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2009年02月13日(金)更新

意外と好評なんだそうです=「逆チョコ」。

明日2月14日は「バレンタインデー」。土曜日なのでこの際「義理チョコ」は無しに、
とチャッカリ考えるのかと思ったら「義理」は意外と根強いんだそうです。

「恋人たちの愛の誓いの日」とされ、世界各地で様々な祝い方があるそうですが、
ヨーロッパなどでは、男性、女性の別なく、花やケーキ、カードなどを贈り合うそう。
日本に見られるようなホワイトデーのような習慣はあまりないようです。

先日「繊研新聞」に<バレンタインデー 今年の消費動向を読む>という記事が
ありました。マーケティング会社が調査した今年の「バレンタインデー事情」で興味
を引いた記述を二つほど転載させていただきます。

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「逆チョコ」という言葉があることを知りませんでした。(私)

『森永製菓が行った「男と女のバレンタイン意識調査」では、話題の「逆チョコ」市場
が盛り上がり、ボーダーレス化が見られた。10~50代の男女各400人を調査。
「欲しいと言われればチョコを贈る」と答えた男性は90.8%に上った。
意識としても「男があげても良いと思う」は7割と、逆チョコに違和感はないようだ。
そこに込める気持ちは「感謝」61%、「友情」40%、「シャレ」27%、「愛情」25%
が上位。贈る相手は会社員の65%が「妻」、学生は56%が「学校の女性友達」で、
「彼女」の40%を上回った。
 女性も「逆チョコ」を好意的に受け止めている。98%が「もらったらうれしい」と
回答し、逆チョコ男性を「気が利いている」67%、「すてき」44%、「紳士だ」17%
と評価する。くれた男性を「異性として意識する」は8割近く、逆チョコ男性のネーミ
ングでは「チョコメン」が一番だった。
逆チョコの予算は「本命(女性)」は平均1672円、「義理」600円。本来の女性が
男性にプレゼントする場合では本命1714円、義理542円と若干の差があった』。

冒頭の根強い「義理」については、

『バレンタインデーにチョコをあげる「予定がある」と答えたのは、「義理」70.8%、
「本命」49.2%と義理が根強く、イベント化が目立つ。それは「バレンタインデーを
どう思うか」との結果にも表れ、「イベントとしてはアリだと思う」が57.5%と過半数
を上回った。そこに「毎年楽しみにしている」10.0%を加えると約7割がイベントと
して好意的。逆に「正直、結構、面倒」「なければいい」は約4人に1人。無関心派
を加えると3割になる』。

他にも「草食系の増殖」とか「20代はおウチ派」だとかの面白い調査分析があり
ますが、総じて チョコ=「感謝を込めた季節のギフト」に定着が最近の我が国の
「セントバレンタインデー事情」と理解してよいようです。

ホワイトデーに頭を悩ませなくてもよくなるかも知れませんね。

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ところで、日本の「バレンタインデーにチョコを贈る」というイベントを考えだしたのは
「メリーチョコレートカムパニー」の原社長さんであることはあまりに有名です。

始まりの1958年(昭和33年)のフエアの売り上げはたった170円(3枚のチョコ)
だったと、この「経営者会報事務局ブログ(昨年の1月19日号)」に、ITをいち早く
利用して高収益企業にした原さんへの取材の記事も載っています。

滅多に「講演会」というものには行かない私が、10年以上も前、お話をうかがって
「情報化時代」の幕開けを強く実感させていただいた恩人の一人とも言える方でした。
その「メリーチョコレートカムパニー」が、ロッテホールディングスに全株買収され、
原社長さんも退かれたという、昨年末のニュースは衝撃的でした。
家族経営の理念のもと、あれほどの超優良企業であられたのに。
原因は巨額のデリバティブ取引の損失とか。誰もが予想しえなかった「金融崩壊」、
本当に経営とは一寸先は闇、何が起こるか分かりませんね。

なにはともあれ、お元気であられることを念じるばかりです。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
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2009年01月12日(月)更新

「学問」と「勉強」の違い・・成人式に思う。

昨日11日(日)に成人式をした地域もあったようです。私などにはもう半世紀近く
前の遠い出来事。

郷土福井の幕末の傑物、橋本左内がなんと15歳で記した「啓発録」という決意文
があり、成人式が話題になるとき、時々引き合いに出されます。
昨夜、初めて読んでみました。(ネットにあります) 言われているように昔の人は
15歳でも大人だったなあ、という感想ですが、「若きサナイの悩み」も垣間見えて
微笑ましい部分もありました。

生家は藩医だったようですから、本などもたくさん読める環境にあり、時代は幕藩
体制が揺らいで、勤皇の志士なども越前(藩主=松平春嶽)に盛んに出入りした
時季ですから、少年左内も政治に強くかかわりたい、そのためには猛烈に勉学に
励まなければ、と思ったに違いありません。

固く心に誓ったことは、
1.稚心を去る。(何ごとによらず、子供っぽさを離れない内は発展しない)
2.振気。(気を奮い立たせる)
3.立志。(目的を定め、一生を無駄にするな)
4.勉学。(常に学問を専務とし、自己の心胆を練る)
5.朋友を択ぶ。(自分を成長させてくれる友を得る)
の5つで、( )内は私の一部意訳ですが、15歳にして立派なものです。

全体に「君に忠、親に孝」が強烈に流れていますから、戦後教育でGHQが認める
はずがありません。戦後民主主義教育の第一波の私など読んでいなくても不思議
ではないわけです。

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ところで、「勉学」という言葉がでてきますが、「学問」と「勉強」とは違う、とフアンだ
った美貌の哲学者、故池田晶子さんがエピソードを書いている部分があります。
(考える日々=P50)
父も兄も東大卒だったけれど、自分とはなんの関係もないと思っている。とはいえ
身近で見ていて、明らかにこれは違うな、と気づいた。・・・・として、

『父親は旧制高校最後の世代にあたり、その流れで東大(帝大ていうんですか)、
に行った人である。対して、三つ違いの兄の方は、苛烈な受験戦争を勝ち抜いて
東大に入った人である。やはりこれはなんらか違うことのようだ。両者を見ていて、
私は思った。言ってみれば、父親は「学問」が好きなのだが、兄は「勉強」が好きな
のである。この二つは、以て非なるものである。・・・・」(後略)

苛烈な受験戦争を勝ち抜いて東大に入り、その後、政・官・財の中枢で日本を引っ
張ってきた人たちにも新しい価値観が必要とされる時代になったのかも知れません。

新成人の人たちには「啓発録」も一度読んでみてはいかがかと。

横山国男

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2008年11月06日(木)更新

合州国でない合衆国

「合州国」(がっしゅうこく)と書いても間違いではないんだそうですが、ユナイテッド
ステーツを「合衆国」と訳したのは名訳だと思います。
王国や公国、一番多いのは共和国のような気がしますが、「合衆国」というのは
アメリカだけです。

アメリカ合衆国第44代大統領は黒人で初めてのバラク・オバマ氏。以前ブログに
書きましたが、長い選挙戦を戦うのは大変ですが、しかしこの期間に候補者は
厳しく鍛えられて、大統領にふさわしい人物に「成る」という一面もあるように思い
ます。

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オバマ新大統領の国民や世界に向けたメッセージ、決意の表明はリンカーンや
ケネディと並ぶ素晴らしいものだと思いますが、それにしてもあらためて「言葉」
の持つ力、政治における「言葉」の重要性を認識させられます。

イラク戦争や世界金融危機、社会問題などに対して「私達はできる!」「チェンジ」
を掲げて当選しましたが、考えてみればそのどれもがアメリカ自身が原因となって
きた、引き起こしたとも言えるのではないでしょうか。

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私の年代では子供のころからアメリカは憧れの国でした。
太陽がサンサンと溢れる「アメリカンドリーム」の国でした。しかし長じて少しは
モノが見えるようになれば、自国はもちろん、どの国家も固有の問題を多く抱えて
いることが分かります。

今夏、短い旅行でしたが、最もアメリカの典型的な大都市といわれる「シカゴ」と、
建国時の面影を色濃く残す小都市「ボストン」の二つの都市を訪れました。
その気になって観察してみれば、現代アメリカの持つ様々な問題の一端も見えた
ように思いました。

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折しもサブプライム問題に端を発したアメリカの経済、モノつくりを止めてしまった
アメリカ最後の象徴とも言えるGMの危機、社会不安が増しているからでしょう
 か、「銃」の販売が異常に増えているそうです。

この背景に「アメリカ史上初めての黒人大統領誕生」という素晴らしい選択を
必ずしも喜んでいる人ばかりではない、と冷静に考えてみると、むしろ苦難は
始まったばかりなのかも知れません。

まずは4年の任期を無事に、そして本当の「改革」を進めてもらうことを、アメリカ
と関係の深い日本、それも片田舎の小さな企業の社長でも祈らずにはいられな
い、と今朝は思いました。


横山国男

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2008年10月24日(金)更新

書とは“打つ”こと。

「バァ~ンと打つ!」・・大河ドラマ「武蔵」の題字、タイトルロールでおなじみの
SYO ARTISTを名乗る書家吉川壽一さん(当社顧問)が好んで使うフレーズ
です。

先日、この秋の吉川壽一書展が、東京文京区の「講談社K-スクエア」と新宿
高野ビル「コニカミノルタプラザギャラリー」で開催されたので観に行きました。
この書展は久米さんのメルマガでもご紹介いただきました。ありがとうございます。

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物心ともに絶大な後援者だった、亡き吉田福井新聞社社長は、級友の吉川さん
を「書を床の間芸術から引きずり出した男」と評しました。

フランス、イタリア、中国、中東など、世界各地で「書パフォーマンス」を演じ、
また前衛書の大家として毎日書道の重鎮でもあるのですが、もちろん見事な楷・草・
行書、時には道元の和歌などを書した「かな」の美しさなどには心を奪われます。

あの大きな体をゆすって、時々当社にも現れますが、展覧会間近になると彼の
頭の中はアイデアで一杯、息せきって入ってこようとするので、私が「あっ、靴、
靴脱いで」と言いたくなるほど。岡本太郎を思い浮かべてしまいます。

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今回「講談社」の方は、「漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展」と題して、数多く
のマンガのタイトルを書いてきた経緯から、「ふきだし」をとりあげることに。

小は80c角から大は150c角の15枚の布地に、ふきだしの輪郭をとり、中には
「越前墨流し」の模様をインクジェットでカラー出力したものを当社で用意しました。
この模様の上に「書」した、相変わらずトンだ発想の作品です。

吉川壽一「風雲展」漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展 チラシ  吉川壽一「風雲展」漫画タイトルロゴ&ふきだし書の美展 使用グラフィックアート

その他には、当社で見つけた、「スクリーン印刷技術による視覚の位相」を利用
した3次元フレーム(額縁)に、書を入れた作品も数多く制作しました。

新しいモノを見つけると、子供のように喜々として「SYO」が発想されるようです。

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「無二なる風のSYO・書展」=コニカミノルタプラザ(新宿高野フルーツ4F)

「コニカミノルタ」さんは、数年前から、彼の活動を全面的にバックアップしてくれ
ています。デジタルを駆使する御商売なのですが、究極のアナログ=「書」に
並々ならぬご関心をお持ちのようで、文化支援の意味の他に、技術者の発想に
資すると思われているのかも知れません。

日本のハイテク製品が群を抜いている背景に、このようなバックグラウンドがある
ことを感じます。なにしろ米粒に1000字を書く人がいる国ですから。

さて、「書とは“打つ”こと」の例を。天井まででも足りないデッカイ紙は越前和紙
の第一人者、岩野平三郎さん(本年度伝統文化ポーラ賞受賞)の雲肌麻紙。

大書“心” 宮本武蔵あての手紙・扇面に

そのほか、「剣豪・武蔵」「書聖・王義之」「沙門・空海」「光明皇后」をはじめ、
「ミロ」「ピカソ」にまで、連綿と巻紙や扇面に“手紙”を書くという(!)、その誰も
思いつかない着想と流麗な書に、今回もまたあっと驚かされました。

(講談社会場は26日まで。コニカミノルタプラザ/ギャラリーB&Cは終了)。


横山国男


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2008年10月22日(水)更新

反省猿次郎くん来社・・TV放映から得たもの。

13日と20日、月曜日の夜7時30分から、福井テレビ(FNS系)の制作番組
「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」で、当社を紹介していただきました。

先日ブログにも書きましたが、「猿まわしの太郎さんと反省猿次郎君コンビ」が、
次郎クンのふるさと福井を訪ねる、というストーリーで、いわば「里帰り記念公演」。
10月3日は当社にも来訪し、賑やかでした。

5日日曜日は、満員のTV局のホールで、猿まわしの公演がありましたが、記念に
地元の企業で作ったモノを見せたいとのこと。

次郎クンがステージで使う階段付き跳び箱を永平寺町の家具製造業さんが、
当社は地場産業の合繊織物を加工してコンビの衣装を作ることに。

10月20日(月)19:30放送 福井テレビ(FNS系)制作「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」 10月20日(月)19:30放送 福井テレビ(FNS系)制作「福井浪漫 い~ざぁ・ええDay」

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当社は、主に北陸地区の染工場さん、プリント、シルク印刷業者さんへのシルク
 スクリーン版(型)を30年余り製作してきました。
この10年は、染織や縫製産業が雪崩をうって中国へ移行した時期。お客さんや
同業者さんの中に廃業した所も多く、つらい状況は今なお続いています。

私たちも必死で生き残りの道を模索してきました。その一つがよさこいや太鼓、
音楽グループの少人数のステージ衣装、ユニフォームなどをオーダーで制作
する仕事です。やってみて大変な仕事だとわかりましたが、今では、県外からの
ご注文も少しずつ増えてきました。

産地ですので、素材や加工技術は豊富です。また専務や私が長年テキスタイル
(染織)デザインに力を注いできました。多くの資料やそのノウハウで何ができるか、
何をすべきか夢を語ってきました。

 このような資料や加工手法の知識、人と設備の制作ネットワークが、当社の
「ワンストップビジネス」を可能にしていると思います。
 企画・デザインは当社がやりますが、CADによるパターン制作、豊富な素材の
提案・調達、縫製やプリント等協力工場を含めたあらゆる二次加工など、それも
ほとんど地場周辺で完結できる強みです。

また、了解を得て保存してきた過去の代表的な衣装なども、まだ少ないですが、
新しいヒントやインスピレーションを得るのに役立っていると思います。

このようなモノ作りは、TV局にとっても「絵になる」と思われたようです。
2回の30分番組の中で、かなりの時間、制作過程や作品、現場などをスタッフと
共に放映していただきました。 こちらからお礼を申し上げねばなりません。

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説明役で登場した長女が、私が指示したわけでもないのに、当社のPRは少しに
して、明るく産地全体のPRをしてくれたのをとても嬉しく思いました。
後継修行中の身ですが、私にとってこんなことも今回のイベントでは印象的でした。

専務や私の、どちらかといえば「仕事を遊んだ遺産」を楽しく引き継いで、スタッフ
全員で力を合わせて、これからも日本のモノ作りにがんばって欲しいと思いました。


横山国男

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