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2008年06月11日(水)更新

薄れ行く「時の記念日」・・「金は時なり」。

昨10日は「時の記念日」でしたが、一昨日このブログに時計の話題を書いたのに
記念日のことはすっかり忘れていたのです。
考えてみればそれで時計の催事があったんですね。

なぜ気がつかなかったのだろう、と思い10日の地方紙をくまなく見直しましたが、
やはり「時の記念日」に関する記事はまったくありませんでした。
例年見たと思う「時計店」の一覧広告もありません。
今や「時の記念日」は祭日でもないので、忘れられつつあるのでしょうか。

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時の記念日は1920年(大正9年)に制定され、欧米人並みに時間を尊重する
意識を国民にもってもらうことを目的に、生活改善同盟(!)が選定したそうです。
6月10日というのは、「日本書紀」天智天皇の条、水時計創設の記からとった
ものだそうですが、「時間の大切さをかみしめる日」と意義付けられている、と
あります。(セイコーホールデイングス(株)の記事より)

またカシオのインターネット調査によると、一日24時間では足りないと考えている
のは世界で日本人が一番で、あと8時間くらい欲しいそうです。
なにかセカセカしている割には能率が上がっていないのではと思いますが、それも
ちゃんと数字に出ています。
各国の1時間の価値は、日本9200円、アメリカ39000円、ドイツ43000円、
中国9700円と、中国よりも低いのです。
よく日本人の労働生産性が問題視されますが、我々は時間をもっと大切に扱う
心構えが必要かもしれません。

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どのような境遇に生まれようとも、時間は人間に平等に与えられているもの。
「時は金(カネ)なり」と言いますが、金(キン)にまでするのは一人ひとりの勉強と
工夫次第。
「ブログBusinessMedia誠」連載“山口揚平の時事日報”(’07.04.17)にこんな
記述があり、膝を打ちました。後継者や若い人に読んで欲しいと思いました。
(私には間に合いそうにもありませんので)

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<前段略>
「今後必要になるのはタイムイズマネー?マネーイズタイム?」(山口揚平)

ところで日本人は、借金が嫌いである。多くの人がお金を借りるのではなく、お金を
貯めてから、何か事を起こそうとする。よく言えば堅実と言えるが、裏を返せば
「お金をコントロール」する力に長けていないという見方もできる。
 私は、お金は、社会への貢献の結果であるとともに、将来の可能性そのものだ
と思う。日本人はこれまでお金の話題を避けてきたが、そろそろお金を肯定的に
捉えるのはどうだろうか。

 お金には生き金と死に金があるはずだ。「消費」のために借金をするのは、愚の
骨頂だが、将来への投資のためにお金を使うスキルと勇気を養う必要がある。
資本主義の世界では明確なビジョンと、可能性の高いプランさえあればお金を
調達することが可能だ。お金がないから何かができない、と考える必要はない。

 そう考えると、これからの私達若者に必要なことは、時間を切り売りしてお金を
得る「時は金なり」の発想ではなく、「金は時なり」と考え、お金をコントロールしな
がら、大きな将来ビジョンを達成してゆくスキルではないだろうか。(引用終わり)

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年06月06日(金)更新

上級(高級)と上質の違い。

最近「上質」という言葉が目に付くようになったと思うのですが、私だけでしょうか。
モノのない時代、あるいはある程度ものが行き渡る過程では、「高級」という言葉
の持つ響きがステイタスや夢を感じさせました。

このところ高級品マーケットやブランド品に異変が起きている、販売の落ち込みが
続いており、ユーロ高もあるのか、一部のブランド品が日本マーケットで値下げを
し始めたというのは過去の不景気の場面でもあまり例がないとのこと。
しかし、一方では高価な「客船クルーズ」などは販売と同時に完売らしいので、
いよいよ「モノからココロへ」の動きが顕著になってきたのかも知れません。

また「高級車」「高級旅館」などの「高級」もあまり使われすぎれば、「高級」の条件
の一つ「希少性」が希薄になるのは当然です。
そこへ「上質なライフスタイルへの提案」などと言われると、なにかありそうな感じを
受けてしまいます。
そこで「高級(上級)」って何?「上質」とは?ということになるのですが。

こんなことを考えていて「ああ、これかも」と高級(上級)と上質の違いに思い至った
一つの例は「船場吉兆」さんの話題。
 昨年末不祥事が明るみに出て、「民事再生」がボディーブローのように利いて、
フラフラになったところへ、先日の「お料理使いまわし」や「残り物利用」などの
アッパーカットでついにダウン。廃業に追い込まれてしまったのですが、「高級
料亭」だったけれど、「上質料亭」ではなかった、ということではないでしょうか。
特に経営者の経営理念の「貧しさ」を感じさせられたように思います。

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こういうところでの「お食事」などとは無縁だった人の中には「ザマーミロ」と言う人
もいるようですが、それは「上質」ではありません。
廃業の記者会見で女将が「のれんにあぐらをかいていました」と涙ながらに語って
いましたが、年はとっても女性ですから「あぐら」などはこれは「上品」ではありませ
んし、毎回「涙」を武器に使うのも上質ではないですね。

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ある雑誌でエッセイストの沢樹 舞さんが、経験と知性を重ねて輝きだす「上質を
愉しむ人生」と題して、そもそも「上質」とは何だろうか、華やかなファッションモデル
から一転、物書きとして、またソムリエとして新たな人生を求めてフランスのボルドー
のシャトーに住み込んで畑仕事に明け暮れたという生活から、

『思いがけず、ひとは上質の意味を知ることがある。あの旅の経験こそが、自分
自身に計り知れない自信と勇気を与えてくれた。「上質」を求めるとき、物を選ぶ
目だけでなく、生き方さえも変えてしまうのだ。そんな人生もまた上質なのだと思う』
と書かれています。

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わが敬愛するゴルフマナー研究家鈴木康之さんも、「週刊ゴルフダイジェスト」に
もう5年間、250回以上もエッセイ「AZAMIの教え」を書き続けておられます。
副題は “上級より上質。ゴルフマナー修得講座”です。

思いがけず、船場吉兆さんのケースは「上級(高級)と上質」の意味を考えさせて
くれました。

横山国男

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2008年01月07日(月)更新

世界に通用する教育に投資する。

<読んでくださる方へ>

佳いお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

ゴルフ場のキャディさんに「いくつに見える?」「エーッ65ですか?お若いですねェ」
と言われて(言わせて)喜ぶようなカッコ悪いことは、今年からやめて、「まだ65、
ドンドンいろいろなことに挑戦しなきゃ」という気持ちでいきたいと思います。
よろしくご指導ください。

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結局例年通り、長い正月の休みもダラダラと過ごしてしまいましたが、年々テレビ
を見る時間は少なくなって、今年あたりは民放TVはほとんど見ませんでした。
放映している内容の劣化についてはネットでも嘆く声が多いですが、もうすでに
TVの総視聴率自体がかなり低くなっていますし、TV局が最も恐れる「スポンサー」
が「消費者・生活者」の声に敏感でないはずがありませんから、間もなく変化が現
れる、と私は思います。

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そんな番組の中で、NHKBS2「未来への提言」“フインランドの教育改革”は
とても印象に残りました。

ご覧になられた方も多いと思いますが、見終わって私が考えたことは、日本人が
蓄えているとされる「個人資産1500兆円」(勿論全てが現金ではなく、またその
何割かは中小・零細企業の実質担保として銀行に抑えられているとも)を、国も
民間も個人も「教育」に投資するのが一番よいのではないか、と閃きました。
(塾や有名大学への進学を意味するものではなく、もっと全国民的なものです)

私も含めて「投資」と「投機」をきちっと峻別することができないのが日本人の現実
ではないか、と思いますが、長引く低金利で少し「株」でもやってみようか、と始め
ると、暴落に遭って「もうコリゴリ、やっぱり国債か定期預金」という殻の中に戻って
しまう人も多いでしょう。

このままで仮に「円」が1ドル200円になれば(長期には国力の低下→円安だと信
じています)、円資産は半分になってしまうのは素人の私にも分かる理屈なので、
今のうちに有効な「投資先」を探すか、育てる必要があるのではないか、
それなら「投資下手」の日本人は、わが国は無資源国、あるのは人的資源だけ
なのですから、人、特に若いひと、子供たちに「世界で通用する教育」という投資
をしていくのが一番なのでは、とふと考えたのです。

狭義でも広義でも教育にはお金がかかります。国の財政は破綻に近い状態です。
子育てに追われている年代で教育費の負担に耐えかねている人たちも多いので
はないでしょうか。

高度経済成長、手厚い行政サービスなどの結果、団塊世代から上の人たちは
平均して多くの個人資産を有することになりました。
しかしその年代は、困ったことに「投資」について全くといっていいほど学習して
いない年代でもあります。

ではどのような形でこれを実現するか、ですが、私が考えているくらいですから
すでにいくつかの提言がなされていることでしょう。
「投資」ですから「リターン」がなくてはなりませんが、21世紀を生きる日本人に
“大きなリターン”がある、と確信しています。

必要以上に死蔵されたまま、減価していく高齢者世代の蓄えを、もっと積極的に
「日本」のために活かしていくような政治が行われるとよいのですが。

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テーマが大きすぎましたが、新年だからでしょうか。番組が終わったあとこんなこと
を考えてしまいました。

横山国男

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2007年11月22日(木)更新

【明大生との毎週一問百答・番外編】一社員に戻って、誰かの下で働きたいと感じるか。

<ご質問>

ふといち社員に戻って、「誰かの下で働きたい」と感じることはありますか
                 <東洋大学経営学部 渡辺麻貴さんから>


今日は第4回のオフ会ですね。一度参加してみたいような怖いような・・。
渡辺さんのご質問を考えていたら、ふと誰かは“私”で「私の下で一社員として働
きたいか」と考えてしまいました。

<お答え>
・・・・・・・・ウーン、答える勇気というか自信がありません。
(少しはいいところもある、と思うんですが。そう思わなければ社長なんかやって
られませんよね)

横山国男

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2007年11月20日(火)更新

創立30周年を迎えられるのは2%。

当社は創業からでは31年、会社創立からは来年12月で30周年ということになり
ます。設立時、零細企業にしては、当初から資本金を1000万、監査役には
公認会計士に就任していただいて,体裁だけは「立派すぎ」という人もいました。

血の滲むようなとか、苦節○○年とかもあまり経験せず、本当にお得意先に恵ま
れ、運よく続けられたものと従業員や周囲に感謝しておりますが、又聞きの情報で
すが,こういうデータがあります。

“日本には230万から250万の企業があり、そのうち80万社は幽霊企業だそう。
実質150万~170万社で、そのうち税金を払っている黒字企業は2万社しかない。
これは「船井総研」のデータだそうですが、さらに年間に起業するのは、約8万社、
そのうち10周年を迎えられるのは3.6%、創立30周年を迎えることが出来るの
は2.0%。 同様50周年は0.7%、100周年ともなると0.03%” だそうです。

「そうか、30年前起業した100社の内98社はもうないのか」という感慨も少し覚え
て、あらためて北陸で30社ほどあった同業者のことを考えると、4~5社になって
いるので、よく生き残ってきたな、とは思います。

もし(どなたも興味はないでしょうが)生き残ってきた秘訣を一つ挙げるとしたら、
と聞かれたら、「時代への好奇心」でしょうか。

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もう一つ「80万社の幽霊企業」について。

今日、数年間「休眠」としていた、別法人の「有限会社」の清算手続きが全て終了、
税務書類を会計士に提出してもらい、県と市への「清算確定申告」をするための
セップもいただきました。

「会社を整理するのは大変だよ」と友人から聞いていましたが、実際、時間も費用
も想像以上にかかりました。資本金1円から株式会社の設立ができるようになり
ましたが、解散や清算のことが設立時どれだけ頭にあるか、またこのような煩雑
で、費用もかかるため放置されているのが「80万社の幽霊企業」を生んでいる
のではないか、と思いました。

倒産や破産の場合、「法的に清算」されてしまいますが、後継しないまま、ただ
看板を下ろし、シャッターを閉めても「会社を整理」したことにはなりません。

税務当局も「幽霊企業」の実態を掴めず、毎年確定申告の用紙を送ったり、管理
に頭が痛くなってきているとみえて、私の場合は「減免措置」がしてありましたが、
それでも税務署より何度か「きちんとしてほしい」との要請みたいなものがありま
した。

幸い、出資金の範囲内で整理ができましたが、これが債務超過などになっている
と、税理士ではなく弁護士を入れての「特別清算」ということになるそうで、
費用も150万~200万円もかかるケースもあるとか。
(税理士との雑談で出た話ですので、正確ではないかも知れないことをお断りして
おきます)

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いずれ事業を引き継ぐにあたって、できればスッキリしておきたいと思い、手続き
をしましたが、数年前の会社設立の法律改正の際、同時に「幽霊法人」の整理を
あまり負担の無い形で思い切ってやるべきだったのではないか、と思いました。

同様に、銀行の「幽霊口座」なども膨大なデータ量を占め、管理するにはかなり
コストがかかっているようですから、一旦整理して、その後は「口座維持手数料」
制度を設ければ、もう少し「預金金利」も高くしていただけるのではないか、と
考えたりします。

横山国男

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