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2008年11月12日(水)更新

「デジタル一眼レフ講座」を受講する。(その1)

とうとう「写真」を習うことに。
とうとう、というのは、若い時から「写真」を趣味の一つにしてみたい、と考えていた
のですが、「これは嵌る(はまる)のでは」という予感があり、今すぐでない方がよい、
という自制に似た気持ちがあったからです。

自身の性格を考えると、腕も上がらないうちに、次々と最新のカメラや機材が欲し
くなり、あちこちへ仲間などと撮影に出かけたり、カメラ・写真談議にふける・・・よう
になるのではないか、と意識的に周辺に近寄らないようにしてきたようなところが
あります。

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中学生時代、同級のK君は親父さんのお下がりの、当時としては超高級品ドイツ
製の二眼レフ「ローライフレックス」で、公募写真展などで度々入賞していました。
我が家にはそんな余裕はありません。それでも母は結構無理したのでしょう、
「小西六=コニカの前身」の小さな蛇腹式の一応「写真機」を買ってくれました。
引き伸ばしをしなければ、切手よりすこし大きめのプリントでした。

給料をもらうようになって、最初に買ったカメラはニコンの中級人気機種だった
一眼レフ「ニコマート」、次が「ミノルタのα303si」、どちらも今でも持っていますが、
途中からコンパクトカメラ(バカチョンカメラ=嫌な通称です)となり、それは現在
のコンパクトデジカメまで続いてきました。

その代り、土門拳、入江泰吉、山岳写真家の白籏史郎などの写真集などを買った
り、写真展などもときどき覗いたりして慰めていました。

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ブログを書くようになって、写真が必要になりました。
若い経営者の方や、パソコンに慣れておられる方にはどうってことではないので
しょうが、UPする手続きは私にとってかなり面倒なものです。

それでも、だらだらと文章を書くより、一枚の写真で十分な説明になるケースは
多いものです。

さらにできれば写真そのものも「ほう」と思ってもらえるようなものであれば・・・
などと欲の深いことを考えてしまいます。
コンパクトカメラでとったあのどこまでも焦点が合ってしまう気持ち悪さ、「撮りたい
 もの」は何か、逆にいえば「いかに撮らないか」を学びたいと思ってきました。

そんなこともあり、地元新聞社さんが開校している「文化センター」の講座に、
「デジタル一眼レフ講座」(基礎編)があることを見つけました。
講師は旧知でゴルフ仲間のTさん。カメラ店経営というよりもデジタル処理が中心
のラボですが、10年前デジタル時代を予想して毎月東京に勉強に出かけたという
勉強家でもあります。

当時200万画素で驚いたのが、今は2000万画素という、Tさんも想像しなかった
進化だそうですが、フイルムカメラ時代が長かったTさんの講義は「写真」の歴史、
デジタル写真の課題にまで触れ、ワクワクする楽しい第1回の講座が昨夜始まり
ました。

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PHOTO GRAPHEをそのまま訳すれば「光画」。これを日本では「写真」と訳し
たために、日本人はその後この名称に“縛られる”ことになったそうです。

「真実を写し取る」のが写真・・・報道写真はともかく、写真もまた「光」を扱う芸術
の一つ、というアプローチにはならなかったうらみがある。したがって国際的に
評価される日本人の写真家は少なく、アラーキー(荒木経惟氏)くらいだそうで、
それでも作品の価格は400万円くらいの評価とか。

もう少しこの「講座」のことを書いてみたい、と思います。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/

2008年10月29日(水)更新

パレットを洗う。

今年の春から、念願かなって水彩画の教室に月2回通っています。生徒さんは
熟年ばかり12,3名ほどで、女性が少し多いかなという感じです。

先生は金沢美大卒のOさん。 50歳を超えられたくらいでしょうか。
水彩の命である「水」を生き物のように自在に操って、時々私の絵に2~3
筆手を入れてくださるだけで、「ウーム、ナルホド」と感心してしまいます。

何事もプロというのはすごいもんだな、とあらためて思う瞬間です。尊敬とともに
「少しでも近づきたい」、とその手元を食い入るように見つめることになります。

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ここのところ足のケガで休日も家にいるので、今まで描いた10枚ほどの絵を
見直し、自分なりに手直しをしてみました。
よくなったものもあり、描き込みすぎて汚くなったり、悪くなったものもあります。
「過ぎたるは・・・・」ですね。

パレットも一度洗って、絵の具の配列を考えてみました。
同系の濃淡順に、混じり合うと汚くなるものは上段と下段に分けて、色見本も
作ってみました。

この色はあれとこれをこんな感じに混ぜて・・イメージがわきやすくなったように
思います。

パレットとカラーカード

秋も深くなって、数少ない好天でもゴルフにも行けず、こんなことをしているより
他ありませんが、それでも思いがけない発見もあって、カナイが買ってきたバラ
を見て、ちょっと描きたくなりました。


横山国男

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2008年07月02日(水)更新

水を考え、絵を考える。

瑞々しい=みずみずしい・・・・大好きな言葉。夏の雨、濡れた街路樹、虹、夏の
果物などなど。

石油の次の戦略物資は「水」ともいわれますが、日本は世界でも稀な水道水を直
に飲める国(他は米国のみとか)。年間の降雨量が豊富で、山岳部に降った水は
伏流水となって、中には100年もかかって除染され、ミネラルをたっぷり含み私達
の体に到達します。古来より「水神様」を祀ってきたのも頷けます。

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深山幽谷のみならず、里山の谷あいにも発生する霧、もやなど日本は水蒸気の
満ちる国でもあります。この水蒸気がおぼろげとか、かすみゆくとかの風景、遠景
を演出するのは、湿度の低いヨーロッパの平野部などと決定的に違うところ。
黒、闇をバックに描きあげてゆくレンブラントなどの泰西名画と絹本や和紙の白を
ベースに、遠景はうすれぼかされる大観などの日本画を比べればわかりやすい、
とも聞きました。(ヴィラデスト農園主の玉村豊男さんから)

乾燥地ではどこまでも堅固でクリアーに見える、水の国日本では水蒸気で遠くは
霞んでしまう、絵画の世界でも「水」は大きく関係しているのですね。
ともあれ、日本は水を大事にし、経済効率で木材を大量に輸入して彼の地の砂漠
化を助長することを止め、世界第2位の緑被率(国土に占める森林の割合が日本
は67%で1位はフインランドの69%、中国は14%と聞いたことがあります)有効な
活用を再度考えれば、未来は明るいと思います。

スイスは水力発電だけで余剰電力を隣国に売っているようですし、ドイツでは最近
半世紀も前の水車発電装置を再び動かし始めたところが数千箇所もあるといいま
す。水こそはクリーンなエネルギーの源泉でもあります。
           地球にとっても人間にとっても。

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ところで水と言えばここのところズッと気になっている水彩画が2点。

マダガスカルの風景(1) マダガスカルの風景(2) 

「SEVEN SEAS」というラグジュアリー誌の中綴じの表紙になっていて、画家は
牧野伊三夫さんという人。雑誌「暮らしの手帖」、サントリーの機関紙「WHISKY
VOICE」などの表紙や挿絵でも高名な方のようです。(Wikipediaから)

パッと見たときから魅せられて、こんな水彩が描けたらと、たびたび取り出して眺
めています。真っ白な紙にシンプルに楽しそうに線と色が交じり合って、白くて強い
日差しの中、マダガスカルの街と人の風景が素敵です。

O先生(私の水彩画の先生)にお見せすると、「うーん、すごいね。なかなかこうは
描けないなあ。ヘタウマに見えるかもしれないけど全然違うんだよね」とか。
・・・・線が生きていて確信に満ちている、遊びはあるが無駄が無いんだそうです。
道の遠さを思い知らされますが、こちらはアマチュアなので、そこは気楽に水と絵
の具がつくる世界も出たとこ勝負、思いがけない喜びと失敗の一喜一憂が楽しい
のです。

若い時代、生活をするということの重みを軽くジャンプして、好きな道をまっしぐら
に進んだ人をこの歳になってうらやましく思いますが、サラリーマンから見れば私も
そう見えるかも知れません。

横山国男

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2008年06月02日(月)更新

アイビーゼラニューム

 アイビーゼラニューム  
   
写真の花は「アイビーゼラニューム」。 わが社の玄関先にあります。

この春まだ寒さが残る頃、よく行く花屋さんの温室の片隅に八角形をした大き目
の植木鉢があり(高さ40cくらい)、古色に見える素焼きの表面が気に入って
「これいくら?」と女主人に尋ねました。植わっているショボイ細かい葉っぱは
力なく、枯れかかっていましたので全く興味はありませんでした。

考えていたより安かったのですが、それならもう一声と強欲心が頭をもたげ、心とは
裏腹に「高いなァ、もうちょっとまけて」と言ってしまうのですから、品格とかいうもの
がありません。(結局まけてもらえませんでしたが)

「この葉っぱは何?」と聞きますと「ああ、アイビーですよ、5月ごろ一杯花が咲いて
きれいですよ」とのこと。
帰ってから、枯れた小さな葉っぱを取り除き、肥料の入った土を少し混ぜ込んで
いると、泥だらけの小さな「カード」が出てきました。

説明によると、「生育が非常に旺盛で、次々と花が上がる」「分枝がよく、株を覆う
ように花が咲く」「大柄な花立ちで、下葉の枯れ込みも少なく、豪華な草姿になる、
贈答などに最適」とあります。「ほう」と思いましたが、鉢が気に入って買ったので
そのうち何かに植え替えてやろうと考えていました。

連休のあと、たった一輪だけ先駆けのように花が咲き、可憐な色と形で「おや?」
と思わせましたが、20日もすぎたある朝、一斉にといってよいほど満開になりま
した。

来社される人の中には、「表の花、きれいですね。名前はなんというんですか?」
とお聞きになります。「アイビーゼラニュームです。ヨーロッパの方で交配育種され
た栄養系ゼラニュームの一種のようです」などと、説明カードに書いてあったことを
得意そうにお話しますが、実はこんなにきれいに咲くとは思っていなかったんです。

鉢にしか興味がなかったなんて、今は花に申し訳ない気がしているこのごろです。


横山国男

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2008年02月18日(月)更新

彫刻入門顛末記

昨年4月から6月までの毎週土曜日の午後、近くの県立美術館で彫刻の基礎講座
を受講したのですが、その成果作品の展覧会が、先週一週間同美術館で展示さ
れました。(他の洋画、日本画部門は高齢者を中心に受講者が多く、同様、基礎・
専門講座に分かれて指導を受けます。展覧会の入場者は1300名を超えたとの
ことでした)

若い女性像

簡単なスタイル画を描いたりする場合でも、人体の構造をしっかり理解していないと
違和感があるような気がして、一度彫刻の基礎を習いたいものと以前から考えてい
ました。

頭部は球体、首は円筒、胸部は台形などの矩体の変化形など、対象物をいくつか
の立方体として掴みながら再構成し、最初は粘土で造形していくのはなかなか
楽しい作業でしたが、最後の石膏像に近づくにつれ、心配していたとおり、
だんだんと「面白みのない」作品になったような気がします。

特に終盤、「石膏取り」「粘土出し」と進み、冷えた石膏をドライバーや鑿(のみ)で
「割り出す」作業は、初めての経験なので、鑿をつい強く押し、額に穴をあけてしま
う(修正は可能なのですが)失敗なども結構あり、落胆してしまいます。

クロッキーなどのように、素早く人物や動物をスケッチする場合でも、構造や機能を
理解していると、ポイントを押さえた「絵」になると思うからですが、まだまだ勉強が
必要のようです。専門講座までやってみるかな。

ご指導いただいたF先生ありがとうございました。

私の彫刻初体験の胸像は、恥ずかしいので誰にも案内しませんでした。家族だけ
が覗いたようです。

横山国男

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