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2008年10月10日(金)更新

母校(高校)からノーベル賞受賞者が出ると

福井市の名誉市民である南部陽一郎さんが、ノーベル物理学賞を受賞された
ニュースは、他の地方都市同様、ちょっと疲弊感の漂う昨今のわが町に明るい
話題をもたらしました。地元紙も連日関連記事を載せています。

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1901年から始まったノーベル賞は、2007年までに777名の個人、20の組織
に与えられています。
うち日本人の受賞は今年の4名を入れて、物理学賞7名、化学賞5名、生理学・
医学賞1名、文学賞2名、平和賞1名の16名です。(経済学賞は0)。
ただし南部さんは米国国籍をとられています。
 (また87歳の南部さんは最高齢受賞者のお一人です)。

米国国籍といえば、国別ではやはりアメリカがすごく、300名を超えていますから、
超大国(だった?)の面目躍如、世界中の優秀な学者にすぐれた研究の環境を
提供してきた成果と言えるのではないかと思います。(この項Wikipedia参考)

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ところで、南部さんは旧制福井中学(藩校明道館=現県立藤島高校)の卒業生。
うちの小4の孫が「お母さんが卒業した学校だって言ってた」と、先日話してくれた
のは、きっとその話題が出たのでしょう。
私の卒業した工業高校も私が入学した年から分離しましたが、2,3年生はこの
学校の工業科に通っていましたので、校史に含まれています。

確かに、全国数千の高校の中で、16名しかいないノーベル賞受賞者の卒業生が
いるのは誇らしいことに違いありません。昔なら“提灯行列”ものかも。
県内有数の進学校ですが、娘は美大へいった変わり種。補修も受けられず、金沢
の画塾へ一人通っていたことが昨日のことのように思い出されます。

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昨日、二人の孫(9才と5才)に手紙を書きました。それは今年の夏休みに二人を
連れ、カナイと4人、シカゴ・ボストンを在米の次女夫婦とともに旅したことについて
です。

南部さんはシカゴ大学、下村さんはボストン大学のそれぞれ名誉教授。
偶然ですが「お前たちが行った所で研究をしている偉い先生だよ。勉強しなきゃ」
と冗談半分にハッパをかける文章を書いて「話してやって」と娘に渡しました。

夏休み中のMITやハーバードのキャンパスにも行きました。
何もわからないでしょう。「古いね、きれいだけど」くらいです。
でもそれでいいのです。世界は広い、勉強している人がたくさんいるんだ、と
どこか頭の片隅に残ってくれれば・・が私の目的でしたから。

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それにしても、学問とか研究とかのモチベーションになっているのは「夢」とか
「ロマン」なんだなあ、とあらためて思いました。
南部さんはインタビューで、何度も、少年時代福井の野山を駆け回ったことを話さ
れているのも印象的でした。

「好き」がキーワード。
文化勲章を受章した福井出身の白川静さん(文字学)のエピソードに
 「あ、そろそろ昼飯食いに行かなきゃ」と思って窓の外を見ると、真っ暗だった、
なんて話も心に残っています。

邱永漢さん(Qさん)も言ってました。「一日に30回も時計を見るようじゃ、
 今の仕事で成功はおぼつかない」と。

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 ところで、我が家の未来のノーベル賞候補2名はどうしているかな、と覗くと、
「ヨシッ、コイツーゥ、イケ~ッ、ヤッタ~~」と、30分だけ許されているDS(ゲーム)
に身も心も奪われている真っ最中。

・・・これじゃ「ノーベル賞」どころか「脳減る症」になりかねないナ。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
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2008年10月07日(火)更新

反省猿「次郎」クン来社。

先週の金曜日(3日)、わが社に「三代目次郎」と師匠の村崎太郎さん、スタッフ、
それに地元TV局(福井テレビ=フジ系列)の関係者など14名が来社されました。

福井TVでは、毎年秋の一日「トントン祭り」という、家族向けの大きなイベントを
開催しています。
 今年は「太郎・次郎」のコンビを招き、10月5日(日)に開催となりました。
「三代目次郎」クンが福井県若狭町生まれで10才になることもあって、里帰り
公演を機に地場産業の繊維・織物を使って「衣装」を作ることになったのです。

制作会社がネットで検索したら、わが社の「よさこい衣装」がトップページに出て
きたので、ぜひ、ということのようです。何度か打ち合わせにも見えました。

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動物をコマーシャルに使ったものの中で、出色はご存じ「ウオークマン」のお猿
さんでしょう。 (’87年 初代チョロ松。周防猿まわしの会所属)。
ウオークマンを手に持ち、イヤホーンを耳に、静かに目をつむったチョロ松の
深遠な表情は、澄み切った背景とともに、名優もかなわない見事な画面で印象
的でした。 CM史上に残る名作の一本ではないでしょうか。

 太郎さんは’80年に先代次郎とコンビを組んで、猿まわしを復興させました。
その後(株)太郎倶楽部を発足、山口県光市の放浪芸だった「周防猿まわし」を
国内はもちろん、アメリカや中国公演まで成功させ、メジャーにした功績者です。

二代目ゆずりの「反省ポーズ」とともに、三代目次郎クンは、太郎さんと絶妙な
「オリジナル漫才」を、そしてダイナミックなパフォーマンスで大人も子供も魅了
してきたのです。5日は衣装制作者として、娘たちも会場へいったようですが、
暑さとライトの熱で次郎クンはちょっとバテ気味だったとか。

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衣裳はTVで見ていただくとして、番外で太郎さん・次郎さんに当社が記念に作って
プレゼントしたのが、一品もののオリジナルT。(デザイン=書は吉川壽一さん、
グラフィックスは当社専務の浜本)。太郎さんやスタッフの皆さんにも喜んでいた
だけたようです。

太郎さん・次郎クンのオリジナルT

そのほか、“衣装制作の過程を追う”として、当社のシルクスクリーン製版工程や、
インクジェットによるオリジナル1枚製作のTシャツプリントの現場も撮影されました。
13日(月)、20日(月)2回にわたり、福井TV(12CH)夜7時30分からの
「ふくい浪漫 い~ざぁ・ええDay」のなかで、一部紹介されることになるようです。
 (他日KBS京都、神戸サンTVでも放映されると聞きました。)

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猿は神社と縁が深く、馬(神馬)の守り神だそうです。そういえば子供の頃神社の
お祭りに上がる大きな”幟(のぼり)”の下端に、赤い布で作った「お猿のぬい
 ぐるみ」が結わえられていたのを思い出しました。
間もなく誕生日を迎える午年生まれの私には、思いがけない「お猿さん」の来訪
でハッピーな気分の秋の一日でした。

*当日太郎さんとチビ(太陽クン=四代目次郎候補?)と当社スタッフとの記念写真。

太郎さん、チビと共に記念撮影


横山国男

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2008年09月08日(月)更新

「大統領選」と「首相選」・・あまりの違いに。

民主主義を守る、人権を守る、そのほかいろいろの理由をつけて(自国の)、世界
のあちらこちらで紛争に介入したり、時には大きな犠牲を払う結果になろうとも、
大国の面子にこだわっているように見える米国。

私のような普通の日本人から見ても、昔憧れたような国ではなくなったような気が
しますが、それでも大したものと思う一つは「アメリカ大統領選挙」です。
民主、共和両党のまず候補者指名を得るための、長い期間、広い国土での活動
に驚かされますし、その間、国民の関心はいやが上にも盛り上がります。

大統領に選ばれるまでの仕組みは結構複雑なようですが、それでも両党とも候補
者が決定し、副大統領の指名も終わりました。
正副候補者本人はもとより、家族のプライバシーまで白日のもとにさらされ、とても
ではないですが、並みの神経ではもたないだろうとさえ思わされます。

しかし、これが大統領になるための試練であり、選挙戦を通じてあらゆる問題に
対する解答を用意し、相手陣営からの攻撃に耐え、時には切り返していくことで
成長し、言葉を選ぶことや演説もうまくなり、何より多くの支持者と世界のメディア
を前に何度も「自分こそ大統領にふさわしい」と繰り返すうち、「覚悟と確信」に満ち
た、大統領に「成って」いくのでしょう。

「アメリカ合衆国」の素晴らしい点の一つだと思います。

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政治に詳しくないですが、一日本国民として考えても、最高責任者「日本の首相」
が選ばれる際、「禅譲」とか「密室での決定」とか、時には「棚ぼた」などと評され
るのは本当に違和感があります。マスコミなどにも責任があるような気もしますが、
真剣に国の将来を考えてこなかったと思われる、多くの我々国民の責任が一番
大きいのではないかと思うと同時に、山積する問題を前に、「逃亡」するくらいなら
初めから引き受けるべきではないのでは、と彼我の「覚悟」の違いに暗澹とします。

この7~8年の間に、何度か台湾へ旅行するうち、現地旅行会社のKさんという人
と仲良くなりました。敬虔なクリスチャンで台湾でも有名な大学を卒業したインテリ
でもあります。
バスの中で、自身の軍隊の経験(台湾には徴兵制があります)をユーモアを交えて
 話してくれましたが、驚いたのは台湾には「米軍基地」はありません、という一言。

横にいた初めて同行した私の友人が、「日本は米軍基地だらけ、どっちが立派な
独立国かわからんね」と言われたのが印象的でした。こんなことも知らなかった私
のような者が多ければ「立派な国家」になりようがありません。

「二度と刃向わぬよう」・・その恐怖から徹底的に日本的なるものを解体し、制度を
作り変えた占領政策でしたが、「大統領制度」を持ち込まなかったのにはどんな
理由があったのでしょうか。天皇を象徴としての元首として残す決定と何か関係が
あったのか、情報公開が進んでいますので、解かる日がくるのかも知れません。

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翻って、平たく言えば「首相」とは、一家で言えば「お父さん」。会社で言えば「社長」。
( ウーン、責任重いですナ。)
首相ともあれば、あらゆることにおいて「私」はあとまわし、「公」に身も心も捧げる
覚悟でその重責を果たしてこそ「国父」という言葉もある所以でしょう。

辞意を表明して数日もたたないうち、奥様とデパートに買い物に行き、帰りは高級
中華料理店に入る、あるいはその前の首相だった人もいろいろな場所で、今更の
「持論」をお話になっているのをネットなどで見聞きすると、まだまだ余力があった
のでは・・と、つい考えたくなるこの頃です。

中小零細企業で「どなたか適任の方にあとはよろしく」なんて言えたらこんなに楽
なことはありません。

横山国男

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2008年09月01日(月)更新

「耐震補強」は人間にこそ必要と思いますが。

今日は「防災の日」ということで、福田総理も朝早くから「東南海大地震」が発生した
との想定訓練で陣頭指揮をされていたようです。

昭和23年の6月に発生した「福井地震」は、「関東」「阪神淡路」と並ぶ大地震で
M7.1、死者・行方不明者3769名、負傷者2万2200名余、全壊3万6千、半壊
1万2千、焼失家屋3千8百余という大災害でした。(福井・石川の一部、の合計)

当時私は小学校へ入る1年前でしたが、夕方の4時過ぎ、ゴーッという不気味な
地鳴りというか轟音に続いて、家々からものすごい勢いで人が飛び出してくるのを
近くの原っぱで目撃しました。もちろん地面はユサユサ揺れていたはずですが、
裏山から飛び立った夥しい数のカラスや他の鳥、倒壊する家から上がる土煙り
などで、あたりが暗くなった映像の方が体感より記憶に強く焼き付いています。

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先日も東京へ行きましたが、いつも思うことは「今、ここで直下型の大地震が発生
したら」ということです。福井地震を身をもって経験している者としては、そのハンパ
でない恐怖は一生消えませんから、いろいろ「危ないな」と思うことが目につきます。
(逆に揺れ方でこの地震は大したことはない、という判断もできます)

密集している家屋や狭い道路、その上をまたぐ首都高、すし詰めの電車などなど
想像するだけで恐怖ですが、それより人々の服装が非常に気になります。

男性はともかく、女性のほとんどは夏の時季なら薄い衣服、肩はほとんど出ていま
すし、なにより履物を見ると華奢なミュールとかサンダル、細くて高いヒールなどは
普通に歩いている姿でも危なっかしく、今大地震がきたら、と想像するだけで動悸
が高まる気がするのです。

建物から降ってくるガラスの破片や、看板類、火災が発生すれば一体どうやって身
を守るのでしょうか。裸足で家までたどり着けるとは到底思えません。

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こんな話を一杯飲みながら東京の友人たちにぶつけて「何か準備してる?」と聞く
と、大概の返事は「考えないことにしてる」です。

横山国男

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2008年08月27日(水)更新

ブログは追い詰める・・「池田信夫blog」

今日27日の早朝、いつも読ませてもらっているブログの一つ「池田信夫blog」
開けてビックリ。

5年間で4820万円の事務所経費計上で話題になっている、太田誠一農相の秘書
官(中里浩氏)の自宅は池田教授のお隣で、しかも大家さんだそうで、昨日は
新聞、テレビが12社も殺到して驚いた、と書かれています。

寄せられたコメントによると、夜にはTVで池田教授への取材も放送されたようです
が、ブログには『太田氏側は「活動の主たる担当者である秘書官の自宅を事務所
 とした」と説明しているそうだ。しかし私は隣に7年間住んでいるが、この家で
政治活動が行われている形跡(ポスターなど)を見たことがない。そもそも家族
以外の人がこの家に出入りしたのを一度もみたことがない。』と書かれています。

また『そもそも大家さんが議員秘書だったというのが驚きだ。園芸が好きで、よく
 週末には庭いじりをしており、あいさつしていたから、普通のサラリーマンだと思
 っていた。』(後略)

すごいな、と思ったのは、『必要なら国会で証言してもいい。私の印象では、中里
秘書官の自宅が「幽霊事務所」だったことは間違いない。』と述べておられること
です。

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この「経営者会報ブログ」のカテゴリーには「政治」という項目はありません。第一
私は全く政治や選挙に関与したことがなく、白状しますと投票をサボッたこともある
のですが、それは日本の政治、政治家に絶望に近いものを感じていること、私の
仕事が公共事業、関係省庁などというところとは全く縁がないことにもあるのかも
知れません。

「池田信夫blog」をよく読むのは、タイトルにあるように教授がITと経済学を専門
とされ、時に非常に高度で専門外の私には理解できないことも多いのですが、
何より「恐れずにものを言われる痛快さ」にあります。

ご近所どころかお隣さん、しかも大家さんともなれば、凶悪事件ではありませんの
で、もしマスコミなどの取材を受けるようなことがあれば、私などは、逃げるか適当
な当たり障りのない発言をしてしまいそうです。

教授はご自身の意見をきちんとお話になり、国会で証言してもよい、とまでお話に
なったようですが、ブログの日頃の論調に違わず、「言行一致」の人、サムライを
みたような気がしました。

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太田農相には「やかましい消費者」どころでない、とんでもない強敵が現れたので
はないでしょうか。
「Googleで私の名前を検索すると130万件も出てくる」(池田教授ご自身の弁)に
加え、霞が関、政治家、通信、放送などの関係者のかなりの人が、教授のブログ
を読んでおられるようですから、またしても農相は絶体絶命のような気がします。

横山国男

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