけなんでしょうね。

     「加油!自己」 (がんばれ!)と言ってあげたい。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年08月23日(土)更新

久米繊維さん訪問・久米社長の新著・フェルメール展など。

たまに東京へ出ると、ちょっとした変化を感じる時があります。
「ん?何かちょっと空(す)いてる感じ」ーモノレールも首都高もJRもデパートのお昼
の待ち行列の人数も。
団塊世代の大量退職はまだ始まったばかりですから、地方からの人が少なく
なっているのかな、と。 ここにも不景気の影が忍び寄ってきているのでしょうか。

用件は三つほど。
その一は久米繊維さんと取り組んで2年めの「JMMAエコ・チャリティTシャツ・アート
展」のこと、久米信行社長とお会いして福井で考えている若手の勉強会に協力を
お願いすること。他には広告代理店の方とロータリークラブの件で参考意見を
お聞きするお約束。それに昨年の展覧会を逸した「フェルメール展」をぜひ観たい
ことなどでした。(久米社長の新著「すぐやる!技術」が上梓されることを、しかも
22日に発売されることを海外旅行に出ていたせいか、この時点で全く知りません
でした。お祝いも申し上げず失礼しました。22日には実業出版からご恵贈頂き
昨夜面白くてすぐ読了、お祝いと感想を「応援ブログ」にコメントしました。)

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日焼けされたせいか、ちょっと精悍な感じになられたような久米社長登場。
墨田区の産業振興、北斎のことから小布施の話、関連して漫画家花村えい子さん
の「キラキラお目めキャラクター」が、デパートの嚆矢パリの「ル・ボン マルシェ」で
「カワイイ」が大ヒットしているという楽しいお話もうかがいました。
(そういえば行きの機中で読みかけた宮本健次著「日本の美意識」の帯に“優美”
 から“かわいい”まで、とあり、「カワイイ」は今や世界に通じる現代日本文化の
 キーワードになっているようです。オジサンも少女マンガか、などと思わず勉強を
しなくては)。

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このようにいつも楽しい話が続くので肝心の用件を忘れがちになります。
「福井で主に当社の関係する事業所の若手、二代目の勉強会を作りたい、と思っ
ていますが、ご指導ご協力お願いできませんか?」。

繊維産業といえば早くから不況業種、中国などへの産業流出で苦しんできました。
それでも今日まで残ってきた企業、事業所には「何か」があるのでは、とここ一年
ほど考えてきました。それは技術かも知れませんし、差別化に成功している有力
な企業を顧客にもっている、あるいはまだまだ非力ですが、自力で「よさこい衣装」
などのマーケットを開拓した当社のようなケースもあると思います。

しかしインドやほかの途上国も目白押しですし、このままではさらなる苦境が待って
いるかも知れません。
答えは「常に勉強、そして自立」ではないでしょうか。特にICTを縦横に駆使しての
企画力・デザイン力の発信、経営と管理などの実学を知らずして生き残り、いや
勝ち残りはないと思います・・・・と。

「いいですねぇ。墨田区でも懸命に旗を振っているんですが、転業、廃業が止りま
せん。業種や業態もよく似ているし、お手伝いしますよ」と心強い久米社長のご返
事に感謝です。
私や関連業種の社長、オヤジさんは「旗振り役」をつとめ、できるだけ早く若い人
たちですべて運営していってもらいたいと考えています。

次のお客様がお見えになり、長居を反省。それでも早速久米社長から(財)中小
企業総合研究機構の主任研究員、滋賀大学の企業経営学科の先生他をご紹介
いただきましたが、日本の社会・経済の大きな柱である中小企業の苦境打開に
奮闘されている方ばかりとお見受けしました。
「招んでいただければ、福井にも行きますよ」と嬉しいお言葉を背に、久米繊維
さんを後にしました。常務さん、甲斐店長同席ありがとうございました。

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駿河台で広告代理店の責任あるお立場のIさんと面談させていただいたのですが、
本当に久しぶりに「紳士というか教養人」とお会いした感じ。
ロータリークラブの生き字引のような方で、とても面白いお話を時間を忘れてお伺
いしてしまいました。
「おいとまさせていただきます」と告げると、ビルの出口までお送りくださって、温か
いお見送りをいただきました。こうありたいものと思える人との出会いでした。

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上野の東京都美術館は8月2日から「フェルメール展~光の天才画家とデルフトの
巨匠たち」。
20日までで10万人の鑑賞者だそうで心配しましたが、21日午前10時半ごろ会場
へ行くと、「只今待ち時間は0」と書いたプラカードを持ったスタッフが立っています。

それにしてもいつも感じるのですが、なぜあんなに会場が狭く暗いのでしょうか。
絵と絵の間隔をもう少し離せば押し合いにならないのに、とも思います。
作品の保護のため照明に制限がかかっているのかも知れませんが、先日行った
「ボストン美術館」はどの部屋も明るく、フラッシュを使用しなければ撮影自由、
ロープもなく、レンブラントだってその気になれば鼻先で見ることも可能なのです。

入場者の7~8割は平日ということもあって予想通り中高年者、それも圧倒的に
ご婦人です。(同行したカナイもそのひとりですが)。

 判明している真作は37点、そのうち今回は7点がきているようですが、たしか
リストにあった有名な「牛乳を注ぐ女」を見かけなかったのは、「展示作品変更の
お知らせ」とはこのことだったのか、とちょっと残念。
すごい数のポストカードやグッズ類が販売されていて、ここも人で一杯でしたが、
最も印象的だった「手紙を書く女と召使い」のものは全くなし。これが「牛乳・・・」
の代替に展覧されたのでグッズが間に合わなかったのかでしょうか。

「フェルメール」ほど光、光線、ハイライトなどの陰影に注力した画家は少ないと
思いますし、それが明快な遠近法、構図とあいまって観る人に奥行きや、研究者
にとっての作品の読み解きの強い興趣となっているように思います。
寡作であることも加わって近年の人気にはすごいものがあるようで、私も好きな
画家の一人です。

フェルメール展 図録
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帰りの飛行機は雷雨で1時間半も羽田の滑走路で待たされましたが、前日夜は
上階の室内工事のため激安(6時以降チェックイン、9時チェックアウト条件、朝食
つき)で泊まることができた「ウエスティン東京(恵比寿)」のエクゼクティブルームも
上質でなかなか充実した今回の「東京」でした。

(PCをXPからVISTAに変えたら写真のUPがうまくいかず、悪戦苦闘するも諦め。
 週明け先生のお助けを借りなければ。「紅葉マーク」を痛感してます。)

横山国男

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2007年11月22日(木)更新

KYなら我が家に三人もいる。

安倍首相退陣のころ、一気に世間に広まった「KY」(空気が読めない)という新語
は、ことしの「新語・流行語大賞」の有力候補らしいのですが、イニシャルとしての
KYなら我が家には娘婿と孫、私も含めて三人もいるので、ちょっと複雑な気分で
す。

どうやら最初は「空気を読め」という意味で、ブログのコメント等で「空気嫁」とかの
表現で以前から用いられていたようですが、いつしか「空気が読めないやつ」と他
人を嘲笑する言葉に転じたようです。

イニシャルと同じだから言うわけではありませんが、あまり感心しません。
かって流行語になった「オバタリアン」みたいなユーモアもないし、新語として受賞
した「小泉劇場」みたいな「なるほど感」もありません。

一つには「空気」という語感から連想する「わけのわからなさ」があるような気が
します。「いじめ」なども空気と関連性があるように思いますし、私は終戦時3歳で
したから実感はありませんが、「軍国少年」などというのも当時の空気が生んだ
産物に違いありません。

ここのところ日本人はきわめて「内向き」になってきているのではないか、という話
を多く聞きます。
世界で何が起きているのか、新興アジアの活況についてもマスコミはあまり取り
上げず、TVは毎度同じのバラエティ番組のオンパレード、中国の情報について
は感情論ばかりで、意味も無く怖がるだけ・・・等ということでは閉塞感がつのる
のもやむを得ないのでしょうか。

そういう中で、日本人同志が「KY」とかやっているのも「なんだかなー」と思うこの
頃です。
12月3日今年の「新語・流行語大賞」が決まるようですが、そんなわけで私なら
「KY」に一票は投じません。

横山国男

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2007年11月13日(火)更新

母校創立100周年でお手伝いさせて頂いたことは

明治政府はその終り頃、国威発揚、真の国力
の増勢のためには、広く国民の教育水準
を上げる必要性を痛感したのでしょう、全国に高等教育を受けられる設備、制度の充実に
力をいれ、特に各県で「産業教育校」が多く設置されたようです。

私の卒業した福井県立科学技術高等学校(卒業時は福井工業高等学校)も「福井県工業 講習所」の創立から100年経ち、先週末「記念式典」を行いました。
先日、甲子園の常連校「福井商業高校」も100周年でしたし、ここ数年の間に県立校の多くが100周年の記念日を迎えていることを考えると、全国でも同様かも知れません。

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5年前に「100周年記念事業実行委員会」が立ち上げられ、多くの委員会が出来
ましたが、私に委嘱されたのは「中国交流」「記念モニュメント建設」の委員長でした。

現在機械システム、化学システム、テキスタイルデザイン、電子電気、情報工学
の5学科で、教職員80名、生徒500名、この100年間の卒業生は15,000名余
にものぼり、良質の産業人育成と地場産業の形成、戦後は高度成長を支えた
主役の一つであったことは間違いありません。

しかし、寄付集めは難航しました。 理由はいろいろ考えられます。
校名が9回変更になるほどの学制の改革(統合・分離)からくる母校意識の希薄
化、地場産業の衰退、地域経済の疲弊、先述の100周年記念校が多いことなど
など、最終的には 当初見積もりの半分で事業を行わなければならなくなりました。

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「中国交流」というのは、記念事業の目玉として、紹興市の「職教中心」という産業
教育高等学校(生徒数4500名)と姉妹校提携を結び、以来交互に職員・生徒の
相互訪問を行い、昨年は私も委員長として「100周年記念式典への出席招請」に
夫婦で紹興へ行ってきました。

今回は副校長はじめ職員、生徒10名が先日から来校し、「交流授業・式典出席」
を終え、 今日あたりはエクスカーションとして京都の深まる秋を楽しんでいるはず
です。

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「記念モニュメント」は、電波時計とか、生徒による壁画の制作などの案が学校・PTA・同窓会で組織する委員会で出ましたが、私のロータリークラブでの経験から、機械ものは将来必ずメンテナンスで出費が嵩むこと、セラミックタイルなどによる
壁画など も校舎の増改築にともない取り壊さざるを得ないケースがでてくるのでは、という意見も出て、月並みですが「石碑」とすることに決定しました。

しかし、実行委員会が開かれるたびに、寄付状況の進展報告があり、「記念モニュ
メント建設予算」が減額されるのには参りました。

最終的には三分の一ほどになってしましいましたので、委員会のみなさんに
「出来るだけシンプルなものを」「材料に高額なものを使わず、内容で勝負」「生徒・職員のいつも目に触れる場所で、見るたびに元気が出るものを」、と提案し、了承
を得ました。

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これが我が母校「100周年記念碑」です。


石碑


高さ2m40c、石碑部分の幅1m35c、単体の重量では大型重機が入れず、地耐
力の関係から、石碑(桜御影石)を2枚の石板に分け、4個の石柱でつないだデザ
インは、従来よくある高価な自然石利用のものよりモダンになったとチョット自賛し
ています。

でっかく「飛翔」の文字は友人の書家の吉川壽一氏、相談の上スクールカラーでも
ある 「青」を文字の中に入れることにしました。(背面はシンプルに校名の変遷・
年号のみを沿革として彫りました)
このような予算では大変だったと思いますが、工事も中学時代の旧友「M大理石」
の専務重ちゃんが太っ腹で引き受けてくれました。本当にありがとう。

全学年が入っている3回建ての校舎から真正面に見え、除幕したあと生徒・職員・
来賓 から感嘆の声が上がって、苦労が報われた気がしました。

21世紀、次の百年に向かって大志を抱き、「飛翔」して欲しいものです。


横山国男

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2007年10月07日(日)更新

留学生から聞いた「ベトナム南北高速鉄道計画」

先週のロータリークラブのゲストスピーカーは、当地の国立大学へ「米山奨学生」
としてベトナムから留学しているF君でした。

スピーチの前に昼食を共にしたのですが、同じテーブルにいた当クラブの会員の
一人が「ベトナム戦争」の話題を持ち出しましたが、「生まれる前の話ですから」と
盛り上がりません。

そういえば早いもので、ベトナム戦争は1960年に始まり、1975年に終結している
のですから、20歳過ぎのFくんは「戦後生まれ」なんですね。
へぇー、もう30年あまりも経つのか、と私自身も意外な感懐をおぼえました。

ベトナムの現在人口は8,000万人、経済成長も著しいものがありますが、F君
の話の中で興味をひいたのは「ベトナム南北高速鉄道プロジェクト」です。
戦後、国内・国際的な人・モノの移動は数十倍に増加しているのにも拘わらず、
鉄道分野への投資のスピードは遅く、根本的な解決が求められているとのこと、
総工費は330億ドルと見積もられており、日本はこのプロジェクトの支援を約束
しているそうです。

統一されたベトナムは南北に細長い国ですから、首都ハノイと次のホーチミン
(かっての南ベトナムの首都サイゴン)がほぼ両端にあることを考えると、これが
「新幹線」で結ばれて、現在29時間かかる鉄道が10時間以下になることはとて
つもない経済社会への効果をおよぼすことは疑いありません。

プロジェクトのスタートまでにはまだ紆余曲折がありそうですが、この春訪れた
タイの国際空港のスケールの大きさ、上海の発展など急速に近代化するアジア
各国に比べ、わが国は少子高齢化以上に若い人のエネルギーが感じられない
ように思います。

学んでいる「生物化学」をベトナムで活かしていきたい、と締めくくったF君の目
には力があるような気がしました。

横山国男

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