大きくする 標準 小さくする

2008年04月17日(木)更新

当社で作った「加工指示書」を使ってもらう。

前回ブログで「指示書」無しに仕事をする危険性について書きましたが、当社では
お客様とお取引が始まる際に、お願いしていることが2つあります。
一つは「加工賃の支払いは現金(銀行振込み)で」二つ目は「当社が用意した
“加工指示書”を使用していただく」の2点です。

当社のお客さまの大半はリボンやテープ、タグ、Tシャツなどのカットソーへの
スクリーンプリント(印刷)をされる小型製版グループと服地、スポーツ衣料、傘、
産業資材など110C~150C幅46M(1反)の広幅織物へプリント加工される
大型のスクリーン捺染業者さんの2つに分かれますが、後者は事業規模も比較的
大きく「製版指示書」を必ずデザインとともに添付されてこられます。

前者のお客様のなかには、小規模でご家族中心でやられておられるところも多い
のですが、最初のころは皆さん商社や問屋さんの指示書をそのままコピーされて
もって来られたり、中にはチラシの裏に書いてこられるようなケース、ときには口頭
で依頼されて帰ってしまわれるお得意さまもありました。

当然「言った、言わない」「小さな色見本がついていたのに無くなっている」とか、
トラブルが起きるようになりましたので、当社が製版に必要とする「情報」のみを
書いていただく「製版指示書」を当社で用意し、お客さますべての社名ゴム印を作り
発注者欄に当社が捺してお渡しするシステムにしました。

年間数万円の印刷代がかかりますが、フオームが「統一」され、当社従業員にして
も劇的に作業がやりやすくなり、ミスも激減しました。
最初は面倒に思われたお客さまもおられたようですが、「お互いにスムースな作業
とミスを防ぐためにお願いします」と頭を下げ続けました。

スタートして30年近く、今ではすっかり定着していますが、お客さまの方でも
「指示書」(複写)の控えが「製版指示台帳」として残り、便利にお使いいただいて
いるようです。リピート加工でもすぐ元番号がわかりますし、改良点のメモなども
記入したり、サンプルを貼り付けたりされて今ではなくてはならないものになって
おられるようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「製版指示書」(お客様フオーム)がある場合でも、当社では自社の「指示書」を
作成します。自社の作業標準に合わせるためでもありますが、作業者自身が再度
自分の手で自社用の「作業指示書」を書くことは「確認」すること、ほかの方法を
「提案」することなどにつながるからです。
スポット(継続的なお客様でない)の場合でも、印刷色の違う「作業指示書」を作成
しています。ともかく「指示書」のない仕事はしてはいけない、と決めています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最近ではデザインの版下原稿のほとんどは「デジタル入稿」となりましたが、それで
もこの方式を守って「指示書」は作っています。(お客さまからはFAXにて)

アルファベット1字の間違いで数千メートルのテープやリボンがダメになってしまう
世界ですから、緊張感も大事ですが、それ以前にミスを誘発しないシステムにする
ことがお互いの利益につながると考えてきました。

お客さまとの協働がなかったら、これまでに膨大なクレーム、不信感を招いていた
ことは容易に想像できます。年間数万円の印刷代など安いものです。

横山国男

【染型工房 横山工藝】
http://www.ykougei.jp/
【オーダー よさこい屋】
http://www.yosakoiya.jp/
<<  2008年4月  >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30