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2009年01月30日(金)更新

そもそもなんの為に「起業」したのか。

よく経営書などに、「企業は永続しなければならない」とか「永続することに価値が
ある」というような記述が見られますが、これを「金科玉条」にすることには個人的
にはあまり同意できません。

「経営者会報」の最新号に「老舗」の特集があり、興味深く読みましたが、伝統を
守りながら常に革新、チャレンジも続けてきたことがよくわかります。
要は企業の存続とは「必要とされている」から残るのであり、「必要」とされる企業
であり続ける努力を怠らなかったところが「老舗」として存在している、ということ
ではないでしょうか。

経済はグローバル化しています。ニーズ(必要)がない、ニーズを創りだせない
なら、ただ長くやることに意味はないと思います。
「存続」だけを願うのでは、そもそも何のために「起業」したのかというあの日の
熱い思いを、なぜ承継したいと思ったのかを、もう一度振り返ってみる“必要”が
あると思います。



横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2009年01月24日(土)更新

経営の神様

「経営の神様」と称された松下幸之助翁に次のような語録があるそうです。

『小さい会社の経営であれば、率先垂範して部下の人に命令しながらやることも
必要だけど、これが100人とか1000人とかになれば、それではあかんね。
心の底に「こうしてください、ああしてください」というような心持がないといかん。
これがさらに1万人、2万人となれば、「どうぞ頼みます」という心境に立たんと
駄目やな。 けど、もっと大きくなると、部下に対して「手を合わせて拝む」という
思いがないと、いかんということや。わしはそういう心で経営をやってきた』

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苦境に立つ日本、「神様」はどのようにご覧になっておられるでしょうか。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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【オーダー よさこい屋】
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2009年01月07日(水)更新

「君を幸せにする会社」お題について考える

ご質問5,6,7については、前回(5日)の拙ブログにありますので再記しませんが、
どのようなお話になるのか楽しみにしていると書きましたら、編集部の大西様から
メールを頂戴し「それではあなたはどう思われますか」と逆に振られてしまいました。

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久米さんでも「難問です」とおっしゃっているくらいですから、私に「解」があろうはず
もない、というのが正直なところです。
質問7.の最後に「そうした中で、自分の信念を貫くにはどうしたらよいと思われま
 すか」には、経営理念のようなものはあっても「自分の確固たる信念となっている
 のか」と問われればこれも自信がありません。

「答」になっていないと思いますが、現時点でつぎのような漠然とした思いを持って
おります。

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「文明」と「文化」の定義をよく知りませんが、ある人が「文明とは腹のたしになる
もの、文化とは心のたしになるもの」と言っておられてナルホドと思いました。
これがバランスを保っていれば「幸せ」を感じる人が多いのではないかと考えてい
るのですが、(すなわち「幸せと利益のバランスシート」とでも呼ぶべきか)どうやら
パンばかり作って無理やり口に押し込んだり、一方では固有の文化を大事にして
いる地域にはパンがいきわたらない、という矛盾が世界規模で起こっているのが
現状ではないか、なんて考えています。

ライオンは腹が満ちていれば目の前に鹿がいても襲いませんが、人間はあくなき
欲望で飽食の上に飽食を重ねているようなものです。
いよいよこの文明も終焉で、かっての「地域限定文明」とは違い「世界規模」です
から、人類の危機は本当に来るかも、とすら思わされます。

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「経済も文化の一つである」とは私も同感ですが、さすれば「文化力」を失えば
経済も失うということであり、「幸せ」も失うことになるのではないでしょうか。
「人はパンのみにて生くるにあらず」はイエス・キリストの言葉として有名で、それに
続く本義は宗教的言辞ですが、一般的には「それでは他に何が要るのか」という
問いになり、ここに「幸せとは」の答が人それぞれにあるような気がします。
パンを「マネー」と置き換えれば今の時代もっとわかりやすくなりますね。

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たまたま「生活文化関連分野」で仕事をしている私、当社としては文化が経済を
 振興すると考えて「アート・カンパニー」を目標に前進するほかありません。
そのためには「学習する組織だけが生き残る」(チーム・ダーウィンの著者、熊平
美香さんの言葉)を胸に、社員とともに勉強し、教養を少しでも身につけていくこと
が「お客様、社員、経営者の幸せ」につながると考えたいと思います。
・・・・・そういえばこれをこそ「信念」とするべきかもしれません。


横山国男

【染型工房 横山工藝】
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【オーダー よさこい屋】
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2009年01月05日(月)更新

「幸せと利益の関係」について。

前回3日のブログで、当社・私の目指すべき企業像みたいなことを書きました。
「アート・カンパニー」ですが、そのベースには「真善美」を置いて、と考えています。
しかし、そんなきれいごとでこの厳しい時代を生き抜いていけるのか、という不安
は勿論あります。

私は勝手に「真善美和」として座右の銘としていますが、「真善美」というメルマガ
を発行され、先日は「君を幸せにする会社」を上梓された公認会計士天野敦之さん
が、8日(木)明大での久米さんの講義のあと、「出版記念パーティー」をされる、と
久米さんのメルマガ「縁尋奇妙」1月4日号配信にありました。
(感動するご著作でした)。

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パーティーに先立ち、特別ゲストとして『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』の山田
真哉さん、『魔法の質問』のマツダヒロミさん、『会計のトリセツ』の望月実さんの
お三方が加わり、天野・久米両氏の5人で90分のトークセッションがあるとのこと。

縁者もこのセッションとパーティーには参加できるそうで、「ぜひ聴いてみたい」と
思いましたが、前日家族の中に病院で治療を受ける者がおり、2~3日は不自由
かなと思い、出席は断念しました。この内容が後日なんらかの形で配信されること
を切望しています。

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この特別授業を聴講したいのにはわけがあります。
天野さんが授業に先立ち、9つの質問を出されており、久米さんも「難しい問題。
 当日までに考えぬいて参りたい」と書かれています。

たとえば
質問5.私は人を幸せにする価値を生み出すからこそ、会社は利益を得られると
     考えていますが、世の中には、人の幸せを考えるよりも目先の利益、と
     いう会社が多いのが現実です。そうした会社が、今回の金融危機で行き
     詰まることによって、人を幸せにする価値を創造することの大切さに気づ
     く人が増えると思っていますが、この幸せと利益の関係について、ご意見
     を聞かせて下さい。
質問6.社員の幸せやお客様の幸せが大切だとわかっていても、これだけ経済が
     悪化してくると、そんな悠長なことは言っていられないという会社も多くなる
     と思います。私はこんなときだからこそ、従来の考え方を転換させなけれ
     ばならないと思いますが、この点についてはどう思われますか。
質問7.現代の社会では、人の幸せを考える余裕を与えず、奪い合いや競争を
     促進するような様々な仕組みや雰囲気がありますが、そうしたなかで自分
     の信念を貫くにはどうしたらいいでしょうか。

  などは久米講師をはじめ、皆さんがどう答えられるかを聴きたかったのです。

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「幸せ」という価値観は人それぞれかと思いますが、最近仕事で「幸せ」を感じた
事例があります。

当社のサイト「オーダーよさこい屋」で衣装を作られたお客様から、「感謝のメール、
お手紙」などをたくさん頂戴するようになって、一つひとつ読ませていただいて、
「ああ、ありがたいな」と思ったのです。
「お客様の声」としてサイトに載せるようになりましたが、それまで最終ユーザーの
声が届くような事業形態ではなかったので、本当に新鮮で感激しました。

これもまたPRと考えられなくもありませんが、そんなことより「この仕事をしてよか
った。力を与えてもらった」と心から思いました。

そんなワケで「幸せと利益の関係」について、信念と呼べるようなものを学べたら、
と考えたのです。

横山国男

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2008年12月27日(土)更新

創立30周年で考えたこと。

12月23日は30年前、法人登記をした日でした。その前2年ほど個人経営の時代
があるので、業歴は30年を超えているわけですが、創立30周年を迎えられる企業
は2%しかない(船井総研調べ)などと言われるとそれなりに感慨もあります。

実感としては2%でなく、20%くらいあるような気もするのですが、法人280万社、
年間7万社ほど出来て、8万社ほどが消えていくとか読んだ記憶がありますから、
きちんとした資料なのでしょう。

ちょっと何か記念に、と思わないでもなかったのですが、何もしないことにしました。
通過点と考えて、後継者をいかに育てていくか、長年お取引いただいたお客様の
お役にたてるようこれからも気を引き締めてもう少し頑張ろう、と思ったのです。 
 まず、何よりもこれまでご支援くださったお客様に感謝したい気持で一杯です。

そして感謝してもしきれないパートナーである家内とワインで乾杯だけしました。

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4年ほど前、娘夫婦が「あとを継ぐ」と約束したので、事業承継について真剣に
考えました。

後継者が経営を任され、一生懸命やってくれるとしても、時代や産業構造がこれ
から本当に変わり、経営環境の変化についていけないとすれば、冷静な判断で
「会社を閉めたほうがよいと思います」とだけ私に進言してくださいと、後継者と
同年代の新しい会計士さんにお願いしました。

関係先、従業員に迷惑がかかります。そして経営者自身も全てを失いますから、
ゾンビ企業などと言われないよう、しっかりやってもらいたいと、この30年の節目に
そして激動の2008年をわずかに残して、今考えています。

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今回の経営環境の激変で、緊急融資などの話が毎日のように報じられています。
しかし、これからの先行きを考えると融資の返済は容易ではない気がします。
在庫調整が済めば再び景気は上昇に転ずる、などの過去のパターンはもうない
のではないでしょうか。

今日の状況は、問題を先送りにしてきたツケが一気に噴出したとも言えます。
自社でも困難なことは先送りにしていることも多いものです。
若い人には、社会をつくりかえる大チャンスともいえるのですから、希望を持って
頑張って欲しいと思うのです。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
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